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日本のeスポーツに足りないのは“将来性の確保”――ネモ選手,竹内ジョン選手との契約で日本進出を決めた名門Team LiquidのCOOが語る,そのポリシー
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印刷2018/12/29 00:50

インタビュー

日本のeスポーツに足りないのは“将来性の確保”――ネモ選手,竹内ジョン選手との契約で日本進出を決めた名門Team LiquidのCOOが語る,そのポリシー

 「ストリートファイターV」PC / PS4 / AC)で活躍するプロ格闘ゲーマーのネモ選手と竹内ジョン選手が,国際的な名門プロチームであるTeam Liquidに所属することになったというニュースが報じられたのは,2018年3月8日のこと。東京・秋葉原で行われた,このプレスブリーフィングの模様については,4Gamerでも記事を掲載してお伝えしているので,ご存じの読者も多いだろう。

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 本日(2018年3月8日),東京・秋葉原のARIENWARE STORE AKIBAにて開催されたALIENWAREのプレスブリーフィングにて,格闘ゲーマーのNemo選手竹内ジョン選手が,欧米の名門eスポーツチームTeam Liquidに加入することが明らかとなった。そのステージの模様をレポートする。

[2018/03/08 22:08]

 Team Liquidについて改めて紹介すると,同チームはオランダと北米に拠点を置く「StarCraft II」のプロチームとして,2000年にスタートしたプロチームだ。その後はさまざまなタイトルに活動の範囲を広げ,今では「Counter-Strike: Global Offensive」「レインボーシックス シージ」「PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS」「Fortnite」といったシューター系,「Dota 2」「リーグ・オブ・レジェンド」(以下,LoL)などのMOBA系,そのほかにも「FIFA」「Hearthstone」「Heroes of the Storm」「Clash Royale」「大乱闘スマッシュブラザーズ」などなど,数多くのゲームタイトルに選手を送り込む巨大な組織となっている。

2018年9月に開催されたLoLの北米リーグ,NA LCS Summer Split finalでの,Team Liquidの優勝の瞬間
画像集 No.009のサムネイル画像 / 日本のeスポーツに足りないのは“将来性の確保”――ネモ選手,竹内ジョン選手との契約で日本進出を決めた名門Team LiquidのCOOが語る,そのポリシー

 そんなチームに,初の日本人選手として迎えられたのがネモ選手と竹内ジョン選手で,これは同時に,同チームが日本のeスポーツ市場へ本格的に参戦を決めたということでもある。eスポーツの本場である海外で経験を積んできた名門は,日本のeスポーツの現状をどう見るのか。Team Liquidの運営母体であるTeam Liquid EnterprisesのCOOであり,チームのマネジメントも手がけるMike Milanov(マイク・ミラノフ)氏に聞いた。

Team Liquid EnterprisesのCOO,Mike Milanov氏
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Team Liquid公式サイト(英語)



日本市場へ進出するTeam Liquid


4Gamer:
 本日はお時間をいただき,ありがとうございます。まずはMikeさんご自身について聞かせてください。Team Liquidでは,具体的にどういったお仕事に関わっているのでしょうか。

Mike氏:
 私はTeam Liquid EnterprisesのCOOでもあるので,保有するさまざまな部門の活動や予算,そしてハイペースで成長する会社の拡大に合わせて,傘下のメンバーと組織を確実に成長できるようサポートすることが私の務めです。
 皆さんご存じのTeam Liquidのほかにも,Team Liquid Enterprisesは独自の制作部門を持っていますし,Liquid mediaというインフルエンサーマネジメントエージェンシーも運営しています。eスポーツに特化したオンラインサイトであるLiquipediaや,オンラインストアもありますね。

4Gamer:
 Team Liquid関連ではいかがですか?

画像集 No.003のサムネイル画像 / 日本のeスポーツに足りないのは“将来性の確保”――ネモ選手,竹内ジョン選手との契約で日本進出を決めた名門Team LiquidのCOOが語る,そのポリシー
Mike氏:
 大きなところではスポンサー企業を味方につけることで,さまざまなプロジェクトを前に進めることでしょうか。なかでもALIENWAREさんは我々の最も大きな,そして最も重要なパートナーと言えます。こうしたパートナーと手を組むことで,市場が拡大しつつある日本,あるいは中国・ブラジルといった地域にも事業を拡大できるわけです。

4Gamer:
 MikeさんがCOOに就任されたのは2017年とのことですが,それからの2年間でどんな変化がありましたか。

Mike氏:
 具体的には3つあります。1つめは「規模の拡大」です。私がTeam Liquid Enterprisesに参加した頃は,従業員数はまだ25名程度でした。しかし,今は選手を含めて175人の大所帯になっています。組織として成長するために必要な,優秀な人材を世界中から集めることができた。これがまず,もっとも大きな変化だと思っています。

4Gamer:
 なるほど。
 
Mike氏:
 2つめは「パートナーシップの刷新」です。以前は14社と協業・パートナー関係にありましたが,今はそれを整理して,6社になりました。ただし,この6社との関係は,以前よりもより強固であり,大きな成果が得られると考えています。もちろん予算の規模も,以前にも増して大きくなっています。
 
4Gamer:
 では,3つめは?

Mike氏:
 3つめは,よりプロフェッショナルであることを目指した「改革」です。これはチームの選手達のみならず,経営陣を含めた全員がそうあるべきだという考えに基づいています。例えば,先日ロサンゼルスにオープンしたALIENWARE Traning Facilityは,一般的なゲーミングハウスのイメージを打ち覆すものとして,私が手掛けたプロジェクトの一つです。スポーツ心理学者,専属のシェフ,そしてパーソナルトレーナーを備え,トップアスリートを育成するトレーニングセンターを目指しています。

4Gamer:
 Mikeさんご自身は,元々プレイヤーコミュニティのご出身なのですか。

Mike氏:
 はい。2001から2009年までは,「World of Warcraft」のプロゲーマーとして活動していたんですよ。その頃はまだTwitchもRedditもありませんでしたし,Twitterですら今ほど普及していませんでした。それでプロゲーマーを引退した後はゲームから少し離れて,外食産業でのマネジメントや,配信系の仕事をしていました。ところが,2012年に「LoL」のWorld Championship Finalsを観て……衝撃を覚えたんです。

4Gamer:
 なんだかすごいことになってるぞ,と。

Mike氏:
 ええ。知らないうちに,ゲームをとり巻く周辺状況が大きく変わっていました。さまざまなビジネスやサービスが展開され,より多くのプロゲーマーが活躍するようになっていたんです。そして私自身も,「この業界で自分にもやれることがあるはずだ!」と,かつての情熱を取り戻すことができた。

4Gamer:
 そこで,eスポーツに関わる仕事に就こうと考えたわけですね。

Mike氏:
 はい。自分にとってのターニングポイントとなったあの日から,Team Liquidに参加する2015年1月までの2年あまりは,配信系のコンサルタントや,スポンサードに関わる仕事に携わりました。とにかくeスポーツ業界について,もっと理解を深めたいと思い,さまざまなプロゲーマーやその関係者,大会の運営チームなどと会って話を聞き,また観客の声を聞くために,それが可能な立場を探していたんです。

4Gamer:
 それがTeam Liquidだった?

Mike氏:
 ええ。Team Liquidを選んだのは,SteveとVictor(Team LiquidのオーナーであるSteve Arhancet氏とVictor "Nazgul" Goossens氏)という2人のCEOが,この業界への理解とスポーツチームに対する投資について,とてもすばらしい計画と戦略を持っていたからです。その思いに共感して,参加を決断しました。

4Gamer:
 今現在は,何かゲームをプレイされているのでしょうか。

Mike氏:
 主に「LoL」と「Fortnite」を遊んでいます。あと「Hearthstone」も大好きです! 自宅のPCにはディスプレイが3枚つながっていて,左側は「Hearthstone」,中央は「LoL」をプレイしているんです。それぞれの合間にもう一方を,という感じで。

4Gamer:
 では,右側のディスプレイは?

Mike氏:
 右側はTwitchで「LoL」と「Hearthstone」の配信を見るのに使います(笑)。「LoL」は主にADC(Atack Damage Carry)をやっていて,今シーズンはPlatinum 1になりました。「Fortnite」は,いつも友人と一緒に遊んでいます。
 
4Gamer:
 ちなみに,「LoL」でお気に入りのチャンピオンはいますか?

Mike氏:
 今はルシアンでしょうか(笑)。まだ練習中ですけどエズリアルやケイトリンも好きです。ただ,ご存知のとおりADCは変更が入って,今はちょっと厳しいですよね。なのでオリアナ,モルガナ,スレッシュでSupportやMidを遊ぶことが多いかも。

4Gamer:
 TopやBotはあまり好みではない?

※いずれもLoL用語。ADC/Supportはロールの種別で,Top/Mid/Botは侵攻経路(レーン)を指している。

Mike氏:
 Botはそこしかなければ,という感じです。Topは……正直ボコボコにされるので(苦笑)。

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4Gamer:
 なるほど(笑)。Team Liquidは日本で人気の高い「ストリートファイターV」をはじめ,シューター系やMOBAを中心に,そのほかのさまざまなタイトルでも幅広い活動をされています。また選手の国籍も多種多様ですが,こうしたチームすべてに共通する,何か方針のようなものはあるのでしょうか。

Team Liquidのロゴ
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Mike氏:
 皆さんに,もっと「親しみ」を持ってもらいたいというのが第一の目標と言えます。
 例えば,北米でレイカーズと聞けば,誰もがバスケットボールのチームだと分かります。同じ様に,日本においてもTeam Liquidの名をもっと知ってもらいたい。ロゴを覚えてもらって,チームのメンバーが頑張っているのを応援してほしい。そのためには,やはり日本で知られているゲームで活躍している選手と共に活動するのが自然ですよね?

4Gamer:
 それが,「ストリートファイターV」で活動するネモ選手と竹内ジョン選手のスポンサードを決めた理由,ということでしょうか。

Mike氏:
 そのとおりです。我々はプロチームを立ち上げるにあたって,3つの条件を軸にタイトルを選びます。第一に,大会や個人配信に多くの視聴者が集まっている,あるいは誰の目にも理解できるほど浸透しているタイトルであること。第二にそのタイトルを取り巻く企業が,周辺事業に対して確固たるエコシステムを形成していること。

4Gamer:
 一つ目はともかく,二つ目がよく分かりません。エコシステムというのは,具体的にどういうことでしょうか。

Mike氏:
 言い換えればIPホルダーであるメーカー側に,こうした周辺事業への理解があるかどうか,ということです。彼らがメディアとの協業に非協力的で,大会を周期的に開くこともままならなければ,我々としてもそのタイトルを採用して維持することは難しい。また我々のパートナー/スポンサー企業が興味を持たない場合も,条件は満たせないでしょう。

4Gamer:
 ああ,それはよく分かります。大会がなければプロ選手は活動の場を失いますし,活動を支えるスポンサーなくしては,より大きな展開へつなげることは難しい。そしてそうした状況は,選手を応援するファンやゲームのコミュニティにとっても望ましいものではないでしょう。

Mike氏:
 ええ,そのとおりです。そして最後の一つが,「そのタイトルに競技性はあるのか」ということです。カジュアルさは,我々が重視するものではありません。トッププレイヤーの卓越したパフォーマンス,最上位のプレイヤーにしか不可能なテクニックにこそ,観客は魅せられるのですから。我々は,そうした興奮を生み出すことのできるタイトルやプレイヤーを強く尊重し,彼らと共に,より高みへと向かいたいと考えています。

4Gamer:
 なるほど。では日本において,こうした基準を満たしたのが「ストリートファイターV」だったわけですね。

Mike氏:
 はい。でも,それだけではありません。スポンサードを決めるまで,「日本のゲームシーンにはどんな特性があって,何が人気なのか」といったリサーチを,徹底的に行いました。大きな大会イベントはもちろんのこと,地方のコミュニティが主催する小さなものまで足を運びましたし,ALIENWAREがスポンサードしているネモ選手に,日本のプレイヤーやeスポーツの状況をヒアリングもしました。

4Gamer:
 Team Liquidとパートナー関係にある,ALIENWAREに所属していたネモ選手は分かります。しかし竹内ジョン選手はまだ若手ですし, その時点では実績が多いとまでは言えなかったのでは? もちろん,だからこそ日本のコミュニティにとってはありがたい話なのですが。

Mike氏:
 やはりEVO Japan 2018が開催され,そこで彼が素晴らしい成績(準優勝)を収めたのが大きいですね。ちょうどリサーチを行っている最中でしたし,自然と彼をチームに迎え入れようという話になりましたから。

ネモ選手(左)と竹内ジョン選手(右)
画像集 No.006のサムネイル画像 / 日本のeスポーツに足りないのは“将来性の確保”――ネモ選手,竹内ジョン選手との契約で日本進出を決めた名門Team LiquidのCOOが語る,そのポリシー

4Gamer:
 「ストリートファイターV」以外のタイトルについてはどうでしょうか。日本において,Team Liquidが選手をスポンサードするタイトルが増える可能性は?

Mike氏:
 具体的にはお答えできませんが……例えばプロモーションなどで盛大に参入を煽ったとしても,3か月後にはプレイヤーごと切り捨てられるようなタイトルとは,我々は共に活動したくありません。反対に条件を満たしさえすれば,一般的に言われているような「eスポーツの格付け」や,その時点での規模の大きさといったものでさえ重要ではない。むしろ長く寄り添うためには,そのタイトルを取り巻く環境やプレイヤーの熱量,あるいは誇りが感じられるかが大切です。

4Gamer:
 よく分かるお話です。

Mike氏:
 反対に言えば,これらを満たしたタイトルに対して,我々は最長で10年間の契約を締結したことがあります。とくに今現在,我々が重要視している3つの地域――日本,中国,ブラジルでより多くのファンに求められているタイトルを選んだ結果が,今現在のラインナップなのです。

4Gamer:
 では,例えば「Overwatch」PC / PS4 / Xbox One)はいかがですか。Team Liquidは,今のところ「Overwatch」のチームを持っていないようですが。

Mike氏:
 「Overwatch」について,感動したできごとが幾度かありました。とくに視聴者の集め方,あの大きな決勝会場に多くの観客を集めた手法,そしてそこに至るまでの盛り上げなどは,非常に巧みだと感じます。しかし一方で,今現在においては「Overwatch」に注力するという計画は我々にはありません。ただこれも今現在の話であって,将来的にどうなるかは慎重に検討したいと思っています。

4Gamer:
 個人的にですが,例えばロンドンに拠点を置く「Overwatch」のチーム,London Spitfireのメンバーが,全員韓国人選手というのに引っかかりを覚えます。

Mike氏:
 おっしゃるように,「Overwatch」は都市ごとにチームを作ってフランチャイズ化する,NBAのようなビジネスモデルを展開しようとしています。これは非常に興味深い試みだと感じていますが,そこには大会に勝つことが最優先なのか,地域に根ざしたファン獲得に重きを置くのかという,根の深い命題もあります。どちらが正解なのか,今の段階で結論を出すことは難しいですが……。

4Gamer:
 別の質問になりますが,Team Liquidの公式サイトには,一部ですが日本語の記事もありますよね。これにはどんな狙いがあるのでしょうか。というか,実際ところ読まれるものですか?

Mike氏:
 日本からどのくらい読まれているか,という質問には答えられませんが,こうした試みはこれからも積極的に行っていきたいと考えています。日本のゲームやアニメ,漫画といった文化の海外進出が進んでいるのは皆さんご存じかと思いますが,一方でNetflixやTwitchといった海外発祥のサービスもまた,日本に進出してきています。それらがどのように受け入れられるのか,我々は2年半くらい前から観察していました。結果として日本のユーザーは,ゲームやサービスにお金を費やす傾向はあるものの,eスポーツビジネスに対しては財布の紐が固いと感じました。

4Gamer:
 おっしゃるとおりだと思います。

Mike氏:
 ですので日本の方々に向けては,まず「eスポーツとは何か」を知ってもらう必要があると考えています。お遊びではない,プロフェッショナルなスタンスで運営する我々の姿勢を,まずお見せすることが大事だと。そうした施策の一つが,ああした記事だと考えていただくのが良いと思います。

4Gamer:
 なるほど。戦略としてはよく分かります。

Mike氏:
 ありがとうございます。どの地域や国においても,ローカライズされた情報というのは理解を促す効果がありますし,グローバルチームとしての我々のスタンスを示すためにも,こうしたアピールは重要なのです。これからはニュース記事に留まらずあらゆるコンテンツ――SNSへの投稿や動画もふくめ,可能な限り各地域に向けたローカライズを促進していきたいと思っています。

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4Gamer:
 Team Liquidから見た日本のeスポーツ市場についてお聞きしたいのですが,活況と言っていい盛り上がりを見せている一方で,さまざまな課題が議論されている状況です。Mikeさんとしては,日本のeスポーツに足りないものはなんだとお考えですか。

Mike氏:
 一つ挙げるなら,「将来性の確保」だと思います。eスポーツビジネスを伝統的なスポーツと同じ格式,同じ環境にまで引き上げるには,なにより教育面を整備し,安心して競技に打ち込める環境を作ることが大切です。

4Gamer:
 教育というと,例えば学校教育にeスポーツを取り入れるといったような?

Mike氏:
 はい。例えばアメリカには,eスポーツに関連した大学奨学金制度がいくつもあります。これは一般的なスポーツ奨学金制度と同じスキームのものです。またそれだけでなく,スポーツビジネス全般への知識・手法を学べるような学科を設けるべきだと思います。インターンシップやボランティアで大会やイベントの現場に触れたり,あるいはマーケティングや運用実務の場面に立ち会えるような。とにかく業界や産業についてたくさん学び,実践する場ですね。そうした経験が,次につながる大切な一歩となるのです。

4Gamer:
 そうした場が,日本には欠けていると。

Mike氏:
 そう考えます。先行する事例に学ぶなら,例えば15年前にはチェスをオリンピック競技にしようとする動きがありました。「チェスはスポーツではない」「チェスプレイヤーはスポーツ選手ではない」といった反発は当時も多くありましたが,今は正式競技でこそありませんが,IOC(世界オリンピック連盟)がお墨付きを与えた承認競技です。

4Gamer:
 eスポーツもそうなるでしょうか。

Mike氏:
 十分に可能だと思います。eスポーツとチェスとの違いは,ゲームを取り巻く環境にあります。憧れをもってゲームに触れた子供達が安心してその道を歩むためには,将来設計まで含めた教育の体系を確立する必要がある。そのためには国や政府による支援が不可欠で,さらには一般的な理解を得るための啓蒙活動も重要になるでしょう。

4Gamer:
 なるほど……。

Mike氏:
 これは大きなチャレンジだと思いますが,一方で野球やサッカーなどでは,ある程度確立できているものでもある。ですので,不可能なことではないでしょう。

4Gamer:
 分かりました。最後に日本のeスポーツファンへのメッセージをいただけますか。

Mike氏:
 まず,あなた自身が大切に思っているeスポーツタイトルについて,支援をお願いします。この業界はどんどん大きくなっています。その中で,Team Liquidも皆さんのご支持を得られるよう,がんばっていくつもりです。皆様の応援こそが強い力になります。その声を#LetsGoLiquidのハッシュタグと共に,拡散してもらえるとうれしく思います。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。

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 インタビュー収録後の12月5日,大手芸能プロダクションであるアミューズと,Team Liquidがパートナーシップ契約を結んだというニュースが報じられた。リリースによれば,これによりネモ選手と竹内ジョン選手の日本国内におけるマネジメントは,アミューズが担当することになる。
 新たな天地で活躍の場を広げる両選手,そしてTeam Liquidの今後の躍進に期待しよう。

プレスリリースより。左からTeam LiquidのMike氏,竹内ジョン選手,ネモ選手,アミューズ取締役の相馬信之氏
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