スマホゲームのセルラン分析（2023年8月10日〜8月16日）。またまた1位は「Fate/Grand Order」。米国における4月〜6月の収益ランキングも

　データ分析を専門に行うSensor Towerによると，2022年におけるスマートフォン向けゲームの国内収益は約2兆1422億円に達している（関連記事）。そんな世界有数のスマホゲーム大国となった日本で，いま最も売れているタイトルを始めとした，さまざまなデータを毎週お届けするのが，本連載「スマホゲームのセルラン分析」である。

スマホゲームの国内収益ランキング
（2023年8月10日〜8月16日）

順位	前週	タイトル	DL数の前週比	収益の前週比
1	1	Fate/Grand Order	-6%	14%
2	2	モンスターストライク	39%	-22%
3	7	崩壊：スターレイル	58%	91%
4	14	ドラゴンクエストウォーク	10%	85%
5	9	ヘブンバーンズレッド	46%	23%
6	8	ONE PIECE バウンティラッシュ	36%	16%
7	4	ONE PIECE トレジャークルーズ	-11%	-40%
8	6	プロ野球スピリッツA	9%	-21%
9	5	勝利の女神：NIKKE	63%	-34%
10	20	原神	9%	72%
11	12	ウマ娘 プリティーダービー	-23%	-18%
12	18	荒野行動	40%	31%
13	10	Pokémon GO	29%	-25%
14	13	パズル＆ドラゴンズ	18%	-17%
15	3	ブルーアーカイブ	-61%	-68%
16	17	ロイヤルマッチ	10%	9%
17	36	あんさんぶるスターズ！！Music	0%	121%
18	21	パズルサバイバル	19%	19%
19	25	ガーデンスケイプ	-26%	27%
20	24	プロジェクトセカイ	16%	17%
21	22	放置少女	-14%	-21%
22	37	信長の野望 覇道	21%	34%
23	23	妖怪ウォッチ ぷにぷに	-5%	-13%
24	29	メメントモリ	93%	3%
25	155	遊戯王 マスターデュエル	46%	662%
26	30	Pokémon Sleep	-26%	4%
27	31	ホームスケイプ	29%	5%
28	26	eFootball 2023	10%	-15%
29	32	LINE ポコポコ	32%	-3%
30	35	ダダサバイバー	-2%	4%
31	11	LINE：ディズニー ツムツム	-15%	-70%
32	28	ドラゴンクエストタクト	-11%	-23%
33	19	アークナイツ	3%	-50%
34	16	ロマンシング・サガ・リ・ユニバース	20%	-62%
35	34	ブルーロック Project: World Champion	-63%	-18%
36	41	Age of Origins	32%	5%
37	44	フィッシュダム	34%	14%
38	47	グランブルーファンタジー	-44%	13%
39	77	おねがい社長！	19%	79%
40	86	アイドリッシュセブン	-37%	92%
41	62	エボニー - 王の帰還	19%	34%
42	84	雀魂	48%	78%
43	45	マフィア・シティ	15%	-3%
44	57	オーディン：ヴァルハラ・ライジング	-58%	21%
45	39	PUBG MOBILE	12%	-31%
46	15	Identity V	43%	-79%
47	33	Call of Duty: Mobile	52%	-41%
48	46	日替わり内室	-17%	-6%
49	48	トップウォー	13%	-6%
50	63	乃木坂的フラクタル	10%	20%

※掲載データはSensor Towerから引用したものです
※iOSとAndroidの収益の合計をもとにしたランキングです。マルチプラットフォーム展開を行うタイトルでも，PCや家庭用ゲーム機向けの収益は含まれていません

1〜25位の棒グラフ。縦軸（収益）の値は本連載では非公開

　国内収益ランキング1位は3週連続で「Fate/Grand Order」（iOS / Android）だ。8周年記念キャンペーンは8月11日に終了したが，同日から夏イベント「サーヴァント･サマー･フェスティバル2023！」を開催したことで，前週比で収益を14％伸ばした。とくに8月16日の収益が高かったことから，水着メリュジーヌのピックアップ召喚（関連記事）が人気を集めたと思われる。

　今週は，収益が100％以上増減したタイトルがわずか2つという，落ち着いた1週間だった。

　「遊戯王 マスターデュエル」（iOS / Android）は新セレクションパック「レイジ・オブ・カオス」と新シークレットパック「運命に導かれし者たち」を8月10日に実装した。コナミにちなんで，5730万ダウンロード突破を記念したジェムセール（関連記事）も始まり，これらが前週比662％の増収につながった。


　「あんさんぶるスターズ！！Music」（iOS / Android）は前週比121％の増収を達成。★5「月永レオ」や★4「鬼龍紅郎」などがスカウト「スカウト！ナイトキラーズ」に8月14日から登場している。

アメリカにおける4月〜6月の収益ランキング

　今回は，アメリカにおける2023年4月〜6月の収益ランキングを紹介しよう。前期（2023年1月〜3月，関連記事）と比較したデータも併記しているので，参考にしてほしい。

順位	前期	タイトル	DL数の前期比	収益の前期比
1	1	キャンディークラッシュ	-23％	-3％
2	2	Roblox	-4％	4％
3	3	ロイヤルマッチ	23％	11％
4	4	コインマスター	3％	-4％
5	11	ガーデンスケイプ	-21％	16％
6	10	Jackpot Party	-12％	4％
7	6	タウンシップ	-51％	-7％
8	7	エボニー - 王の帰還	-21％	-4％
9	9	ホームスケイプ	-59％	-4％
10	5	Pokémon GO	-18％	-20％
11	12	クラッシュ・オブ・クラン	-5％	5％
12	8	Bingo Blitz	-13％	-11％
13	14	Call of Duty: Mobile	-4％	4％
14	13	キャンディークラッシュソーダ	-17％	-9％
15	15	フィッシュダム	-15％	5％
16	-	MONOPOLY GO!	-	-
17	18	DoubleDown Casino Vegas Slots	-19％	2％
18	16	Solitaire Grand Harvest	5％	-1％
19	-	崩壊：スターレイル	-	-
20	17	パズル＆サバイバル	-24％	-4％
21	22	Cashman Casino Las Vegas Slots	-11％	2％
22	20	Slotomania	-2％	-2％
23	24	Lightning Link Casino Slots	-13％	-2％
24	25	Age of Origins	12％	9％
25	21	RAID: Shadow Legends	-25％	-13％

1〜25位の棒グラフ。縦軸（収益）の値は本連載では非公開

　過去2回で，韓国（関連記事）と中国（関連記事）における同様のランキングも紹介してきたが，これらと比べてアメリカのランキングは変動が少ない。新作の「MONOPOLY GO!」（iOS / Android，以下モノポリーGO）と「崩壊：スターレイル」（iOS / Android，以下スターレイル）が登場し，「ステート・オブ・サバイバル」と「原神」がTop25から外れたが，このほかの23タイトルは引き続きTop25にランクインしている。

　注目タイトルとしては，モノポリーGOとスターレイルを挙げたいが，これらはパブリッシャ別世界収益ランキング（関連記事）を掲載した際にすでに紹介している。世界共通語とも言われる英語を母語とするだけに，アメリカでのヒットはグローバルヒットと近しいようだ。

　そこで，今回はやや趣向を変えて，世界各国のランキング（4月〜6月）における両タイトルの順位をまとめてみることにした。
　日本のゲーマーにとっては信じられないかもしれないが，アメリカでは当該期間に，モノポリーGOがスターレイルの約2.7倍のダウンロード数と，同等以上の収益を記録している。
　世界全体で見ると，収益はスターレイルがモノポリーGOの約4.2倍だが，ダウンロード数はモノポリーGOがスターレイルの約1.4倍なので，モノポリーGOの人気がスターレイルを上回っている地域も多そうだ。

国・地域名	モノポリーGO DL数順位	スターレイル DL数順位	モノポリーGO 収益順位	スターレイル 収益順位
日本	216	1	681	4
韓国	249	2	518	5
中国	未配信	4	未配信	3
台湾	230	2	956	5
香港	2	1	82	1
インド	574	1397	84	47
タイ	583	8	241	11
シンガポール	1	4	5	1
マレーシア	2	7	19	3
フィリピン	45	18	30	9
オーストラリア	1	34	9	15
アメリカ	1	6	16	19
カナダ	1	4	18	17
ブラジル	129	78	72	34
アルゼンチン	30	257	41	52
ロシア	未配信	15	未配信	16
フランス	1	16	4	17
ドイツ	1	41	27	17
イギリス	1	27	6	29
サウジアラビア	56	238	58	62
トルコ	48	365	53	135
イスラエル	2	419	23	61
ナイジェリア	57	1150	20	25
エジプト	660	1147	108	118
南アフリカ	6	978	21	100

　調査の結果，スターレイルはアジアでとくに人気が高く，モノポリーGOは欧州でとくに人気が高いということが，改めて数字の形で再認識できた。また，北米や香港，シンガポールでは両タイトルともに順位が高いが，インドやエジプトでは両タイトルともに順位が低い。

　筆者の私見では，モノポリーGOの順位は「英語力」^※，スターレイルの順位は「萌え文化の受容度」を反映しているように思える。
　しかし，「EF英語能力指数」（外部リンク）で英語力が高いとされるフィリピンではモノポリーGOが45位，英語力が低いとされるイスラエルではモノポリーGOが2位という例外もあるので，単純な英語力だけではなく，歴史的・文化的な欧米とのつながりが影響しているのかもしれない。

※モノポリーGOは10言語に対応しており，日本語版も存在している

Sensor Tower 日本語公式サイト

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