プレイレポート
可愛い女の子やゴツイ獣人など,きっと好みのキャラがいる。台湾のRayarkが手がけたRPG「Sdorica」プレイレポート
本作は,2×7マスのエリアにランダムで流れてくる“ソウル”と呼ばれるエネルギーを消費して,キャラクターがスキルを発動させる,パズルゲームライクな戦闘が特徴の1つ。どのソウルを消費すれば良い手に繋がるか,相手の攻撃ターンまでにどのスキルを使っておくかなど,かなり頭を使う戦闘システムとなっている。スタミナ制ではないので,難しい分何度も繰り返し挑戦してクリアを目指すことになるだろう。
今回は,正式サービス版をじっくりプレイしてみたので,どんなゲーム内容なのかレポートをお届けしよう。リリース前には,台湾本社へ訪問してプロデューサー謝 昌晏氏にインタビューをしているので,開発に対する熱意や今後の展開については,こちらをチェックしてほしい。
最強キャラは存在せず,どのキャラもSSRになれる。4月19日リリースのRPG「Sdorica」,プロデューサー謝 昌晏氏にインタビュー
「Sdorica」公式サイト
「Sdorica」ダウンロードページ
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豪華声優陣が花を添える,ストーリー性に溢れる王道RPG
本作のメインストーリーは,チャプターによって異なるキャラクター目線で物語が展開する群像劇だ。一国の王女や,武者修行中の虎の獣人,スラム街の男気溢れる青年など,それぞれのキャラクターが個性的であり,物語に大きな影響を与えていく。
現在はシーズン1が展開されており,太陽王国を舞台とした物語が繰り広げられる。物語の中心となるのは,太陽王国の王女「アンジェリア」なのだが,絵に描いたような温室育ちの理想主義者で,物語の序盤はプレイヤーもやや呆れるほどの平和ボケを炸裂させている。
人を疑うことを知らず,何事も話し合いで穏便に進むと思っているアンジェリア。そんな彼女だが,陰謀や裏切り,友情や別れなど,さまざまな体験から成長していく姿が描かれている。
本作は全世界共通で,日本語ボイスが採用されており,アンジェリアのボイスは,声優の雨宮 天さんが担当。その他にも,緑川 光さんや,中田譲治さん,釘宮理恵さん,子安武人さんなど,豪華声優陣が参加している。
意味深な言葉を残し,どこかへ去ってしまう謎の男カブに緑川 光さん。強面で威厳溢れる太陽王国国王セオドアに中田譲治さんなど,良い所押さえてるなぁと日本人も感心する,違和感のないキャスティングだった。
一手の間違えが命取りになる,可愛い見た目に反して高難度な戦闘システム
本作は2×7マスのエリアに存在する“ソウル”というエネルギーを使う,パズルゲームライクな戦闘システムとなっている。画面上部,左側にプレイヤーが使う3キャラクターが表示され,その下にソウルがランダムで流れてくる。
プレイヤーが使うキャラクターにはロールが決まっており,一番前がタンク,中央がアタッカー,一番後ろがヒーラー。それぞれ金,黒,白とロールに色が付けられ,それがソウルの色に対応している。
例えば,金のソウルを使用したらタンクがスキルを発動して,黒のソウルならアタッカーがスキルを発動するといった感じだ。
スキルはソウルを1つ,2つ,4つ消費するものの計3種類が用意されている。2つは縦か横に同色が並んでいれば使用でき,4つは2×2の正方形状に並ぶと使用ができる。斜めや,横4つなどは発動することができない。
いずれのスキルも1回発動すると,1ターンが進むシステムとなっている。敵にはHPバーの横に攻撃するまでの残りターンが表示されているので,それを確認しながらどのスキルを使用しておくべきか見極めておく必要がある。
戦略性を高める要素の1つに「盾」の存在があげられる。HPバーの下にある,白いバーが盾となっており,盾を先に削り切らないとHPを削ることができない。
キャラクターの中には,盾に有効な「破甲攻撃」や,盾を無視して直接HPを削れる「貫通攻撃」のスキルを持っている者もいるので,もしガチガチな盾を持っている敵と対峙する時は,こういったスキル持ちをパーティに入れておくと,有利に戦闘を進められるだろう。
もちろん,プレイヤーも盾を使用することが可能だ。とくにタンクは自身の盾を強化して,攻撃よりも防御に徹するキャラクターが多くなっている。また,ヒーラーの中にはHPの回復よりも,盾を強化することが得意なキャラクターもいたりする。キャラクターによって戦闘スタイルが大きく変わるというわけだ。
また,本作の一番難しいポイントは,豊富なバフとデバフ,そして相手に特殊なステータスが設定されていることだろう。
バフは回避率アップや防御力アップ,デバフには毒や傷,弱化などが存在する。なんとなく名前だけでどういった効果なのか想像がつくと思うので,今回は説明を省かせてもらい,特殊なステータスについて紹介していこう。
敵には「2ソウルスキルで攻撃されると反撃する」とか,「盾を持っていないキャラクターから攻撃を受けると反撃する」とか,プレイヤーのスキルによって特定のアクションを起こす,非常に嫌らしい奴が存在する。
プレイヤーのスキルに関係なく,「スキルを発動すると,敵全員の攻撃力が上がる」なんて効果持ちもいるので,優先的に倒さなくてはいけない。こういった効果を持った敵は,高レベル帯のステージに進むにつれて,どんどん増えていく。
当てはまるスキルの使用を避けたり,ヤバそうな敵から倒していったりしないと,あっという間に詰んでしまうシーンが結構ある。ただ,すぐにギブアップして,何度でも戦闘をやり直すこともできるので,攻撃の順番を変えたり,パーティメンバーを考え直したりとトライ&エラーを繰り返すと良いだろう。
戦闘を少しでも有利に進めたいなら,ギルドへの加入がオススメだ。ギルドへ加入すると「アドバイザー」として,パーティに助っ人を1人加えることができる。自分の持っているキャラクターからも1人をアドバイザーに設定できるので,パーティは実質5人になる。
ギルドは加入申請をポチっと押すだけで,ギルド側から承認されればすぐに加入できる。コメントを読んで自分に向いているギルドがあれば,気軽に申請してみよう。
キャラ愛か,それともキャラ性能か。どちらを取るか迷うキャラ育成
キャラクターの成長要素についても紹介していきたいのだが,その前に言っておきたいのが,本作に“最強キャラクター”というものは存在しない。プレイしてみてわかったのは,重視すべきは“使い勝手”であり,ステータスはまったくと言っていいほど気にならないし,ほぼ横並びになっているということ。なので,どのキャラクターも活躍できる可能性を秘めている。
キャラクターは,ストーリーを進めたり,ログインボーナスなどで入手できるが,その数はあまり多くない。なので,ガチャを引いて使用キャラを増やして行く必要がある。
キャラクターには2つの成長要素が用意されている。まず1つ目は,一般的な「レベル」だ。単純にステータスが伸びていくもので,戦闘に参加して経験値を獲得するとレベルが上がる。
ただ,前述したようにどのキャラクターも前線で活躍できる力を持っているので,後から入手したキャラクターを使いたい場合も出てくる。その場合は「マナ」と呼ばれるアイテムをキャラクターへ注入することでもレベルを上げられるので,すぐに戦闘要員として仕上げられる。
そして,もう1つの成長要素が「共鳴」と呼ばれるレアリティを上げるものだ。レアリティを上げれば,ステータスやスキルの効果がより強力なものになり,見た目やスキルのエフェクトも派手に変化する。
現在実装されているガチャにはN,R,SRと3種類のレアリティしか含まれておらず,最上位のSSRはいない。つまり,自分で成長させてSSRにしなくてはいけないのだ。(※4月30日に登場した期間限定ガチャには,3体のみSSRがラインナップされている。)
SSRにもなると,どのキャラクターも喉から手が出るほどに優秀なスキルを持っている。しかし,共鳴させるためには,さまざまなステージやチャレンジで入手できるアイテムを要求されることに加え,そのキャラクター限定の「結晶」がかなりの数必要となってくる。
結晶は,ガチャで入手済みのキャラクターが被った際に入手できるほか,1日に2回限定のイベントステージ「結晶収集」でも獲得できる。このイベントステージでは,戦闘に参加したパーティメンバーの結晶がいずれか2個報酬でもらえる。パーティメンバーは3人なので,そのキャラクターの結晶が出る確率は1/3というわけだ。自身で設定した「アドバイザー」も対象に含まれるので,その場合は確率が1/4になる。
SSRまで育て上げるには,なかなか時間と根気が必要なので,色んなキャラクターを手広く育て上げるのは現実的ではない。そうなった時困るのが,どのキャラクターでも戦えるが故に,好きなキャラクターを育てるべきか,それとも使い勝手の良いキャラクターを育てるべきか……うーむ,非常に悩ましい。
各キャラクターのスキルはいずれも特徴的で,前方の敵しか攻撃できなかったり,威力は低いが全体攻撃だったり,攻撃対象がランダムになってしまったりと,紹介しきれないほど多種多様だ。いずれも一長一短なスキルなだけに,パーティ構成を考えるのも面白いポイントの1つだろう。
さて,ここまでビジュアルやゲームシステムについて紹介してきたが,言わずもがなBGMも「さすがリズムゲームの老舗」といった良曲揃い。初のRPGながら開発に4年もかけただけあって,やや難しめの良いゲームバランスに仕上がっている印象だ。
本稿を執筆するにあたり,レベル50ぐらいまで進めてみたのだが,スタミナ制ではないものの,1日にプレイできる内容はある程度限られているように感じた。と言うのも,ストーリーを進めているだけではレベルが追い付かなくなってしまうし,レアリティも上げられないのだ。
毎日出されるミッションやイベントをクリアすると,経験値やアイテムが満足に入手できるような設計になっているので,長時間ガッツリプレイというよりは,時間がなくてもコツコツ地道にプレイできる人にこそ向いているゲームだと思った。忙しくてプレイする時間はあまりないが,歯ごたえのあるゲームで遊びたい人にはぜひプレイしてみて欲しい。