プレイレポート
PS4/Xbox Oneで進化した「バイオハザード5」プレイインプレッション。洋館事件から10年,バイオテロとの戦いはまだ終わらない
これは,サバイバルホラーの金字塔「バイオハザード」シリーズの20周年を記念し,「バイオハザード4」「5」「6」を現行機に移植するプロジェクトの第2弾。高解像度と高フレームレートによるグラフィックス面の強化に加え,さまざまな別売りダウンロードコンテンツやPC版専用だったコンテンツも収録されている。価格はPS4版が2593円(+税),Xbox One版が2600円(+税)だ。
「バイオハザード5」公式サイト
PlayStation Store「バイオハザード5」
Xbox Games ストア「バイオハザード5」
鮮明になった光と闇,それがもたらす
さらなる恐怖と遊びやすさ
2009年3月に発売された「バイオハザード5」は,シリーズ初のHD作品であり,新機軸を打ち出したことで注目を集めた。実際,シリーズ最大のヒットとなる700万本という累計販売本数を記録している。
舞台は陰鬱な洋館やヨーロッパの寒村から,灼熱のアフリカへと移り,主人公のクリス・レッドフィールドとシェバ・アローマには,巧みに道具を操る俊敏なクリーチャー「マジニ」の集団が襲いかかる。
従来のイメージを大きく覆す世界設定やシステムは,さまざまな議論を呼んだものの,ゲームとしての完成度は高く,以降の「HDバイオ」の礎となったことは4Gamer読者ならご存じであろう。
●ストーリー
アンブレラ社の生物兵器流出により,引き起こされた未曾有の生物災害「ラクーン事件」から約10年。事件の生還者,クリス・レッドフィールドは対バイオテロ部隊BSAAのエージェントとして活躍していた。彼はアフリカ某国,キジュジュ自治区での生物兵器密売人の拘束作戦への参加を契機に,この地で進行する巨大な陰謀,そしてウェスカーの関与を知ることなる……。
対バイオテロ部隊BSAA創設者の1人
クリス・レッドフィールド バイオテロを憎むエージェント
シェバ・アローマ
アンブレラの遺産を継ぐ者
アルバート・ウェスカー 巨大企業トライセルの幹部
エクセラ・ギオネ
PS4/Xbox One版の見どころの1つが高解像度化だ。PS3/Xbox 360版の1280×720ドットに対し,フルHD(1920×1080ドット)対応となったことで,映像の迫力と雰囲気が増している。高解像度化と言うと,画質が絵画的に「美しくなる」ものを思い浮かべるかもしれないが,「バイオハザード5」では空気感や質感がより濃密になっていると感じられた。
「バイオハザード5」は恐怖感を演出する表現手法として,光と闇のコントラストが効果的に使われている。キジュジュ自治区の大通りから,路地や建物に入るとほの暗く不気味な闇が待っている。そして建物の外へ出ると,太陽の光が目を灼く。
明るいとはいえ,どこか鬱々とした陽光。粗末な小屋が醸し出す,何が潜んでいるか分からない街路。うち捨てられた動物の死骸にたかる虫。こうした精神にじわじわ来るようなシチュエーションが,高解像度化によって「重み」を増したように思える。
一方,高フレームレート化は戦闘シーンでその効果を実感できる。「バイオハザード5」の特徴として,複数の敵が同時に出現するという点が挙げられる。今回プレイした限りでは,多数の敵や複雑なオブジェクトが出現してもフレームレートは安定し,没入感を妨げることはなかった。
PS4/Xbox One版では,追加シナリオの「ロスト・イン・ナイトメアーズ」「デスパレート・エスケイプ」,オンライン対戦モード「ヴァーサス」,そして制限時間内にクリーチャーを倒していく「ザ・マーセナリーズ・ユナイテッド」を収録。さらに「エクストラコスチューム」を加えた大ボリュームとなっている。
なかでもロスト・イン・ナイトメアーズは,第1作「バイオハザード」を彷彿とさせる洋館が舞台となっており,本編の前日譚が描かれるものだ。
もちろんオリジナル版同様,オンライン協力プレイに対応しているので,世界中のプレイヤーと過酷なサバイバルに挑めるはずだ。また,ヴァーサスではクリーチャー相手だけでなく,最大4人のプレイヤー同士による対戦を楽しむこともできる。
●収録されている追加コンテンツ
- ザ・マーセナリーズ・ユナイテッド
- ロスト・イン・ナイトメアーズ
- デスパレート・エスケイプ
- ヴァーサス
- エクストラコスチューム
個人的に印象深かったのが,ザ・マーセナリーズ・ユナイテッドだ。本編に収録されていた「ザ・マーセナリーズ」,追加DLCとして配信された「ザ・マーセナリーズ・リユニオン」,さらにPC版に実装された「ザ・マーセナリーズ・アンリミテッド」を統合する“決定版”といった趣となっている。
従来のザ・マーセナリーズは,本編をクリアしないとプレイできず,キャラクターとステージは高評価を獲得することで徐々にアンロックされるものだった。それが全18体のキャラクターと全ステージを最初から選べるというのだから,なかなか感慨深い。
DLCキャラクターがすべて収録されている点も嬉しいところ。弾数無制限(!)のガトリングガンを背負った「クリス(Exoskeleton)」,赤ずきんのような衣装に身を包んだ「シェバ(Folklore)」,背中の空いたドレスがとにかくセクシーな「エクセラ(Tricell)」といった,いろいろな意味で尖ったキャラクターばかりなので,ぜひチェックしておこう。
アンリミテッドモードも見逃せない。これまではハイエンドPCでしかプレイできなかったため,未体験の人も多いと思うが,非常識なほどに大量のクリーチャーに押し潰されそうになる圧迫感と緊張感は特別なものだ。サクサクとした動作で終わりのない戦闘を存分に堪能してほしい。
PS3/Xbox 360からPS4/Xbox Oneへ,ハードウェアの世代に合わせてサバイバルホラーとしても進化を遂げた「バイオハザード5」。うだるような空気感が漂うアフリカで幕を開ける本作は,これからの季節にピッタリではないだろうか。
「バイオハザード5」公式サイト
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(C)CAPCOM CO., LTD. 2009, 2016 ALL RIGHTS RESERVED.
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