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「ぷよぷよグランプリ 2024 ファイナル」現地レポート。公式大会初の20本先取ルールはマッキー選手がリベンジ優勝を果たす
「ぷよぷよeスポーツ」公式サイト
決勝戦は公式大会初の20本先取ルールを採用
今大会は,プロ大会である「ぷよぷよチャンピオンシップ」とは違い,一般選手も出場可能だ。優勝者には賞金100万円および日本eスポーツ連合(JeSU)によるプロライセンス取得の権利が与えられる。この日は今年度の大会で好成績を修めた16名がリーグ予選を戦い,これを勝ち抜いた4名が決勝トーナメントに進出を果たした。
セミファイナルに挑むのは,momoken選手(グループA),ともくん選手(グループB),マッキー選手(グループC),Shiyota選手(グループD)だ。
第1試合は好調を維持するともくん選手と,予選リーグを全勝で駆け上がったmomoken選手の好カード。momoken選手がアグレッシブに攻めつつ,持ち味の対応力を活かした4連勝でリードを広げるが,ともくん選手も勢いに呑まれることなく反撃。追いつき,逆転に成功したともくん選手が勝利を収めている。
続く第2試合は,マッキー選手とShiyota選手の組み合わせ。Shiyota選手はマッキー選手の7連勝を許し,追い詰められてしまう。それでも諦めることなく,5連勝を果たして食い下がるが,今大会の本命と目されるマッキー選手は逆転を許さず,グランドファイナルへの切符をつかんだ。
グランドファイナルはともくん選手,マッキー選手というプロ対決となった。両選手は今年2月に行われた「ぷよぷよグランプリ 2024 2nd」でも対戦しているが,ともくん選手が優勝に輝いている。いわば因縁のカードだ。
公式大会では初の20本先取ルールを採用した試合は,マッキー選手が16連鎖と15連鎖による2連取,幸先のいいスタートに成功する。そのまま両者が得意とする大連鎖の撃ち合いが続くが,マッキー選手は安定した強さで星を重ねていく。
ともくん選手も素早い攻めに切り替えていくものの,マッキー選手も画面外ギリギリのところから切り返す「理解者」の異名にふさわしい立ち回りを見せる。豪快な大連鎖があれば,細かな連鎖による攻防もあるといったハイレベルな試合が続く。
20本先取ルールだけに試合数は多くなるが,お互いに連鎖の応酬が続いた19本目,マッキー選手が全消し戦から盤石の構えで星を取った24本目,ともくん選手の素早い仕掛けにマッキー選手が見事な対応を披露した25本目,大連鎖のスタイルに戻したともくん選手が大連鎖の応酬を制した26本目など,両者の技術は試合を重ねるごとに冴え渡る。
長時間の戦いにも疲れを感じさせないのは,さすがプロ選手だ。最終的には,ジリジリと星を重ねたマッキー選手が20-15というスコアで勝利。「ぷよぷよグランプリ 2024 2nd」のリベンジを果たした。
リベンジ優勝の陰には,大会の経験から培われたピーキングあり
大会終了後,優勝のマッキー選手への合同インタビューも行われたので,その模様をお伝えしたい。
――おめでとうございます。まずは今の気持ちをお願いします。
この日のためにずっと慎重に練習してきたので,今までで一番うれしいです。
――練習では,どういった取り組みをしましたか。
マッキー選手:
練習にしても,やり込みすぎると脳に負荷がかかってしまいます。今回は大会2週間前にやり込むタイミングを決めて,当日に一番いいパフォーマンスを出せるように練習しました。ともくん選手には2回も負けているので,これを踏まえた調整法です。こうした取り組みは今回が初めてですね。
――ピーキング的な考え方で調整を進め,それがうまくいったということですね。
マッキー選手:
そうですね,大成功です。今までずっと練習してきた経験から,14日ほど本気で練習すると脳がもう限界になって,あまりいいコンディションでプレイできなくなるのが分かっていました。そこを目安に調整したということです。
――大会の前には不安もあり,負荷を最大限にかけた状態を続けたくなりそうなものです。この手法を取り入れたのは,どういうきっかけがあったのでしょうか。
マッキー選手:
「ぷよぷよグランプリ 2024 1st」では優勝をしたものの,精神も体調もギリギリの状態で,これは長く保たないという感覚がありました。そこで「ぷよぷよグランプリ 2024 2nd」では座学をメインにしましたが,今度は練習量が不足し,ともくん選手に2回負けることになってしまった。今回は両者の中間を取ったような感じですね。
――ともくん選手の対策は考えたのでしょうか。
マッキー選手:
今回,一番練習した相手はともくん選手だったんです。感覚を染みこませるように練習を続けていました。対戦前には事前に練習する内容を決めて,ひたすら実証と修正を続けていったんです。
――前半はリードを広げつつ,後半に追い上げられる展開もありました。その心境を聞かせてください。
マッキー選手:
今までの大会の経験から「ここでめげたり,考えごとを増やすと,間違いなく逆転される」ということが分かっていましたので,何も考えずに突き進みました。
――グランドファイナルを制した瞬間,目をこすっていたようですが?
マッキー選手:
涙が出てきそうになったんです。「今回こそは絶対勝ちたい」という思いで練習を続けてきましたから。
――賞金100万円の使い道について,親御さんにプレゼントを買いたいと話していました。具体的には?
マッキー選手:
例えば,掃除機やドラム式洗濯機でしょうか。あとは旅行にも行ってもらいたいですし,いろいろと考えているところです。
――素晴らしい賞金の使い道ですね。本日はありがとうございました。
今大会の予選リーグには小学生のゆうき選手が出場しており,「ぷよぷよeスポーツ」の層の厚さを感じさせた。3月23日に開催される「ぷよぷよランキングプロ選抜大会 2024」では,上位2名の選手にJeSUのプロライセンス取得権利が付与される。今後のさらなる競技シーンの発展が楽しみだ。
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