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あの興奮がスマホで蘇る。2D対戦格闘ゲーム「餓狼 MARK OF THE WOLVES」を紹介する「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」第799回
スマートフォンには相当な数のゲームが存在しているが,「じゃあ,どれが面白いの?」「そもそも,数が多すぎて好みのタイトルが探せない!」と思っている人も少なくないはず。そんな問題を解決すべく,スタートした連載が「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」だ。話題の新作タイトルからネタ要素多めのオモシロ系まで,スマートフォンのゲームを片っ端からプレイして(ほぼ)毎日お届けする。
1990年代にゲームセンターを席巻した対戦格闘ゲーム。当時,各社から数多くの名作がリリースされたが,SNK(現SNKプレイモア)の「餓狼伝説」も,ブームの一翼を担った超有名シリーズといえるだろう。
餓狼伝説は,個性的なキャラクター達が織りなすストーリーや,手前と奥の2つのラインを使った戦闘システムなどが特徴の対戦格闘ゲームだ。1999年には,「餓狼 MARK OF THE WOLVES」(以下,餓狼MOW)がリリースされ,洗練された2Dグラフィックスや,1ライン上でのバトルに特化したゲームシステムが好評を得て,発売から10年以上が経過した現在でも大会が開催されるほどの人気を博している。
本日の「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」では,そんな餓狼MOWのスマートフォン版(iOS / Android)を紹介しよう。
「餓狼 MARK OF THE WOLVES」公式サイト
iOS版「餓狼 MARK OF THE WOLVES」ダウンロードページ
Android版「餓狼 MARK OF THE WOLVES」ダウンロードページ
餓狼伝説について簡単に説明すると,第1作では主人公のテリーとアンディのボガード兄弟による,ギース・ハワードへの復讐をテーマにした物語が描かれ,以降のシリーズでも,このボガード兄弟を中心に物語が展開されてきた。
しかし,今回取り上げる餓狼MOWでは,ギースの遺児であるロック・ハワードにスポットライトが当てられており,彼の父が残した遺産をめぐる暗闘が描かれている。
用意された主なゲームモードは,ストーリーとサバイバル(勝ち抜き戦)を楽しめる「シングルプレイヤーモード」,さまざまな条件を設定してAI相手に練習できる「トレーニングモード」,iOSならWi-Fi,Android版ならBluetoothを利用して2人対戦を楽しめる「マルチプレイヤーモード」の3種類。また,「遊び方」というメニューで基本的なシステムを学べるので,未体験という人は最初に確認しておくといいだろう。
ゲームの遊び方は,8方向に入力できるレバーと4つのボタン(A/B/C/D)を組み合わせて敵と戦い,制限時間内に相手の体力ゲージを0にした側が勝利というもので,一般的な対戦格闘ゲームと同様である。個性的なキャラクターが揃っているので,好きなものを選んで戦おう。
表示されているキャラクターは12名。しかし,カーソルを画面端からさらに動かすと,中ボスのグラントと,ラスボスのカイン・R・ハインラインも選択できる |
初心者なら基本性能の高いマルコ・ロドリゲスやグラントといったキャラクターがオススメだ |
餓狼MOWは,元々アーケードゲームとして開発されたので,一般的なスマホ向けゲームと比べると操作が複雑(入力がシビア)だ。対戦中の画面には,左側にレバー,右側に4つのボタンが“バーチャルパッド”として表示される。必殺技の発動には複雑なコマンドを入力する必要があり,タッチ/スワイプ操作に不慣れな人にはちょっと難しいかもしれない。
そのためスマホ版では,独自のユーザーインタフェースが採用され,操作の負担軽減が図られている。まずは,A+Bボタンと,A+Cボタンという同時押しを,それぞれ1つにまとめたボタンが用意されている。前者は相手の攻撃を避けつつ反撃する「避け攻撃」と,特定の必殺技を動作途中で中断させる「ブレーキング」に,後者は必殺技や超必殺技のモーションを繰り出し相手を引っかける「フェイント技」に利用する。いずれも利用頻度は高く,これら特殊アクションを簡単操作で出せるというのは便利だ。
バーチャルパッドのボタン配置は任意に変更可能なので,好みに合わせて調整しよう。本格的に楽しみたいならスマホ用のゲームパッドを導入するのもアリだ |
しゃがみ状態からA,Bボタンを同時押しすると,上半身を狙った攻撃を避けながら反撃できる“上段避け攻撃”を繰り出せる。このアクションは防御の要なので,1つのボタンで繰り出せるのはありがたい |
さらに,拳のようなアイコンの「SPボタン」と,爪跡のようなアイコンの「FMボタン」も用意されている。前者は任意の方向にフリックするだけで必殺技を,後者はタップで超必殺技を繰り出せるというもの。このボタンにより,複雑なコマンドを入力することなく派手なアクションを繰り出せるので,初心者でも爽快感バツグンのバトルを楽しめるはずだ。
バーチャルパッドでは正確な入力が難しく,物理的にボタンを押す感触も確認できないので,SP/FMボタンの存在はかなり有り難い。操作に慣れてくれば,レバー操作で行っていたような連続技をスマホ版で再現することも可能だ。なお,ゲームの再現度は非常に高いため,スマホ用のゲームパッドがあれば,アーケード版……とはいかないまでも,コンシューマ版に近い感覚で遊ぶこともできる。
かつてゲームセンターで対戦しまくっていたという人はもちろん,ライトな格闘ゲームファンにもオススメできる内容なので,懐かしの名作をスマホで遊んでみたいという人は,ぜひ購入を検討してみてほしい。
著者紹介:松浦恵介
エンタテインメント系の書籍や雑誌を中心に活動するフリー編集者。好きなゲームジャンルは対戦格闘とシューティング。ここ数年のおもな関心事は電子書籍の行く末。ゲームで遊んでいないときは,だいたい漫画とSF小説を読んでいる。
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