インタビュー
「Ingress Prime」は“今までにないAR”を搭載。Nianticアジア統括本部長の川島優志氏に,Ingressの今後について聞いてみた
4Gamerは,同イベント終了後にNianticアジア統括本部長の川島優志氏に,イベントの感想やIngressの今後について話を聞くことができたので,そのときの模様をお届けする。
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Ingress Primeはクロスプラットフォームで展開
そして“今までにないAR”で驚きを提供
4Gamer:
本日はイベントお疲れ様でした。まずは「Cassandra Prime Sapporo」の感想をお聞かせください。
ありがとうございます。イベント全体が盛り上がっていたのは嬉しかったですね。しっかりと準備をしてきた甲斐がありました。
4Gamer:
いろいろなハプニングもあったようですが……。
川島氏:
とにかく台風の影響がすごかったですね。成田からの飛行機は前夜から当日の昼前後までほとんどの便が欠航になったみたいですし……。4Gamerさん,よくたどり着けましたよね(笑)。そんな環境にも負けず,たくさん集まってくれたエージェントには本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
4Gamer:
アフターパーティーもかなり盛り上がっていましたね。
川島氏:
アフターパーティーは,正直ちょっと不安だったんです。会場となった旭山記念公園はものすごく眺めがよくて素晴らしい場所なのですが,戦いの中心となった札幌から少し離れた山の頂上だったので……。
ただ,蓋を開けてみればたくさんのエージェントが集まってくれて,みなさんのおかげで本当に良いアフターパーティーになったなと思います。旭山記念公園の景色を目の当たりにしたとき「札幌にして良かった」と心から思いましたし,来てくださったエージェントのみなさんにもそう感じてもらえていたら嬉しいですね。
4Gamer:
TVアニメ「イングレス」の特別なミッションもありましたし,みなさんのモチベーションを保つ施策が後押ししたのかもしれませんね。今回のイベントですが,舞台を札幌にした決め手みたいなものはあったのでしょうか。
川島氏:
きっかけは札幌のエージェント達とミートアップをしたことですね。Ingressのエージェントは個性的な人が多いのですが,北海道はとくにそれが顕著で,ニンジャやシマウマの格好をした人が普通にミートアップに参加していたんですよ。
こんなにもXMの密度が濃いのであれば,XM Anomalyの舞台にするしかない,そう思って北海道を調べ始めたのですが,これがまた魅力的な都市で,その頃には北海道でXM Anomalyを開催することを心に決めていましたね。
4Gamer:
ニンジャにシマウマ……!? それは確かに印象に残りますね。さて話は変わりますが,気になる「Ingress Prime」についても何か話せることはないでしょうか。
川島氏:
そうですね……。今までにないAR的な試みをしています。見たらビックリするような……ええ,それはもう,本当に見たらビックリすると思います(笑)。
4Gamer:
意味深ですね(笑)。IngressのARは,現在では一般的になっている“カメラを通して現実とゲームをつなぐ”というものとは少し違うアプローチですよね。
川島氏:
Ingressはカメラをかざす必要のないARで,視覚を使ったARではないのですが,Ingress Primeでは視覚的なARも追求していこうと思っています。これがかなりのインパクトですので,きっとみなさん驚かれると思いますよ。
4Gamer:
自らハードルを上げていきますね(笑)。現状,「ポケモンGO」(正式名称はPokémon GO,iOS / Android)の普及により,カメラを使ったARはかなり身近なものになっています。最初こそ,カメラ越しに写った現実世界にポケモンを映し出すことでその場にいるような感覚が味わえる,というものでしたが,最近ではポケモンに近づいたり回り込んだりできるなど,かなり高度なものになってきています。
そんな中で“ARで衝撃を与える”となると,これを大きく越えるようなものでないと難しいと思うのですが,そこは期待しても大丈夫なのでしょうか。
川島氏:
もちろんです。きっと「こんな使い方があったのか!」と思ってもらえるので,期待してください。
4Gamer:
早く触ってみたいです……!
川島氏:
β版ではおそらく実装されないのですが,正式版にはきっと間に合うと思いますよ。ちなみに,βテストは少数のエージェントから解禁し,次第にその数を増やしていこうと思っています。9月末までに3段階に分けて拡大していくので,楽しみにしていてください。
4Gamer:
以前,Ingress Primeの話をうかがったとき,TVアニメ「イングレス」などの後押しによって,新しいエージェント達が入ってくることを期待しているとおっしゃられていましたが,現状だと歴史あるコミュニティが多いこともあり,新しいエージェントがコミュニティに参加するのはハードルが少し高いように感じています。この点については,どうお考えでしょうか。
川島氏:
Ingressは1人でも十分に遊べますし,無理にコミュニティに属する必要はないと思うのですが,ソロプレイヤーがコミュニティを見つけることで,もっとIngressの魅力を感じてほしいとも思っています。
自然にコミュニティにつながるような仕組みが理想ではありますが,Nianticとしては,コミュニティを見つける手助けをしたいですし,XM Anomalyなどはまさにそういったコミュニティを見つける場にしたいと考えています。
またIngress Primeでは,ゲーム内にコミュニティへの参加を促すようなシステムの採用も検討しています。
4Gamer:
おお,それは個人的にもすごく嬉しいです。コミュニティのメリットを提示しつつ,うまく興味を持ってもらえるようなものだといいかもしれないですね。
川島氏:
さまざまなアプローチを検討しているので,期待に応えられれば嬉しいです。Ingress Primeは,基本システムこそ現状のIngressを維持したままでβ版としてローンチしますが,コミュニティ部分をはじめ,ビジュアルや中身の構造を完全にリフレッシュし,その後,加速度的に新機能を追加しいく予定となっています。
なかでも,さまざまなデバイス,さまざまなプラットフォームで楽しめる土台ができているのは大きいと思いますね。もちろん新機能だけでなく,最初のハードルを下げるなど,ポケモンGOから学んだ部分もしっかりと反映させたいと思っています。
4Gamer:
スマートフォン以外でもIngress Primeが楽しめるということでしょうか。
川島氏:
そうですね。Ingress Primeはさまざまなデバイスやプラットフォームに素早く対応できるようにしているので,VRのヘッドセットや,ARのほかのデバイスなどにも簡単に対応できますよ。
4Gamer:
なるほど。いろいろと想像が膨らみますね。では,最後にIngress Primeを楽しみにしている人へ一言お願いします。
川島氏:
Ingressは,出かけたくなるゲームという,今までになかったエンターテイメントを追求してきたのですが,Ingress Primeはさらにそれを推し進めていき,自分の身の回りにあるさまざまなデバイスで,今までとは違うARが楽しめるようになります。
ポケモンGOでは,少なからずARを普及できたと思っていますし,Ingress Primeでもそうしたパイオニアのような存在として,新しいARを広めていきたいですね。きっと今までに体験したことがないようなものが待っていますし,Nianticがこれからしようとしていることが感じられるタイトルとなっていますので,今後の発表にご期待ください。
4Gamer:
ありがとうございました。
―――2018年7月28日収録
「Ingress」公式サイト
「Ingress」ダウンロードページ
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(C)2012-2018 Niantic, Inc.
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