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Huaweiの新型スマートフォン「Mate 20」シリーズ実機レポート。大型でも握りやすい「Mate 20 Pro」に注目
Mate 20シリーズの概要については,イベントレポートを参照してもらうとして,本稿では,発表会後に会場内で行われた新製品ハンズオンの模様を,日本市場で展開する可能性が濃厚な「Mate 20 Pro」を中心にレポートしよう。詳細なスペックについては,以下のイベントレポートを参照してほしい。
Huawei,ハイエンドスマートフォン「Mate 20」シリーズを発表。7.2インチ有機EL&Kirin 980搭載の「Mate 20 X」はSwitchを超える?
英国時間2018年10月16日,Huaweiは,英国・ロンドンで独自イベントを開催し,ハイエンド市場向けスマートフォン「Mate 20」「Mate 20 Pro」「Mate 20 X」の3製品を世界市場に向けて発表した。いずれも新型SoC「Kirin 980」を採用するのが特徴で,とくに7.2インチ級のMate 20 Xは,専用ゲームパッドと組み合わせてゲーム用途も訴求している。
Mate 20 Pro
Mate 20シリーズのなかでも,フラッグシップモデルとなるのがMate 20 Proである。Proという名称からすると,なんとなく大きな端末という印象を持つ人が多いかもしれないが,実は本製品,今回発表されたラインナップのなかでは最もコンパクトな端末だ。
ディスプレイには,6.39インチサイズでアスペクト比9:19.5という,かなり縦長なアスペクト比の有機ELパネルを採用している。縦長ディスプレイの採用や左右ベゼルの狭額縁化によって,横幅を72.3mmに抑えているのがMate 20 Proのポイントだ。この横幅は,「iPhone XS」の70.9mmよりも1.4mmほど広いが,「iPhone XS Max」(77.4mm)や「iPhone XR」(75.7mm,関連記事)よりも狭い。
前面だけでなく背面も両サイドがカーブしているのに加えて,カバーガラスに滑り止めと指紋の付着防止を兼ねた表面加工を施すことで,握りやすくなっている。ただ,価格が最小構成でも1049ユーロ(税込,約13万6000円)という高価な製品を,カバーも付けずに裸で持ち歩くかどうかは疑問を感じる。
おそらく,何らかの保護ケースを使いたいと思う人が多いだろうと判断したのか,Huaweiでは,製品ボックスに保護ケースを同梱するそうだ(※欧州の一部エリアでは同梱されない)。
なお,有機ELパネルの解像度は1440×3120ドットで,ドットピッチは538ppiという高精細なパネルを採用する。縦長アスペクト比がブームとなり始めた頃は,「9:21までは受け入れる」とうそぶいてきた筆者だが,今回の製品は9:19.5に達しており,かなり現実が近づいて来たようだ。
ミッドナイトブルー |
ブラック |
エメラルドグリーン |
ピンクゴールド |
側面のボタンやインタフェース類も見てみよう。Mate 20 Proは,上側面にはマイク孔と環境光(アンビエント)センサーを備えており,下側面には唯一のポートであるUSB 3.1 Gen.1 Type-Cポートがある。USBポートでの充電機能は,Huawei独自の独自の充電技術である「Huawei Super Charge」による40W(10V,4A)や,USB Power Delivery(PD)に対応するとのこと。
底面にはUSBポートのほかに,SIMカードスロットと複数のマイク孔がある。ちなみにMate 20 Proは,Mate 20シリーズで唯一,IP68準拠の防水防塵に対応する製品だ。当然,これらのポート類も防水防塵仕様である。
Mate 20 Proの背面は,中心線上のやや上寄りに,アウトカメラのトリプルレンズとLEDフラッシュを,左右対象のスクエア状に配置しているのが特徴だ。レンズやフラッシュの並びは,左上から時計回りにフラッシュ,標準(ワイド)レンズ(27mm相当),ウルトラワイドレンズ(16mm相当),望遠レンズ(光学3倍,80mm相当)の順となる。
背面はフラットではなく,アウトカメラユニットのスクエア部分が,わずかに突出していた。ちなみに,NFCのアンテナも,カメラ部分に位置しているという。
ところで,P20シリーズは,背面左上にレンズを縦に(※横置き状態では横に)並べたアウトカメラに合わせて,メーカーロゴや認証情報なども横置きで正位置になるレイアウトになっていた。しかしMate 20シリーズは,従来通りの縦置きで正位置になる配置となっている。
Huaweiは,イベントに参加した報道関係者に対して,Mate 20 Proの評価機を貸し出している。Huawei製品では初搭載となるAndroid 9.0(Pie)や,バージョンアップしたHuawei製ホームソフト「EMUI 9.0」といったシステム部分の変更点やカメラ機能,そしてゲームにおける性能といった詳細については,この評価機を使ってあらためてレポートしたい。
PORSCHE DESIGN Mate 20 RS
Mate 20シリーズのラグジュアリーモデルに位置付けられている「PORSCHE DESIGN Mate 20 RS」(以下,Mate 20 RS)は,Mate 20 Proの高級仕様モデルといった製品なので,続けてみていこう。
Mate 20 Proと比べたときのスペック面における主な違いは,メインメモリ容量が標準で8GBとなったことと(※Mate 20 Proは6GBまたは8GB),内蔵ストレージ容量は256GBまたは512GBに増量(※Mate 20 Proは128GBまたは256GB)されたところだ。
主たる相違点はデザイン面で,たとえばMate 20 RSの背面パネルは,「Genuine Leather」と称する革素材と,強化ガラスを用いている点が異なる。背面の両サイドには革張り部分を,中央には強化ガラスを配置して3本のラインのように見せるデザインは,スポーツカーの塗装をモチーフとしたものだ。
この背面パネルは,左右に緩いカーブを描いているので,両端をつかんで持ち上げるのも容易だ。
残念ながらHuaweiのPORSCHE DESIGNモデルは,これまで日本における販売実績がなく,今回もおそらく国内発売はされないだろう。ただ,どうしても欲しいという人は,欧州のPORSCHE DESIGN店舗や,ドイツ国内の空港免税店であれば購入可能だ。
Mate 20
Mate 20シリーズの“無印”モデルである「Mate 20」は,今回発表されたラインナップのなかでは,スタンダードモデルに位置づけられる。
ディスプレイはこちらも有機ELパネルで,パネルサイズは6.53インチ,解像度は1080×2244ドットで,アスペクト比は9:18.7となる。Mate 20 Proには及ばないが,けっこうな縦長だ。
前面における画面占有率もアピールポイントの1つで,インカメラのレンズホール部分だけが切り欠きになっているMate 20は,Mate 20 Proよりも画面占有率が高い。なお,Mate 20 Proは画面左右が湾曲していたが,Mate 20の画面はフラットである。
背面のアウトカメラ部分は,Mate 20 Proと同様に左右対称のスクエア配置で3つのカメラとLEDフラッシュを並べたものだが,LEDフラッシュや各レンズの並びは,Mate 20 Proとは左右が逆になっていた。
見た目ではレンズの違いが分かりにくいので,スペック表を見ないと確認しにくいのだが,Mate 20は左上からウルトラワイドレンズ,LEDフラッシュ,望遠レンズ,標準(ワイド)レンズという並びだ。
ちなみに,ウルトラワイドレンズは,Mate 20 Proが16mm相当なのに対して,Mate 20は17mm相当。望遠レンズも,Mate 20 Proが光学3倍に当たる80mm相当なのに対して,Mate 20は光学2倍に当たる52mm相当となっている。
インタフェースにも簡単に触れておくと,Mate 20は,下側面にUSB 3.1 Gen.1 Type-Cポートを備えるほか,上側面には,Mate 20 Proが装備していなかった3.5mmミニピンのヘッドセット端子を備えているのが見どころだ。
カラーバリエーションは,公式のリリースや製品情報ページではミッドナイトブルー,ブラック,トワイライトの3色であるが,会場ではそれに加えて,エメラルドグリーンとピンクゴールドの5色が展示されていたので,Mate 20 Proと同じラインナップだ。
Mate 20 X
ただ,サイズは大きいものの,有機ELパネルの解像度を含む主なスペックはMate 20と変わっておらず,たとえば,カメラ機能はMate 20 Proとまったく同じだ。3.5mmミニピンのヘッドセット端子も備えている。
スマートフォンへの装着は,ゲームパッド側に本体を挟み込んで,バネによるロック機能で押さえる単純な仕組みだ。かなりガッチリと固定するので,ゲーム中に多少振り回した程度では外れそうもない。
ただ,スマートフォンとゲームパッドのペアリングには,一般的なBluetoothを使うのだが,パッド入力の送信は独自のワイヤレス方式とのことでで,対応スマートフォンでなければ入力できないとのこと。Mate 20 Xに限らず,Mate 20シリーズはいずれも対応しているとの説明だった。
対応ゲームはどうなっているのかなど,分からないことだらけの周辺機器ではあるが,国内でも展開してほしいデバイスと言えよう。
表 Mate 20,Mate 20 Pro,Mate 20 Xの主なスペック
Mate 20 | Mate 20 |
Mate |
|
---|---|---|---|
メーカー | Huawei Technologies | ||
OS | Android 9.0(Pie) | ||
ディスプレイパネル | 6.53インチ有機EL, |
6.39インチ有機EL, |
7.2インチ有機EL, |
プロセッサ | HiSilicon製「Kirin 980」 ・CPUコア:Cortex-A76 ・GPUコア:Mali-G76 ・AI処理プロセッサ: |
||
メインメモリ容量 | 4GB,6GB | 6GB,8GB | 6GB |
ストレージ | 128GB | 128GB,256GB | 128GB |
アウトカメラ | 三眼式,光学式手振れ補正機能搭載 標準:約1200万画素, ワイド:約1600万画素, 望遠:約800万画素, |
三眼式,光学式手振れ補正機能搭載 標準:約4000万画素, ワイド:約2000万画素, 望遠:約800万画素, |
|
インカメラ | 約2400万画素 |
||
対応LTEバンド | FDD LTE Band 1/2/3/4 TDD LTE |
FDD LTE Band 1/2/3/4 TDD LTE |
FDD LTE Band 1/2/3/4 TDD LTE |
対応3Gバンド | Band 1/2/4/5 |
||
バッテリー容量 | 4000mAh | 4200mAh | 5000mAh |
待受時間 | 未公開 | ||
連続通話時間 | 未公開 | ||
無線LAN対応 | IEEE 802.11ac | ||
Bluetooth対応 | 5.0 | ||
USBポート | USB 3.1 Gen.1 Type-C | ||
公称本体サイズ | 77.2(W) |
72.3(W) |
85.4(W) |
公称本体重量 | 約188g | 約189g | 約232g |
スポーツ用途を重視したスマートウォッチやリストバンドも披露
Huaweiのイベントでは,Mate 20シリーズと合わせて,スマートウォッチの「HUAWEI GT」,スマートリストバンド「HUAWEI Band 3 Pro」(以下,Band 3 Pro)といった製品も説明された。直接ゲーマーに関係するものではないので,写真で簡単に紹介しておこう。
Huawei,ハイエンドスマートフォン「Mate 20」シリーズを発表。7.2インチ有機EL&Kirin 980搭載の「Mate 20 X」はSwitchを超える?
英国時間2018年10月16日,Huaweiは,英国・ロンドンで独自イベントを開催し,ハイエンド市場向けスマートフォン「Mate 20」「Mate 20 Pro」「Mate 20 X」の3製品を世界市場に向けて発表した。いずれも新型SoC「Kirin 980」を採用するのが特徴で,とくに7.2インチ級のMate 20 Xは,専用ゲームパッドと組み合わせてゲーム用途も訴求している。
Huaweiのスマートフォン製品情報ページ(英語)
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