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  • NetEase Games
  • 発売日:2018/07/05
  • 価格:基本プレイ無料+アイテム課金
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「Identity V」開発チームにインタビュー。日本進出への想いや,今後のさらなる発展について聞いた
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印刷2019/11/16 12:00

インタビュー

「Identity V」開発チームにインタビュー。日本進出への想いや,今後のさらなる発展について聞いた

 NetEase Gamesが展開する非対称対戦型マルチプレイゲーム「Identity V」PC / iOS / Android)。本作は,フィールドからの脱出を目指す4人のサバイバーと,それを阻止する1人のハンターに分かれて戦うタイトルだ。中国国内で「第五人格」というタイトルでリリースされており,グローバル展開として日本版が2018年7月にリリースされた。

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 今でこそ人気の非対称対戦型のオンラインゲームだが,「Identity V」がリリースされるまで,日本での注目度はそこまで高くなかった。それが最近では,非対称対戦型ゲームに熱中する日本のプレイヤーが増えてきたように思う。その背景には「Identity V」の影響が少なからず関係しているだろう。事実として,日本でのリリース後,Google Playストア「ベスト オブ 2018」のクリエイティブ部門で大賞を受賞するなど,多くのプレイヤーから支持を得ている。また4Gamerでも,イベントの取材や動画配信などで積極的に取り上げてきた。

 そんな本作の開発・配信元であるNetEase GamesのIdentity V開発チームに,話を伺う機会を得た。日本進出の経緯や想いをはじめ,ファン向けのリアルイベント,eスポーツ大会,舞台化など,さまざまな広がりを見せる「Identity V」の気になる今後を聞いてみたので,チェックしてほしい。

中国にあるNetEase Games
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開発のきっかけと,日本進出の経緯について聞く


4Gamer:
 貴重な機会をいただき,ありがとうございます。さっそくですが,まずは「Identity V」開発の経緯を教えてください。

Identity V開発チーム:
 NetEase Gamesでは新入社員たちがチームを組み,ミニゲームを開発・制作する「新人研修プログラム」を実施しているのですが,「Identity V」もこのプログラムにおける成果の1つでした。

 このデモは,鬼ごっこからインスピレーションを得たもので,プレイヤーは襲撃役と,逃亡役の2つの陣営に分けられます。逃走中の緊張感は今まで体験したことがなく,非常に革新的なプレイスタイルでした。

 そのため,デモの特徴となる非対称対戦型ゲームの遊び方を活かし,ゲーム全体のアートスタイル,メインストーリーおよびキャラクターの背景ストーリーを補完しました。そうして現在の「Identity V」になったわけです。

サバイバーはMAP上にある7つの暗号機のうち5つを解読して,脱出ゲートを開けて逃げることが目的
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ハンターはサバイバーを捕まえロケットチェアに縛り付けて,脱出を阻止する
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4Gamer:
 日本では「Identity V」がリリースされるまで,非対称対戦型のオンラインゲームはそれほどメジャーではなかったように見えます。いったいどのタイミングで,「Identity V」の日本サービスに注力する判断をされましたか。

Identity V開発チーム:
 たしかに非対称対戦型ゲームは,とくに日本のスマホゲーム市場での認知度はまだ低かったと思います。ですが,日本のゲーム市場に進出する前に,さまざまな分野で市場調査を行った結果,「Identity V」のミステリアスな世界観とゴシックなアートスタイルは,日本のプレイヤーの好みに適していると感じました。

 それとともに,日本のプレイヤーのゲームに対する熱が非常に高いことも分かり,日本ゲーム市場に進出する判断に繋がりました。その熱は,長期的なゲーム運営を目指すにあたり欠かせないものです。
 そういった狙いもありつつ,たくさんの日本の人たちに非対称対戦型ゲームを知ってもらい,「Identity V」を楽しんでほしいというのが,日本に進出を決めた私たちの一番の想いです。

4Gamer:
 日本での展開に向けて,とくに注力した部分はどこでしょう。

Identity V開発チーム:
 基本となるテキストのローカライズです。日本の文化と言語習慣を念頭に置いて,もっとも適切な表現を使用するために専門のチームを結成しました。

4Gamer:
 日本の「Identity V」プレイヤーは,作品のどんなところに魅力を感じているとお考えですか。

Identity V開発チーム:
 私たちは長い時間をかけて,「Identity V」プレイヤーの特徴や,支持されている理由を分析しました。それにより分かったのは,多くのプレイヤーが「Identity V」の独特なアートスタイルに惹きつけられていることでした。

 また,性格と見た目の特徴が際立ったキャラを好んでいる傾向も見られました。そのため,よりキャラに愛情を持っていただけるように,プレイヤーたちの好みに合わせて,たくさんの絵師にイラストを描いていただいたり,プレイヤー自身も参加できるような「イラスト募集コンテスト」を行ったりしています。この試みは,開発チームがより魅力的なキャラをデザインする意欲にもつながりました。

4Gamer:
 たしかに,サバイバーをはじめとした各キャラクターはとても魅力的です。それぞれどのようなイメージで制作されたのでしょう。

Identity V開発チーム:
 サバイバーのデザインについては,私たちの生活からインスピレーションを探しました。お気づきかと思いますが,それぞれの職業から能力や姿を表現したものになっています。
 一方,ハンターは能力から考え,それに適するキャラをデザインしました。もちろん,外見や能力はストーリーと相関するようにしています。ゲーム中に,キャラの背景が分かるストーリーの断片を隠しているので,念入りに探してみてください。

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4Gamer:
 サバイバーは目にボタンのようなものが縫い付けられていますが,何か特別な意図があるのでしょうか。

Identity V開発チーム:
 1人1人のデザインについては,ゲームのメインストーリーと関わる部分もあるので,あまり詳しくは言えないのですが,目にボタンのようなものを縫い付けられていることで,ゲームの不気味な要素をアップさせる意図もあります。

 ただホラーが苦手なプレイヤーもいるので,残酷さはある程度低減しました。そうすることでより多くのプレイヤーに楽しんでいただき,ゲームを堪能してもらうことを目指して作っています。

4Gamer:
 中国ではキャラのデザイン募集企画も実施されていますよね。

Identity V開発チーム:
 人気の高い「納棺師」は,プレイヤーからデザインを募集しました。近いうちに新キャラも登場する予定です。

 日本でもキャラの人気投票を行い,上位のキャラを衣装デザインイベントの対象にすることができる「演繹の星」イベントを実施しました。これに当選すると,お気に入りキャラの専属衣装をデザインすることができます。演繹の星によってデザインした「祭司」の衣装も近々追加されますので,楽しみにしてください。

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4Gamer:
 世界観やキャラももちろんですが,やはりゲーム性も魅力だと思います。eスポーツ大会が複数開催されていますよね。

Identity V開発チーム:
 「Identity V」の持つ独特な緊張感を求めて,競技に熱狂しているプレイヤーがたくさんいらっしゃいます。そんなプレイヤーのために,Identity V Championship(IVC)やCall of the AbyssII(COAII),Identity V Lobiなど,さまざまな大会を開催してきました。どれも楽しんでいただけたのではと思っています。

4Gamer:
 「Identity V」でeスポーツ展開を行う狙いを教えてください。

Identity V開発チーム:
 eスポーツ大会は,プレイヤー自身も望んでいたことだと思います。以前,小規模なオフ会を開催しましたが,そのイベント現場でプレイヤーたちの熱戦を見て,いつかは必ずeスポーツ大会を開催したいと考えておりました。

 そのため,私たちは今後もIVCや,Lobi Cupを開催する予定です。参戦,観戦問わず,たくさんのプレイヤーが大会に参加し,非対称対戦型ゲームを楽しむことは非常に喜ばしいことだと思います。

Identity V Championship
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1周年を迎え,さらなる発展を目指して


4Gamer:
 2018年7月の正式サービス開始から1年余りが経過しました。現在の累計ダウンロード数など,主な実績について教えてください。

Identity V開発チーム:
 日本では約1000万ダウンロードを達成しました。「Identity V」を応援してくださっているプレイヤーのみなさんに感謝しています。

4Gamer:
 1周年記念パーティーでは,サバイバーがダンスするユニークな映像が公開されていましたね。

Identity V開発チーム:
 MMDは,私たちがずっとやってみたかったことです。今回ついに1周年記念パーティーで実現できました。プレイヤーのみなさんの反響もよく,本当に嬉しいです。


4Gamer:
 現在の「Identity V」日本サービスの運営方針についてお聞かせください。

Identity V開発チーム:
 私たちは,長期的な運営企画を計画しています。今後も新キャラ,新衣装,新マップをはじめ,ゲームの中で祝日の雰囲気が感じられる祝日イベントや,協力狩り,Black Jackなどの新たなゲーム要素も追加していく予定です。

4Gamer:
 サバイバーやハンターの調整,新コンテンツの実装などのアップデートの内容やタイミングは,どのようにして決められているのでしょうか。

Identity V開発チーム:
 運営が長くなると,どうしてもゲームへの情熱が冷めてしまうプレイヤーもいるはずです。そうならないために,私たちはシーズンごとに,イベントの実施に加え,新しいハンターやサバイバーを実装するタイミングを調整しています。

 新キャラが登場すると,そのキャラを使いこなすためにプレイヤーは時間を費やして研究してくれるので,そうやってモチベーションを保っていく狙いです。

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4Gamer:
 マンネリを防ぐ工夫をしているんですね。

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Identity V開発チーム:
 現在は「ペルソナ5」のコラボイベント第2弾を行っています。興味をお持ちの方はぜひゲームを体験してほしいです。

4Gamer:
 そのコラボイベントについてですが,「Identity V」は「伊藤潤二 コレクション」や「ペルソナ5」など,ゲームの世界観的にあまり違和感のないIPを厳選しているように見えます。タイアップを行うときの選定基準や,コンセプトについて教えてください。

Identity V開発チーム:
 コラボ対象はかなり厳選しています。「Identity V」の世界観を壊さず,それでいてプレイヤーのみなさんが気軽に受け入れられるように,両方の相性を考えて選択していますね。今後も相性のいいIPとコラボレーションする予定ですので,ぜひお楽しみに。

4Gamer:
 ちなみに,11月に「Identity V」の舞台が上演予定ですが,アニメなどのコンテンツもあるなかで,なぜ舞台だったのでしょう。

Identity V開発チーム:
 現在,私たちは「Identity V」のIPとしての発展に力を入れるため,2つの方向性で動いています。1つは,作品の世界観や背景に合わせた内容のもの。例えば「Identity V」の動画番組を計画しています。

 もう1つは,「Identity V」の世界観を派生させるものです。その1作目として,ムービックとタッグを組む舞台「Identity V STAGE Episode1『What to draw』」があり,プレイヤーは原作と異なるストーリーを見ることができます。今後もより多くのパートナーと提携し,新しいスタイルの派生作品を作り出すことを目指しています。

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4Gamer:
 2周年に向けての目標をお聞かせください。

Identity V開発チーム:
 私たちは,プレイヤーと「Identity V」が共に成長できる環境を築くために,2次創作の支持や,異なる業界とのコラボレーションを積極的に行っていく考えです。そうすることで,「Identity V」が自然とみなさんの生活の一部になっていくことを望んでいます。

 また,IVCとCOAなどのeスポーツ大会の実施も予定しています。競技が好きなプレイヤーのみなさんに,自分の実力を発揮できるさまざまな機会を,これからも提供していきたいです。

4Gamer:
 最後に,日本のプレイヤーへメッセージをお願いします。

Identity V開発チーム:
 いつも「Identity V」を応援していただき,誠にありがとうございます! プレイヤーのみなさまの応援コメントなどが原動力となり,私たちは精力と感情を込めてゲームを開発することができます。

 もっと多くのプレイヤーに「Identity V」の魅力を感じていただけるように,さまざまな展開を行っていくので,引き続き応援していただけると嬉しいです。今後とも「Identity V」をよろしくお願いします!

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