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「塊魂」の高橋慶太氏による「Wattam」はサンドボックスゲームより“砂場的”。ユルいゲームだからこその面白さがある
主人公のMayor。帽子の中には爆弾が入っている |
本作の基本ルールを簡単に説明すると,「友達を集めて,爆発で飛び,楽しむ」というものになっている。主人公は緑色で四角い“Mayor(市長)”で,背景設定として「宇宙的巨悪に襲われた地球が自爆した」というすごいエピソードがあるのだが,序盤は気にしなくても大丈夫だ。
最初のフィールドには,Mayorのほかには雲のキャラクターが1人だけ存在する。プレイヤーはまず,フィールド中央にある木へMayorを登らせ,寝ている雲を起こしにいく。
最初の友達は雲 |
フィールド上に起きているキャラクターが複数いる場合,右スティックの操作で操作対象の切り替えが可能だ。各キャラクターには△ボタンを押すと発動するユニークな能力があり,雲の場合は雨を降らせられる。その雨を地面の芽に当てると,成長して花のキャラクターが出現する。まずは,このように「友達を集めて」いくのだ。
そして,Mayorの特殊能力は爆発を起こして飛び上がること。各キャラクターは○ボタンで「手をつなぐ」のだが,Mayorの爆発はつながった友達の数に応じて大きくなる。ステージごとに定められた人数の友達と手をつないで爆発を起こすと,打ち上げ花火に似た盛大な演出が発生。それでステージクリアとなる。これが,「爆発で飛ぶ」ということでだ。
なぜMayorは友達を集めてロケットで飛ぶのか? その理由は「楽しむ」ためだ。シナリオ的には「誰かからの手紙に従っている」という理由があるが,Mayor自身はみんなで飛ぶのが楽しいだけで,プレイヤーもキャラクターを集めて爆発させることに爽快感と楽しさを覚える。ちょこまかと動くキャラクターを集めて,一気に爆発させる……何だか,無性に心地いい。
また,クリアへの道筋とは関係なく,草地に雨を降らせると花が咲く,それを芝刈り機のキャラクターで刈れるといった「何となく楽しい」遊びの要素が無数に存在する。近年「砂場的ゲーム」という言葉が自由に建物などを作れるようなゲームを指して使わているが,「Wattam」にはプリンのカップで砂を固めて並べるような意味での“砂場的”楽しさが詰まっている。無為なのだが,何となくキャラクターを動かしているだけで楽しいのだ。
AAAクラスのシューターや大作RPGは確かに面白いが,たまにはこういったユルい面白さに浸ってみるのもいいかもしれない。Wattamは,改めてそんな風に思わせてくれる作品といえるだろう。
「Wattam」公式サイト
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Wattam
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