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ハロー!Steam広場 第297回:復活した魔王となり村人の全滅を目指すシミュレーションゲーム「Ruinarch」
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印刷2020/09/11 12:00

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ハロー!Steam広場 第297回:復活した魔王となり村人の全滅を目指すシミュレーションゲーム「Ruinarch」

画像集#001のサムネイル/ハロー!Steam広場 第297回:復活した魔王となり村人の全滅を目指すシミュレーションゲーム「Ruinarch」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,今回はまったり内政を遊ぼうと思いながらシナリオ「黄巾の乱」を選んでしまう上級Steamerにジョブチェンジできるかも。

 ハロー!Steam広場 第297回は,魔王となって近隣の村を破滅へと追い込んでいくシミュレーションゲーム「Ruinarch」を紹介しよう。魔王と言うだけあり,強力な魔法が初めから使えるのだが,派手に殺しすぎると復活を感づかれて,討伐隊を組まれてしまう。なるべく目立たない陰湿な方法で村人たちを殺し,村を壊滅させるのだ。



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復活した魔王となり村人の全滅を目指すシミュレーションゲーム「Ruinarch」


 アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回は,フィリピンのインディーズ系デベロッパMaccima Gamesが手掛ける「Ruinarch」を紹介しよう。まずは下のスクリーンショットを見てほしい。

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 このスクリーンショットを見れば,大半の人が「村を発展させるゲーム」と思うはず。ところが,左上のメニューを見ると,「Spell」「Demon」「Monsters」「Cultists」などの不穏な文字が並んでいるのが分かる。そう,このゲームは村を発展させるのではなくその逆,魔王になって村を壊滅させるのが目的のシミュレーションゲームなのだ。

これがワールドマップ。好きなところに魔界ポータルをおけばゲームスタートだ
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 特徴的なのが多岐に及ぶ破滅へのアプローチ方法である。隕石を降らせたり雷を落としたりなど,魔法(Spell)を使って村人を虐殺してもいいし,誰かに殺意を植え付けてシリアルキラーになってもらい,ゆっくりと村を滅ぼしてもいい。
 村人はつかめるので,そのまま魔物の巣窟となったダンジョンに放り込んだりもできる。またオブジェクトも同様につかめるので,誰かの所有物をほかの人の家に置き,盗んだかのようにみせかけて関係を壊し,殺し合いに発展させる――なんてこともできる。夫に不貞行為を指示して,そのうちに奥さんをつかんでおき,夫がほかの女性と浮気をはじめたら,その現場に奥さんを放り込む――泥沼である。

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 ただ,村人も馬鹿ではない。何かおかしなことが起きるたびに警戒度が上がり,それが最大になると魔王の復活に感づき,拠点に攻め入ってくるのだ。村人はいずれも一線級の冒険者なので,大人数で攻めてこられるとなると,魔王といえど分が悪い。メテオのような派手な魔法ほど警戒度が高くなる傾向があるので,復活に感づかれないよう,なるべく地味で陰湿な手段を使って,目立たないように村を壊滅させていくことが,このゲームのカギになるわけだ。

どの行動がどれだけ警戒度を上げるかは事前に確認できる。メテオやライトニングといった直接的な攻撃ほど警戒度は上がりやすい。ちなみに警戒度は時間経過で下がっていく
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 村人に干渉する手段を大きく分けると「Spell」「Affiliction」の2つで,ゲームスタート時に何を持ち込むか決められる。Spellは直接的な干渉をする手段となっており,隕石や雷を落としたり,虫の群れを召喚して作物を食い荒らしたりと,甚大な被害を与えることができる。その代わり,警戒度が大きく上がるものが多く,こればかりを使っていると村人を滅ぼす前にこちらの拠点を攻められてしまう。

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 もう一方の「Affiliction」は,特定の村人に悩みの種を植え付けるコマンドだ。不貞行為をそそのかす「Unfaithfulness」,突然けいれんして気絶してしまう「Paralysis」,盗みの衝動を我慢できなくなる「Kleptomania」,吸血衝動に苛まれる「Vampirism」など,Spellに対してこちらは間接的に干渉する手段が多い。

 村人に植え付けたAffilictionは,好きなタイミングで発動させられる。例えばシリアルキラーと化す「Psychopathy」であれば,村人が寝入った夜中に発動させることで,誰にも気づかれずに村人を減らしていくことができる。シリアルキラーそのものが用済みになったら,あえて昼間に発動させて,村人同士の殺し合いに発展させることも可能だ。

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 また,プレイヤーはさまざまな効果を持つ施設を建てられる。筆者のお気に入りは,村人を洗脳してカルトにする「Defiler」だ。カルティストは普通の村人として振る舞いつつも,誰かの食べ物に毒を盛り込んだりできるので,指定した人種しかターゲットにできないシリアルキラーと比べると,かなり使い勝手が良いのだ。うまいこと指示を出してやれば,1人のカルティストだけで村を全滅させることもできるだろう。
 ただし,こうした施設が発見され,村に報告されると一気に警戒度が100まで上がるので,施設を建てる時はなるべく村から離したほうがよい。

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 といった感じであの手この手を使って村人を全滅させればゲームクリアとなる。最初の村をクリアすると,より人口の多い村が開放される。ゲームが進むと,魔法が効かない村人などが登場するようになり,より計略が重要になっていき,やりがいも増していく。

 本作では村の構造や村人の構成は自動生成されるほか,持ち込むSpellやAffilictionも都度カスタマイズできるので,新しく始めるたびに違った攻め方が楽しめる。まだアーリーアクセスの初期段階ではあるものの,村を壊滅させる手段はたくさん用意されており,繰り返し遊べる作品なので,興味のある人はぜひ試してみてほしい。

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