インタビュー
「アリスギア」&「ダライアス」コラボインタビュー。本家開発陣が手がける,ダライアス愛に溢れたディープな作り込み
本稿はそれにあわせて行った,関係者へのインタビュー記事である。
まずは,2021年2月25日発売のダライアス コズミックリベレーションについて。本作はシリーズの名作に新要素を加えた「GダライアスHD」と「ダライアスバースト アナザークロニクルEX+」の2本が収録されており,水棲生物モチーフのボス群,ゾーン分岐するステージ,ZUNTATAのサウンドといったダライアスらしさをさらに強化した最新作だ。
そして,アリスギアの開発元はピラミッド。コズミックリベレーション収録のアナザークロニクルEX+の開発元もピラミッド。
つまり本コラボは,コラボ元とコラボ先が同じメーカーとなるわけで,正真正銘の“本家開発陣によるコラボ”と言える。
というわけで今回は,ピラミッドの柏木准一氏,タイトーの針谷 真氏と外山雄一氏という,もはや疑いようもないほどにダライアスシリーズを愛している,3人のキーマンに話を聞いてきた。
「アリス・ギア・アイギス」公式サイト
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「ダライアス コズミックリベレーション」公式サイト
インタビューに入る前の豆知識
「このコラボはなにがどうすごいのか?」。その前提知識がない人たちのために簡単な構図をあらかじめ説明しておこう。
本インタビューにおける見どころは,なんと言ってもタイトーとピラミッドが脈々と受け継いできたシューティングゲーム愛,ならびにダライアスシリーズへの愛である。アリスギアとのコラボでは,それらの愛とこだわりが「これでもか!」とばかりに発揮されている。
アリスギアの開発陣は,名門ダライアスが再起動を図った「ダライアスバースト」シリーズのスタッフである。通常,スマホゲームのコラボ施策というのは作品の世界観がコラボ先で再解釈されるものだが(監修はあるにせよ),今回はどちらも同じスタッフが携わっている。
それだけに,コラボ内容もいささか“エラくディープなダライアス味”となった。それゆえ「ダライアスのあらまし? 知らなーい」といった人にはなんのこっちゃのはずなので,軽くまとめていく次第だ。
1986年に稼働したアーケード向け横スクロールシューティングゲーム「ダライアス」は,3画面を横につないだ大型筐体,水棲生物型の巨大戦艦,そしてタイトーのサウンドチーム「ZUNTATA」によるコズミック(宇宙的)な楽曲により,ゲーマーの話題を呼んだ。
それ以降もダライアスの金字塔「ダライアス外伝」などの続編タイトルが送り出され,2000年あたりからしばらくの休眠をはさみつつ,12年ぶりとなる2009年に新作「ダライアスバースト」が世に現れた。
臆さずに言うと,2000年代に入ってからというものシューティングゲームは不遇の時代が続いていたのだが,ダライアスバーストではアニメ「機動戦士ガンダム00」「ガンダムビルドダイバーズ Re:RISE」の海老川兼武氏と柳瀬敬之氏のメカデザイン,さらにアニメ「ストライクウィッチーズ」などで有名な島田フミカネ氏がキャラクターを手がけたことを呼び水に,それはそれは見事な再始動を果たした。
そして,そんなシリーズから選りすぐりの2本をパックにしたのが,今回のダライアス コズミックリベレーションなのである。とくにダライアスバーストの系譜となる「ダライアスバースト アナザークロニクルEX+」の存在は,今日(こんにち)のダライアスの顔とも言える。
そのうえで,本コラボの顔役となるのは,ダライアスバーストに登場する美少女型AI端末「Ti2」である。Ti2は同作のとあるエンディングにて,人類と謎の敵「シーマ」との戦争を防ぐためにいずこかへ旅立ってしまった。しかも続編「ダライアスバースト クロニクルセイバーズ」では,彼女の機体が敵の巨大戦艦に取り込まれてしまっていた。
これがまた長年ファンの憶測を呼ぶ状況であったが,本コラボでは“その間のTi2になにがあったのか”が描かれるというのだから,ダライアスファン的には見逃せないイベントなのである。
長々と説明したが,ここからインタビューに入ろう。
十数年越しの念願が,コラボを叶えた
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。今回はアリスギアとダライアスのコラボイベントについて,それぞれ思いの丈をお聞かせください。
柏木准一氏(以下,柏木氏):
よろしくお願いします。ピラミッドの柏木です。
針谷 真氏(以下,針谷氏):
タイトーの針谷です。これまで「ダライアスバースト アナザークロニクル」でプロデューサーを,「ダライアスバースト クロニクルセイバーズ」でディレクターを担当してきました。
外山雄一氏(以下,外山氏):
同じくタイトーの外山です。私はシリーズ作品の移植プロジェクトである「ダライアス コズミックコレクション」と,今回の「ダライアス コズミックリベレーション」に携わっています。
4Gamer:
まずは簡単に,本コラボの概要を教えていただけますか。
柏木氏:
アリスギアでは期間中,ダライアスバーストのTi2と,その量産型である新キャラクター「イア・レトナ」が登場し,コラボ限定ストーリーを楽しめます。また,ダライアスバーストの自機「レジェンドシルバーホークバースト」がモチーフのコラボギア(※)も入手できます。
デザインはそれぞれ島田フミカネさんと海老川兼武さんに描いてもらっていて,いずれも原作再現のギミックを備えています。
※「ギア」:アリスギアの世界で,謎の機械生命体「ヴァイス」と戦う少女たち「アクトレス」が身にまとう武装。ゲームジャンル“武装カスタマイズアクション”を支える装備品要素となっている。
4Gamer:
コラボ実現に向けて,苦労した点はなんでしょう。
柏木氏:
すべてですね(笑)。シューティングファンの方々は細かなところまでじっくりと見てくださるので,どの部分もちゃんと作らなければなりません。手を抜けるところはありませんでした。
外山氏:
タイトーのほうはコラボに関する調整などをしたものの,ピラミッドさんの苦労と比べると……なんということもないです(笑)。
針谷氏:
ピラミッドさんはダライアスシリーズについて細かく知り尽くしているので,こちらとしてもやりやすかったですよね。
4Gamer:
本家スタッフだけに「作ったものがそのまま正解」的な。
針谷氏:
ええ。いずれのタイトルもピラミッドさんが勘どころを理解しているので,コラボ作業の進行はとてもスムーズに進みました。
4Gamer:
あらためて,今回のコラボを実現させた理由はなんですか。
外山氏:
2年ほど前ですが,柏木さんとはダライアス コズミックリベレーションのプロジェクトが動きはじめた当初から「コラボできたらいいね」と話し合っていて。それを実らせたわけです。
柏木さんからも熱烈なラブコールもいただいていましたしね。
柏木氏:
さらに言うと,2007年ごろのダライアスバーストの企画時点で,プロデューサーのアオキヒロシさんが他社さんとのコラボ施策を模索されていたんです。「ダライアスバーストと他社のシューティング作品で互いの自機をコラボ出演」させるなどと。結局,完璧な形で実現することはありませんでしたが,今考えてもアオキさんの先見の明が光ります。
4Gamer:
今でこそゲーム同士のコラボも当たり前ですが,2007年時点で構想していたというのは先進的に思えます。まあタイトーは「レインボーアイランド」(※1)や「サイバリオン」(※2)で,1980年代に自社コラボを展開していましたから。そのイズムが受け継がれている可能性も。
※1「レインボーアイランド」:1987年。ダライアスと同年に登場し,その時代にコラボ施策を実現していたタイトル。コラボステージではダライアスの敵機が登場し,アレンジBGMが流れる。現代のゲーム間コラボにつながる原型は,ここからはじまったといっても過言ではない。
※2「サイバリオン」:1988年。ダライアスの翌年に登場し,同作の自機・シルバーホークを登場させたタイトル。ダライアスバーストでは逆に,自機・サイバリオンにそっくりな巨大戦艦がアレンジBGMとともに出現するサプライズが仕掛けられていた。
針谷氏:
そういったファンサービスの考えは根強いかもしれませんね。
柏木氏:
タイトーさんはファンサービスでも手を抜きませんしねえ。
サイバリオンに出てきた「ゴールドホーク」にしたって,単にダライアスのシルバーホークをそのまま持っていくのではなく,新たに描き起こしていたじゃないですか? 僕はあのときのサイバリオンから,こうしてコラボで手間をかける大切さを学びましたし(笑)。
4Gamer:
コラボだからこそ手を抜かないと。しかしダライアスバーストのころには“シューティング不遇の時代”なんて言われていましたが,アオキさんがコラボの発想に至ったのも市場が関係していたのでしょうか。
そうですね。シューティングには厳しい時代でも,我々シューティング界隈はともに盛り上がっていくべきだ,といった思いはそのころには持っていたようです。
実際,2016年のダライアスバースト クロニクルセイバーズではその発想を掘り返し,タイトーさんの社内コラボを皮切りに,セガさん,ケイブさん,エイティングさん,カプコンさんと,それぞれのシューティング作品の自機をお借りするコラボDLC(※)を展開しました。
※「ダライアスバースト クロニクルセイバーズ」では,各社を代表するシューティングゲームの自機がDLCで提供された。それらはグラフィックスのみならず,「ファンタジーゾーン」のコインや買い物システム,「サイドアームズ」のショット着弾のたびに取得武器が変化する仕組みなど,わざわざ専用システムが用意されたものもあった。
4Gamer:
いろいろなシューティングの自機が集う,夢の競演でしたよね。
柏木氏:
ただ,ダライアスバーストの自機やキャラクターが別のゲームに登場することは叶いませんでした。ですから今回のアリスギアコラボは,我々としては十数年越しに叶った,念願のコラボの形と言えるんです。
Ti2が去ったあと。コラボストーリーも超ディープ
4Gamer:
ダライアス成分が強くなってきましたが,続いてはコラボキャラクター「Ti2」と「イア・レトナ」について聞かせてください。
柏木氏:
従来のダライアスシリーズでは,キャラクターを前面に押し出すことはしていませんでした。そういった状況にありながらも,ダライアスバーストで登場させたTi2はプレイヤーの皆さんに愛され,後年にはアプリ「アルカノイドvsインベーダー」にも登場するなど幅広く活躍させることができました。今回のコラボにしても「ぜひTi2を押し出したいです!」とご提案してのことです。
一応,コラボ内容に関連して,Ti2などの一部に新たな解釈が必要になりましたが,いずれもしっかりと設定を確認し,十分に検討したうえでタイトーさんに監修をお願いしています。そのため,じっくりと深いところにまで踏み込めたコラボにすることができました。
4Gamer:
踏み込んだ部分の一例はなんでしょう。
柏木氏:
とくにストーリーですね。これまでのTi2と無関係な話ではなく,ダライアスシリーズとして整合性を取る物語にしました。
コラボの舞台は,アリスギアとダライアスシリーズの世界が融合した新たな世界となります。そこではダライアスバーストの「Jゾーンのエンディング」から,ダライアスバースト クロニクルセイバーズへと至るまでの,今まで説明していなかった軌跡を描いています。
4Gamer:
Jゾーンエンディング後ですか。ファンが知りたかったところです。
柏木氏:
件のJゾーンエンディングでは,そこに至るまで一緒に戦ってくれていたTi2が人類のもとから旅立っていきます。「Gダライアス」にも現れた謎の集団知性体「シーマ」と人類とが戦争状態に突入するのを防ぐべく,彼女は単身でシーマのもとへ説得に向かったんです。
4Gamer:
続くダライアスバースト クロニクルセイバーズでは,姿を消していたTi2が戦闘中にメッセージを送ってくる演出があるんですよね。そこで彼女がまだこの世界のどこかにいる,ということが分かります。あのときは懐かしいというか,旧友と再会した気分にさせてもらいました。
柏木氏:
でもそのあとにTi2の機体が,シーマ艦「クリムゾンナイトメア」に取り込まれていることが判明するんですよねえ。
そこは本当に一瞬しか描写されていないんですけど,さすがシューティングファンの皆さん。すぐさま気づいてくれました(笑)。
4Gamer:
コラボのTi2と,原作のTi2は同一人物なのでしょうか。
柏木氏:
コラボで出てくるTi2は,ダライアスバースト クロニクルセイバーズで通信をくれるTi2と同一人物であると解釈して大丈夫です。
4Gamer:
言ったとおり,ダライアスの世界にガッチリ食い込んでますね。
柏木氏:
これまで謎めいた存在として描写されてきたシーマが,一体なにを考えていたのか。それもある程度は文章にしています。世界観の文字説明が多くないダライアスシリーズ的には,初めてのことじゃないかな。
だからこそダライアスバースト クロニクルセイバーズの物語を知っている人なら,より楽しめる内容になっています。まあ,そこまで追求できたのは全国で100人くらいしかいないと思いますが(笑)。
4Gamer:
では,もう一方のイア・レトナというのは?
柏木氏:
コラボストーリーではシーマの説得に向かったあとのTi2を描きますが,そうなるとダライアス側(人類側)の視点で,Ti2が去ったあとを語る狂言回しが必要だったんです。
それが量産型Ti2の人型AI端末,イア・レトナというわけです。
4Gamer:
Ti2のキャラクター付けで考慮したことはありますか。
柏木氏:
キャラクターボイス(CV:佐倉綾音)とそのセリフですね。収録台本を作るとき,皆さんが愛してくださっているTi2像を崩さないよう注意しました。彼女は基地で運用されているAI端末ですから,それなりに人当たりはよいものとして,かつ柔らかくなりすぎないようなしゃべり方で,随所にミリタリー用語を取り入れるなど。人物像を深めています。
針谷氏:
Ti2のセリフ収録では,弊社の石川(石川勝久氏。タイトーサウンドチーム「ZUNTATA」5代目リーダー)が立ち会い,アルカノイドvsインベーダーでのキャラ付けを参考に,佐倉綾音さんと話し合いました。
キーワードは“軍人AIとして淡々と喋る”でしたね。
石川はアリスギアのお仕事もずっと続けてきましたし,ダライアスの世界観も熟知していますから。最善のTi2になったと思います。
4Gamer:
自機が主役のシューティングゲームにおけるキャラクター性は,どのような作品でも大きな課題,もしくはテーマと言えますが。
当時ダライアスバーストでキャラクターを盛り込んでいたことが,今となってみれば英断だったと感じられます。
柏木氏:
そうですね。もちろんキャラクター性を押し出すかどうかは,ゲームの必然性に応じて決めていることです。とくにダライアスバーストの物語では,リーガ・プラティカ(※)とTi2の存在が不可欠でした。
一方でダライアスバースト アナザークロニクルの物語は,人類が宇宙のあちこちで一大反攻作戦を展開するという,群像劇的な構造を採用しています。さらにゲームとしてはアーケード向け,つまり全国のゲームセンターで戦うプレイヤー自身が主役なので,キャラクター性を押し出さず,あくまで“名もなき戦士たち”であることを強調しました。
※「リーガ・プラティカ」:ダライアスバーストの主人公のひとり。男性パイロット。人間の機械化,また戦闘機の操縦をAIに委ねることに反対しており,当初はTi2のこともよく思っていなかった。
4Gamer:
ダライアスバーストでキャラクター性を押し出し,ダライアスバースト アナザークロニクルでキャラクター性を抑えた。それも「キャラの存在の有無」の前に,ゲーム全体で意図してのことだったんですね。
柏木氏:
はい。今でこそTi2はダライアスバーストを代表するキャラクターとして受け入れていただいていますが,そこには続編のダライアスバースト アナザークロニクルでキャラクター性を抑えた反動もあると思います。そういった出し方のメリハリが功を奏したのかもしれません。
4Gamer:
ダライアスバースト アナザークロニクルは舞台設定により,全国のゲームセンターがさまざまな宙域に点在する基地と見立てられていました。プレイヤーたちも「自分はそのなかの“名もなきパイロット”のひとりだ」と認識していたからこそ,Ti2は仲間や先輩,あるいは伝説のパイロットとして受け入れられたのかもと,今になって思えます。
柏木氏:
そういう受け取り方をしていただけていたら,うれしく思います。あれはそのためのゲームデザインでしたので。
そしてTi2があまり登場しなかったぶんは,今回のアリスギアコラボで補填していると思いますので,ファンはぜひチェックしてください!
ダライアス愛があふれるスタッフたち
4Gamer:
続いてコラボギアについて。デザインの裏話などはありますか。
柏木氏:
海老川さんには,ギアデザインをすごくきれいにまとめていただけましたね。レジェンドシルバーホークバーストのデザインが,僕らが考えるよりも完璧な形でギアに落とし込まれていると思います。
同機体が持つ設置バースト(※1)や,コンプレッションバースト(※2)といったギミックも武装として再現してくださいましたし。
※1「設置バースト」:レジェンドシルバーホークバーストの特殊兵装「バーストユニット」(砲台)を任意の位置に“設置”する,原作ゲームの攻略テクニック。砲台はほとんどの敵弾を防ぐ太いビームを放つため,危険な攻撃を遮れるよう,状況に応じて設置するのが重要。
※2「コンプレッションバースト」:ダライアスバースト クロニクルセイバーズの新機体「ムラクモ シルバーホークバースト」の特殊兵装。ビームを放ち続けたあと,強力な圧縮(コンプレッション)弾を発射する。
4Gamer:
原作を再現しつつ,アリスギアなりに解釈しているわけですね。
柏木氏:
当然ゲームジャンルが異なるので,原作の挙動や特性をそのまま取り込むわけにはいかないのですが,すこしでも多くの原作要素をと考えた結果です。あと,スタッフたちが楽しんで作りましたので(笑)。
例えば,設置バーストはダライアスバーストのようには運用できないものの,原作のバーストユニットと同形パーツが装具に組み合わさり,ビームを放ちます。ダライアスでおなじみのウェーブ(三日月状のショット)にしても,コラボアイテムのクロスギア(近接武器)を振るったとき,衝撃波が“ウェーブの形になって飛んでいきます”。
4Gamer:
パッと見でもダライアスを感じられそうです。
柏木氏:
ちなみに★3 Ti2の衣装については,みんな大好き「ダライアス外伝」(※1)のパイロットスーツです。ファンは必見ですよ!
というのもダライアスバーストの開発時,島田さんから「プロコとティアット(※2)と同じパイロットスーツを着たTi2を描きましょうか?」とご提案いただいたのが心に残っていたんです。だから今回こそは,我々も大好きなダラ外のスーツを着せてしまおうとなりまして。
※1「ダライアス外伝」:1994年。既存のシリーズにない新要素として,敵弾を消す「ブラックホールボンバー」(ボム相当)を引っ提げて登場したタイトル。これによりゲーム全体の攻略難度も引き下げられた。“幻視”をモチーフとした幻想的なBGMも特徴のひとつ。ファンが非常に多い。
※2「プロコとティアット」:ダライアスの主人公。プロコ(PROCO)とティアット(TIAT),英字をつなげて逆さ読みすると「TAITO CORP」になる。ダジャレ感が1980年代っぽい。なお,プロコは翌年のサイバリオンにも自社コラボで出演し,プレイヤーの行動次第で戦死したり,首つり自殺したり,廃人になったりしてしまう。コラボ先で恐ろしい目にあわされるというのは現代では考えられない光景だ。
4Gamer:
シリーズに関わる方々は,皆さんお熱いですからね。
メカデザインの海老川さんも昔からのダライアスファンで,ダライアスバーストで柳瀬さんと一緒に仕事をするとき,歴代作品の音楽CDを「これ聴いてほしい!」と手渡したという逸話もありますし。
柏木氏:
海老川さんはそうですねえ。今回も電話口で「コラボではぜひ“COSMIC AIR WAY”をかけてください!」と何度も頼まれました。
残念ながらこの曲は未収録なので,ここでお詫びしますが(笑)。
4Gamer:
ダライアスの楽曲は“すべてA面感”があると言いますか,そのぶん人によって好みの曲が分かれるところですよね。
柏木氏:
大体「CAPTAIN NEO」か「BOSS SCENE 7」が挙がりますかねえ。
4Gamer:
個人的には「MAIN THEME - CHAOS -」も。こんな前衛的な曲がシューティングのメインテーマだなんて! と驚いた記憶が(笑)。
ダライアス「山岳地帯」のBGM。全体的にアップテンポで,多用されるオーケストラ・ヒット(サンプリング音源の1種)に,当時のゲームサウンドの流行が垣間見える。同年コラボしたレインボーアイランドではアレンジ版が使われるなど,ファン人気の高い楽曲。
ダライアス「宇宙洞窟」のBGM。当初は別作品「メタルソルジャーアイザック」のために制作されたが,同作がお蔵入りしたことで持ち込まれた。使用されたのがステージ1とあり,数多くのプレイヤーの第一印象を担う。没曲が転じてゲームの顔になったのだから,曲にも歴史ありだ。
ダライアスのラスボス戦のBGM。当時の巨大筐体でサウンド出力されると,シートに内蔵されたスピーカーによる振動が身体にビリビリ響く。
ダライアス「バンアレンベルト」のBGM。キーボードに手を置いたときに偶然鳴ったフレーズ,を基に制作された。宇宙的かつ幻想的な表現でもって,1980年代におけるゲームサウンドブームの直下にて,ZUNTATAの存在を強く印象づけた楽曲のひとつ。
柏木氏:
シューティングゲームのBGMも多種多様ですが,そもそも曲名を挙げられて,頭のなかにメロディーがパッと浮かぶものはそれほど多くないのが常なのに。それを成しているだけで,ダライアスは偉大です(笑)。
4Gamer:
たしかにそうですね。今も「あの面の曲」とか「あのボスの曲」じゃなくて,完全に曲名だけで話しているのに(笑)。
アリスギア風に,巨大戦艦のモデリングもやり直し
4Gamer:
コラボでは雑魚の敵機も登場するんですよね。
柏木氏:
ダライアスバーストの特徴である“魚群”(※)を参考に,専用のプログラムを用意しました。これは実は前々から作っていたシステムで,「アリスギアがいつかダライアスとコラボしたらお披露目しよう」と先んじて作っていたんです。ようやく出番がきたな! って感じです。
※「魚群」:大量の小型敵機が群れをなして襲いかかってくる,ダライアスバーストの敵配置パターンのこと。
4Gamer:
事前の意気込みからして違いますね。
ボスでは巨大戦艦「サウザンドナイブズ」(※1)が登場しますが,ダライアスと言えばやはり「キングフォスル」や「アイアンフォスル」(※2)を連想します。なぜサウザンドナイブズだったのでしょう。
※1「サウザンドナイブズ」:ダライアスバーストに登場する巨大戦艦。ミノカサゴのような形状をしており,砲台として外面装甲のトゲ型ユニットを飛ばす全方向攻撃で,プレイヤーを苦しめる。
※2「キングフォスル」「アイアンフォスル」:ダライアスの1面ボスで,シーラカンスのような姿の巨大戦艦「キングフォスル」。3画面筐体に巨大魚メカが現れるさまが強烈で,今現在もダライアス最大のアイコンとなっている。それを継いだダライアスバーストの「アイアンフォスル」は,“ウロコがチョバムアーマー”という現代風の解釈で,魚類のしなやかな流線型に違和感なく重厚さを加えた,新時代の巨大戦艦像を提唱した。
柏木氏:
アイアンフォスルの名が最初に挙がるのは当たり前なのですが,ダライアスシリーズって基本的に,真横から見る視点のゲームなんですよね。それに対してアリスギアは側面のみならず正面も捉えます。
つまるところ,ボスを正面から見たときの見栄えを考えると,フォスル系よりサウザンドナイブズがカッコよかったんですよ。トゲを飛ばしての全方向攻撃というのも3Dゲーム映えしますし。
4Gamer:
ああ,サウザンドナイブズなら大きく広がるヒレも派手ですしね。あとは「ミラージュキャッスル」(※)も候補に挙がりそうですが?
※「ミラージュキャッスル」:ダライアスバーストに登場する巨大戦艦。ハリセンボンのような形状をしており,無数の武装装甲ユニットが合体するギミックで,プレイヤーの度肝を抜いた。
柏木氏:
本体のハリセンボンの使い勝手がいいので,ボスに出す案はありました。ただ実のところ,ミラージュキャッスルって,武装装甲ユニットと合体したときのモデルが“プレイヤーから見える側”しかないんですよ。だから反対側に回り込まれると,張りぼてがバレるという(笑)。
そのうえで「ミラージュキャッスルにすべきだ!」と,プログラマーの一部が社内で反乱を起こしたりもしていましたが。
4Gamer:
なるほど。ボスそれぞれの事情もありますもんね(笑)。
柏木氏:
3Dモデルに関しては,ダライアスバーストからそのまま持ってきているのではなく,コラボ用に設計し直しています。当時の制作スタッフもウチにいますので,本家の強みを存分に振るいました。
結局のところキャラクターは島田さん,ギアは海老川さん,サウザンドナイブズは柳瀬さん,原作スタッフも多数と。当時のメインスタッフは実質,みんなアリスギアコラボに関わっていると言えます(笑)。
4Gamer:
もはやこのコラボに妥協がないことがよく伝わってきました。さて,思わずダライアスだらけになってしまいましたが,話の最後に。
お三方からコラボに向けたお気持ちを一言ずついただけますか。
外山氏:
アリスギアのファンの皆さんには,Ti2を興味深いキャラクターに感じていただけると思っています。そして今回のコラボは,ダライアス コズミックリベレーションの発売を記念するものでもありますので,こちらでシリーズ35年の歴史にも触れてもらえるとうれしいです。
それとコラボとは直接関係ないものの,メガドライブミニ版のダライアスを調整した「ダライアス エクストラバージョン」のカートリッジも発売中です。こちらも新作ともどもよろしくお願いいたします。
針谷氏:
練り込んでもらったコラボストーリーは必見です。とくにダライアスバースト クロニクルセイバーズのプレイヤーには外せない内容となっておりますので,ぜひこの機会にアリスギアをプレイしてください。
柏木氏:
皆さんのおかげでアリスギアは先日,サービス3周年を迎えられました。“ゲームっぽいゲームを遊びたい方々へ”と心がけ,ゲーム自体の手触り感のよさを追求したアプリとなっています。
アリスギアをやったことのないダライアスファンにも,きっと気に入っていただけると思いますので,今回のコラボをきっかけにプレイしていただけると関係者一同,大変うれしく思います。
4Gamer:
本日は貴重なお話の数々,ありがとうございました。本家ならではのコラボの力強さを引き続き期待しております。
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