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[CES 2017]ALIENWAREとは別のDell製ゲーマー向けノートPC「Inspiron 15 Gaming」が登場。InspironブランドのゲームPCが本格的に離陸
通例に従えば,4Gamer的な見どころは,4コアKaby Lake搭載のALIENWARE新製品なのだが,Dellは今回のCESに,ALIENWAREではないゲーマー向けノートPCとしてInspiron 15 Gaming」(インスパイロン 15 ゲーミング)を出展し,2017年における「Dellのゲーマー向け製品における新しい方向性」を示唆した。
今回はこの新製品を中心にレポートしたい。
Inspironブランドのゲーマー向けPC「Inspiron 15 Gaming」が登場
そこで近年のDellは,「ALIENWAREではカバー仕切れなかったゲームPCの潜在顧客」を獲得すべく,一般向けのPCであるInspironブランドで,比較的低価格の「ゲームにも使えるPC」を展開し始めていた。その代表例が,2015年10月に日本でも発売になった「Inspiron 15 7000」である。
ただInspiron 15 7000は,一般向けのInspironをベースに,当時のノートPC向けミドルクラスGPU「GeForce GTX 960M」を搭載し,GPUに合わせて冷却能力を強化した「だけ」の製品だった。事実上,Inspironのグラフィックス機能強化版でしかなかったわけだが,今回のInspiron 15 Gamingは,その製品名からも分かるとおり,明確にゲーマー向けを狙った,一般向けのInspironとは異なる筐体を採用しているのが大きな違いである。
Inspiron 15 Gamingは,鋭角的な形状をした黒色のボディをベースとして,本体前面の吸気孔や背面排気孔に赤色のパーツをアクセント的に配置し,見た目にも,いかにもゲーマー向けPCというデザインになった。
キーボードには赤色のLEDイルミネーションを内蔵。[W/A/S/D]キーには,キートップの周囲に四角い枠線をつけて,ほかのキーよりも目立たせるといった工夫も凝らしてある。
NVIDIAのノートPC向けGPUである「GeForce GTX 1050 Ti」,または「GeForce GTX 1050」を採用し,CPUはKaby Lake-Hこと4コアCPUの第7世代Coreプロセッサを搭載するとのこと。ちなみに,会場で触った試用機の搭載CPUは,「Core i7-7700HQ」だった。
搭載する液晶パネルは,15.6インチサイズで解像度1920×1080ドット,ノングレア(非光沢)モデルで,駆動方式は未公開。メインメモリ容量は最大32GBを選択でき,ストレージはNVMe接続で容量256GBのSSDか,Serial ATA接続で容量1TBのHDDを搭載できるようになっている。ALIENWAREの同サイズであるALIENWARE 15シリーズほどではないものの,15.6インチクラスのノートPCとして,比較的充実したスペックを備えていると言えそうだ。
米国直販サイトでは,GeForce GTX 1050とCore i5-7300HQ,メインメモリ容量8GB,容量1TBのHDDを搭載する最も安価なモデルでBTO標準構成価格が799.99ドル(税別,2017年1月7日現在の為替レートで考えると約9万3611円)で販売中だ。
日本での販売は未定とのことだが,システムビルダー製のゲーマー向けノートPCと直接競合するような価格で仮に出てくるとすれば,面白いことになるかもしれない。
ひょっとすると,当初はDell Gamingというブランドでいくことを考えていたが,最終的に使うのを止めた,もしくは今後,製品が揃ってきたとき,大々的にDell Gamingを打ち出す計画があるという可能性がある。
ALIENWAREのノートPCはKaby Lake-H世代に更新
Inspironの話が長くなってしまったが,もちろんALIENWAREのノートPCも新製品が登場している。ただ,基本的には2016年後半のGeForce GTX 10シリーズ
いずれも日本での販売は未定とのことだが,遠からず現行製品から新製品に入れ替わるであろうことは確実と思われる。
ちなみに,これらの新ALIENWAREノートPCはすべて「HDR Ready」とのことで,「標準搭載の液晶パネルでHDR表示に対応するのか!」と一瞬驚いたのだが,そうではない。単に,ビデオ出力インタフェースがHDR出力に対応しており,HDR対応ディスプレイや対応テレビを接続すれば,HDR表示が可能ですよという話だった。
で,そんなALIENWAREのHDR対応に合わせたのか,Dellは今回,HDR対応の液晶ディスプレイを何製品か発表しており,会場でもその一部を展示していた。たとえば「InfinityEdge Monitor S2718HX」(以下,S2718HX)という製品は,HDR対応に加えて,AMDのディスプレイ同期技術であるFreeSyncもサポートしているので,ゲームPCに組み合わせるHDR対応ディスプレイとしても利用できそうだ。
またDellは,32インチサイズで解像度7680×4320ドットという「8K解像度」の液晶ディスプレイ「UltraSharp UP3218K」を2017年3月に米国で発売することも発表している。価格はさすがの4999.99ドル(税別,約58万5068円)だ。
ゲーマー向けといえる仕様は備えておらず,そもそも8K解像度で快適にゲームを動かせるGPUが存在しない現状では,ゲーマーが導入すべきディスプレイとは冗談でも言えないが,「机に置けるサイズで8Kディスプレイ」というのは,来るべきものがついに来た印象を受ける。
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