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NVIDIA,「Voltaの次」のGPUを搭載する車載システム「DRIVE PX PEGASUS」発表
NVIDIAによると,DRIVE PX PEGASUSは,「Project Xavier」(プロジェクトエグゼイヴィア,以下 Xavier)ベースのSoC(System-on-a-Chip)と,「Voltaの次の世代のGPU」(NVIDIA)を2基ずつ搭載するという。つまり,Xavier側に統合されるVolta世代のGPUコアと,「Voltaの次の世代のGPU」を両方搭載するわけだが,これらによりAIタスクの「認識」において320 TOPS(Tela OPs,1秒あたり10の12乗回の命令実行)を実現するとのことだ。
また,DRIVE PX PEGASUSはスケーラブルなアーキテクチャを採用しているため,複数台を同時に利用することもできると,NVIDIAは同時にアピールしている。
残念ながら,ゲーマーも気になるであろう「Voltaの次の世代のGPUアーキテクチャ」に関しては,「現時点では,一切の情報を開示することができない」とNVIDIA。なので,細かなスペックはまったく分からないが,開示された情報によると,メモリバス帯域幅は1TB/s以上に到達するそうなので,Voltaと同様,メモリインタフェースとしてHBM2を採用することはまず間違いないだろう。
ちなみにNVIDIAはDRIVE PX PEGASUSで,信頼性を重視しているそうだ。冗長設計により,自動車の厳しい安全基準の中でも最高クラスとなる「ASIL D」(Automotive Safety Integrity Level D)の安全性を実現するという。
説明によると,DRIVE PX PEGASUSは16基のカメラや,多数のライダー(LIDAR,レーザー光を使うレーダーの一種)や,電波を使う一般的なレーダーを接続することができ,30fpsの処理性能で自動車周囲の状況をリアルタイムに評価することができるとのこと。DRIVE PX PEGASUSにより,ハンドルやブレーキのない完全自動運転の自動車の実現に近づくとNVIDIAは強調していた。
詳細は不明だが,以前から予告している「2020年までの完全自動運転実現」に向けて,NVIDIAは着実に歩みを続けているということなのだろう。
GPUの進化にも関係しているので,4Gamer読者も,DRIVE PX PEGASUS,そしてVoltaの次に来るGPUの情報を押さえておくといいかもしれない。
GTC Europe公式Webサイト(英語)
※2017年10月10日21:30頃追記
初出時,DRIVE PX PEGASUSの性能を「30 TOPS以上」としていましたが,NVIDIAから「320 TOPS」と修正連絡が入ったため,記事をアップデートしました。
- 関連タイトル:
“Voltaの次”となるGPU(仮)
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