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セクシーなキャラと歯ごたえアリなバトルが合体したシリーズリブート作「お姉チャンバラORIGIN」プレイレポート
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印刷2019/12/07 12:00

プレイレポート

セクシーなキャラと歯ごたえアリなバトルが合体したシリーズリブート作「お姉チャンバラORIGIN」プレイレポート

 ディースリー・パブリッシャーは2019年12月5日,PlayStation 4向けアクションゲーム「お姉チャンバラORIGIN」(以下,ORIGIN)を発売した。本作はPlayStation 2で展開されていた,同社のSIMPLE 2000シリーズの一作である「THE お姉チャンバラ」と,その続編に当たる「THE お姉チャンバラ2」のエピソードを合体させ,さらにシステムを時代に合わせ大幅に一新した,シリーズの“リブート作”と呼べる作品だ。

 2004年に第一作が発売され,今年でシリーズ15周年の記念作となるこのORIGINは,そのタイトルどおりの原点回帰と集大成がうたわれ,シリーズ未経験者があらためて始めるのにも最適な作品となっている。

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 今回は,そんな本作のプレイレポートをお届けしたい。なお,本作の正式なジャンルは「ハイスピード血みどろ剣戟アクション」となっており,掲載しているスクリーンショットも全体的にそういったものが多めになってしまっているので,ご注意を。

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西暦20XX年,東京(とビキニ美女)はゾンビの集団に包まれた!


 ここは西暦20XX年の東京。かつての平穏な社会は終わり,この世界では「屍霊」と呼ばれる蘇った死体,いわゆるソンビがあふれる崩壊した世の中となっていた。屍霊となった人間は理性を失い,ただ食欲のみで人々を襲う文字通りのバケモノになってしまう。そんな時代になって,それなりの時間が経っていた。

 主人公のは,そんな世界で行方不明となった父親に鍛えられた剣の腕を生かし,情報屋のレイと協力しながら活躍している若き屍霊ハンターだ。ハンターの仕事は文字通り,屍霊を倒すこと。行く先々では血みどろになるバトルしか待っていないが,彩はそうやって戦い続けることこそが,“家族”である行方の知れない父親と,生き別れた異母妹である咲にたどり着く道だと信じていた。

主人公の彩と妹の咲。咲は前半は敵として戦うことになるが,中盤以降はリメイク元の「2」同様に仲間になる
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 そんなある日,彩は妹のから「お母さんのために死んでくれる?」と書かれただけのメールを受け取る。気になった彩が母親が埋葬された墓地に向かうと,遺体は誰かに掘り起こされており,さらに情報屋のレイから咲らしき人物が閉鎖病棟で目撃された,との報を受ける。
 こうして彩は事の真相を確かめるべく,立ちはだかる屍霊を片っ端からなぎ倒し,見るからに曰(いわ)く付きの病院に足を踏み入れることになった。その奥で待っている咲が,事件の黒幕であるのかを確かめるために……。

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 本作の基本システムは,三人称視点のチャンバラアクションが主軸となる。プレイヤーは主人公である屍霊ハンターの彩を操り,大量に現れる屍霊を片っ端から叩き斬って道を開き,物語を進めていく。一般的には「無双」と呼ばれるタイプの作品で,敵の数は多いものの攻撃を当てると簡単に仰け反って動きを止めるため,囲まれてもほとんど障害にならない。とくに序盤のザコ戦は,チュートリアルにぴったりという難度だ。

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 コンボも,多用するものは非常に簡単に繰り出せる。とくにメインの斬撃は[□]ボタンを連打するだけでつながっていくので,慣れていない序盤でも剣の達人になったかのように動き回れるのが面白い。
 ソンビの耐久力はそこそこあるので,レベルが低いうちは瞬殺できないが,それゆえにコンボを当て続ける気持ちよさが味わえるし,その“一部”が思い切りよく切断される痛快な描写も楽しめる。大量の敵を斬り続けると血糊で剣の切れ味が悪くなるため,適時“リロード”が必要だったりするのだが,ザコ戦の爽快感はかなり高めだ。

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 ステージは基本的に一本道になっており,ある程度進んでいくとゾンビが大量に沸き,周囲が障壁で囲まれる。その中の敵を全部倒すと障壁が消滅し,先に進めるという流れだ。一部分かれ道になっている場所もあるが,アイテムが隠された箱があったり,回復ポイントとなる女神像が設置してあったりと,探索要素はほとんどない。
 また進む先にはマーカーが設置されるため,これを追っていけば迷うこともないだろう。基本としては,バトルだけに特化したようなシステムだ。

 キャラクターの強化はレベル制で,チャプターをクリアするとバトル内容に応じて経験値がもらえ,レベルが上がっていく。育成はシンプルで,1レベルごとに3ずつ与えられるポイントを「攻撃力」「防御力」「体力」のいずれかに振り分けるだけだ。
 また,レベルと共に新たなコンボがアンロックされたり,強化されたりするので,戦闘の幅も広がっていく。一度クリアしたチャプターは何度でも繰り返しプレイできるので,戦闘がキツいと感じたら,引き返して“レベル上げ”をするのも1つの手だろう。

 さらに,この経験値は所持金としての存在も兼ねており,メニューから呼び出せる「ショップ」で,回復や強化する消費アイテムに使えるほか,「リング」を購入することも可能だ。リングは,攻撃力や体力のステータスアップといった単純な効果から,体力の自動回復や後述するパリィの受付時間延長など,さまざまな効果を持っている。
 アイテム自体はいつでも購入できるので,ピンチになったらすかさず回復アイテムを補充するのはもちろん,状況に応じてリングを購入して変更してみるのも面白いだろう。

アイテムはメニューにある「ショップ」からいつでも購入可能で,その場で使用/装備ができる。能力を底上げしたいときはリングが有効で,のちに仲間になる咲と同じものを装備すれば,ペアリングとなり効果がより大きくなる
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敵の倒し方やクリア時間でスコアは変わる。初プレイのステージはスコアを上げにくいので,より高いスコアを目指したいときは,強くなってからリプレイしたほうがいいだろう
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ザコ戦と異なり,ボス戦は相応の歯ごたえあり。また中ボスや“覚醒”したゾンビも侮れない


 ザコ戦では無双できるが,だからと言って“ただのヌルゲー”というわけではない。実際の難度は,かなりメリハリが効いた調整になっているからだ。
 まず,道中に出てくるのは当然ザコだけではない。チャプターの最後には明確なボスが用意されているし,巨漢の中ボスも中盤以降はかなりの頻度で出現する。

 彼らは純粋に攻撃力や体力が高めなのはもちろん,攻撃してもひるんだりノックバックしたりしにくいため,「攻撃は最大の防御!」という感じで斬りつけていると,あっさりとカウンターを食らってしまう。
 逆に攻撃されてダメージを食らうとこちらに仰け反りが発生するため,連続で攻撃を受けてしまうことも珍しくない。攻撃だけでしのげるほど,甘くはないのだ。

中盤を過ぎると巨漢の中ボスが同時に複数登場するようになるので,ますます単純な力押しがしにくくなる。敵は攻撃時に部位が光り,さらに耳に残る高めの音が発生するので,きっちりと回避するなりパリィするなりしたい
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 またボスレベルでなくても,道中に頻繁に登場する「マッドマン」「覚醒ゾンビ」,あるいは元警察官や軍人のゾンビも非常に厄介な存在になっている。

 マッドマンは黄緑色の人型になった液状のゾンビで,通常の攻撃を受け付けない。いくら斬りつけてもダメージを与えられないので,後述する“対応策”が必要になる。
 また覚醒ゾンビは赤黒く変色したゾンビで,こちらは攻撃のモーションこそ通常のゾンビとそこまで変わらないものの,とにかく攻撃力と耐久力が高いうえに動きが素早く,さらに攻撃を当ててもひるみにくい。ほかのザコと一緒に斬り刻もうとしても,ボスと同じようにカウンターを食らってしまうことがかなり多いのだ。

左の黄緑色の敵が通常の攻撃が通じない「マッドマン」で,右側の赤黒い敵が「覚醒ゾンビ」。物語が進むにつれ出現頻度が高くなっていくので,早めに対処法を身体に叩き込みたいところ
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 さらに警官や軍人のゾンビは耐久力が高いのはもちろん,拳銃やミニガンなどの飛び道具をぶっ放してきたり,防御用のシールドを装備してこちらの攻撃をはじいたりするなど,これもまた通常のゾンビとは挙動が大きく違っている。一般のゾンビは恐れるものではないが,“それ以外”のゾンビは見た目以上に強力なものが多い印象だ。

 上記のような強力な屍霊を相手にするときは,とにもかくにもディフェンスが重要だ。本作の防御法は大きく分けて「見切り」「パリィ」があり,前者が[R2],後者は[○]ボタンで発動できる。
 見切りは基本となる回避動作で,敵の攻撃のタイミングに合わせてボタンを押せば移動しつつ瞬間的に無敵になれる。基本的にはどんな攻撃も避けることが可能であり,隙も少なく連続して発動できるので,まずはこちらをマスターすることから始めたい。実はボタンを連打してるだけでも,何となく敵の攻撃をスタイリッシュに避け続けられるので,「困ったときの見切り」と覚えておくといいだろう。とくにボス戦で多用することになるはずだ。

 パリィは発動すると瞬間的にシールドのようなエフェクトが発生し,相手の攻撃タイミングと合えば,敵をスタン状態にできる。正確には「スタン値」を上げるだけなので,強力なボスなどはかまわず攻撃を続けてくることもあるのだが,うまく使えば相手を無防備にできる。
 とくにこれが有効なのが前述のマッドマンで,タイミング良くパリィを当てると一撃でスタン状態となり,「クールフィニッシュ」で簡単にとどめを刺せて爽快だ。これはスタン状態の敵に近づくと[□]と[×]ボタンで発動できる技で,ザコ戦では広範囲の敵を巻き込む技を,マッドマンなら相手のコアを破壊する貫き手が発動する。ボスにせよザコにせよ,スタン状態にすればこちらがグンと有利になるわけだ。

パリィが発動すると青いフィールドが発生し,攻撃をはじいた敵はもちろん,周囲も一気にスタンすることがある。リターンは大きいがタイミングがずれると普通に攻撃を食らってしまうので,使いどころが難しい場面も
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スタンした敵の近くで[□]と[×]ボタンを同時に押すと,特殊攻撃の「クールフィニッシュ」が発動できる。彩の場合は広範囲の斬撃が可能で,スタンした敵が何体もいる場合は,連発できることも多い
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敵に攻撃を当てたり,見切りを成功させたりすると,左下の「エクスタシーゲージ」が溜まっていく。満タンになると必殺技とも言える「エクスタシーコンビネーション」が任意のタイミングで発動でき,中ボスクラスの敵なら一撃で倒せる
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 見切りとパリィだと後者の方が当然リターンは大きいが,単発になって隙が生まれる分だけ成功させる難度は高いし,前述のように必ずしも一撃でスタンしてくれるとは限らない。また,敵の攻撃の直前にはその部位が光ったり,「ピキーン」といった感じの音も鳴ったりするのだが,敵が大量にいるときには,タイミングも合わせづらい。
 マッドマンなど基本的にはパリィで対処するしかない敵もいるが,見切りとパリィは,敵の種類や状況を見て臨機応変に使い分けていく必要があると言えるだろう。


大量の血を浴びると暴走し,そして忘我へ。力強く,そしてスタイリッシュに戦おう


 前述のようにコンボを繰り出すのは簡単な本作なのだが,戦闘中にうまく立ち回れば,さらに強力な攻撃へとつなげられる。例えば「クールコンビネーション」は,敵に攻撃が当たったタイミングで攻撃ボタンを押すと,攻撃力や攻撃速度が上がって,より強力なコンボが繰り出せる。発動すると青いエフェクトが発生し,コントローラが振動するので,戦闘中に意識しておくと出しやすくなるはずだ。

コンボ中に青いオーラが発生したら,クールコンビネーションが成功した証拠。オプションで設定をONにすれば,タイミングを計るためのゲージも表示できる
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 また大量の敵を倒していると自然と“血まみれ”になっていくのだが,これは「穢れ」が溜まっている状態で,最大値になると暴走状態になる。防御力が下がるというデメリットがあるが,攻撃力は増大し,さらに敵を倒しやすくなる。マッドマンにも直接ダメージを与えられるようになるため,ほかのザコと大して変わらない存在になってしまうのだ。

 暴走状態で攻撃を続けて敵を倒していくと,さらに上の段階である「忘我」状態になる。こうなると肌の色どころか見た目まで大きく変化し,半獣のような姿になるのだ。攻撃力はさらに増加しノックバックもしなくなるが,変身している限り体力が減り続けるという弱点が生まれる。一見すると扱いにくく感じるが,「攻撃を当てると体力を吸収する」という能力を得るため,攻撃を続けられる限りは,さんざんに暴れ回れる。
 ただ,やはり防御面では不安が残るので,回避はしっかり行いたい。穢れのゲージがゼロになると戻ってしまうし,発動できる頻度はそこまで多くないが,うまく立ち回れば,ボスすら敵ではなくなるだろう。

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「暴走」状態では肌や髪の色が変化するが,「忘我」状態は姿自体が変わってしまう。攻撃能力は強化されるが,守備に関してはむしろ弱くなってしまうので,意外と気をつけて戦わないとやられてしまうこともある
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 ゲームが進むと武器の切り替えができるようになり,二刀流で戦うことも可能になる。コンボの種類や武器の射程が変わるため,プレイフィールにかなりの変化が生まれるのだ。二刀流の特徴は「射程が短めになる反面,攻撃速度が上がる」といった感じだが,通常の刀と比べどちらかが明確に強いというわけではないので,好みで選ぶといいだろう。

 さらに物語が進むと,彩だけではなく妹の咲がプレイアブルキャラクターになり,ゲーム中にいつでも切り替えられるようになる。実のところ咲は見た目以上にパワフルで,武器の攻撃範囲が広い分だけ隙も大きい。さらに肉弾戦も得意で,クールフィニッシュが投げ技だったりと,彩よりどちらかといえば少し尖った感じのキャラクターだ。

 操作していないキャラは若干攻撃頻度が低いが,一応味方となって戦ってくれるし,体力が減ったときに切り替えるとやられる可能性が大きく低下するので,純粋に戦術の幅が広がるのが嬉しい。咲は,リメイク元の「1」のシナリオが終わった辺りでアンロックされるのだが,ここからが本番と考えてもいいぐらいだ。

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かわいい見た目と裏腹に,どちらかといえばパワー系キャラの咲。ただ最初はレベルが低くピンチになりやすいので,彩とうまい具合に使い分けたい
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「姉妹で同時攻撃!」といった燃えるシチュエーションもあるのだが,片方はコンピュータ操作になってしまうため,動作はかなり緩慢。うまく決まれば儲けもの,くらいの気持ちで構えよう
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 元々SIMPLEシリーズから発展していったお姉チャンバラだが,最新作でありリブート作でもあるORIGINは,部分部分にらしさを残しつつも,時代に合わせた変更や改善が行われている。ザコがただの障害物か変身(暴走)のためのリソースである一方で,ボスクラスはきっちりと対処しないと倒せないという,メリハリの効いたバランスになっていているのもポイントだ。

 またコンボ自体もタイミングを合わせればより強力になるし,暴走や忘我状態になれば,まさに“踊るように”敵を粉砕していくことができるのは爽快である。「変身=スーパーモード」ではなく,防御力や体力にハンデを負うなどより回避が重要になるのも,いいスパイスになっていると感じた。

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 本作はある意味直球過ぎるタイトルや,「ビキニ×チャンバラ×ゾンビ」というビジュアルから“一発ネタ”的な印象をまず受けると思う。というか,実は筆者もそうだった。実際にプレイしてみても,オリジナルと同じようなB級っぽい雰囲気や,敵のバリエーションの数,あるいは全体のボリュームなど,大作ゲームにはない……というか,かなわない部分が相応にあるのも確かだ。

 ただ,真剣にプレイしていると,彩のコスチュームよりもコンボのつながりやパリィの成功率の方が気になってくるなど,アクションゲームとしての出来は決して“ネタ”ではなく,十分に楽しめる作品に仕上がっていると思うので,シリーズ経験者はもちろんだが,そのインパクトから「タイトルだけは知っていた」という人にも,一度手にとって体験してみてほしい。いい意味で,期待を裏切られるはずだ。

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