サイバーパンクホラー「>observer_」のNintendo Switch版がアナウンス。日本語版の実現に向けて，国内パブリッシャとの調整が進行中か

　2017年8月にリリースされた「>observer_」（PC/PlayStation 4/Xbox One）は，ホラーゲームに定評のあるポーランドのデベロッパ，Bloober Teamが手がけたタイトルだ。


　2084年，ポーランドの南部都市クラクフを舞台に，容疑者や被害者の脳内にある記憶にアクセスできるという特殊能力を持つベテラン刑事，ダニエル・ラザルスキーが失踪した息子を追うなかで，狂気の世界へ足を踏み入れてしまう物語が展開していく。
　サイコホラーとサイバーパンクが融合したビジュアルやストーリーは，既存のホラーゲームと比較しても大いに異彩を放つもので，多くのゲーマーから高い評価を受けている。


　現在，Bloober Teamが2016年にリリースした傑作ホラー「Layers of Fear」（PC/PlayStation 4/Xbox One）と「>observer_」がセットになったバンドルパックが各プラットフォーム向けに販売中だ。同スタジオが生み出すホラー体験をじっくりと味わいたい人は，購入を検討してみるといいだろう。


　さて，本題に入ろう。
　東京ゲームショウ2018の会期中，Bloober Teamのプロダクションマネージャーを務めるKonrad Rekieć（コンラット・レキェッチ）氏と，同じくデザインディレクターのWojciech Piejko（ヴォイチェフ・ピェイコ）氏が来日していた。

Konrad Rekieć（コンラット・レキェッチ）氏（右），Wojciech Piejko（ヴォイチェフ・ピェイコ）氏（左）

　ビジネスミーティングエリアに足を運び，今回の来日の目的を尋ねてみると，「『>observer_』のNintendo Switch版をリリースするにあたり，日本でも販売するためにパートナーを探しに来ました」とのこと。ちなみに，同作のNintendo Switch版は9月1日にアナウンストレイラーが公開されているが，それは海外向けの話。日本国内の展開は初耳だ。


　さらに「パートナー探し」の進捗をうかがうと，近年，世界的にサイバーパンクへの関心が高いという傾向があり，それは「>observer_」も例外ではなく，興味を示してくれるパブリッシャは多いとのこと。
　なお，同作のPlayStation 4版はオーイズミ・アミュージオから国内向けにダウンロード販売が行なわれているが，今回のNintendo Switch版のリリースに際して，彼らはパッケージ販売も希望しているという。そのため，「さまざまなパブリッシャと話し合い，ゲームにとって最も理想的な形を模索している」とのことだった。

TGS 2018の会期中，幕張メッセの通路には「>observer_」のビジュアルが掲出されていた

　Nintendo Switch版「>observer_」の開発は，順調にいけば年内に終える見通しで，海外でのリリースは年明けの早い段階を予定しているという。もちろん，現在も鋭意開発中につき，多少スケジュールが変動する可能性はあるだろう。
　Nintendo Switch版ならではの特長を聞くと，HD振動やモーションセンサーといった本体機能を活用した操作が可能になることに加え，「今は“サプライズを追加する”としか言えない（笑）」と答えてくれた。

Nintendo Switch版「>observer_」の「ごく初期のデモ」。仮の状態ながら，一部の字幕は日本語になっている

　現在，Bloober Teamには100人近いスタッフが在籍しており，3つのプロジェクトが進行しているとのこと。その1つが，Gun Mediaと共に開発を行っている「Project Méliès」。ティザー映像を見る限りでは，「>observer_」とも「Layers of Fear」ともまったく異なる作品になりそうな予感だ。


　なお，各プロジェクトについて「まだ何も伝えられない」としつつも，「すべてのプロジェクトが我々のフィロソフィー（哲学）にあるホラーゲームです」と明かしてくれた。もしホラーゲームファンを自称するのであれば，Bloober Teamの今後の動向は押さえておくべきだろう。

「>observer_」公式サイト