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【PR】STRIXブランドから登場したサウンドカード3モデルを試す。最上位モデル「STRIX RAID DLX」の出力品質は競合を圧倒
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印刷2016/04/23 12:00

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【PR】STRIXブランドから登場したサウンドカード3モデルを試す。最上位モデル「STRIX RAID DLX」の出力品質は競合を圧倒

画像集 No.059のサムネイル画像 / 【PR】STRIXブランドから登場したサウンドカード3モデルを試す。最上位モデル「STRIX RAID DLX」の出力品質は競合を圧倒

STRIX RAID DLX,STRIX RAID PRO,STRIX SOAR(※写真はSTRIX RAID DLX)
メーカー:ASUSTeK Computer
テックウインド(販売代理店) info@tekwind.co.jp
STRIX RAID DLX実勢価格:2万6000〜2万8000円程度,STRIX RAID PRO実勢価格:1万7000〜1万8000円程度,STRIX SOAR実勢価格:1万4000〜1万5000円程度(※いずれも2016年4月23日現在)
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 2016年3月18日,ASUSTeK Computerのゲーマー向け製品ブランド「STRIX」から,同ブランド初となるPCI Express x1サウンドカード3製品「STRIX RAID DLX」「STRIX RAID PRO」「STRIX SOAR」が発売となった。

 ゲーマー向けマザーボードのオンボードサウンド出力品質向上や,Mini-ITXフォームファクタに代表されるゲームPCの小型化,そしてUSB接続型サウンドデバイスの高機能&高性能化もあって,ゲーム用途におけるカード型サウンドデバイスのニーズは,一昔前と比べると大きく低下している。
 結果として選択肢自体も減ってきており,それだけに,一挙3製品を投入してきたASUSの英断は価値があるわけだが,気になる性能のほうはどうだろうか? じっくり検証する機会が得られたので,今回はその結果をお届けしたい。


とにかく豪華なSTRIX RAID DLXのハードウェア


STRIXシリーズのイメージキャラクターであるフクロウをイメージしたカードデザインは共通。STRIX RAID DLXだけ,色がちょっと異なっている
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 まずは,最終的な音質傾向を決定する基板設計からチェックしてみよう。STRIXサウンドカードの3製品は,最上位のSTRIX RAID DLX――DLXの読みは「デラックス」――のみ特別な基板設計で,下位2モデルはそれと異なる共通の基板を採用するため,本稿ではSTRIX RAID DLXを中心に見ていきたいと思う。
 なお,製品名にチーム戦FPSやMMORPGでよく使われる「RAID」(襲撃)とある上位2モデルでは,手元で音量調整などを行える「コントロールボックス」が付属するのだが,このコントロールボックスについては後述する。

付属品比較。STRIX RAID DLX(左)とSTRIX RAID PRO(中央)にはコントロールボックスが付属する。STRIX SOAR(右)はカード単品だ
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 というわけでSTRIX RAID DLXだが,カバーを外すと,基板上にみっちりと部品が載っており,いかにもハイエンドの特別版といった雰囲気がある。

STRIX RAID DLXの本体カバーを外し,基板に寄ったところ
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CM6632AX。CM6632Aとの違いは公表されていない
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 搭載するサウンドチップはC-Media Electronics製の「CM6632AX」。筆者が調べた限り,CM6632AX自体のデータシートや製品情報は公開されていなかったが,似たような型番で,DSD(Direct Stream Digital,いわゆる“ハイレゾ”規格の1つ)に対応したUSB 2.0接続モデルとして採用例の多い「CM6632A」があるので,その派生モデルではなかろうか。

 PCI Express接続対応モデルなのかな……と思ってよく見ると,PCI Express x1エッジコネクタの近くにASMedia Technology製のUSB 3.0対応ホストコントローラ「ASM1042A」があるので,ひょっとするとCM6632AXは,CM6632AをUSB 3.0接続対応としたものなのかもしれない。いずれにせよ,定評あるCM6632A系のチップという理解で大丈夫だ。

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PCI Express x1エッジコネクタの近くに置いてあるASM1042A。USB 3.0対応のUSBホストコントローラである
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CM6632AXの隣りにあるEon Silicon Solution製のチップはCM6632AXのファームウェアを格納するフラッシュメモリだ。各種コーデック用のファームウェアや,USBベンダーおよびプロダクトID格納用となる

ES9016。小さいが,非常に重要なチップだ。量子化ビット数32bit,サンプリングレート384kHz対応である
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 音質を大きく左右するD/Aコンバータは,ESS Technology製の「ES9016 SABRE32 Ultra DAC」(型番:ES9016,以下型番表記)。最大8ch出力に対応し,チップレベルでのS/N比が124dB,全高調波歪(THD+N)−110dBというトップクラスのスペックを持つ製品だ。
 ハイエンドのプロオーディオ機器やリスニング用機器で必須となっている,ジッター(Jitter,時間軸方向に対する信号波形のゆらぎ,もしくはそれを起因とするノイズのこと)を“洗う”機能も搭載しており,実際に,数十万円クラスのマルチチャネルアンプ(≒AVアンプ)など,オーディオ機器での採用例が多い。そんな実績あるD/Aコンバータを,STRIX RAID DLXは搭載しているわけである。

 D/Aコンバータの先にあるアナログ段もチェックしておこう。
 上で示した基板全景で赤いブロック状のものが目に留まった人も多いと思うが,これらは独WIMA(ヴィマ)製のフィルムコンデンサである。ほとんど,ハイエンドオーディオ製品くらいでしか使われているのを見かけないものだ。
 外見から,おそらくポリプロピレンフィルムを用いたFKP2シリーズではないかと思われる。

 そんなWIMA製のコンデンサで囲まれているのは,National Semiconductor製の「LME49720NA」。2回路入りローノイズOPAMP(オペアンプ)である。こちらも定評あるものだが,8ピンDIPソケットに取り付けられているため,自己責任を覚悟すれば,他社製のOPAMPに変更することも可能だ。

PC関連製品での搭載例としては非常に珍しい,WIMA製のフィルムコンデンサ。それに囲まれるような格好で,ライン出力用と思われる3基のLME49720NAがDIPソケットに差さっている
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 そのほかの電解コンデンサは,ニチコン製で固められている。金と黒のタイプはオーディオ用のハイグレードコンデンサとして著名なMUSEシリーズ。青と黒のほうもオーディオ用として知られるKTシリーズである。

林立する電解コンデンサはニチコンのオーディオ用だ
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 回路面では,出力段にNational Semiconductor製のオーディオバッファ「LME49600」を搭載しているのもポイントとして挙げることができるだろう。
 LME49600はパワーアンプの電流増幅回路とバイアス回路を詰め込んだチップで,低インピーダンスのヘッドフォンを余裕をもってドライブできる能力を持っている。STRIX RAID DLXでは,前出のLME49720でLME49600をドライブし,両者で1つのヘッドフォンアンプ的に使っているというイメージでよさそうだ。

先ほど3基のLME49720はDIPソケットに差さっていると述べたが,ヘッドフォン出力用のLME49720は追加で基板に表面実装されていた。なお,LME49600の近くにはNECのロゴが入った白いボックス状の部品も見えるが,これはただのリレーである。出力の切り替えなどに使っているはずだ
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電源部のチップは不明なものが多く,詳細は分からないのだが,それだけに7805(※写真で6ピン電源コネクタの左と,CM6632AXの右上)の搭載は目を引く
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 電源まわりでは,ノイズが多いPCI Express x1スロットからの電源を嫌い6ピンの補助電源を採用しているのがトピックと言える。
 基板を見ただけだとヘッドフォンアンプの駆動電圧は不明だが,±12V以上の電圧で駆動しているはず。十分に余裕のある電圧で駆動し,かつ余裕のある電流増幅回路を持つヘッドフォンアンプによって,低インピーダンスから高インピーダンスまで幅広いヘッドフォンに対応できるようにしてあると考えていい。

 また,電源部には「7805」という通称で知られるシリーズレギュレータが2基見える。アナログ用かデジタル用かは分からないが,シリーズレギュレータで+5Vを供給しているようだ。スイッチングレギュレータより圧倒的にノイズが少ないシリーズレギュレータを採用するというところも,品質にこだわるがゆえなのだろう。

CS5381
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 なお,入力系では,A/DコンバータにCirrus Logic製の「CS5381」を搭載していた。チップレベルで120dBのS/N比を実現するという,定番製品だ。量子化ビット数24bit,サンプリングレート192kHz対応というスペックを持っている。


■下位2モデルもチェック


STRIX RAID PROとSTRIX SOARの基板デザインは共通
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 下位モデルの基板も見ておこう。
 搭載するサウンドチップや基本デザインは上位モデルとそれほど変わらないが,それだけに目を引くのが,STRIX RAID PROとSTRIX SOARでは,Texas Instruments製の「TPA6120A」でヘッドフォンアンプをまかなっている点だ。
 また,搭載するD/Aコンバータは,上位モデルと同じESS Technology製ながら,チップレベルのS/N比が120dB,全高調波歪(THD+N)−102dBという仕様の「SABRE Premier 8-channel Audio DAC」(型番:SABRE9006AS)に変わっている。こちらも,マルチチャネルアンプで採用例のある,歴としたオーディオ用D/Aコンバータだ。

STRIX RAID PROとSTRIX SOARの基板。部品点数が減り,WIMAのフィルムコンデンサもなくなったことで,ずいぶんとすっきりした。電源周りでは,±12Vのシリーズレギュレータ「7812」「7912」を搭載しているので,補助電源コネクタの+12Vから昇圧して,チャージポンプ回路で正負の電源を作ったうえで,シリーズレギュレータによって安定化しているのではなかろうか
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ヘッドフォンアンプはTPA6120A。とても広く使われているチップだ。標準搭載のOPAMPであるLME49720NAを交換可能なのは上位モデルと同じ
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D/Aコンバータは,ミドルクラスのオーディオ機器で採用例の多いSABRE9006AS。こちらも定評のある製品だ

STRIX RAID DLXと付属品。コントロールボックス用ケーブルと,ミニピン→光角形変換コネクタが製品ボックスに入っていた
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 最後に,接続インタフェースを確認しておきたい。
 STRIXサウンドカード3モデルで,外部接続インタフェースは完全に共通。物理的にはPC用として標準的な3.5mmミニピン×7という構成になっている。
 下の写真を見ると,3.5mmミニピン端子の1つだけ黒いことに気づくと思うが,これは前出のコントロールボックス用だ。残る6端子は,マイク/ライン入力とヘッドフォン出力,フロント2ch出力,リア2ch出力,センター&サブウーファ出力,サイドサラウンド2ch出力で,サイドサラウンド2ch出力はS/PDIF光デジタルサウンド出力と排他になっている。

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写真左から順に,マイク/ライン入力とヘッドフォン出力,フロント2ch出力,コントロールボックス接続端子を挟んでリア2ch出力,センター&サブウーファ出力,サイドサラウンド2ch出力兼S/PDIF出力というインタフェース構成である
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STRIX RAID DLXとSTRIX RAID PROに付属するコントロールボックスには,マイク入力とヘッドフォン出力を引き出せるようになっている。専用ケーブルのサウンドカード側接続端子は3.5mmミニピン×3という構成だ


専用ソフトウェア「Sonic Studio」はA-Voluteの技術を採用


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リンク先はSTRIX RAID DLXのサポートページだが,Sonic Studioは3製品で共通。インストール時にカードを自動的に認識する仕様だ
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ドライバソフトウェアのインストールを進めていくと,A-Volute製デバイスソフトウェアのインストール確認が入る
 STRIXサウンドカードを利用するには,ドライバソフトウェア「STRIX Sonic Studio」(以下,Sonic Studio)の導入が必要だ。今回はASUSのサポートページからテスト開始時の最新WHQL版となるバージョン1.0.9を入手して導入している(※βではバージョン1.1.2もあった)。

 このSonic Studioだが,インストールを進めていくと,その途中でWHQLドライバの発行元がA-Voluteであると分かる。

 A-Voluteと言われてもピンと来ないかもしれないけれども,「Nahimic」だとどうだろう?
 Nahimicは,MSIが同社のゲーマー向け製品ブランドで広く採用しているオーディオプロセッサスイート(≒サウンドエフェクト群)だが,Nahimicを開発したのがA-Voluteである。ASUSは明言していないものの,WHQLドライバの発行元がA-Voluteである以上,Sonic Studioが採用している技術は,Nahimicと比較的近いものである可能性が高い。MSIはA-Voluteの技術を展開するにあたってNahimicブランドを使ったが,ASUSは自社のSTRIXブランドを使っている,という理解でいいのではなかろうか。

 ともあれ,ドライバのインストールが完了すると,Sonic Studioはタスクトレイに常駐し,タスクバーからコントロールパネルを一発で開けるようになる。

Sonic Studioのコントロールパネル(=メイン画面)。ほぼすべての機能が1つのウインドウに収まっている
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 情報量が多くて圧倒されるかもしれないが,よく見ると左ペインと右ペインに分かれており,左はサウンド入出力関連,右上はオーディオプロセッサ――Sonic Studioは「オーディオエンハンスメント」と呼ぶ――関連と追加要素といった感じで分割されており,慣れると分かりやすい。

ヘッドフォンアイコンの上で右クリックすると,ヘッドフォンのインピーダンスに応じてゲインを3段階で変更できる
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 左の入出力関連は,上から順にサラウンド出力対応の音量メーター,ヘッドフォン/スピーカー出力切り替え機能,出力音量指定スライダー兼出力ミュート機能,ステレオ/サラウンド出力切り替え機能,ビットレートおよびサンプリングレート設定機能,マイク/ライン入力切り替え機能,入力音量指定スライダー兼入力ミュート機能兼モニタリング機能といった並びである。

「再生時の音量」のところにある歯車アイコンをクリックすると,各チャネルへの出力レベルの調整を行える。一方,「録画時の音量」にある歯車アイコンをクリックすると,「マイク/ライン入力レベルを入力音量指定スライダーで指定した音量」から,マイクとラインの入力レベルを相対的に独立して変更できる
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初期プロファイル一覧。それ以外のプロファイルは,[+]ボタンから追加したり,[ゴミ箱]ボタンから削除したり,2個の[雲]ボタンでエクスポートしたりインポートしたり,[リセット]ボタンで初期化したりできる
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 右ペインの設定でどういう効果が得られるかは後述するとして,ここでは機能の概要だけ押さえておこう。
 Sonic Studioで,出力系のプリセットは「プロファイル」として管理するようになっている。初期プロファイルは「Gaming」「Racing」「Flat」「FPS」など10種類で,ユーザー側でプロファイルを追加する場合は,以下のプロセッサを調整可能だ。

  • Equalizer:10バンドグラフィックイコライザ
  • Bass Boost:低音強調プロセッサ
  • Voice Clarity:ボーカル/ダイアログ(dialog,セリフ)強調プロセッサ
  • Compressor:ダイナミックレンジコントローラ
  • Virtual Surround:ヘッドフォン出力および2chスピーカー出力両対応のバーチャルサラウンドプロセッサ(※マルチチャネルスピーカー選択時は表示されない)
  • Upmix:マルチチャネル出力時のスピーカーモードでのみ有効なアップミックスプロセッサ(※ヘッドフォン出力および2chスピーカー選択時は表示されない)
  • Reverb:演算された疑似残響を付加するリバーブプロセッサ

EqualizerとReverbではそれ自体のプリセットを選択できる。前者は8種,後者は6種だ
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Virtual Surroundのプリセットは「Balanced」「Front-Panned」「Rear-Panned」の3つ。選択すると仮想スピーカーの配置が変わるので,どんなサラウンド構成になるのかイメージしやすい
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 入力系プロセッサは以下のとおり2つで,これらは,出力系プロセッサのプロファイルからは独立している。言い換えると,出力系プロセッサでどのプロファイルを選んだとしても,設定できる入力系プロセッサの組み合わせは1パターンだ。

  • Noise Gate:マイク入力時に,しゃべっていない時音を自動でミュートする「ノイズゲート」プロセッサ
  • Perfect Voice:Sonic Studio独自のマイク入力用プロセッサ。機能については後述したい

 右ペインにはもう2つ,「SONIC RADER PRO」と「STRIX RAID Mode」というボタンがあり,これらをクリックすると,新たに立ち上がるウインドウ内で,詳細な設定を行うことができる。

 前者から設定できる「Sonic Radar Pro」は,簡単に言うと,「ステレオまたはサラウンドで,いまどのチャネルでどれくらいの音量で出力されているかを視覚的に表示する機能」だ。専門用語で言い換えるなら,サラウンド対応のベクタースコープである。

 Sonic Rader Proはゲームのサラウンドサウンドに対応しており,有効化すると,サラウンド対応のベクタースコープが半透明で表示され,「音がどこで鳴っているか」を視覚的に把握できるようになる。

Sonic Rader Proを開くと表示される「表示する」タブ。Sonic Rader Proは,PCにインストールされたゲームアプリケーションを自動的に認識してくれるので,そのどれに対して適用するかをチェックボックスで選び,あとは透明度や大きさ,リマネシイ(反映時間の長短)を選べば,自動的に有効となる
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「コントロール」タブではSonic Rader Proの操作系ショートカット,「ゲームイコライザー」タブでは「どういう音に反応させるか」をそれぞれ設定できる。後者の「仕掛け時限爆弾」という訳語はご愛敬だが,「カウンタースト」(※ママ)という見切れ表示からすると,Counter-Strikeにおける爆弾の効果音ということなのだと思われる
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「Fallout 4」でSonic Rader Proを有効にしたところ。画面中央下にサラウンド対応のベクタースコープが表示される
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 まあなんというか「ザ・チート」という機能であって,これをオンライン対戦で使うのはやめたほうがいいというのが筆者の見解だ。ただ,「音がどこから鳴っているのかを聞き分ける練習用」の素材としては,非常に優れているのも確かである。
 オフラインモードでの練習用としては文句なしに有用なので,人に迷惑をかけない範囲で,ぜひ活用してみてほしいと思う。

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 もう1つの「STRIX RAID Mode」は,外付けコントロールボックスと関連した機能だ。
 コントロールボックスが搭載するプッシュボタン機能付きの大きなノブは,基本,プッシュボタンの短押しでヘッドフォン出力とスピーカー出力の切り替え,長押しで出力ミュートの切り替え,ノブの回転でそれぞれの出力音量調整という仕様になっているのだが,それとは別に用意された[RAID MODE]ボタンを押すと,プッシュボタン機能付きノブに,プルダウンメニューから以下の4機能中の1つを割り当てることができるようになっている。

  • 録画時の音量:ノブの回転で入力レベルを調整
  • Equalizer:ノブの押下でEqualizerの有効/無効切り替え
  • Bass Boost:ノブの押下でBass Boostの有効/無効切り替え&ノブの回転でレベル調整
  • Surround:ノブの押下でVirtual Surroundの有効/無効切り替え&ノブの回転でVirtual Surroundのプリセット変更

標準状態のコントロールボックス(左)と,RAID Mode有効時のコントロールボックス(右)。[RAID MODE]ボタンのLEDで有効/無効を確認できる
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24bit/192kHzアップサンプリングをゲームで活用可能! これは革命的だ


 製品紹介が思いの外長くなってしまったが,いよいよ出力波形のテストと実際の試聴によるテストを行っていこう。
 今回は,基本的にSTRIX RAID DLXでのテストを優先し,下位2モデルの話は最後に加えるというスタンスで進める。また,波形は,4Gamerのヘッドセットレビューでもお馴染み,榎本 涼氏の自宅スタジオに機材を持ち込んで,氏のアドバイスを受けながら測定していることもあらかじめお断りしておきたい。
 波形テストの見方は本文でも触れるが,基本的な話は解説ページを合わせて参照してもらえれば幸いだ。

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 というわけで,まずは非常に面白い仕様から。
 STRIXシリーズのサウンドカードは最大で24bit/192kHz出力が可能なのだが,ただ「できる」だけではなく,16bit/48kHzなどのようなゲームサウンドであっても,24bit/192kHzへ「アップサンプリング」して出力できるのである。
 しかもこの機能が,とくにSTRIX RAID DLXでは顕著に“効く”。「ある程度の品質を持ったヘッドフォンやスピーカーセットと組み合わせれば,確実に違いを聞き分けられる」勢いで効果があるのだ。

 音楽試聴の場合,「iTunes」だと効果は感じられないのだが,音質に定評のある「foobar2000」を用いると,192kHz設定時は44.1kHz設定時と比べて,重低音と超高音が明確に強く感じられ,24bit設定時は16bit設定時よりも広がりが明らかに増した。ちょっと驚きの結果であり,PC用サウンドカードとしてはトップクラスの音質を持っていると述べていいだろう。
 実際,測定した周波数特性でも,以下のとおり,顕著な違いが見られる。

16bit/44.1kHz設定時(上)と24bit/192kHz設定時(下)で波形を比較したもの。波形は緑がリファレンスで,橙がテスト結果となる。ご覧のとおり,30Hz付近は192kHz設定時のほうがわずかに強く,また22kHz以上も192kHzでは落ち込まない。44.1kHz設定時に位相ズレを起こすのに対し,192kHzでは問題ない点にも注目してほしい
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 計測結果だけ見ると位相ズレが気になる16bit/44.1kHz設定時だが,試聴印象は悪くないというか,実のところはかなりよい。超高域がなだらかに落ち込むので,落ち着いた音で音楽や映画,あるいはゲームのBGMを楽しみたいというときには,むしろこちらを積極的に選ぶといいだろう。
 では,ゲームで24bit/192kHzを選ぶ必要があるのかという話だが,結論から言うと「ある」。バーチャルサラウンドにおいて,人間の耳が「音がどこから鳴っているか」を認識するためには,超高域が極めて重要な成分となるのだが,そこが上の波形で示したとおり24kHz付近まで再生されるほうが当然有利だからだ。音質云々ではなく,「音を聞き取る」ためのアップサンプリングが可能というのは新しい。

 続いてはマルチチャネルサラウンド出力時のテストだ。テスト信号の再生に用いているSony Creative Software製ソフトウェア「Sound Forge 11」が6chまでの対応となるため,サイドサラウンドチャネルの測定は行えていない点はご了承を。
 ここではゲームサウンドを想定してSound Forge 11をDirectSoundモードとしたうえでテスト信号を再生し,レベルマッチングのためにRME製プリアンプ「QuadPre」を経由させてから,Mac Pro(2013)上のAvid製ソフトウェア「Pro Tools 12.4 Software」で録音,計測している。そのテスト結果は以下のとおりだ。

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サラウンドチャネルを24bit/192kHzモードで計測した結果。基本周波数特性は非常に優秀で,強いて言えば500Hzから1kHzの間,750Hz付近を中心に,リファレンスから乖離している程度だ。問題はむしろ位相で,いかにトップエンドのSABRE DACといえども,フロント2chと同じ性能というわけにはいかないことが分かる
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やはり24bit/192kHzモードで計測したセンター&サブウーファチャネル。こちらも周波数特性は優秀で,125Hzから250Hz付近がリファレンスからやや乖離しているのが気になる程度だ

 ぱっと見ると位相が問題だと思うかもしれないが,人間の耳の構造上,リアチャネルの位相ズレはほとんど問題にならない。またそもそもセンターおよびサブウーファは単体のモノラル出力となるため,位相云々はそもそも気にする必要すらない。
 今回は「Fallout 4」と「Tom Clancy's Rainbow Six: Siege」,そして「Project CARS」をプレイしたが,24bit/192kHzで超高域までしっかり再生できるおかげで,いずれも音場感はしっかりしており,ゲーム中の音源定位を細部まで把握できた。

 ただ,スピーカーでSTRIX RAID DLXの実力を把握するためには,正直,10kHz以上の帯域を確実に鳴らせる,少なくとも2桁万円クラスのスピーカーシステムが必要な印象もある。安価なマルチメディアスピーカーセットでは「アップサンプリングの効果が分からない」「音源の定位が分からない」ということは十分起こりうるので,ゲーム用途か否かに関わらず,基本的にはヘッドセットやヘッドフォンと組み合わせるべきだというのも,正直な感想だ。
 このクラスのサウンドカードを十分に活かし切るには、やはり再生装置も相応のものが必要だが,コスト的には,ヘッドセットやヘッドフォンのほうがまだハードルが低いので,できる限り低コストに理想のゲームサウンド環境を得たい場合は,まず,ヘッドセットやヘッドフォンに投資するのがいいだろう。

 STRIX RAID PROとSTRIX SOARの音質傾向については,試聴印象だけ述べておくが,D/Aコンバータも基板設計も異なるため,STRIX RAID DLXのような「アップサンプリングによる劇的な変化」はない。
 そのため,STRIX RAID DLXと比べてしまうと,さすがに無理があるという気はするのだが,ただ,同価格帯の競合製品と比べると,音質面で向こうがかわいそうになるくらいの違いはある。この点に価値を見出せるのであれば,STRIX RAID PROやSTRIX SOARも選択肢となるだろう。


出力系プロセッサの効果測定〜バーチャルサラウンドはしっかり機能


 STRIX RAID DLXで試したオーディオプロセッサのテスト結果も簡単にコメントしておきたい。Equalizerは好みの問題なので,Bass Boostから順に見ていくが,本プロセッサは,ヘッドフォン出力時とスピーカー出力時の両方で,しっかりとした効果があった。とくに低域よりも重低域のほうを強調しているようで,より高い周波数帯域に被るといった“副作用”もなく,素直に使える印象だ。

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 Voice Clarityも効果は高い。ただ,だからといってやりすぎると,マルチチャネルサラウンドのセンター成分だけが残って,サイド成分がどんどん聞こえなくなっていくので,適用量には注意が必要だ。
 Compressorはいわゆる「コンプレッサ」ではなく,ダイナミックイコライザのような印象で,有効化して強度を上げていくと,どんどん高域の強調が大きくなっていく。前述のとおり,24bit/192kHzのアップサンプリングでも高域は十分に再生されるので,通常は弄らなくてもよいように思うが,高域再生能力に難のあるスピーカーセットと組み合わせるときに有効化すると,よい結果が得られるかもしれない。

 最も気になるという読者が多いと思われるVirtual Surroundは,結論から言うと,ヘッドフォンでは「素直な効果で真後ろまできっちり回り込む」。スピーカーだと「派手さはないものの,ある程度まで後ろに回り込む効果アリ」といったところだ。

 ヘッドフォン用は,周波数特性を変えず,残響を付加しないという,いわゆるドライなタイプで,聞く限り,音量を上げたりもしていないようである。音場補正は前述のとおりプリセットで選ぶ方式で,Balancedが標準,バーチャルなサラウンドスピーカーを前方寄りにするならFront-Panned,また,後方寄りにするならRear-Pannedを選択すればよい。

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 榎本氏がヘッドセットレビューでよく指摘している「フロントがぼやける」のをある程度是正しようという場合はFront-Pannedがいいものの,リアが弱くなる。Rear-Pannedはその逆だが,Sonic Studioの場合は,せっかくプロファイルで選択できるので,ゲームタイトルごとに3つのプリセットを使い分けるのが正解だと思う。レースのようにフロント成分が大半を占めるサウンドの場合はFront-Panned,RPGでゲームのサラウンド感を重視したい場合はRear-Pannedといった感じで,まずは使い分けてみるのもアリだと思う。

 一方のスピーカー用も,イコライザによる強調や残響がほとんど(あるいはまったく)強調されず,派手さはないものの,肝心要であるリアチャネルの定位はきちんと感じられる。とくにRear-Panned設定を行うと真後ろに近いくらいまで定位する印象だ。こちらも相当に使えると言っていいだろう。
 ただ,先ほども簡単に触れたとおり,スピーカー用のバーチャルサラウンドプロセッサは,10kHzをきちんと再生できるスピーカーセットと組み合わせない限り,まずもって効果は期待できない。その点はくれぐれもご注意を。

 最後にReverbだが,音質,プリセットともまずまずだと思う。ただ,ゲームでは残響が付くと音場がぼやけて音源の位置を把握しづらくなるので,ゲーム用途では使わないほうがいい。映画などを見るとき,控えめに効かせるくらいが妥当な使い道ではなかろうか。


ライン入力&マイク入力特性も優秀。マイク入力特性はとても素直


 続いては入力である。
 入力時の解像度設定はWindowsのコントロールパネルにある「サウンド」から設定することになるので,ライン入力では48kHzと192kHzをライン入力,マイク入力では48kHzを設定した。
 テストにあたっては,Mac Pro(2013)上の「QuickTime Player」で出力テスト時と同じ信号を再生。それをRME製オーディオインタフェース「Fireface UCX」から出力し,それをSTRIX RAID DLXのライン/マイク入力端子と接続している。

 その結果が以下のスクリーンショットだ。端的に述べて,どちらも非常に優秀である。

ライン入力のテスト結果で,上が48kHz設定時,下が192kHz設定時のものとなる。緑がリファレンス,橙がテスト結果なのは出力テスト時と同じだ。48kHz設定時だと24kHz付近の周波数帯域で急峻な落ち込みがあるのに対して,192kHz設定時はそれがない。いずれも低域に若干の乖離があり,192kHz設定時は750Hz前後もやや乱れてはいるが,それでも優秀だと述べて差し支えないだろう
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マイク入力はチャット用ということで48kHzのみテストしている。マイク入力の場合,人間の声の周波数帯に対してゲインブーストが入り,音量が上がる。そのため,周波数特性はライン入力ほどリファレンスに忠実ではないが,総じてとくに大きな落ち込みや盛り上がりはなく,優秀なものだ
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 今回は筆者私物のLogitech G/Logicool G製ヘッドセット「G633 Artemis Spectrum Surround Gaming Headset」を使ってマイク入力のテストを行ったが,入力される音は非常にクリアだ。マイク入力品質はマイクの特性に大きく左右されるわけだが,STRIX RAID DLXのマイク入力はマイクの性能をスポイルしない,素直なものだとまとめることができるだろう。


入力系プロセッサの効果測定〜両プロセッサとも有効化がお勧め


 入力側に用意されたプロセッサ,Noise GateとPerfect Voiceも見ておこう。
 Noise Gateは,ユーザーがしゃべっていないとき,すべての音をミュートするというものだが,確認したところ,ミュート,ミュート解除とも素早く切り替わり,実用的だと感じた。「ゴー」とか「サー」とかいった室内の定常波ノイズが気になるようなら,Noise Gateを有効にして,自分の声をモニタリングしながら最適な値を設定することを勧めたい。

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 一方,一切説明のないPerfect Voiceだが,筆者(と榎本氏)の耳で確認した限り,ノイズリダクションと音圧の向上をもたらす機能のような印象があった。有効化すると,しゃべっているときも含めてノイズが大幅に低減し,かつ,音量が少しだけ大きくなる。
 一般に,ノイズを減らしただけだと,音量はノイズ量だけ下がるので,むしろ声の音量が上がるということは,コンプレッサ系の音量調整プロセッサが入っていると考えていいように思う。

 入力自体がクリアな分だけノイズが目立ちやすい場合もあると思うが,そういう場合にNoise GateとPerfect Voiceを調整して併用すると,かなり良好なチャット音声が得られるはずだ。


いままでのゲーマー向けサウンドカードとはレベルが異なるSTRIX RAID DLX


 冒頭でも述べたとおり,いまやゲーマー向けのサウンドカードは“絶滅危惧種”だ。音質がー安定性がーと言われながらも,ゲーム用途において,マザーボードのオンボードサウンド機能とUSBサウンドデバイスの市場シェアは確実に,支配的なものとなってきている。

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 そんな状況にあって登場してきたSTRIXサウンドカードだけに,よほどのインパクトがなければ埋没するのではないか,というのが筆者の事前予測というか危惧だったのだが,STRIX RAID DLXに関して言えば,その「よほどのインパクト」は明快に存在した。192kHzアップサンプリングの効果は絶大で,しかも音楽だけでなく,バーチャルサラウンドサウンド出力における音源の定位感向上という恩恵ももたらしてくれたのはとても印象的だ。
 「24bit/192kHz再生に対応してます。でもゲーム用途で使うことはありません。ハイレゾの音楽ファイルを聞いたりするときだけ使ってください」という,これまでの製品とは決定的に異なる価値を,STRIX RAID DLXは提供できている。

製品ボックス
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 繰り返すが,STRIX RAID PROとSTRIX SOARも,同価格帯の競合製品と比べると明らかに「いい音」を出せている。なので,なるべく低コストにゲームサウンド環境をアップグレードしたいのであれば,選択する価値があると思う。ただそれでも,「音のいいサウンドカード」の枠を超え,新技術をきっちりとゲーム用途に意味のある形で落とし込んできたSTRIX RAID DLXに,筆者はより惹かれる。

通電時は「フクロウの目」が光る
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 注文を付けるとするなら,ユーザーがプロファイルを作るとき,対話型のウィザード的なものがあったりするとよりよかったようにも思うが,気になるのはそれくらい。競合を圧倒するアナログ出力性能を持ち,極めて素直なマイク入力特性も持つSTRIX RAID DLXは,これから「あえて」サウンドカードを選ぶという人達に,強く勧められる製品である。

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ASUSのSTRIX RAID DLX製品情報ページ

ASUSのSTRIX RAID PRO製品情報ページ

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