プレイレポート
[SPIEL'18]ローカルマルチプレイのPCゲームを彷彿とさせる「Gravity Superstar」。重力を操って敵を踏め!
プレイヤーは重力を操りつつ,マップ上に飛び散った星トークンを拾い集めていく。そして原則的に言えば,星トークンをたくさん集めたプレイヤーが勝利する。
しかるに,ルールの骨子は「手番が来たらカードを1枚プレイして,自分のフィギュアを動かす」ことの繰り返し。カードに言語依存性はなく,全プレイヤーが同じ種類のカードを持っているというシンプル設計だ。
しかしながら,ゲームプレイは見た目ほどシンプルではない。以下,ざっくりと紹介しよう。
「知ってる,こういうゲーム知ってる」感が満載
まずは本作のマップを見てみよう。
中央でマップが分かれているのは,2人プレイの場合は右側の2枚しか使わないからだ。マップとしては大きな正方形のタイルが複数枚用意されていて,そのタイルをランダムに2枚(人数依存)選んでつなげてプレイマップにする,いわばプロシージャル生成となる。
ちなみに「落ちる」と書いたが,本作における重力方向は,プレイヤーによって異なる。驚異の個人用重力である。重力がどちらに働いているかは,フィギュアの方向で示す(足の裏が向いている方向に重力が働いている)。
すでにこれだけでも面白そうだが,本作はここにアグレッシブな要素が加わっている。ほかのプレイヤーのフィギュアを「踏める」のだ。
もうお分かりかと思うが,これだけでゲームは十分に面白い。人数が増えるとマップが広くなり,展開のカオスさは劇的に上昇していくが,2人でも問題なく熱い踏み合いを楽しめる。2人プレイにおいて星トークンを1個奪うということは,1ムーブで星トークンを2個獲得したに等しいわけで,踏めるなら踏みに行ってなんぼのもんである。
どうしようもなくカオス,かつダイナミックな展開
手札の運用もシンプルだ。まずは下の写真を見てほしい。左から順番に,アクションを説明しよう。
足元の床を通り抜けて落下する
上に1マスジャンプし,左右どちらかに移動する
左右どちらかに2歩移動する(必ず2歩)
重力方向を変える
ワイルドカード(4つの効果のうち1つを選ぶ)
このカードは両面印刷になっており,裏面をプレイすると「左右どちらかに1マス移動」になる。そして手番が来たプレイヤーは,以下から1つを選ぶ。
・カードを1枚プレイして移動する:使ったカードは捨て札になる。捨て札のパイルはプレイヤーごとに別々になる。
・自分の捨て札のパイルにあるカードを,すべて手札に加える。
ちなみに,カードをプレイした結果手札が0枚になったら,即座に自分の捨て札を全部手札にできる。手札補給に1手番使うのはあまり望ましくないので,できればこの方法で手札を取り戻したいところだ。
最後に,本作にはさらにプレイヤーの頭を悩ませる要素がある。追加行動だ。マップ上には星トークンが散りばめられているが,そのうちのいくつかのポイントにはマップ自体に星のマークが印刷されている。
このマークの上を通過すると,ピンクのトークンが獲得できる。このトークンは,自分の移動が終わった直後,1ターンに1枚だけ使用でき,これによって追加でもう1行動できるのだ。このため,ゲーム終盤に入るとプレイヤーの動きはよりダイナミックになっていく。
最後に勝利得点計算だが,以下のようになる。
・星トークン1個:1点
・同じ色の星トークン1組ごとに:1点
・未使用の追加行動トークン1個:1点
つまり,黄色い星トークンを5個獲得していれば,5点+2点(ペアが2つ)となる。このため,できる限り同じ色の星トークンを狙うか,最低でもペアになるようにトークンを集めたい。そしてこれはほかのプレイヤーを「踏む」にあたって重要なポイントともなる。
本作の操作系はいたって簡単な半面,展開の先を読むのは非常に難しい。追加行動トークンが動くようになってくると,自分の行動を最適化することすら難しいし,ここに「ほかのプレイヤーに踏まれる可能性」を加味すると,一寸先は闇な展開が連続する。
もちろん,理屈の上ではあらゆる可能性を網羅可能なので,真剣勝負をするときにはチェスクロックを用意したほうがいいだろう。あとたぶん,これは人類がAIに勝てない系のゲームでもある。ただ,そこまでガチガチにプレイするより,重たいゲームでフラフラになった頭を抱えながらワイワイ遊んだほうが,本作はより楽しめるような印象を受けた。
また,ローカルマルチプレイのPCゲームが好きな方であれば,本作はその雰囲気そのままに楽しめると思われる。そういう意味では,かなり4Gamer読者向けと言えるかもしれない。
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