プレイレポート
[プレイレポ]ローンチ直後に大きく躓いた「PAYDAY 3」はここから巻き返せるのか
本作は普通に遊べない状態が続いたため,ずいぶんと掲載が遅れたが,本稿ではローンチから1か月が経過して「今なら安心して遊べるのか?」という点も踏まえて紹介したい。
※筆者は主にPC版をプレイしています。
[プレイレポ]「PAYDAY 3」CBTに参加して分かった進化のポイント。前作の煩わしかった要素が解消され,プレイアビリティの向上を実感した
PLAIONがパブリッシュを担当し,Starbreeze Studiosが開発を手がけるクライムアクションシリーズ最新作「PAYDAY 3」のクローズドβテストが2023年8月2日から7日まで実施された。このテストに参加して分かった「PAYDAY 3」の情報をまとめてみよう。
「PAYDAY 3」公式サイト
スタートの躓きがあまりにも大きかった
冒頭でもお伝えしたとおり,PAYDAY 3のローンチ直後は大惨事と言える状態だった。
本作を遊ぶにはオンラインサーバーと通信をする必要がある。最初にアプリケーションがサーバーにログインするとメインメニューが表示され,そこからゲームを遊ぶためにマッチングサーバーへと接続し,生成されたゲームサーバーが起動するまでしばらく待たなければならない。その後,ようやくロビー画面に移行し,諸々の準備を終えた参加者がゴーサインを出すと,ようやくゲームが遊べるようになる。
ローンチから数時間は何事もなかったのだが,やがてマッチングサーバーに問題が生じて,ゲームの生成をするローディングが延々続くという事態になった。プレイヤーは「ローンチ直後だからマッチングに時間がかかるのかな?」なんて呑気に考えていたと思うが,実際はトラブルによる待ちぼうけを食らっていたわけだ。
楽しみにしていた新作が遊べない状況となり,世界中のプレイヤーがPAYDAY公式Xアカウントに非難のメッセージを浴びせていた様子を今でも覚えている。
さすがに事態を重く見たStarbreezeは,すぐにメンテナンスを実施して改善した旨を発表をするも,マッチングできない状態は解消されず,これが決め手となり,返金を求める人も現れるようになった。
で,肝心なのは今だ。結局,今はどうなってるのかというと「なんの問題もなく遊べる」ようになり,プレイヤーの溜飲が下がったという感じだ。今回のトラブルについて,Starbreezeの開発者は経緯を説明しているが,我々ゲーマーとしては「最初からちゃんと準備しといてよ」と言うほかない。
製品版で見えてきたコンテンツの少なさ
無事に遊べるようになった本作だが,まだ気になる点はいくつかある。中でも筆者が引っかかっているのが,ミッションと実装されている武器の少なさだ。
現在のミッションは8種類。そのうち7つは恒例のステルス可能な強盗,残る1つはドンパチが強制されるラウドである。前者は完全にステルスだけで攻略可能なやり込み甲斐があるミッションだが,後者は経験値稼ぎにはいいが繰り返し遊ぶには微妙な内容だ。
それぞれ難度を高くすると,監視カメラが破壊不可になったり,セキュリティの数が増えたりといった変化はあるものの,基本的にやることは変わらない。そこでいかにスムーズにクリアしていくかが醍醐味であるとはいえ,2週間も遊んでいれば飽きが来てしまう。
もうちょっと変化が欲しかったというのが,筆者の正直な感想だ。「PAYDAY 2」に登場した日をまたぐミッションだったり,逃走に失敗して逃げ回る要素だったりするようなエッセンスが欲しい。
武器の種類が少ない点も残念だ。PAYDAY 2には機関銃やロケットランチャー,丸ノコといった,バラエティ豊かで「おい,対人でそんなの使うなよ!」と言いたくなる武器も実装されていた。
それに比べると本作は至極普通というか,ゲラゲラ笑いながらツッコミたくなるような武器は存在しない。堅実と言えばそのとおり,しかし物足りない感覚は前作のプレイヤーとして拭えない。
とはいえ,PAYDAY 2だって長い年月をかけて,DLCで少しずつストーリーや武器の充実を図り,大きな成功に至った経緯がある。PAYDAY 3も同様に,遊びがいのあるタイトルへと進化することを期待したいところだ。
ただ,最初からDLCありきというのが見えているのは複雑な心境がある。スタートから充実した内容にしてほしいのは,筆者だけの願いではないだろう(PAYDAY 3に限らない話だが)。
でもなんだかんだ中毒性が高いから遊んじゃう!
ここまではネガティブな部分を書き連ねてきたが,筆者は前作のプレイヤーであり,期待値が高すぎたのかもしれない。
実際にゲームを遊んでみれば,トライアンドエラーを繰り返すステルス銀行強盗はかなり面白く,敵やオブジェクトの配置も多少のランダム性があり,毎回(少し)変化のあるゲームプレイが楽しめる。
「ここをこうしたら,もっと上手く通過できるのでは?」なんてことを考えながら,さまざまなアプローチを試していると,いつの間にか数時間が経過していたことも……。いわゆるスルメゲーといったところ。
そして忘れるわけにはいかないのが,野良マッチングの面白さだ。筆者はオンラインゲームを遊ぶとき,フレンド以外とは基本的にボイスチャットを使用しない。だからと言って不便ではなく,野良のメンツと言葉を交わさずとも,お互いの視線だけでなんとなく相手の意図していることを感じ取れる……不思議な連帯感が生まれるのは本作の特徴かもしれない。
真面目にステルスで攻略しているところに途中参加のトリガーハッピーが現れ,一瞬で場を壊されちゃうことも少なくないが,それもオンラインゲームの(ある意味)醍醐味だろう。
それでも一期一会のハイストを求めてしまう筆者は,なんだかんだ言ってもPAYDAY 3が好きなのだ。
まだ始まったばかり。長い目で見て遊んでいこう
PAYDAY 3はYEAR1(初年度)のロードマップが公開されており,今冬から2024年秋にかけて,季節ごとに1つずつ,計4つのDLC配信を予定している。2012年に発売されたPAYDAY 2は約10年,アップデートやDLCのリリースを繰り返して長寿のゲームとなった。続編もおそらく同様の道のりを想定しているだろう。
重要なファーストステップで躓いて複雑骨折の末,大ブーイングを食らったPAYDAY 3は果たして,どう挽回していくのか。今後の動向を注意深く見守っていきたいと思う。
「PAYDAY 3」公式サイト
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(C)2016 Starbreeze. All Rights Reserved, Starbreeze AB
PAYDAY 3(C)2023 STARBREEZE. Published by Deep Silver GmbH, Embracer Platz 1, 6604 Höfen, Austria. Deep Silver is a division of PLAION GmbH. Deep Silver and their respective logos are registered trademarks of PLAION GmbH. Developed by STARBREEZE. PAYDAY is a registered trademark of STARBREEZE. PAYDAY 3 uses the Unreal(R)Engine. Unreal(R)is a registered trademark or trademark of Epic Games, Inc. in the United States of America and elsewhere. Unreal(R)Engine, Copyright 1998 ? 2023, Epic Games, Inc. All rights reserved. All other trademarks, logos and copyrights are property of their respective owners. All rights reserved.
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