ついに開幕した新たなKOF。簡単操作で勝ち誇るのが気持ちいい「THE KING OF FIGHTERS ALLSTAR」インプレッション

　Netmarbleは2018年7月26日，スマホ向けタイトル「THE KING OF FIGHTERS ALLSTAR」（iOS / Android　以下，KOF ALLSTAR）をリリースした。本作はSNKの対戦格闘ゲーム「THE KING OF FIGHTERS」シリーズのキャラクターが総出演するアクションRPGだ。


　「簡単操作で勝（ガ）ち誇（ボコ）れ！」というキャッチコピーのとおり，シンプルな操作で爽快感のあるアクションバトルが楽しめる。事前登録者数が150万人を突破し，7月26日のグランドオープン後，プレイヤー数が3日間で100万人を突破（関連記事）した注目作だ。
　今回はそんな「KOF ALLSTAR」の魅力をあらためて紹介していこう。

「THE KING OF FIGHTERS ALLSTAR」公式サイト

「THE KING OF FIGHTERS ALLSTAR」ダウンロードページ

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主人公は失われた記憶を求めてKOFへ

　「KOF」は対戦を主軸にしたシリーズだが，オロチ編，ネスツ編，アッシュ編などに代表されるストーリーも大きな見どころに挙げられる。それら原作にあった魅力は，本作にもしっかりと受け継がれている。

　物語は，プレイヤーである主人公が謎の少女・ノアと出会う場面から始まる。主人公は記憶を失っており，自分の置かれている状況を把握できない。ノアは，大会に出て有名になれば自分のことを知っている人が現れるのでは，と提案。その大会とはもちろん「THE KING OF FIGHTERS」だ。

主人公と行動を共にする少女・ノア

　記憶の手がかりをつかむため大会に出場することを決意する主人公だが，途中，参加を邪魔する謎の三人組が現れるなど，一筋縄ではいかない様子。果たして主人公は無事大会で優勝し，記憶の手がかりを掴むことができるのか……というのが，ざっくりしたストーリーラインだ。

　本作には京，テリー，リョウ，アテナといった「KOF」を代表する面々はもちろん，ノア，カヤ，リューゴなどのオリジナルキャラクターも登場。また，「KOF'94」をベースにしたストーリーから始まり，「95」「96」「97」と続いていく展開は，往年のファンには嬉しい流れとも言える。マップ画面で，キャラクターセレクトBGMのアレンジ版が使用されている点も芸が細かい。

ストーリークエストを進めていくと，歴代KOFをベースにしたクエストがアンロックされていく

スマホゲームの定番要素を盛り込みつつも

KOFならではのカラーを押し出したシステム

　続いては基本的なシステムを紹介しよう。まずはバトルシステムだ。操作は至ってシンプルで，画面をタップ（どこでも可）すると通常攻撃，画面右下のアイコンをタップするとアクティブスキルとスペシャルスキルを発動できる。キャラの移動は上下左右にスライド，ガードは，ガードアイコンもしくは画面をホールド，受け身はダウンする直前に任意の方向にスワイプすればいい（バーチャルパッド/ボタンを表示する“仮想パッドタイプ”も設定できる）。
　なお，アクティブスキルはキャラクターごとに3つ，フィニッシュスキルは1つ用意されている。封印されているスキルは，後述する「コア」で開放できる。

　オリジナル版を彷彿とさせる対戦格闘ゲームのような操作感と，ステージ内を（上下）左右に走り回れるベルトスクロールライクなアクションを手軽に味わえるため，アクションゲームが苦手な人でも問題なく楽しめるだろう。逆にアクションゲームが得意な人であれば，コンボや立ち回りを工夫し，クリアタイムを突き詰めるような遊び方もできる。

ベルトスクロールアクションを彷彿とさせるバトル。被ダメージを抑えつつ，いかに敵を効率よく撃破するかを考えよう

　バトルはオリジナル版と同じように，三人一組でチームを組むのが基本だが，サポーターとストライカーの存在がバトルをより奥深いものにしている。サポーターとは，クエスト入場時に他のプレイヤーのキャラクターを1名選び，任意のタイミングで8秒だけバトルに参加させるというシステムのことだ。

　一方のストライカーは，「KOF99」「2000」「2001」などで採用されていたものである。KOF ALLSTARでは，バトル中にファイターを呼び出して敵を攻撃する，バフをかけて優位に立つといった効果を得られる。いずれもサポートしてくれる時間は長くないが，ここぞという場面で大きな助けとなるだろう。ちなみに，サポーターは戦闘で一度きり，ストライカーは再度呼び出すのに30秒のクールタイムを必要とする。

　なお，チーム編成の際に関係性のある特定ファイター同士で組ませると，チームメンバーのHPなどがアップする“絆効果”を得られ，関連性の深いキャラをストライカーに設定すると，各種パラメータがアップするリンク効果を得られる。作品の年度や性別，国籍，ストーリー上の関係性などをあれこれ考えつつ，チーム/ストライカー編成を工夫してみると，本作をより深く楽しめるはずだ。

たとえば，アテナのストライカーを拳崇に設定するとリンク効果を得られる。ファイターはファイターガチャやイベント報酬などで入手可能だ

　キャラクターの成長要素としては，「強化」「進化」「限界突破」に加え，自分好みにキャラクターのステータスをアップさせられる要素「コア」も存在。さらに，行動を共にしたりプレゼントを渡したりしてキャラクターとの親密度を上げて報酬を入手する，「親密度」という要素も用意されている。プレゼントを渡すとキャラクターが感謝の気持ちを表してくれるので，こちらもなんとなく嬉しくなる。一部，素直じゃないキャラクターもいるが，そんなリアクションが嬉しいという方もいるのではないだろうか。

敵味方のキャラクターにはそれぞれ，赤，緑，黄，紫，青の属性が設定されており，赤は緑に強く青に弱い……といった相性関係が存在する（敵のみ無属性も登場）。加えて，攻撃型，防御型，バランス型といったファイター特性も設定されているので，チーム編成の参考にしよう

ちづるにプレゼント攻撃を仕掛けた結果，見事親密度が上昇

限界突破でキャラクターをさらに成長させよう

降臨イベント開催中。相手はあのルガール？

　続いての話題は「KOF ALLSTAR」に用意されたクエストについてだ。バリエーションは「ストーリークエスト」「スペシャルクエスト」「イベントクエスト」「ファイタークエスト」があるので，順にお伝えしよう。
　ストーリークエストは「KOF ALLSTAR」のメインストーリーが楽しめるもので，既存のキャラクターに加え，先にも述べたノア，カヤ，リューゴなどのオリジナルキャラクターが登場。原作をベースとしながらも，アレンジの効いた独自のストーリー展開が満喫できる。

「KOF」のボスといえばこの人，ルガール。主催者Rと見聞きすれば，おそらくほとんどのプレイヤーは理解できた……はず

イベントシーンがストーリーを盛り上げる

上着を脱いで本気を出すルガール。オリジナル版ではここからが地獄だったが，本作では果たして……

「95」のストーリー冒頭。庵，ビリー，影二のチーム結成の経緯？

　スペシャルクエストは，素材集めに適したクエストが多数用意されている。経験値クエスト，ゴールドクエスト，コアクエスト，ファイター進化クエストなど，キャラクターを強化するのに必要な素材アイテムなどが手に入る。
　イベントクエストは期間限定で開催されるもので，クエストをプレイすることによって豪華なアイテムや限定キャラクターを仲間にできる。本稿執筆時点（7月27日）では「欲望の魔神」が開催中。クエストをクリアすると，難易度に応じたルガールメダル（！）が手に入り，これを100枚集めると「底知れぬ欲望のルガール」を仲間にできる。交換所ではルガールメダルと引き換えに，欲望のルガールの進化素材や各種サポートアイテムと交換可能だ。
　なおイベントは，複数人での協力プレイも可能なので，他のプレイヤーと力を合わせて立ち向かうのもいいだろう。というか，HARDあたりにあるとシングルはキツイです……。

降臨イベント開催中。クエストをクリアして，ルガールメダルを手に入れよう

筆者もルガールメダルを100集め，なんとか底知れぬ欲望のルガールを入手することに成功。これからよろしく頼んます！

　そして「ファイタークエスト」は，条件を満たして勝利すると限界突破に使用するファイターソウルが手に入る。なお，ファイターソウルはファイターガチャでキャラクターが重複した場合でも入手可能だ。

バトルカードの組み合わせが勝利のカギ

スペシャルカードが欲しくてたまらない……

　バトルモードの紹介もしておこう。本稿執筆の時点では「リーグ戦」と「通信バトル」が開放されている。リーグ戦は非同期型のPvPだ。勝利を重ねていくとブロンズ，シルバー，ゴールド，プラチナ，ダイヤとアリーナランクが上がっていき，より多くの報酬を獲得できるようになる。

ローンチ直後はリーグ戦と通信バトルをプレイできた

　通信バトルは同期型のPvPで，現在はランダムマッチングができず，コードを入力してマッチングする方式を採用している。こちらはステージに奥行きがなく，原作に近い対戦格闘ゲームライクなバトルが楽しめる。筆者も友人と通信バトルを試してみたのだが，奥行きがなくなったことによるプレイフィールは，対戦格闘ゲームに通じるものがあった。思わず昔を思い出し，ニンマリとしてしまったアラサー，アラフォー世代のプレイヤーは筆者だけではないはずだ。

奥行きを排除して，より対戦格闘ゲームっぽいプレイフィールにしたリーグ戦と通信バトル（画面はリーグ戦のもの）

　さまざまなコンテンツをプレイしていると，戦闘力不足の影響でどうしてもクリアできない壁にぶつかることもあるだろう。そんなときはバトルカードにも注目したい。バトルカードには「スペシャルカード」「セットカード」「オプションカード」の3種類あり，それぞれ特徴が異なる。
　スペシャルカードは，特定のキャラクターに装備させるとスペシャルスキルを追加で習得できるというもの。つまりバトル中に，2種類の超必殺技を使えるようになるわけだ。

バトルカードはスペシャル，セット，オプションの3種類に分けられ，装着すると能力アップなどの効果を得られる

　オプションカードは最大2枚まで装備でき，経験値アップや攻撃力アップ，ダメージ軽減といった効果が得られる。セットカードは最大3枚まで装備できるカードで，基本的な効果はオプションカードと近いものがあるが，それぞれ，ツルギ，勾玉，カガミから成るセットマークが設定されている。これらをすべて装備すると特別な効果が発動され，ステータスが変化するという特徴がある。
　カード類はバトルカードガチャやイベント報酬で入手できるので，少しずつ集めてチームの戦闘力アップに役立てよう。

一部未登場のキャラクターはいるが，総合的には大満足

「KOF」ファンには間違いなくおすすめできる良質な一作だ

　本作を一通りプレイしてまず感心させられたのは，アクションゲームとしての完成度の高さだ。「KOF」の醍醐味とも言えるコンボを決めたときの爽快感は格別で，確かな達成感と爽快感を与えてくれる。シンプルな操作でゲームを楽しめるし，オートバトル機能も充実しているので，周回プレイも苦ではない。
　また，お気に入りのキャラクターを自分好みに成長させられるRPG要素は，キャラクターに思い入れの深いファンが多いKOFシリーズの，スマホ向けゲームとして大切な部分と言えるだろう。

ガチャ結果が男性キャラばっかりだと結構しょんぼりする（女の子がほしい……）

　現状，好きなキャラクターが実装されていないとお嘆きの方もいるかもしれないが，筆者だって，レオナやクーラ，フォクシー，ヴァネッサ，まりん，エリザベートなどなど，登場してほしいキャラクターはたくさんいる（女性キャラばっかりだが）。このあたりはしかるべきタイミングでの登場に期待するしかないわけだが，2018年7月30日のアップデートで「’97ニューフェイスPICK UPガチャイベント」がスタートし，シェルミー，クリス，七枷社（レアリティはいずれも★5）が実装された。これは今後のアップデートにも期待できそうだ。

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