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[CES 2017]HTC,現実の物体に取り付けて使うVive用のモーショントラッカーや専用ヘッドフォンを発表。VRアプリの定額遊び放題サービスなども
発表となった周辺機器は,銃型コントローラや手袋,バットといった現実の物体に取り付けると物体の動きをトラッキングできるというセンサーデバイス「Vive Tracker」と,Viveに取り付ける専用ヘッドフォン「Vive Deluxe Audio Strap」の2製品。どちらも2017年第2四半期に発売の予定だ。
エンドユーザー向けの定額制サービスや,アミューズメント施設向けアプリストア,業務用VRアプリストアも展開
ハードウェア製品以上に力が入っていたのは,アプリストアや業務用途への展開といった話題だ。
まず,Vive向けVRアプリストアである「Viveport」(関連記事)で,定額制(月額料金制)のアプリ配信サービスを開始することが発表となった。サインアップは北米時間2017年1月4日から開始されており,無料体験が可能となっている。正式サービスの開始は2017年第1四半期の予定だ。
発表を行った,Viveport担当社長のRikard Steiber氏は,音楽やビデオ,そしてゲームにも定額料金で使い放題のサービスが広がっていることを挙げたうえで,VRアプリも同様であると,サブスクリプションモデルの定額制システムの必要性を訴えた。
Viveportで配信するアプリを定額制の対象にするか,それとも現状のまま単品販売するか,その両方を利用するかは,アプリのデベロッパが任意に決められるとのこと。
定額制の導入により,2016年に1000タイトル以上,2017年には3000タイトル以上のコンテンツがリリースされると見込まれているVRアプリ市場において,アプリをまずユーザーに試してもらう機会を増やせるだろうと,Steiber氏はその意義を述べている。
さらに,Viveを使って来場者にVRコンテンツを体験させるアミューズメント施設向けに,「Viveport Arcade Platform」を2017年第1四半期の遅い時期に開始するという発表も行われた。
これは,業務用のVRコンテンツを配信する専門のストアで,300タイトル以上がすでに準備されているとのこと。とくに中国市場では,VRコンテンツを体験するアミューズメント施設が1000を超えるほど増えているという。台湾では,「Viveland」というViveportが関わるアミューズメント施設もオープンもする予定だそうだ。
さらに,エンターテインメント向けのVRコンテンツではなく,ビジネス用途に利用するVRアプリを専門に扱う「Viveport Enterprise VR」というアプリストアを,2017年第2四半期にスタートすることも発表された。主に,医療・健康分野や建築や機械設計,不動産といった分野でのVR活用が進み始めていることを受けたものだ。
こうした分野に向けた業務用途のVRアプリを販売するだけでなく,3Dモデリングデータやビジネスでの使用に関するトレーニングといった開発者支援も提供する予定であるという。
ハードウェアとアプリストアの両面から,HTCがViveのエコシステム拡大に取り組んでいることが,よく分かる発表だったのではないだろうか。
Vive 日本語公式Webサイト
Viveport Arcade Platformの公式Webサイト(英語,中国語)
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