ミュージック フロム ゲームワールド：Track 15

　今回は個人的に思い出のゲーセンの話を少し。ご存じの方も多いと思いますが，1999年まで池袋のサンシャイン60の地下に巨大なゲーセン，ザ・ゴリラがありました。広大な敷地に多数のTVゲームや大型筐体が立ち並ぶ光景はまさに圧巻。今思い出してみてもゲーマーにとって夢の空間であり，どのゲームから遊んでいいのか分からなくなるくらい舞い上がってしまう場所でした。私が伝説の体感ゲーム「R-360」をプレイした唯一の場所でもあります。

　ちなみに中3の時，池袋にある高校を受験したのですが，頭の中はザ・ゴリラのことばかり。その高校は見事に落ちましたが，帰りにザ・ゴリラに寄ってゲームを遊びまくったのは，今となってはいい思い出です。もしタイムスリップができるなら，真っ先に行きたい場所です。ということで今週も「ミュージック フロム ゲームワールド」へ，レッツトリップ！

今の時代にマッチしたサウンドに生まれ変わった

「英雄伝説 空の軌跡FC Evolution オリジナルサウンドトラック」

タイトル	英雄伝説 空の軌跡FC Evolution オリジナルサウンドトラック	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2015年6月11日
価格	2980円（税込）
発売元	日本ファルコム
コピーライト	（C）Nihon Falcom Corporation.

　1980年代に登場した数々のパソコンゲームに，当時はまだ子供だった私は大人の雰囲気を感じていましたが，その中でも，「ザナドゥ」「ロマンシア」「ソーサリアン」「ドラゴンスレイヤー英雄伝説」といった日本ファルコムのソフトには，とくに憧れを抱いていました。その後，「英雄伝説」から派生した「軌跡」シリーズは同社の看板タイトルとして，現在まで多数のタイトルがリリースされています。

　今週の1枚めは，そんな「軌跡」シリーズ第1作をリメイクした「英雄伝説 空の軌跡FC Evolution」のサントラをご紹介。PS Vitaへの移植にあたり，ビジュアルの一新やフルボイス化が行われ，さらにBGMも新たにアレンジし直されており，サントラにはその新アレンジ楽曲が収録されています。

　今回の「英雄伝説 空の軌跡FC Evolution」でのアレンジは，全体的に今の時代に合わせるようなストレートな調整が特徴で，小寺可南子の歌う「空の軌跡」は新たなアレンジが施された新主題歌として収録。ミディアムテンポで力強い歌声と，壮大さの中にある悲壮感が交じり合い，感動を呼び起こす1曲に仕上がっています。

　またBGMでは，戦闘曲でありながら優しさを合わせ持った「Sophisticated Fight」や，秀逸なメロディでファン人気が高い「銀の意志」といった曲を，今の時代にマッチしたサウンドで聴くことができます。ちなみに，本サントラはCDだけでなく，iTunesやAmazon Musicで配信されているほか，ハイレゾ音楽専門サイトe-onkyo musicやmoraではハイレゾ音源版の配信も行われています。より良い音で楽しみたい人は，こちらを選択してみてはいかがでしょうか。

ファルコムオンラインショップ「英雄伝説 空の軌跡FC Evolution オリジナルサウンドトラック」

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幼馴染との思い出に浸りながら聴きたい

「少女アクティビティ Original Sound Track」

タイトル	少女アクティビティ Original Sound Track	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2015年6月12日
価格	3000円（税込）
発売元	MORE MUSIC ENTERTAINMENT
コピーライト	（C）MORE All rights reserved.

　突然ですが，皆さんには幼馴染はいますか？　私は小学1年生の時に引っ越しをしてしまったので，残念ながら今も交流のある幼馴染はいませんが，もし大人になっても身近に幼馴染がいる人は，その関係を大切にしてほしいなあ……などと思いつつ，今週2枚めは幼馴染との恋愛がテーマになっている「少女アクティビティ」のサントラを紹介！

　BGMの作曲は，美少女ゲームメーカーMOREに所属している東条サダヲ氏が手掛けています。「Today」「Yesterday I Saw An Angel」「Days Of Our Promise」など，柔らかな耳触りが心地よい，ポップな曲が耳に残る一方で，ストーリー重視の美少女ゲームとしては珍しく，収録曲の大半は「Unconscious Mind」「Transaction」といった曲に代表されるテクノチューンになっているのが特徴です。

　また，夢乃ゆきが歌う主題歌の「Activity」もフルサイズで収録。女の子が抱く切ない恋心を感情たっぷりに歌い上げた1曲で，全体的に抑え気味なアレンジが歌を引き立たせており，彼女の歌声をたっぷり堪能できる仕上がりです。淡い思いを表現したバッキングのシンセサウンドが，ちょっとした隠し味になっていて胸がキュンとなるかも。
　そして，前半部分のピアノ伴奏が印象的な雪が歌うエンディング曲「Timeless Puzzle」も，サビの高揚感も含めてダイレクトに心に響きます。幼馴染がいる人もそうでない人も，ぜひ聴いてもらいたい1枚です。

「少女アクティビティ Original Sound Track」

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■■風のイオナ■■ マーベルランドで産まれ，フェアリーランドで育ち，モタビア星に単独移住して現在に至るゲーム＆ゲーム音楽好き。ほかの趣味は邦楽インディーロック追跡，突発自転車旅行，広島東洋カープの応援など。ゲーム音楽好きが高じて本連載のほかに「ゲームサイド」シリーズ誌でゲーム音楽コーナー「撃音！」「激音！」「劇音！」の連載，ニコニコ生放送公式CHのクラリスチャンネルでゲーム音楽番組「Fami on♪」のプロデュース＆パーソナリティを担当。さらにゲーム音楽レーベル・クラリスディスクではスーパーバイザーも担当。今年の目標はWii Uを購入すること（3年連続3回目）。