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[G-Star 2018]「コマンド&コンカー:ライバル」の開発スタッフによるG-CON 2018の基調講演をレポート。PC向けRTSの魅力をそのままスマホ向けアプリに
Black氏はこれまで,「Command & Conquer」シリーズや「StarCraft II」など,PC向けRTSの開発に長年関わってきたベテランである。そんな氏にとって,今回のコマコン:ライバルでは,RTSの面白さをスマホ向けアプリとして実現するため,試行錯誤の連続だったそうだ。本稿では,Black氏が語った内容を主軸に,コマコン:ライバルにおける各種ゲームシステムを整理して紹介しよう。
一般的にPC向けのRTSは,本拠地での内政とユニットの生産,そして前線での指揮などを同時に行うことから,プレイヤーの操作量が非常に多いジャンルとして知られる。そのようなジャンルをスマホ,すなわち小さな画面やタッチ操作で実現するべく,開発中はRTSの常識を見直す必要があったそうだ。
ここでコマコン:ライバルにおける基本的なゲーム展開を紹介しておこう。プレイヤーは,1vs.1のバトルを行い,敵本拠地の破壊を目指す。対戦中は,プレイヤーがあらかじめ準備したデッキにあるユニットが“カード”として表示され,じわじわと溜まる資源のTiberium(チベリウム)と引き替えに,これを繰り出す。ここまでの説明に限れば,「クラッシュ・ロワイヤル」をイメージすると分かりやすいだろう。
コマコン:ライバルにおける大きな特徴は,“出撃後のユニットはAIで動かず,プレイヤーがスワイプで移動/攻撃対象を指示する”という部分だ。マップタイルはヘックス(六角形)式になっており,プレイヤーはシンプルかつ直感的な操作で,ユニットへの的確な指示をもとにした戦術を繰り出せるという。
Command & Conquerシリーズを題材にしているため,GDIやNODの各勢力をベースにした歩兵,戦車,航空機などのさまざまなユニットが登場する。デッキに含めるユニットに応じて,いわゆるカードゲームにおけるアグロ/ミッドレンジ/コントロールのような戦術も実現可能だ。
また,マップ内にはTiberiumの採集ポイントも別途用意されており,ここにワーカーユニットを向かわせることで,コストが高いユニットも比較的繰り出しやすくなる。ただし,その場合はゲーム序盤における戦闘ユニットが心許なくなるというトレードオフや,ワーカーユニットが邪魔されるというリスクも念頭に置かねばならない。
コマコン:ライバルのゲームプレイをスリリングなものにしているのが,マップの中央に据えられている“巨大ミサイル”である。マップ内には色付きのポイントが複数箇所設けられており,ユニットがそこに滞在(キャプチャー)し続けることで,ミサイル発射用のゲージが蓄積。このゲージがフルになるとミサイルが敵の本拠地に向けて発射され,たったの一発で本拠地のライフが約半分も減ってしまうのだ。敵味方のユニットがキャプチャーポイントに殺到し,激しいバトルが行われることは想像に難くない。
ここで実に面白いと思うのが,ミサイルが向かう本拠地は,ゲージがフルになった時点で決まるという部分である。つまり,フルになる寸前にラッシュを仕掛けてキャプチャーポイントを奪い返し,一発逆転というゲーム展開も起こりうるのだ。
とはいえ,キャプチャーポイントばかりに気を取られてしまうと,本陣が敵ユニット直接狙われてしまうかもしれない。各ユニットは視界(fog)が制限されているので,マップは狭いながらも索敵が欠かせないだろう。
そのほかには,一度有利になった側が最後まで押し切ってしまいやすいという,いわゆるスノーボーリング(雪玉転がし)への対策も行われている。たとえば,出撃中のユニット数が増えすぎると,カード使用後のクールダウンタイムが長くなる。一方的なゲーム展開になると,カジュアルゲーマーなどは萎えてしまうかもしれないが,接戦を楽しめるように配慮されているという。
一方で,コマコン:ライバルはゲームバランスの調整次第で,コアゲーマーでも充分に楽しめるという。同社が展開する「EA Competitive Gaming」への採用も決まり,eスポーツ方面への取り組みも積極的に行うとのことだ。
Black氏はコマコン:ライバルの開発作業を通じて,RTSの面白さの本質と今一度向き合ったそうだ。その結果,2〜5分前後というスマホ向けアプリとして相応しい短時間のゲームプレイで,RTSにおけるスリリングなプレイを満喫できたと実感し,2018年12月のグローバルローンチを決定したそうだ。
なお,4GamerではBlack氏への単独インタビューを別途行っている。RTSのコアプレイヤーにとって興味深い内容となっているので,こちらの掲載もお楽しみに。
「コマンド&コンカー:ライバル」公式サイト
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(C)2018 Electronic Arts Inc.
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