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AMD,64コア128スレッド対応の次世代EPYC「Rome」を予告。「Zen 3」「Zen 4」マイクロアーキテクチャ開発の進捗も明らかに
CPUのほうは,サーバーおよびデータセンター向けプロセッサ「EPYC」の「Zen 2」マイクロアーキテクチャ採用版となる開発コードネーム「Rome」(ローマ)で,最大64コア128スレッド対応。CPUコアの載るシリコンダイ8基が,大きなI/Oチップを挟むようなユニークな構造になっていることを,AMD社長兼CEOであるLisa Su(リサ・スー)博士は明らかにしている。
正式発表は2019年内とのことだ。
一方GPUのほうは,「第2世代Vega」もしくは「Vega 7nm」と呼ばれたプロセッサだ。まずはワークステーションおよびサーバー向けGPU「Radeon Instinct MI50」および「Radeon Instinct MI60」として2018年内にリリース予定になっているという。
競合に先んじて7nmプロセス技術を採用
冒頭でも紹介したとおり,AMDが次世代CPUおよびGPUの製造に用いる7nmプロセス技術は台湾TSMCのものだ。いわく,TSMCとの共同開発により実用化したもので,x86プロセッサおよびGPUの製造用としては世界初とのことである。
CPUパートのプレゼンテーションで登壇した上級副社長兼CTOのMark Papermaster(マーク・ペーパーマスター)氏が,7nmプロセス技術を紹介するときに強調していたのは,「我々は顧客との約束は守る」ということだった。これは,競合のIntelが10nmプロセス技術の実用化に苦労していることを念頭に置いた発言という理解でまず間違いない。
プロセッサの世界では,競合を軽く叩くのが新製品リリース時における定番なので驚くような話ではないが,Papermaster氏は,「我々が競合に対して製造プロセス技術で先んずるのは,今回が初めてのことである」と繰り返し強調していたのは印象的だ。AMDにとって,7nmプロセス技術の採用でIntelに先んじたというのは,それほどまでに喜ばしいできことなのだろう。
さらに,Papermaster氏は「エンタープライズ向けのプロセッサは,先の先までロードマップを開示しておくことが重要だ」と述べたうえで,今回発表したZen 2ベースの新EPYCに続くロードマップについても言及した。それによると,改良型の7nmプロセス技術である「7nm+」プロセス技術を用いる次世代の「Zen 3」マイクロアーキテクチャを採用したCPUの開発と製造が予定どおり進んでおり,またAMDでは,次々世代のマイクロアーキテクチャとなる「Zen 4」の開発にも着手しているそうだ。
Intelが10nmプロセス技術でつまづいている間に,サーバーやデータセンター市場で地位を固めたいのだと思われるが,AMDは今回,かなり強気のプレゼンテーションを行っているように見えた。
なお,今回発表となった7nmプロセス世代のCPUとGPU,その詳細については,稿をあらためてレポートしたいと思う。
AMD公式Webサイト
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