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「新サクラ大戦」体験レポート。「サクラ大戦」の伝統的な要素を色濃く受け継ぎつつ,新しい要素にも挑戦している意欲作だ
この体験会は,「サクラ大戦」シリーズ公式応援団 帝国華撃団・応援組の登録者から抽選で選ばれた人(関連記事)が参加できるというものだ。
本稿では,「新サクラ大戦」を試遊してみた感想と,同作のプロデューサーを務める片野 徹氏への合同インタビューをお届けする。
アドベンチャーパート
体験会では,約30分のプレイ時間のなか,アドベンチャーパートとバトルパートをプレイできたので順に紹介していこう。
アドベンチャーパートは,主人公の神山誠十郎とメインヒロインの1人である天宮さくらの会話から始まった。誠十郎が帝国華撃団・花組の隊長に任命され,それを聞いたさくらが自分のことのように喜んでいる様子が印象的だった。さくらは喜怒哀楽をはっきりと示すタイプのようで,ころころと変わる表情も魅力的。「サクラ大戦」の真宮寺さくらに通じる部分があると感じた。
さくらとのイベントが終わると,プレイヤーが誠十郎を操作できるようになる。ゲームの舞台となる大帝国劇場は広く探索のしがいがあり,NPCとの会話やインタラクションが楽しめる。劇場の内装や小物などもしっかりと作り込まれており,ところどころに「サクラ大戦」らしいレトロ感も。
なお「スマァトロン」というアイテムを使うと,劇場内の地図を確認できたり,イベントの発生場所やキャラクターの位置を知ることができる。劇場の中は広いので,迷った時に重宝しそうだ。
「サクラ大戦」といえば時間制限のある選択肢「LIPS」も特徴だが,「新サクラ大戦」でもしっかりとその存在を確認できた。
筆者が確認できたのは,時間制限内に会話の答えを選択するLIPSの基本要素。あえて制限時間を超え,「答えない」という選択をすると,さくらとの会話では「黙っちゃうなんてヒドイですよ」と怒られてしまった。とはいえ,こういったプレイも「サクラ大戦」ならではの楽しみ方だろう。
後述する片野 徹氏へのインタビューによると,LIPSにはいろいろなギミックが用意されているとのこと。そのあたりも期待してよさそうだ。
花組のメンバーである東雲初穂,望月あざみ,クラリスとも対面できた。みな個性の塊のようなキャラクターで,それぞれ大きなインパクトがあった。
個人的には快活な性格の初穂が印象に残っている。生粋の江戸っ子気質で,見ているだけで心地よい。バトルでも豪快な戦いっぷりを披露してくれそうだ。今回はアナスタシアと会うことができなかったので,次の機会があればそのあたりも確認したいところである。
バトルパート
アドベンチャーパートを進めていくと,初代からほぼ全ての作品に登場している「サクラ大戦」シリーズの人気キャラクター・神崎すみれから通信が入る。降魔が出現したため,花組に至急出撃してほしいとのことだ。そして,そのままバトルパートに突入する。
バトルはアクションゲームとなっており,弱攻撃,強攻撃,ジャンプ,必殺技,ステップ,キャラクター切り替えなどを駆使して戦う。
体験会で遊べたのは4ステージで,あざみの登板回のため,あざみとタッグを組んでの出撃となった。あざみと誠十郎を切り替えながらの戦いとなる。
バトルはアクション性の高い,爽快感と戦略性が程よくブレンドされたもの。操作自体はシンプルであり,操作面でつまづくことはなかった。
ただ体験会でのバトルは4ステージにあたるため難度はそれなりに高めで,攻略には工夫が必要だと感じた。ザコ敵は問題なく倒せるのだが,ボスは耐久力が高く,弱と強の攻撃を組み合わせながら戦略的に立ち回る必要がある。被ダメージも大きいので,ジャンプやステップで攻撃を回避したり,キャラクター切り替えも駆使したほうが良さそうだ。ちなみにキャラクターの切り替えはボタン1つで一瞬で行える。
霊力が溜まった状態で発動できる必殺技も見逃せない。敵に強力なダメージを与えられるだけでなく,一定の無敵時間が発生する点,キャラクターの個性を引き立てるド派手な演出など,見どころは多い。
ステージを進めると,大蛇が登場して攻撃を仕掛けてきた。大蛇は倒せない設定になっているので,避けながら進むしかない。ステージにはこうしたギミックがいくつかあり,ただ単純に敵を倒せばいいというだけではないのが面白いところだ。
プロデューサー・片野 徹氏インタビュー
――今回プレイさせていただいて,アクション部分が少々難しいかなと感じたのですが,難度の調整はどのように行われていますか。
片野 徹氏:(以下,片野氏)
今回の体験会でプレイしていただいたステージは4面にあたるので,難度としては高めですね。最初の何ウェーブかまでは気持ちよく敵を倒せる調整にしていて,徐々に難しくなるような流れになっています。
――今回プレイした面では,落下する箇所がいくつかあったり,大蛇のような,イベント上倒せない敵がいたりと,ギミックが豊富にあると感じました。これは他のステージにも共通しているのでしょうか。
片野氏:
大蛇は4ステージめの特別なギミックなので,それより前のステージには出てきません。1〜3ステージまでをプレイしてアクションに慣れた方へ向けた,少々骨のある調整ですね。
落ちる箇所に関しては1ステージからあるのですが,カメラを上から映しているので,あまり落ちないようになっています。おそらく皆さん,4ステージまでには操作に慣れてきていると思いますので,それほど落ちないのではないかなと。
――アドベンチャーパートでさくらとのハプニングがあって,さくらに怒られる一幕がありましたよね。ですが,怒られた後に何もなかったかのような態度だったので,少々不自然に感じてしまいました。そのあたりは製品版ではどのようになっているのでしょうか。
片野氏:
実はあそこのイベントは,今回の体験会用に持ってきたものなんです。なのでつながりとしてあまり良くないというのは,私たちも認識しています。体験会用のサービスだと思っていただきたいです。
製品版では,怒って少しのあいだ会話できなくなっちゃたりします。不自然さを感じることはないはずなので,安心してください。
――アドベンチャーパートでは,選択肢(LIPS)を時間制限内に選んだり,声の大きさを選ぶ場面がありましたが,ほかに選択肢でギミックは用意されていますか。
片野氏:
声の大きさを変えるのはアナログLIPSと呼ばれていますが,あれは声の大きさ調整以外にも適応しています。例えば,距離の遠い近い,さくらの汗を拭くシーンで姿勢を上下に動かしたりなどですね。
また時間制限がある中で,いくかの会話や証拠を集めるシーンもあります。
――東京ゲームショウ2019でも「新サクラ大戦」が出展されますが,ファンの方に注目してほしいポイントはありますか。
片野氏:
今回の体験会を見ていて思ったのですが,ストーリー通り,まっすぐクラリスのいる部屋へ行かれる方が多かったですね。それはもったいないので,ぜひ他の箇所にも行ってみて,いろいろなイベントを体験してほしいと思います。ちなみに,ゲームショウも今回と同じバージョンを出展する予定です。
――各ステージのバトルのボリュームはどれくらいになりますか。ボス戦のウリなどもあれば教えてください。
片野氏:
ボス戦に関しては力押しもできなくはないのですが,有効な攻撃が存在するので,そうやって弱点を突いてもらうと,倒しやすくなると思います。戦略の部分は今後情報を出していくので,楽しみにお待ちください。
――今回はあざみと誠十郎の2名を切り替えながらバトルできましたが,後半ではさらに多くのキャラクターを切り替えることもあるのでしょうか。
片野氏:
今回プレイしていただいた4話はあざみの登板回なので,最初はあざみと2人ですが,ステージを進めて合流すれば他のキャラクターとも一緒に戦えます。
また,他のステージでは出撃するメンバーを自由に選べたり,後半ではメンバーが入り乱れたりするシーンもありますよ。あと信頼度が高いと,自分では操作できないのですが,お助けキャラとしてサポートしてくれることもあります。
――「新サクラ大戦」は銀座の街を探索できるとのことですが,どれくらいの広さや作り込みなのかを教えてください。
片野氏:
半分くらいは帝劇の中で,残りの半分が銀座で進むのですが,マップの広さや作り込みに関してはまだ言えない部分も多いので,今後の情報をお待ちください。
――バトルの目玉とも言える「ジャスト回避」についても教えてください。
片野氏:
今回の体験会を見ていて,出せていた方がほとんどいらっしゃらなかったので,我々ももう少し周知するべきだったと思います。
ただ,ジャスト回避は決まると戦況が楽になるので,ぜひともTGSで試してみていただきたいですね。
――ゲーム全体でボイスの入っている箇所はどれくらいの割合になるのでしょうか。
片野氏:
メインの部分は当然ボイスを収録しています。サブイベントには,ボイスのないところもありますが,ゲーム上,とくに見せたい部分はボイスを録っているので,楽しみにしていてください。
――体験会の終わりに次回予告が流れて懐かしいと感じました。「サクラ大戦」というとアニメを意識した演出も魅力だと思うのですが,そのあたりは「新サクラ大戦」でどのように反映されていますか。
片野氏:
開発スタッフには古くから「サクラ大戦」を作っているメンバーもいれば,新しいメンバーもいます。古参メンバーは「サクラ大戦といえばこれだよね」というファンのツボを知っていますので,ぜひ今後の情報を待っていてください。
――ありがとうございました。
「新サクラ大戦」公式サイト
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