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id Softwareの最新作「RAGE 2」。メディア向けのデモをたっぷりプレイしてきた
「RAGE 2」公式サイト
2011年にリリースされた第1作「RAGE」は,巨大隕石の衝突で地球の文明が崩壊しそれから100年以上を経た,2135年という未来の荒廃した世界を舞台にしたFPSだった。
「RAGE 2」では,前作の「オーソリティ戦争」が終結して30年後,2165年の時代を描くものとなる。試遊版では導入部分のシーンなどがカットされていたため詳細は分からないが,プレイヤーはウェイストランドと呼ばれる,砂漠が広がる地域の秩序を長らく守ってきたレンジャーの最後の生き残り,アラン・ウォーカーとして,さらに強大になったオーソリティと戦っていく。彼はオーソリティのために愛する者を失っており,その怒り(Rage)を暴力が支配する世界にぶちまけていくのだ。
「RAGE 2」の開発はAvalanche Studiosが主導し,id Softwareはゲームデザインやストーリーなどで助言を行うという開発スタイルがとられており,そのため本作ではid Softwareの「idTech」ゲームエンジンではなく,Avalanche Studiosの「Apex」が使用されている。「RAGE」は良い評価を得ながらも商業的にはヒットにつながらず,思い切ってBethesda Softworks傘下ではない優秀なスタジオに開発を任せることで,フランチャイズの確立を狙っているようだ。
id Software側も現在「DOOM Eternal」などのプロジェクトを抱えているため,手が回らないという事情もあるのだろう。
「RAGE 2」の基本的なゲームプレイは,Avalanche Studiosの看板シリーズである「ジャストコーズ」や,2015年の「マッドマックス」のような雰囲気が強い。つまり,バカでかくて個性的な武器が登場するFPSという「RAGE」の基本要素を踏襲したうえで,「ジャストコーズ」シリーズにも通じる,突き抜けたハチャメチャ感が新たに付け加えられたのだ。
メインミッションとゲームの進行
ここからプレイアブルデモの内容を紹介したいのだが,発売までには2か月以上もあるうえに,ロックされたゲームシステムやアイテムなども見られたので,製品とは異なる部分があるかもしれないことを,あらかじめご了承いただきたい。
さて,プレイできたバージョンは,ゲーム開始からミッションを25%ほどを消化した段階とのこと。オーソリティに対抗する勢力を築く秘密計画「ダガープロジェクト」を遂行するために欠かせない(と思われる)3人の信頼を勝ち取る……というメインミッションが進行中だった。ミッションの名前は「Wasteland Celebrity」だ。
この3人とは,前作ではヤンチャそうな女の子だったが,30年の時を経た本作では「市長」となったルーサム・ヘイガーと,前作では「キャプテン」と呼ばれていたジョン・マーシャルだ。もう1人はドクターと呼ばれていたので,アントン・クヴァシルもカムバックするようだが,試遊では確認できなかった。キーキャラクターについての情報は,今後も随時,公開されていくだろう。
ルーサムと知り合いになるため,バギーを飛ばしている場面からゲームスタートだ。ウェイストランドで最大といわれる要塞都市に足を踏み入れると,商人や労働者,娼婦や浮浪者などのNPCから声をかけられる。彼らと会話することでサイドクエストが発生するようだが,ここはひとまずルーサムの執務室に行くための上階へと続くエレベーターのあるホールへ向かう。ボディガード達がウォーカーの身分照会をしていると,グーンスクワッドと呼ばれる荒くれ者たちが10人ばかり,いきなり乱入してきた。
クレイトンを倒すために必要な情報をコンピュータから抜き出してくれば,どうやらルーサムの信頼を勝ち取ることができそうだ。
ウォーカーはクレイトンが所有する酒場であるウィナーズラウンジに向かうが,ここは勝者のみが入店を許される場所。勝者とは,ゲーム世界の競技に参加して命を賭けて戦い,勝利を勝ち取った者のことだ。ここで新しい目的が発生し,プレイヤーは「Mutant Bash TV」と「Chazcar Derby」という2つのミニゲームに勝つことが必要になる。
Mutant Bash TVは,殺人ゲームがエンターテイメントとして放送されるスタジオに行き,ミュータントと戦うというもので,さまざまな仕掛けが用意された4つのエリアを攻略する。「Chazcar Derby」は,専用コースのバギーレースに挑み,1位になるというものだ。ネタバレしない程度に続きを書いておくと,2つのミニゲーム勝者となり,たぐいまれなチャンピオンとしてクレッグに受け入れられたウォーカーだったが,最終的には巨大ミュータントであるラックス(Ruckus)との戦いを強要されることに。
マップやグラフィックスなど,前作からの変更点
「RAGE 2」の大きな変更点としてまず気がつくのは,主人公ウォーカーのフルボイスが用意されていることだ。ほかのゲームでは一般的なフィーチャーかもしれないが,前作「RAGE」の主人公が完全に無口で,ストーリーの進行はNPCの話を聞いたりテキストを読んだりするのみだっただけに,id Softwareの作品としては珍しく,新鮮な雰囲気を与えてくれる。もっとも,ゲームへの没入感という意味でボイスが必要かどうかは,ゲーマーの間でも意見が分かれるところだろう。
グラフィックスでも,ピンクやパープル,オレンジといったキツめの色を前面に押し出しており,クレイジーな世界を描く作品でよく見られる,欧米ゲーム業界のトレンドだ。Apexはオープンワールドを描くことが得意なエンジンなので,遠方に霞がかかっていたりなど,広大で荒れ果てた世界の雰囲気は見事だ。
こうした世界での移動は,バギーなどを使うことが基本で,マップで行きたい場所やウェイポイントを設定すると,レースゲームのように路面にピンク色の矢印が表示される。そのため,地図を見るのが苦手な人でも,どこに行くか迷うことはない。
道中では,ギャングがコンボイを襲っている場面に遭遇したり,戦闘ヘリから降りてきたオーソリティがプレイヤーに攻撃を仕掛けたりしてくる。戦うのが面倒だったら逃げることもできるようだが,こうしたランダムなイベントが,「RAGE 2」の世界を生き生きしたものにしている。
デモ版で筆者が旅した地域は,赤茶けた岩山と砂漠が連なる土地だったが,砂漠以外の環境がいくつか用意されていることは,すでに発表されている。マップサイズは「ジャストコーズ 3」や「ジャストコーズ 4」ほどは大きくないとのことだが,ジェット機やロケットのような高速移動できる乗り物が用意されていないので,狭さを感じることはないはず。
コンパクトにまとまったマップで,密度の濃いアクションが楽しめるはずで,土地の高低差をうまく使った要素などにも期待したい。
そのほかの要素について
「RAGE 2」に登場する武器は8種類のタイプに分かれ,ピストルとアサルトライフルがデフォルトで,ショットガンやRPG,マシンガン,レールガンなどが使用可能だ。小さなブラックホールのような重力集中点を発生させる「グラブガン」(あるいは「グラブダート」)という武器も用意されており,これを撃てば,複数の敵を空中の1点に集めることができ,そのまま相手を粉砕したり,別の銃器で一網打尽にしてしまえる。
前作に登場したブーメラン風の武器,ウィングスティックもあり,これらの武器を使ってコンボを組み立てると,「オーバードライブメーター」にポイントが溜まり,それが所定の値になることで,一定時間,無敵状態になれる。
また,本作には「アビリティ」(特殊能力)というRPG的な要素が加わっており,プレイヤーは高速移動が可能な「ダッシュ」や,一定期間だけ空中に浮遊できる「ホバー」,地表を叩くことで周囲の敵を粉砕する「グラウンドスラム」,そして敵の攻撃を防ぐ盾を召喚する「バリア」などのアビリティを獲得できるという。筆者がプレイした限りではダッシュしか使えず,上記のラックスとの戦闘では,相手の突進をかわしては撃ち,かわしては撃ちといったアクションが楽しめた。
それぞれのアビリティは4段階にアップグレードするので,ゲームが進むにつれてプレイスタイルは多様化していくだろう。
また,試遊ではロックされていたが,武器のほか,バギーやホバーなどの乗り物にはカスタマイズ要素が追加されている。敵のビークルを盗んで,自分のガレージで必要なパーツを取り出し,マイマシーンを改良するといったことができるのだ。
また,広大なマップで乗り物から降りて銃撃戦を繰り広げたりすると,どこでビークルを乗り捨てたか分からなくなるが,そういうときのために,メニューから乗り物を召喚できるようなシステムも用意されている。
ミュータントや敵勢力は,遮蔽物の背後に隠れたりなど,前作同様の動きを見せて小憎らしいが,たくさんの新要素を盛り込みつつ,前作の持ち味を壊さないというデザイン上のポリシーも十分に伝わってきた。
シングルプレイ専用タイトルとなった「RAGE 2」は,FPSジャンルを確立させたid Softwareのゲームとしてのルーツを失わないようにしつつ,Avalanche Studiosらしいハチャメチャなプレイを取り入れた,長く楽しめるゲームとして完成しつつあるようだ。DLCやマイクロトランザクションなどについて詳しく紹介されることはなかったが,RPG要素を持つオープンワールドのFPSとして,2019年の話題作になりそうだ。
「RAGE 2」公式サイト
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