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MODなしでも世界の見え方が大きく変わるリアルタイムレイトレーシング対応の「Minecraft with RTX」
Minecraft with RTXは,2019年8月にドイツ・ケルンでに行われたgamescom 2019に合わせて発表となったもの(関連記事),NVIDIAとMicrosft,およびMinecraftの開発元であるMojangの協業により,DirectX Raytracing(以下,DXR)によるリアルタイムレイトレーシングをサポートするという。現在,ストアアプリ版である「Minecraft for Windows 10」において対応を進めており,2020年の提供を予定している。
Javaベースの「Minecraft:Java Edition」には,レイトレーシングを実現するMODがある。しかし,Minecraft with RTXでは,Minecraftのゲームエンジン側でレイトレーシングに対応しており,MODやアドオンではなく,ゲーム本体の設定からレイトレーシングの有効と無効を切り替えられるそうだ。
今回試遊したのはgamescom 2019で公開したものと同じ開発版で,NVIDIAが用意した「Vanilla World」と「NVIDIA Material Sandbox World」という2つのワールドを体験できた。
Vanilla Worldは,オーソドックスなMinecraftの世界で,リアルタイムレイトレーシングを有効にすると,どのように見え方が変わるかを表現したものだ。以下は実際にプレイした動画からのキャプチャとなるが,窓から差し込む光と,それによる影が美しい。また,素材表面の細かい凹凸や光の反射によって,たとえば金属などの材質もずいぶん分かりやすくなっている。
もともとグラフィックスの表現が豊かなタイトルでは,水面の映り込みなど,従来のラスタライズでも実装しているので,レイトレーシングを有効にしてもそれほど大きな違いを感じられないこともあるが,Minecraftのようなシンプルな世界ではその効果が大きいように思う。
もう一方のNVIDIA Material Sandbox Worldは,反射による物体の映り込み(リフレクション)や大域照明(グローバルイルミネーション),光がガラスなどの素材を透過するときの屈折など,レイトレーシングによる効果をふんだんに体験できるものとなっていた。こちらはレイトレーシングを無効にすると,真っ暗な部屋という場合が多いので,レイトレーシングを有効にした状態の画像が中心となる。また,実際にプレイした動画も紹介しよう。
今回の試遊には,GeForce RTX 2080 Ti搭載のPCを利用した。Minecraft with RTXのシステム要件は未公開で,Turing世代でもRT Coreを搭載していないGeForce GTX 16シリーズや,一部のGeForce GTX 10シリーズで,どの程度動作するかは分からない。
ハードウェアとしては対応GPUが必要となるが,外部のコンテンツを導入することなく,ゲーム内の設定からレイトレーシングの有効と無効を,手軽に切り替えられる点に魅力を感じる人はいるだろう。実際に体験してみると,Minecraft with RTXによってゲーム内世界の見え方は大きく変わるように思う。現在,開発が進められているということだが,いまから正式版が楽しみだ。
NVIDIAのGeForce公式ページ
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