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印刷2017/08/24 12:00

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中国のPCパーツ大手Colorfulが日本市場で本格展開。まずはグラフィックスカード8製品から

Colorfulが国内市場に投入するグラフィックスカードと製品ボックス
画像集 No.002のサムネイル画像 / 中国のPCパーツ大手Colorfulが日本市場で本格展開。まずはグラフィックスカード8製品から
 2017年8月24日,リンクスインターナショナル(以下,リンクス)は,中国のPCパーツメーカーであるColorful Technology(以下,Colorful)のグラフィックスカード製品を国内発売すると発表した。リンクスは2017年7月の時点で中国市場で大きなシェアを持つColorfulと販売代理店契約を締結し,国内第1弾製品としてSSDの販売を開始していたが(関連記事),それに続く第2弾として,グラフィックスカードを展開することとなったわけだ。

 発表前日である8月23日にリンクスは,同社が取り扱う,あるいは取り扱いを検討しているColorful製品を披露するプレスイベントを,東京・秋葉原で行った。本稿では,イベントで披露されたグラフィックスカードを中心に,Colorful製品を簡単に紹介したい。


世界全体で10台程度の超レアカードも投入?


 Colorfulは,ゲーマーをターゲットとした製品ブランド「iGame」(アイゲーム)や,PCケースや電源ユニットを扱う「Segotep」(セゴテップ),社名そのままの「Colorful」といったサブブランドを展開している。リンクスはこの中から,iGameブランドの6製品と,Colorfulブランドの2製品をひとまず取り扱うという。国内だと,Colorfulブランドの2製品はバルク的な存在になるとのことだ。

国内で展開するColorful製グラフィックスカードの分類。ゲーマー向けに位置付けられるのが,左のiGameブランドの製品だ
画像集 No.022のサムネイル画像 / 中国のPCパーツ大手Colorfulが日本市場で本格展開。まずはグラフィックスカード8製品から

 ラインナップと販売代理店想定売価はのとおり。

表 国内販売となるColorfulのグラフィックスカード第1弾
製品名 搭載GPU 冷却方式 発売日 想定売価(税込)
iGame GTX1080Ti Kudan GeForce GTX 1080 Ti 空冷または液冷 2017年9月末 未定
iGame GTX1080Ti Neptune W GeForce GTX 1080 Ti 簡易液冷 8月26日 11万2140円前後
iGame GTX1080Ti Vulcan X OC GeForce GTX 1080 Ti 空冷 8月26日 11万4550円前後
iGame GTX1080Ti Vulcan AD GeForce GTX 1080 Ti 空冷 8月26日 9万8710円前後
iGame GTX1080 U-TOP-8G GeForce GTX 1080 空冷 8月26日 7万3940円前後
iGame GTX1060 Vulcan U 6G GeForce GTX 1060 6GB 空冷 8月26日 3万6840円前後
N1070-805-WK GeForce GTX 1070 空冷 8月26日 5万5510円前後
N1060-605-WK GeForce GTX 1060 6GB 空冷 8月26日 3万5830円前後

 日本での主力商品となりそうなiGameブランドのグラフィックスカードは,ブラケット部分についたボタンを押して再起動するだけでオーバークロック動作が可能な「One-key overclocking」や,グラフィックスカード上に小さなLEDディスプレイを装備して,GPU名や動作クロック,動作温度やファン回転数といった情報を表示できる「iGame Status Monitor」といった機能が特徴であるという。
 ただ,One-key overclockingは,今回国内販売するiGameブランドのカードすべてが対応しているものの,iGame Status Monitorに対応する製品は「GeForce GTX 1080 Ti」を搭載する「iGame GTX1080Ti Vulcan X OC」だけとのことだ。

One-key overclockingは,ボタンを押すだけで設定が切り替わり,再起動するとオーバークロックで動作するという,他社製品でも見かける機能だ(左)。iGame Status Monitorは,カードの上側面にあるLEDディスプレイに,様々な情報を表示できる(右)。見せるタイプのPCケースのユーザーなら,惹かれるところがあるかもしれない
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 さて,今回発表となった8製品のうち,7製品は8月26日に発売となるのだが,実は一番注目を集めそうな製品は,発売日が2017年9月末とやや遅い「iGame GTX1080Ti Kudan」だろう。

iGame GTX1080Ti Kudan
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 iGame GTX1080Ti Kudanは,特別に選別された「GeForce GTX 1080 Ti」を搭載するグラフィックスカードだ。3連ファンを採用し,かつ液冷にも対応したGPUクーラーを組み合わせ,さらには液冷ラジエータとホースが一体型になった後付けの液冷ユニットも付属するという大仰な製品だが,真に注目すべきは,「世界最高」(Colorful)という動作クロック設定だ。発表によると,ベースクロックは1657MHz,ブーストクロックは1784MHzになっているという。

iGame GTX1080Ti Kudanの製品ボックスと主な同梱物。背後にある「九段」と書かれたアタッシュケースが製品ボックスそのものである。写真でカードの右に見えるのが後付けのラジエータ+ホースで,その手前に見えるポールのようなものは,カードの重さを支える“つっかえ棒”だ。つっかえ棒の手前に見える箱にはドライバーが入っている
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 ところが,選別の基準が厳しいため,肝心のGPUが全世界で10台分程度しか取れず,国内で販売できるのは,そのうちの1〜2台程度という,まさに超レアものであるとのこと。そんなレアものだけに,価格や販売方法も未定なのだが,相当に高価な製品となるのは間違いない。

液冷対応ヒートシンクの上に空冷ファンを重ねているため,3スロット分の厚みがあった。重さも2kg以上あるそうで,「そりゃつっかえ棒が必要だよな……」といった感じである
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 それ以外の製品で目を惹くのは,iGame Status Monitorを備える「iGame GTX1080Ti Vulcan X OC」だろうか。ただ,税込の販売代理店想定売価は11万円を超えるので,人を選ぶ製品なのは確かだ。

iGame GTX1080Ti Vulcan X OC(左)。カードの上側面にLEDディスプレイがあり,右上にGPU名,写真では見にくいが左側に状態の表示が出ている(右)
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簡易液冷モデルの「iGame GTX1080Ti Neptune W」(左)。iGameのシンボルマークをかたどった派手なカバーが目を惹く(右)
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ColorfulのGeForce GTX 1080 Ti搭載モデルとしては,唯一10万円を切る「iGame GTX1080Ti Vulcan X OC
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iGame GTX1080 U-TOP-8G」は,OC仕様の「GeForce GTX 1080を採用して7万3940円前後(左)。税込6万円台のGeForce GTX 1080搭載カードが珍しくない今では,やや割高に感じる。右写真は「iGame GTX1060 Vulcan U 6G」。OC仕様とはいえ,「GeForce GTX 1060 6GB」搭載カードで3万6840円前後は割高だ。
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 全般的に,台湾の大手メーカー製グラフィックスカードの上位モデル並みか,それ以上という強気な価格設定のため,同クラスのGPUを搭載する他社製品に比べると,どうしても割高感が否めないのは残念なところ。価格がこなれてくるまでは,厳しい戦いを強いられることになりそうだ。


マザーボードを引き出せるMini ITXケースや,好きなディスプレイを付けられる一体型PCケースが面白い


 プレスイベントのメインは,iGameブランドのグラフィックスカードであったが,Segotepブランドの製品も強くアピールされていた。ただ,Segotepブランドが扱う製品は多岐にわたるため,どれを国内市場に投入するかはまだ検討中の段階とのことだ。
 そんなSegotepブランドの製品から,ちょっと変わったPCケースが2製品出展されていたので,簡単に紹介しよう。

 1つめは,Mini ITX仕様のPCケース「Kunlun TG3」だ。ちなみにKunlun(クンルン)とは,中国の神話に出てくる「崑崙山」から取ったもので,Segotepブランドのハイエンド製品で使う名称とのことである。

 Kunlun TG3のポイントは,マザーボードや電源ユニットを載せる部分が可動式になっていて,筐体からスライドして簡単に引っ張り出せる仕組みになっている点だ。キューブタイプのMini ITXケースでは,内部にマザーボードや各種コンポーネントを組み込むのが難しかったりするが,Kunlun TG3は,これらを取り付ける部分を外に引っ張り出せるので,組み立て作業が楽にできそうである。

Kunlun TG3の内部を引き出したところ。パーツを組み付ける部分が前後に動く仕組みだ。筐体の縦横サイズはコンパクトだが,奥行きはかなり長い
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 筐体の奥行きが長いので,iGame GTX1080Ti Vulcan X OCのように大型のグラフィックスカードや,簡易液冷CPUクーラーのラジエータを組み込むことも可能だ。ただ,ストレージ用のスペースは,マザーボードを載せている台の裏側にあるそうで,アクセスしにくそうなのは気になった。

マザーボードを取り付けた部分を上から見たところ(左)。Mini ITXケースとしては,エアフローも良さそうに見える。電源ユニットは,マザーボードを載せる台の下側に組み込む(右)
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 リンクスによれば,似たような機構を備えたPCケースは,以前にも他社からいくつか出ていたが,商品として成功したものはなかったとのこと。Kunlun TG3の北米市場におけるメーカー想定売価は190ドル前後とのことで,相応の価格で登場すれば,国内市場でも評価されるのではないだろうか。

実際にディスプレイを取り付けた状態の展示機。これだけ見ると,大きめの液晶ディスプレイ一体型ベアボーンPCにしか見えない
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 もう1つの注目PCケースは,「Kunlun S1」という製品だ。展示機を見たときは,「ああ,ディスプレイ付属の一体型ベアボーンPCかな」と思ったのだが,そうではなかった。Kunlun S1は,100×100mmもしくは75×75mmのVESAマウントに対応した液晶ディスプレイをユーザーが取り付けて,自分好みのディスプレイ一体型PCを自作できるPCケースなのだ。

Kunlun S1の説明スライドより。縦と横に長く,奥行きが短い筐体で,前面中央に100×100mmまたは75×75mmのVESAマウントが取り付けられており,ここに任意のディスプレイを取り付けて使う。見たところ,VESAマウントの取り付け位置も多少は上下に動かせるようだ
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背面側はガラスパネルなので,内部が見えた。前面から見て左側(写真右側)にMini ITXサイズのマザーボードを設置し,グラフィックスカードはライザーカードか何かを介して接続しているようだ
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 マザーボードやグラフィックスカード,電源ユニットといったパーツ類は,すべて背面側に内蔵する仕組みになっていた。コンポーネントを組み込むスペースにはかなりの奥行きがあり,長さ380mmまでのグラフィックスカードを取り付けられるとのこと。複数の冷却ファンや大型の簡易液冷用ラジエータを組み込むこともできそうだ。
 背面パネルは強化ガラス製なので,見せるPCケース的な使いかたもできるだろう。

 かなり特異なコンセプトのPCケースだけに,仮に国内販売されたとしても,相応に高価な製品となりそうではある。コンセプトが気に入ったなら,チャレンジしてみるのも面白そうではないだろうか。

イベントで紹介された,そのほかのPCケースも触れておこう。「Kunlun Mushi」(クンルン ムース,またはムーシ)は,比較的オーソドックスな外観のフルタワーPCケースだ(左)。「日本市場では比較的シンプルなケースが好まれると聞くので,本製品も受け入れられるのではないか」と,ColorfulのSegotep担当者は説明していた。もう1台は,かなり奇抜な外観のMini ITXケース「Kunlun Yuzhu」(クンルン ユース,右)。台座に太鼓を載せたような見た目で,パーツ組み込みの難度や実用性が気になる
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国内販売中のSSD製品も並んでいた(左)。現在はSerial ATA 6Gbps対応の2.5インチHDD型やM.2カード型が主力だが,2018年には,PCI Express接続のM.2カード型に焦点を移すという。右は,iGameブランドのIntel Z270チップセット搭載マザーボード。国内販売は未定だ
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Colorful 公式Webサイト(英語)

リンクスのColorful製グラフィックスカード製品情報ページ

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