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AMD,新世代サーバー向けCPU「EPYC 7000」を正式発表。8C16Tから32C64Tまでの計12製品をラインナップ
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印刷2017/06/21 05:00

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AMD,新世代サーバー向けCPU「EPYC 7000」を正式発表。8C16Tから32C64Tまでの計12製品をラインナップ

 北米時間6月20日,AMDは,Zenマイクロアーキテクチャベースのサーバーおよびデータセンター向けCPU「EPYC 7000」(エピック7000)を発表した。
 開発コードネーム「Naples」(ネイプルス)と呼ばれていたCPUのブランド名と,最大で32コア64スレッド対応,CPUあたりのメモリコントローラが8ch,CPUあたりのPCI Express Gen.3レーン数が128になるといったスペックや,1〜2ソケットの比較的小規模なサーバー市場をターゲットにすることはすでに公表済みだったAMDだが(関連記事1関連記事2),今回はフルラインナップを明らかにしている。

EPYC 7000シリーズの主な仕様。いろいろ書いてあるが,多くは発表済みの内容だ
画像集 No.002のサムネイル画像 / AMD,新世代サーバー向けCPU「EPYC 7000」を正式発表。8C16Tから32C64Tまでの計12製品をラインナップ

 というわけで公表されたラインナップだが,具体的には以下のとおり。2ソケット(2-way)向けが9製品,1ソケット(1-way)向けで型番に「P」の付くものが3製品の計12製品となる。なおスペックの並びは順にコア数スレッド数(※xxCxxT表記),ベースクロック,ブースト最大クロック,メモリコントローラ,PCI Express Gen.3レーン数,TDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)となる。

  • EPYC 7601:32C64T,2.2GHz,3.2GHz,8ch DDR4-2667,128 Lanes,180W
  • EPYC 7551:32C64T,2.0GHz,3.0GHz,8ch DDR4-2667,128 Lanes,180W
  • EPYC 7501:32C64T,2.0GHz,3.0GHz,8ch DDR4-2667,128 Lanes,170Wもしくは155W
  • EPYC 7451:24C48T,2.3GHz,3.2GHz,8ch DDR4-2667,128 Lanes,180W
  • EPYC 7401:24C48T,2.0GHz,3.0GHz,8ch DDR4-2667,128 Lanes,170Wもしくは155W
  • EPYC 7351:16C32T,2.4GHz,2.9GHz,8ch DDR4-2667,128 Lanes,170Wもしくは155W
  • EPYC 7301:16C32T,2.2GHz,2.7GHz,8ch DDR4-2667,128 Lanes,170Wもしくは155W
  • EPYC 7281:16C32T,2.1GHz,2.7GHz,8ch DDR4-2667,128 Lanes,170Wもしくは155W
  • EPYC 7251:8C16T,2.1GHz,2.9GHz,8ch DDR4-2667,128 Lanes,120W
  • EPYC 7251:8C16T,2.1GHz,2.9GHz,8ch DDR4-2667,128 Lanes,120W
  • EPYC 7551P:32C64T,2.0GHz,3.0GHz,8ch DDR4-2667,128 Lanes,180W
  • EPYC 7401P:24C48T,2.0GHz,3.0GHz,8ch DDR4-2667,128 Lanes,170Wもしくは155W
  • EPYC 7351P:16C32T,2.4GHz,2.9GHz,8ch DDR4-2667,128 Lanes,170Wもしくは155W

2ソケット向けEPYC 7000シリーズのラインナップ。32コア64スレッド対応のEPYC 7600&7500番台が3製品,24コア48スレッド対応のEPYC 7400番台が2製品,16コア32スレッド対応のEPYC 7300番台2製品と「EPYC 7281」,そして8コア16スレッド対応の「EPYC 7251」といったラインナップだ
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1ソケット向けEPYC 7000Pシリーズは3モデル。8コア16スレッド対応製品は用意されていない
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Xeon E5比で整数演算性能は47%,浮動小数点演算演算性能は75%優れる


 EPYC 7000シリーズは,4コア8スレッド対応のCPUモジュール「CPU Complex」(公式略称「CCX」,以下略称表記)を1つのCPUパッケージに最大4枚搭載したものだ。CCX間の接続に用いているインターコネクト技術が「Infinity Fabric」なのも,その帯域幅が42.6GB/sとなるのもRyzenと変わらない。
 ちなみに2ソケットシステムの場合,CPUパッケージ同士の接続にもInfinity Fabricを使うのだが,そのときはPCI Expressの信号線を利用するため,帯域幅は双方向で37.9GB/sまで落ちるとのことである。

EPYC 7000シリーズの半導体ダイ,CPUパッケージ同士の通信帯域幅,およびメモリバス帯域幅を示したスライド
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 AMDでは,EPYC 7000シリーズの競合製品として,2ソケットシステム向けの「Xeon E5」シリーズを挙げていて,実際AMDは,発表時点の最上位モデルとなる32C64T対応のEPYC 7601と,Xeon E5-2000 v4シリーズの最上位モデルとなる22C44T対応の「Xeon E5-2699A v4」でベンチマーク結果を比較した結果というスライドを下のとおり示している。
 それによれば,EPYC 7601はXeon E5-2699A v4に対して,整数演算性能で47%,浮動小数点演算性能では75%も上回るとのことだ。

EPYC 7601とXeon E5-2699A v4との性能比較グラフ。整数演算性能では47%,浮動小数点演算性能で75%上回っており,メモリバス帯域幅は2.5倍に達するという
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 サーバー用途向けの機能としては,CPUの監視やメモリ暗号化キーを管理する「Secure Processor」と,透過的なメモリの暗号化機能「Secure Memory Encryption」(以下,SME)という2つについての説明が行われた。

 Secure Processorとは,EPYC 7000シリーズが統合しているARM製CPU「Cortex-A5」をベースにしたシステム管理用プロセッサのこと。Cortex-A5が持つセキュリティ機能を使い,セキュアなカーネルを持つ専用OSが動作するという。これを使うことで,エラー処理やメモリ暗号化キーなどをメインOSとは別に管理できるほか,起動時のハードウェア検証なども行えるそうだ。

EPYC 7000は,セキュリティサブシステムとしてARMコアを使ったSecure Processorを内蔵している。AMDのサーバー向けCPUでは,以前から使われている技術の最新版だ
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 一方のSMEとは,メインメモリの内容をソフトウェアから透過的に暗号化する,ハードウェアレベルの仕組みのこと。これにより,動作中のシステムからメモリの内容を不正に読み出すといった手法の利用が困難になるという。暗号化キーはSecure Processorが管理するため,暗号化キーを取り出すことも困難という理屈である。

EPYC 7000は,メインメモリの内容を128bitのAESで暗号化できる。暗号化キーはCPUごとに内部で管理するので,外部の回路などを使って不正にメインメモリの内容を読み出すことは困難になっている
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 EPYC 7000は,さまざまな周辺回路をCPUパッケージ内に取り込んだSoC(System-on-a-Chip)となっており,冒頭で紹介したノースブリッジ的な機能のほかにも,USBや外部デバイス接続用インタフェース,クロックジェネレータなどを統合している。これにより,部品点数を減らしたシステムを構成することが可能になるという。

EPYC 7000はPCI Expressだけでなく,USBやGPIOといった外部デバイス接続用の機能や,リアルタイムクロックといった周辺回路も統合している
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EPYC 7000は8枚×2で最大16枚のメモリモジュールを接続できる。PCI Express Gen.3のレーン数も128と非常に多い
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 EPYC 7000シリーズで2ソケットシステムを構成する場合,各CPUパッケージには,メモリモジュールを最大16枚,グラフィックスカード――GPGPU用カードと言うべきか――を3枚まで接続することが可能だ。そのためシステム全体では,メモリモジュールは最大32枚,グラフィックスカードは最大6枚まで接続できることになる。
 競合のシステムでこれだけの数のグラフィックスカードを接続しようとすると,どうしてもPCI Expressスイッチを経由した接続になってしまうが,EPYC 7000であれば,各CPUパッケージに直接接続できるので優位というのがAMDの主張だ。

競合の2ソケットシステムでグラフィックスカードを6枚装着するには,PCI Expressスイッチを経由する必要がある(上)。一方,PCI Expressレーン数の多いEPYC 7000シリーズならば,CPUごとに3枚までのグラフィックスカードを直結できる(下)
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Vega世代の「Radeon Instinct MI25」と「Radeon Vega Frontier Edition」の新情報もあり


 そのほかにAMDは,「Vega」マクロアーキテクチャ世代のGPUを採用した2つの製品についての新情報も明らかにしている。
 1つは,2016年12月の時点で存在が明らかになっていった人工知能用途向けの数値演算アクセラレータ「Radeon Instinct MI25」についての話題だ。

 Radeon Instinct MI25は,64基の新世代Compute Unitを搭載しており,シェーダプロセッサ「Stream Processor」の数は4096基に達するGPUである。グラフィックスメモリには容量16GBのHBM2を採用しており,メモリバス帯域幅は484GB/sになるという。
 このスペックにより,単精度浮動小数点演算(FP32)性能は12.3 TFLOPS,半精度浮動小数点演算性能は24.6 TFLOPSに達するとのことだ。

Radeon Instinct MI25の主なスペック
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Radeon Vega Frontier Editionは2017年6月中に出荷を開始するとのこと
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 もう1つは,COMPUTEX TAIPEI 2017で発表となった,Vega世代GPU搭載のワークステーション向けグラフィックスカード「Radeon Vega Frontier Edition」(関連記事)に関する話題である。

 2017年6月中に出荷開始という情報は目新しいものではないが,新たにベンチマークテストの結果が公表されたのがポイントだ。それによれば,ディープラーニングの学習性能を測るベンチマークテスト「DeepBench」で計測したところ,NVIDIAの「Tesla P100」よりも,Radeon Vega Frontier Editionのほうが1.5倍ほど性能が高かったという。

ディープラーニングの学習性能を測るベンチマークテストでは,Radeon Vega Frontier Editionのほうが,Tesla P100よりも高速であるという
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 なお,ゲーマーに関係のあるPC用グラフィックスカード向けGPUである「Radeon RX Vega」については,北米時間7月30日に開幕となるSIGGRAPH 2017で発表するという既出の情報のみで,アップデートは何もなかった。

AMDのEPYC製品情報ページ

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    EPYC

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    Radeon Pro,Radeon Instinct

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    Radeon RX Vega

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