レビュー
「あなたの四騎姫教導譚」レビュー。文武に優れた教導騎士となって,個性的過ぎる4人の姫様を,褒めて叱って強く育てよう
本作のテーマは「姫育成&戦略アクション」で,プレイヤーは戦闘と教育のエキスパート「教導騎士」となって,4つの国が収める「遺物群島」にて,各勢力に属する4人の姫君を育生し,彼女達との信頼関係を築いていくことになる。プレイフィールから演出まで,なかなか斬新な手応えになっている本作のレビューをお届けしよう。なお,今回プレイしているのはPS4版で,操作説明はPS4に準じたものとなる。
本作の舞台となるのは,剣と魔法とモンスターが存在するファンタジーな世界。プレイヤーは有能な戦士で,この世界で戦いに明け暮れる日々に憂い,自身のそれまでの経験を誰かに伝え,共に学んでいくことを決心する。チュートリアルとなるプロローグを経て教導騎士となったプレイヤーは,依頼主の姫を選択し,彼女らと共に,新しい人生を歩んでいくこととなる。
物語の主役となる姫が4人いることで,だれを選ぶか迷うことになるかと思うが,ゲームはマルチストーリー方式で,前半のみすべての姫のエピソードを体験できるため,好みで選んでかまわない。また各エピソードで入手した武具やアイテム,兵のレベルなどは,周回で引き継がれる仕様だ。
戦闘は主人公を直接操作するアクションと,兵士を活用した戦略性が楽しめる
ゲームはワールドマップ上をリアルタイム移動してのミッション遂行と,そこで敵と遭遇したときの戦闘,そしてその間に行える姫に対しての教導が主となっている。
ワールドマップはシミュレーションゲームのように町や森,遺跡などが線でつながっていて,要所に出現するミッションに自分や姫,あるいは指揮官の部隊を派遣することで進行していく。拠点を取り合うような要素はないものの,特定の場所や移動中のNPCを規定の時間内で守るといった,戦略的なミッションも存在している。
マップ上に派遣した部隊が敵のシンボルと遭遇すると,戦闘のアクションパートがスタート。画面はトップビューになり,自分や姫などの指揮官を操作すると,その後ろから部隊の兵士達がぞろぞろと付いてくる仕組みだ。フィールドの広さは敵によって異なり,ランダムで現れる敵のときは範囲が狭く,ミッションで現れる敵のときはダンジョン状になった広いものとなる。
戦闘は,指揮官に追従する兵士達と共闘する「コマンダーモード」と,兵士が散開して個別に戦う「ファイターモード」を戦況によって切り替えて戦うのが基本だ。
プレイヤーキャラクターとなる指揮官はモードごとのボタンの組み合わせによって変わるさまざまな攻撃手段を持ち,単独でもかなり強い。ただし,集中攻撃を受けてやられてしまうと戦闘を最初からやり直すこととなるので,うまく兵士を誘導するなどして敵の攻撃を分散させることが重要だ。
コマンダーモードでの「コマンダーアタック」(一斉攻撃)やファイターモードでの「エクストラアタック」(指揮官の装備武器に備わる技)など,強力な攻撃を駆使して立ち回るほか,フィールドにある古代の遺物「レリック」を占領して利用したり,連れていく兵種の相性を意識して有利に戦ったりと,幅広い戦術を楽しめるのが本作の戦闘の魅力だ。
性格も戦闘スタイルも違う個性的な4人のお姫様
お姫様達は個性派揃いで,その境遇や性格はもちろん,装備している武器なども異なる。例えばリリアティは両手斧を持った騎士なので近接攻撃が得意で,魔法使いのヴェロニカやガンナーのモノマリアは遠距離からの攻撃も行える。翼を持つ竜人のアルパナは飛行し双剣で素早い攻撃をする,といった具合だ。さらに,率いる兵士の兵種も違う。
彼女達には5つのパラメータがあり,それらを伸ばすカギは,戦闘などで手に入る「マテリア」とプレイヤーによる「ダイレクト教導」にある。
マテリアは,敵の撃破やレリックの占拠,ミッションクリア時などに開放される姫の能力の元となる存在で,「知識マテリア」と「課題マテリア」の2種がある。これらを姫に装備させて規定の条件を満たすことで,姫のパラメータを上げられるのだ。それと同時に「スキルポイント」も獲得でき,こちらは主人公の能力を上げるために使用される。姫と主人公の成長は一体というわけである。
戦闘やミッション遂行でマテリアを入手。これが姫の強さの元となる |
マテリアは最適なものが自動的に装備されるので,装備し忘れることはない。もちろん優先して装備したいものも選べる |
取得済みのマテリアを適用すると該当のパラメータが上がり,姫が強くなる |
マテリア適用時に入手したスキルポイントで,主人公も強化できる |
その知識マテリアを取得するためにプレイヤーが行うのが「ダイレクト教導」だ。これは本作のセールスポイントとも言えるシステムで,会話時に挿入されるイベントや,戦闘時などで任意に行える。姫の言動や状態などに対し,「褒める」「叱る」のいずれかを選ぶことで,姫に装備中の知識マテリア取得のゲージが溜まり,いっぱいになるとそれを取得できるという仕組みだ。
褒めると叱るのどちらが正しいかは,状況やマテリアにもよって変わるが,姫の性格も大きく影響している。いわゆる「褒めて伸ばす」タイプか「叱って伸ばす」タイプか,すごく分かりやすいタイプもいるし,意外な反応が返ってくるタイプもいるので,物語を進める過程で彼女らの女心を理解することも,本作の面白さの1つと言えるだろう。
プレイしていて目を惹くのが,ゲーム全般の演出におけるセンスの良さだ。ポップな色使いや画面全体のレイアウト,読みにくくない程度にデフォルメされた文字フォント,会話シーンでキャラクターのパーツを細かく動かすアニメーションなどの演出が,本作の雰囲気に非常にマッチしている。遊んでいて気持ちが良いので,ここはぜひ実際に触って確かめてほしい部分だ。
1つ気になったのは,会話を進行している最中のダイレクト教導の操作だ。メッセージを[○]で早送りしていると突然発生したダイレクト教導で意図せず「褒める」を選んでしまう事故が何度かあった。気をつけていれば回避できるものの,テンポ良く進められるゲーム内容だけに,ちょっと惜しい。
システム面の情報が多く,独自の演出などもあって,見た目は若干取っつきにくい印象もあるが,実際に触ってみると,マップ移動と教導,戦闘の基本部分さえ理解してしまえばサクサクと進められる。4人の姫は皆可愛く,それぞれタイプが違うことがゲームに幅を持たせているのも面白い。意外と萌え要素は控え目なので,その手の作品に抵抗がある人もぜひ遊んでみてほしい。
「あなたの四騎姫教導譚」公式サイト
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(C)2018 Nippon Ichi Software, Inc.
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