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[TGS 2015]待望の日本語版発売が決定した「シャンティ -海賊の呪い-」の開発者 マット・ボゾン氏にインタビュー
本作は,欧米で高い人気を誇る2Dアクションシリーズの3作めにあたり,日本での知名度は高いとはいえないものの,一部に根強いファンを持つ「知る人ぞ知る名作」といえるだろう。
今回,待望の日本語版発売が決定したということで,東京ゲームショウ2015に合わせて,本作を開発したWayFowardのクリエイティブディレクター Matt Bozon(マット・ボゾン)氏が来日していた。短い時間ながら話を聞く機会があったので,その模様をお届けする。
「シャンティ -海賊の呪い-」公式サイト
本日はよろしくお願いします。まずは,開発会社のWayForwardについて教えてください。
Matt Bozon氏:
1990年に設立した会社で,立ち上げ当時は数人しかいませんでしたが,現在の社員数は約100人です。日本でも知られる作品としては,「魂斗羅 Dual Spirits」や「ダブルドラゴンネオン」などを手がけていますよ。
4Gamer:
その代表作ともいえるシャンティシリーズについてはいかがでしょうか。
Matt Bozon氏:
シャンティシリーズはこれまでに3作をリリースし,現在は4作めを制作中です。
第1作「Shantae」は,2002年にゲームボーイカラー向けに発売しました。実際の開発期間は2年くらいでしたが,それ以前にプロジェクトを立ち上げ,構想を練っていた期間が6年近くありました。
パブリッシュを担当したCapcom USAには,「ロックマン」のような雰囲気を気に入ってもらえたようです。
4Gamer:
その後,2010年に続編の「Shantae Risky's Revenge」をニンテンドーDSiウェア向けにリリースしています。8年ものブランクがあったのは,何か理由があるのでしょうか。
実は,第1作を発売後に「Shantae 2: Risky Revolution」という続編をゲームボーイアドバンス向けに制作していました。「Shantae Advance」と呼んでいる人もいるのですが,この作品がパブリッシャの都合でお蔵入りになってしまったのです。
そのため,しばらくプロジェクトは凍結していたのですが,2008年にニンテンドーDSiウェアの配信サービスが始まったことで,「これなら自分達で販売できる」と,眠っていたアイデアの一部を生かして「Shantae Risky's Revenge」を完成させたんです。
とはいえ,新しいプラットフォームに移行するわけですから,「Shantae Advance」とはまったく別のゲームになりました。「Shantae Advance」は,今も保管所の中に眠っている状態なんですよ(笑)。
4Gamer:
日本では,その「Shantae Risky's Revenge」(邦題:シャンティ 〜リスキーの復讐〜)がスマートフォン向けにリリースされたことで,初めてシリーズを知った人が多かったようです(※)。あらためて,ゲームの内容を紹介していただけますか。
※現在はディレクターズカット版がSteam,PlayStation Store,App Storeなどで配信中。
Matt Bozon氏:
プラットフォームは異なりますが,シリーズで一貫しているのは「プラットフォーム型のアクションアドベンチャー」であるということです。主人公の「シャンティ」はベリーダンスを踊ることで,精霊を呼び出したり,魔法の力を使えたりでき,その力を駆使して障害を乗り越えていきます。ボスを倒すと探索可能なフィールドが広がっていくので,「ゼルダの伝説」や「メトロイド」に近いイメージだと思っていただければ,お分かりいただけるでしょう。
4Gamer:
それでは,今回,日本語版の発売が決定した第3作「シャンティ -海賊の呪い-」(原題:Shantae and the Pirate’s Curse)のフィーチャーを教えてください。
Matt Bozon氏:
前作とストーリー的につながっている作品です。前2作ではシャンティの敵役だった女海賊「リスキィ・ブーツ」ですが,今回は仲間になってくれるので,力を合わせて別の海賊から自分の街を守ることになります。
ただし,シャンティは魔法の力を失ってしまったため,海賊の武器を奪って自分の物にしていきます。だから,ゲームを進めていくと,彼女自身も海賊みたいになっていくんです(笑)。
4Gamer:
本作の特徴として,日本人のイラストレーター 矢部 誠(KOU)氏の起用が挙げられます。どのような経緯があったのでしょうか。
Matt Bozon氏:
私自身,もともと日本のアニメやゲームが好きで,それらに影響を受けて育ってきました。当然,シャンティシリーズにも日本的な要素が多く反映されていると思います。ただ,それらは「アメリカから見た日本」なので,第3作ではもっと日本的な色を強めたいと考えたんです。
そこで,日本人のイラストレーターの起用を思いつきました。幸運にも,矢部さんがインターネットに公開していたシャンティのファンアートを見つけて,コンタクトをとったというわけです。この狙いはうまくハマって,前2作よりも日本のゲーマー好みの作品になったと思います。
4Gamer:
北米では2014年10月に発売されてから約1年,ようやく日本でリリースされるわけですが,現在の心境を教えてください。
Matt Bozon氏:
Very Exciting!
先ほども触れましたが,私は日本のゲームや開発者に大きな影響を受けてきました。同じように,私達の作品が日本のゲーマーに遊んでもらえる,そこから何かを感じ取ってもらえるなら,非常に感激です。
現在は,第4作「Shantae: Half-Genie Hero」のKickstarterキャンペーンに成功し,鋭意制作中だと思いますが,その進捗状況はいかがでしょうか。
Matt Bozon氏:
約2万2000人の支援者から約100万ドルの資金提供を受けることができました。もちろん,私達の想定以上です。たとえ少額であっても,強い愛を込めてファンディングしてくれたファンの皆さんには,感謝の気持ちしかありません。
2万2000人の上司ができたようなものですが(笑),彼らの期待に応えるために全力を尽くしています。
4Gamer:
ちなみに発売時期はいつ頃になりそうですか。
Matt Bozon氏:
当初の予定より,少々遅れていますが,PCやWii U,PlayStation Store,Xbox Games Store向けに,今冬の配信予定です。なお,支援者の方にはアーリーアクセスの特典がありますので,一足早く遊んでいただけます。
4Gamer:
なるほど。少し気が早いかもしれませんが,最新作も日本語版が発売されることを期待しています。ありがとうございました。
「シャンティ -海賊の呪い-」公式サイト
4GamerのTGS 2015特設ページ
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