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[GDC 2018]「Job Simulator」を生んだOwlchemy Labsの新作は,仕事疲れでバケーションを楽しむ主人公の狂騒曲を描く「Vacation Simulator」
Oculus Riftを装着すると,そこに見えたのは馴染みのある浮遊型ロボットの姿だ。前作にあたるJob Simulatorでは,自動化が進んだ未来社会において,ぐうたらになってしまった人間に職業訓練を施すロボットが描かれていたが,今回は慣れない労働に疲れてしまったプレイヤーが,南国風のビーチでバカンスを楽しんでいるという設定。当然ながら,そこでショップを切り盛りしたり,ライフガードとして働いたりしているのは,あの少し横柄なロボット達だ。
前作では,1つのシチュエーションが,それぞれ独立したステージとしてデザインされていたが,今回はより大きなマップになり,その中でさまざまな体験ができるという趣向になっている。ロボット達は,それぞれの持ち場に浮遊して待機している。
最初に体験したアクティビティは砂城作りだ。高さの調整も可能なテーブルの左右に,形が異なるブロック状の砂が置かれており,それを使って自由に城を作ることができる。旗やビーチパラソルのような小道具も用意されており,これらを積み上げて城以外にも比較的自由に作り出せるようだった。
その次に訪れたのが,掘っ立て小屋のショップ。ここではフリスビーのようなアイテムが陳列されており,それを何に利用するかはプレイヤー次第。また,入口近くには自動販売機もあったが,人間に金銭感覚を覚えさせるためか,“サンドダラー”(タコノマクラ目の平たいウニで,日本では“スカシカシパン”と呼ばれる)を採取して,それを硬貨として使わなければならない。
そこでビーチに赴くと,海では腰のあたりまで水に浸ることができた。デモ担当者に促されるままに顔を水につけてみると,実際に水中にいるように音が籠ってしまうなど,サンドダラーやヤドカリを採取しているあいだ,本当にビーチで水遊びをしているような雰囲気を感じられた。
Vacation Simulatorの新要素の1つが,プレイヤーがバックパックを背負っているという点。後頭部側から手を背中に回すことでバックパックを引き出すことができ,6つのスロットに,自分が別の場所に運んでいきたいアイテムを入れられる。また,バックパックの横ポケットにはカメラもあり,好きなところで風景を撮影したり,自撮りを楽しんだりできるのだが,デモ担当者がゲーム内の自撮り写真を実際にプリントアウトしてくれたのには正直,驚かされた。
最後は,ライフガードの見張り台に上がってバーベキューを焼いているところで,突然ディスコ風の音楽が流れ始め,それぞれの持ち場にいるロボット達が踊り始めた。筆者も釣られて踊っていると,「もう照明を落とすぞ!」という天の声と共にデモが強制終了された。おそらく,今回のデモのために用意された仕様と思われ,実際のゲームにこの部分はないかもしれない。
Owlchemy Labsらしい,取り留めのないVRゲームだが,まだVRゲームを体験したことのない人には最高のコンテンツとして受け入れられるだろうし,すでにJob Simulatorを遊んでいる人にも,前作からの進化を楽しめる作品になるのは間違いない。公式サイトの情報によると,Oculus Riftだけでなく,HTC ViveやPlayStation VR向けにも,2018年中にリリースされるとのことだ。
「Vacation Simulator」公式サイト
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Vacation Simulator
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(C)2019 Owlchemy Labs
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