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ハロー!Steam広場 第253回:「バイオハザード」好きの開発者達が手掛けたサバイバルホラー「Daymare:1998」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,四肢を駆使してオーバークックをソロプレイする上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第253回は,「バイオハザード2」の非公式リメイクプロジェクトで話題になったInvader Studiosが手掛けるサバイバルホラーゲーム「Daymare:1998」を紹介しよう。プレイヤーは,ある研究施設で起きた事故の真相を突き止めるため,それに関わる3人の主人公を操作して,ゲームを進めていくのだ。
4Gamer公式キュレーター
「バイオハザード」好きの開発者達が手掛けたサバイバルホラーゲーム「Daymare:1998」
今回紹介するのは,三人称視点のサバイバルホラーゲーム「Daymare:1998」だ。本作を手掛けるInvader Studiosは,「バイオハザード2」の非公式リメイクプロジェクトで話題になったInvader Gamesが立ち上げたスタジオであり,公式リメイクの発表によってプロジェクトが頓挫したあとも,そのバイオ愛を形にしようと活動を続けていた。そして生まれたのが,この「Daymare:1998」である。ちなみに1998というのは,バイオハザード2が発売された年でもあったりする。
物語の幕を切るのは,バイオテクノロジーの分野で大きな成長を見せる企業「Hexacore」だ。この企業は,極秘裏に生物兵器を開発していたが,ある事故によってこれが外部へ漏れ出してしまう。その被害を大きく受けた周辺の町では,大規模なアウトブレイクが発生し,住民が次々とゾンビと化していく。まさに白昼の悪夢(Daymare)といったところだ。
本作では,Hexacoreの特殊部隊「H.A.D.E.S.」に所属するLiev,Hexacoreのエアーチームに所属するパイロットRaven,田舎町で平和に暮らしていたSamが主人公となり,それぞれの視点から物語が描かれていく。実際には,章によって操作するキャラクターが切り替わるといった感じで,ゲームが進んでいく形だ。
スタート地点から目的地までは基本的に一本道となっており,ゾンビを始めとするさまざまなクリーチャーを倒したり,パズルを解いたりしながら,ステージを進んでいく。
カメラは肩越し視点となっており,敵を攻撃するときは銃を構え,照準を合わせて撃つといった感じだ。ただし,手に入る弾薬の数はけっこう渋めなので,無視できる敵は極力避けていくことが重要となる。もっとも多く対峙するであろうゾンビですら耐久力が高いので,撃つにしても怯むまでにしておくなど,なるべく弾を温存させていく立ち回りをしていきたい。
FPSやTPSに慣れているプレイヤーであれば,マガジン内の弾薬が尽きたら意識せずとも[R]キー(リロード)に指が伸びるかと思うが,ここで普段通りに押してしまうと,本作では「クイックリロード」という扱いになり,現在装着されているマガジンを床に捨て,新しいマガジンを装着することになる。
それの何が困るのかというと,本作ではマガジンが1つのアイテムとして扱われるので,クイックリロードばかりしていると,しまいにはインベントリの予備マガジンがなくなり,リロード自体ができなくなってしまうのだ。
落としたマガジンは回収できるものの,それも戦闘中だとなかなか難しい。クイックリロードは即座に装填できるというメリットがあるものの,戦闘が長引くとそれだけリスクも高まるので,なるべく敵との距離を離してから通常のリロード([R]キー長押し)をすることをオススメする。
ちなみに,インベントリにある予備マガジン自体に弾薬が装填されていなければ,これまたリロードができないので,事前に弾薬を込めておくという準備も必要になる。
個人的には,このあたりの仕様で賛否の分かれるタイトルだと感じた。とくにマガジンに弾を込めておくという作業は,ゲーム全体を通して頻繁に発生するのだが,いかんせんインベントリ内での操作性の悪さが,ゲームのテンポを阻害していると思えるのだ。リロード時にいろいろな判断や準備が求められるのは確かに新鮮で良いアイデアなのだが,操作の快適性が追いついていないのでは本末転倒だろう。
一方でステージの雰囲気や絵作りに関しては,さすがバイオ2を自分達でリメイクしようとしていたことだけはある,と感じさせてくれるクオリティになっている。その空気感にうまくゾンビも溶け込んでおり,ちゃんとゾンビが怖いのも嬉しいポイントだ。また,パズルもほどよく悩めるくらいの難度になっており,しっかりとヒントさえ見つけられれば,Google先生に頼る必要もないはず。
全体的に粗削りな部分も確かにあるが,そういったところに目をつむれるのであれば,サバイバルホラーとしてしっかりと楽しめる作品になっているので,興味のある人はぜひ遊んでみほしい。ちなみに本作は,日本語版がDMM Gamesより2020年に発売予定となっているので,日本語でプレイしたい人はそちらを待とう。
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