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「あんスタ!!」ストーリー紹介連載第27回。メインストーリー第二部SS編 第五章「サンドストーム」,第六章「サンクチュアリ」,第七章「サドンデス」を語る

 Happy Elementsがサービス中のアイドル育成ゲームあんさんぶるスターズ!!BasicMusicのストーリーを紹介する記事の第27回は,メインストーリー第二部SS編 第五章「サンドストーム」,第六章「サンクチュアリ」,第七章「サドンデス」の3本を取りあげる。

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 本記事では,“知っているとストーリーをより楽しめるポイント”の解説と,筆者の感想や考察をお届けする。記事では詳細なネタバレは控えているが,できるだけ各ストーリーの読了後に読むのがおすすめだ。
※並行して実施されたスカウトのストーリーは後日の回で紹介予定

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「あんさんぶるスターズ!!Music」公式サイト



ストーリーピックアップ
「メインストーリー第二部『SS』編/5th Stage サンドストーム」

公開開始:2021年8月15日〜(Basic/Music)


――あらすじ――

 「SS」の予選会・中国地域。2winkの葵ひなたとUNDEADの羽風 薫は,とある砂漠にいた。ユニットの代表として選ばれた2人は,この砂漠でのサバイバルに勝ち残らねば,所属するユニットが「SS」への参加権を失うという。一方,そのほかのメンバーは動画を投稿し,彼らを救うための資金を稼ぎ始める。

 一連の様子を見ていた朔間 零は,「SS」に関わる何者かの策略を疑うとともに,2winkの本当の意図が分からず考えをめぐらせるのだった。<全28話/シナリオ:日日日>

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◆ストーリー中のキーワードを解説

 今回は,ストーリーの順を追ってキーワードを取り上げ,参考にしたい過去ストーリーの紹介と簡単な解説をしていこう。

プロローグ/砂漠でサバイバル 第1話〜第11話

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 葵ひなたの好きなものは「甘いもの」,嫌いなものは「辛いもの」。ゆうたとは真逆のこのプロフィールが,実は“設定”であると明かされたのは「!」【衝突!思い還しの返礼祭】である。その後も「甘いものはそんなに得意じゃない」と明かしている。


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 今年の「SS」は,「気づいたらジャングル」(1st Stage「サテライト」のTrickstar),「気づいたらバーチャル空間」(4th Stage「シンセカイ」のValkyrie,6th Stage「サンクチュアリ」の真白友也)など,「気づいたら○○」という奇想天外な展開や予想外の場所で繰り広げられるエピソードが多く見られた。


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 アイドルたちがESに所属してから,ライブだけでなくTVのバラエティ番組などでの活躍も増えてきた。このセリフの「ツインピークス」とは,【Beyond!共鳴するツインピークス】に登場した双子対決で,有名音楽番組「ボルケーノアイランド」への出場枠をかけて,ひなたとゆうたが行ったものである。


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 乙狩アドニスは“某国の大尽”の正当な後継者,つまり王子のような立場である。この話が明かされたのは,fineとUNDEADが海外ライブを行った「!」【灼熱!南国景色とサマーバカンス】だった。


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 ここで言う去年の春の「S1」とは,革命を企てるTrickstarに,UNDEADや2winkが協調して動いたライブのことである(その結果Trickstarは紅月に勝利)。その後,「S1」中は入院中だった英智が復活し,「B1」でUNDEADに戦いを申し込む。結果,本調子でないメンバーがいたこともありUNDEADは敗北した。この流れは「!」メインストーリー第一部を参照。我々読者にとっては懐かしい出来事かもしれないが,実は作中の彼らには,まだほんの1年と少し前の話なのである。


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 昨年度の秋,大神晃牙と乙狩アドニスは仕事のため修学旅行に参加してはいなかった(仕事の模様は「!」【招待★ブラックブラッドバンケット】にて)。そのほかの当時の2年生たちの修学旅行の様子は「!」【満喫♪秋の修学旅行】で語られているのでぜひ(入浴シーンもある)。


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 昨年度から,兄弟として,そしてアイドルとしてのあり方に悩んでいた葵兄弟。筆者が個人的に彼らの「どうしようもない“違い”」を決定的に意識するようになったのは,Crazy:Bとナイトクラブでライブを行った【召しませ/ナイトクラブ】だった(時系列的には【ツインピークス】よりも前のストーリー)。


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 UNDEADのライブでもおなじみのこの掛け声の初出は,「!」【衝突!思い還しの返礼祭】だ。


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 眼鏡モヤシとはTrickstarの遊木 真のことで,晃牙が真をこう呼ぶようになったのは「!」メインストーリー第一部からである。真はゲーム好きであることと,ESでは情報部に所属していることからくるセリフだと思われる。


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 「DDD」とは「!」メインストーリー第一部に登場した,年末の「SS」出場をかけて夢ノ咲学院内で行われたドリフェスのこと。命名は天祥院英智だが,何の略かは未だに明かされていない。ちなみに新章のメインストーリー第一部に出てきた「MDM」は,葵ひなたが「もっと・大好き・増し増し祭」の略だと言っているが,真偽のほどは定かではない。


不毛なデスゲーム 第1話〜12話/エピローグ

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 Trickstarは昨年度の「SS」優勝者だが,その権威を振りかざすことはないどころか,今年の「SS」予選ではシード権を放棄,予選会の期間中は全国のステージに殴り込みに行くという行動に出た(実は放棄できていなかったため,本選に進むことになった。この話は1st Stage「サテライト」にて)。


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 朔間 零の英智評。この2人も深い因縁があるが,とくにチェックしておきたいのは「!」【集いし三人の魔法使い】。夢ノ咲学院2年生時の彼ら(零は現在と口調が異なる)が見られる。


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 薫と姉のエピソードといえば「!」【スカウト!荒野のガンマン】。アイドル活動より女の子と遊ぶことを優先する“チャラい”薫のイメージが,大きく変わることになったエピソードの1つ。


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 ゆうたが「マイナスをゼロにする」(ひなたはゼロをプラスにする)という表現は,前述の【Beyond!共鳴するツインピークス】に出てきていた。


ストーリーピックアップ
「メインストーリー第二部『SS』編/6th Stage サンクチュアリ」

公開開始:2021年9月15日〜(Basic/Music)


――あらすじ――

 12月初旬,SS予選中盤の関東地域。気づくと見知らぬ場所にいたRa*bitsの真白友也は,記憶喪失となったfineの日々樹 渉を発見する。一方の紫之 創と天満 光は,天祥院英智が作ったという新感覚遊園地“SANCTUARY”に招かれていた。そこは誰もがアイドルになれる場所で,負の側面を徹底的に排除され,アイドルとしての欲求を満たせる仮想空間なのだという。<全37話/シナリオ:日日日>

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◆ストーリー中のキーワードを解説

プロローグ/穢れた天国 第1話〜12話

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 ゲートキーパーの顔面を(ライダーキックで)蹴ったのは三毛縞 斑である。これは「SS」予選会の四国地方で,桜河こはくがゲートキーパーに撃たれそうになった際,飛び蹴りにて不意打ちをとったものである(3rd Stage「シークレットサービス」)。


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 仁兎なずなはRa*bitsの前にValkyrieに所属していたが,その当時は“人形”のように自我を表に出すことができなくなっていた。ユニット脱退後,日々樹 渉の仲介でRa*bitsのリーダーを務めることになるが,その一連の話は「!」【追憶*マリオネットの糸の先】にて語られている。


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 記憶喪失の渉に対し,真白友也は「ネタはやめろ」と怒る。それもそのはず,昨年度の渉はあの手この手で友也たち演劇部員を翻弄してきたのである。ちなみに以前は,“死ぬ演技のあと,本当に死んで生まれ変わって赤ちゃんになっていた”というエピソードもあった(もちろん渉のジョーク。「!」日々樹渉ストーリー「裏返るジョーカー」)。


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 Ra*bitsの天満 光が記憶喪失になったストーリーは【Wander!ブラックバニー in UNDERLAND】。“かわいい”が魅力のRa*bitsの別の一面を見せることになった。


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 おそらく,作中で最も女装させられた回数が多いのが友也である。代表的なものとしては,「!」【なりきれ!灰かぶりの大舞台】【スカウト!薔薇十字物語】がある。


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 「サンクチュアリ」で重要なポイントの1つである渉と友也の関係性。彼らが絡むストーリーは多いが,最も重要なものとしては,初めて渉の“過去”についてほんの少しだけ触れられた「!」【対決!華麗なる怪盗VS探偵団】と,演劇部の返礼祭とでも言うべき【スカウト!透明と仮面】を挙げておきたい。


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 英智が創に「お兄ちゃん」と初めて呼ばせたのは「!」【スカウト!ティーパーティー】。これは紅茶部でのストーリーで,同席していた朔間凛月も「自分も『お兄ちゃん』って呼んで」と言っていた。なお,創自身は弟と妹がいる「お兄ちゃん」である。


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 英智によって作られた「五奇人」。そのなかで最後に“倒された”のは渉だが,そのときのステージについては「!」【追憶*集いし三人の魔法使い】にて語られている。


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 このセリフを聞いて思い出すのは「!」【ノエル*天使たちのスターライトフェスティバル】。姫宮桃李の登場時はワガママなイメージが強かったが,実はユニット内での実力不足に悩み,さまざまな出来事を経て成長を続けてきた。【スタフェス】は,彼の成長や英智との関係においても重要なストーリーだ。


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 桃李と創が仲良くなるきっかけとなったのは,彼らが1年生のとき,清涼飲料水のイメージキャラクターに選ばれた「!」【スカウト!ベストショット】。桃李と創の組み合わせはキュートさ限界突破である。2人がユニット衣装を交換した「!」【特訓!凸凹なペアレッスン】もおすすめ。


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 ESに入って多彩な活動をするようになったアイドルたちだが,天満 光もその1人。彼は個人でドラマ出演し,「いけめん」役でファンが増えたらしい(天満 光アイドルストーリー第一話ほか)。


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 桃李たちfineとTrickstarが出演した映画「桃源郷偶像拳」は,【銀幕死闘の/桃源郷偶像拳】にて。この映画の主演は遊木 真,準主演は伏見弓弦,桃李はヒロイン的ポジションだった。


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 「Valkyrieに勝った」という表現をしているものの,英智はValkyrieと直接対決はしていない(ステージのトラブルのため演目が続けられなくなったValkyrieが,結果的に夢ノ咲学院の帝王の座を降りることとなった)。このときの話は,前述の「!」【追憶*マリオネットの糸の先】にて。


幸せの回路 第1話〜19話/エピローグ

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 創の言う「美少女先輩」は,【再開*成長見せてハイタッチ!】で初めてその名前が出た。「同じ事務所」「芸名がある」「海外でも知られている」などの情報はあるが,会話中のみの登場のため詳細は不明。


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 「SSVRS」とは,4th Stage「シンセカイ」に登場した「Switch(S)」の「すごい(S)」「ヴァーチャル(V)」「リアリティ(R)」「システム(S)」の略。「!」【スカウト!夏の花】に登場した「SVRS」が発展したものと推測される。


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 こちらのエピソードも「!」【追憶*マリオネットの糸の先】にて。中学生時代の友也と創が,渉の出演する舞台を観たことが語られている。


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 今作,「サンクチュアリ」においてもう1つ重要なのが英智と渉の関係性だ。この仮面の話は「!」【Link♪ここから始まるシンフォニア】でのエピソードで,個人的にはこのストーリーのなかに,長らく謎だった「なぜ渉は,自分の“敵”だった英智のユニットに加入したのか?」の答えがあると感じている。


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 個人的に「あんスタ!!」で最も重要なセリフベスト10(?)に入れたいのがこちらの言葉。初出は「!」のメインストーリー第一部で,英智の夢はここから一貫してずっと変わっていない。


ストーリーピックアップ
「メインストーリー第二部『SS』編/7th Stage サドンデス」

公開開始:2021年10月15日〜(Basic/Music)


――あらすじ――

 11月下旬,【SS】予選会中盤。関西地域では,何者かによってアイドルたちの「指令」がバラされたことで,アイドル同士が潰し合う紛争地帯となっていた。そこでKnightsは同じESアイドルであるCrazy:Bに同盟締結を持ちかけ,守ろうとする。

 そんななか,月永レオと瀬名 泉が欧州の仕事で移動しなくてはならなくなり,同じタイミングで「裏指令」も明るみに出てしまう事件が起こる。<全41話/シナリオ:日日日>

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◆ストーリー中のキーワードを解説

プロローグ/Believability 第1話〜13話

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 「サドンデス」でストーリーの中心となる朱桜 司の実家は,武門の家柄である。そんな彼がなぜアイドルを目指すようになったのかは,「!」【レクイエム*誓いの剣と返礼祭】を参照してほしい。【レクイエム】は,Knightsが4人から5人になり,3年生の卒業を迎えるという歴史を経た,1つの大切な区切りとしても非常に重要な話だ。


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 6th Stage「サンクチュアリ」のゲートキーパーの言葉によれば,「SS」予選会でアイドルに与えられた「指令」の内容は,英智が考案したものらしい。そして「裏指令」は,ゲートキーパーが設置したものである。


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 このエピソードは新章メインストーリーの第一部。Crazy:B(というより天城燐音)が,ほかのユニットを攻撃するなどして大暴れしたのは記憶に新しい。彼らというユニットやESそのものを知るうえで,決して外せない物語だ。


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 最近よく一緒に組んで仕事をしてるのに,という泉の言い分。その仕事のうちの1つは,執事をテーマとした映画出演のことだと思われる(【SHUFFLE×夜の帳とバトラー】)。


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 夢ノ咲学院卒業後,瀬名 泉はモデル活動のためフィレンツェに渡ったが,今年度の【踏み出す行き先/ネクストドア】での出来事を経て,レオもフィレンツェに住むこととなった。


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 この【戴冠式】とは,前述の「!」【レクイエム*誓いの剣と返礼祭】に登場。ユニットのリーダー(「王」)の座をレオが譲り渡す儀式だった。なお,凛月の司に対しての呼び名「ス〜ちゃん」は,「朱桜」だからではなく「末っ子」から来ているらしい(「!」【対決!華麗なる怪盗VS探偵団】より)。


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 Knightsならではのドリフェス【デュエル】が作中に初めて登場したのは「!」【ジャッジ!白と黒のデュエル】である。ここではKnightsとTrickstarが対決することとなった(レオは不在)。


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 Crazy:Bは比較的登場が新しいユニットのため,関連ストーリーはそこまで多くない。押さえておきたい話としては,前述のメインストーリー第一部のほか,燐音と椎名ニキの出会いが描かれた【陽炎◆夏の名残とホットリミット】,謎多きHiMERUにフィーチャーした【攻略!迷宮結ぶアリアドネの糸】など。


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 「サドンデス」では“桜河こはくに化けたこはくの姉”が登場するが,そもそもなぜこはくがこの場にいないかの理由は,3rd Stage「シークレットサービス」で語られている。こはくはDouble Faceの相方である三毛縞 斑を追って,中国・四国地方を飛び回っていたのだ。


モノローグ/Romanticism第1話〜15話/エピローグ

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 月永レオの言う「ママの子分ならおまえもヒーロー」は,ママこと三毛縞 斑が元・流星隊であることからくるもの。斑の流星隊在籍当時のストーリーはないが,関連する話としては「!」【追憶*流星の篝火】がある。


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 レオと猫のエピソードといえば,リトル・ジョンと名付けられた猫と弓道場の物語,「!」【スカウト!ロビンフッド】を挙げておきたい。


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 こちらは3rd Stage「シークレットサービス」に出てきたエピソード。1人で戦おうとしていた斑のために,かつて彼が力を貸した大勢のアイドルたちが助けに来た……という話である。


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 レオに対し,まだ英智と友達のつもりかと怒る泉。レオが英智を“テンシ”と呼び,仲良くなるようになった話は「!」【追憶*モノクロのチェックメイト】で語られる。ここではKnightsがKnightsになる前のエピソードもあるので必見。


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 今年度に入り,“新入り”を抱えた大所帯になったKnightsのストーリーは【白昼夢*微睡みのユーサネイジア】にて。


◆メインストーリー第二部「SS」編/
第五章「サンドストーム」&第六章「サンクチュアリ」
&第七章「サドンデス」所感


 「SS」予選についてはすでに日日日氏のインタビューでいろいろと語られているため,ここではおまけとして,筆者の所感をできるだけ軽めにお届けしよう。なお,この内容は執筆時点の,あくまでも個人的な感想であることをご了承いただきたい。

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 Happy Elementsが提供するアイドル育成ゲーム「あんさんぶるスターズ!!」のメインストーリー第二部「SS」編が,2021年12月にフィナーレを迎える。本稿では,これまでの7つの予選の制作秘話や,本戦のストーリーについて聞いた,メインシナリオライター日日日氏へのインタビューをお届けする。

[2021/12/03 22:15]

 「サンドストーム」は何といっても,終盤のゆうたの行動のインパクトがすさまじく,いまだにそのときの衝撃が記憶に残っている。とはいえ筆者個人は,あの行動を起こしたゆうたに対して否定的な感情にはならなかった。なぜなら彼はずっと悩んでいたし,SOSのようなものを発信し続けているようにも見えたし,自分なりの“答え”や“進むべき道”をずっと探し求めていただろうから。

 ひなたとゆうたは幼いころから一緒に大道芸などをしており,夢ノ咲学院に入ってユニットを組んだ。彼らは双子であることの葛藤を抱えているのに加え,当初からアイドルとしてのあり方を模索していたが,今年度に入ってからの【ナイトクラブ】や【ツインピークス】で,2人がどうしようもなく異なる“個”であることを感じるようになった人は多いだろう。

 【ツインピークス】でとくに筆者の印象に残ったのは,「ひなたはゼロをプラスにする人間、ゆうたはマイナスをゼロにしたい人間」という言葉だった。

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 「サンドストーム」のゆうたの“裏切り”は,文字通りマイナスをゼロにする行動でありつつ,ひなたとは――もっと言えば,「自分は誰とも違う」を選んだ結果のように筆者には感じられた。そして,一方のひなたが「薫のポケットにコインを入れた」のが,ゼロをプラスにする行動だ。ひなたができなかった選択をゆうたがして,ゆうたができなかったことをひなたが選ぶ。結果オーライといえばそれまでかもしれないが,彼らの選択が,最終的に2winkとUNDEADのどちらも救うこととなったとも言える。

 2winkの話ばかりになって恐縮だが,結果的に「一度死んだと見せかけて生き返った」UNDEADは文字通りの不死者らしさを見せてくれて痛快だった。とはいえUNDEADが好きな人のなかには,2winkの(というかゆうたの)行動が消化できていない人もいるかもしれない。だが,2winkとUNDEADの“物語”はここで終わったわけではない。

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画像集#061のサムネイル/「あんスタ!!」ストーリー紹介連載第27回。メインストーリー第二部SS編 第五章「サンドストーム」,第六章「サンクチュアリ」,第七章「サドンデス」を語る

 少し心配になるようなアイドルたちの行動や物語の展開があったとき,筆者がいつも思い返しているのは「それでも彼らはアイドルである」という事実だ。彼らはアイドルでいる限りファンの存在を忘れることはないだろうし,人々を傷つけるのではなく,笑顔にすることを望んでいるはずだ。アイドルたちは悩んだりもがいたりしながらも,より良い未来にたどり着くために前に進んでいる。それを信じて応援することこそが,彼らのファンとして自分ができることなのかもしれないと思う。

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 続いての「サンクチュアリ」は,同じバーチャル空間が登場する「シンセカイ」と似ているようで,まったく異なるところが面白かった。この話で個人的に印象に残ったのは,やはり「渉と友也の関係性」と「英智の心情」だった。

 渉と友也――「特殊」と「普通」,「非日常」と「日常」とでも言えるような対極的な2人だが,辿ってきた物語は至極まっとうだと思う。渉の髪の毛のエピソードしかり,この「サンクチュアリ」は,言ってみれば「!」【対決!華麗なる怪盗VS探偵団】のアンサー,あるいは“正当な続き”のストーリーだと感じられた。渉がなぜ友也を気に入っているかという理由があらためて腑に落ちたし,北斗と渉とはまた別の形の「師匠と弟子」として,今後の関係の変化や成長が楽しみになった。

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 渉は何を考えているかが分かりにくい人ではあるけれど,「サンクチュアリ」では実にたくさん心の内を明かしてくれた気がする。一方,ラスボス然とした空恐ろしさを感じさせながらも,同時にいい意味での人間臭さをこれでもかと感じたのが英智だ。今回,印象に残った彼のセリフは,仲間や友達がたくさんいる友也に対して「羨ましいよ、本当に」と言ったところと,仁兎なずなに「おまえのことが本当に嫌いだ」と言われて返した,「有り難う」という言葉だ。

 あの【喧嘩祭】(「!」【決別!思い出と喧嘩祭】)で英智は,幼なじみの蓮巳敬人に「死ぬ気でかかってきなさい、僕は君とそういう喧嘩がしたかったんだ」と言った。英智は小さいころからずっと,肩を並べて一緒に思い切り遊び,ときには殴り合いの喧嘩ができるような“対等な存在”を欲し続けているように見える。そう思うと友也への「羨ましい」という言葉は,自分にそういう存在がいないと言っているようなものだし,なずなへの「有り難う」は,たとえ罵倒であっても,なずなが対等な目線で言った言葉だったからこそ返せたセリフのように感じられる。

 以前,渉が英智のことを「愛と憎悪。希望と絶望。夢と悪夢。矛盾し、相反した生き様を両立させています!」と言っていたことがある(「!」メインストーリー第一部より)。これは本当に的を射た表現だと思う。愛されたいと願っているのに,それを素直に表現できない。理想通りの世界を作りたいと思っていながら,それをぶちこわす“奇跡”を望んでいる。そんな矛盾を抱えているから,この人はとても興味深い。

 そんな彼が作った「SANCTUARY」の中心は,本当はあるはずの“アイドルの負の側面”が徹底的に排除されたものだった。善と悪,きれいなものと汚いものを共存させるのではなく,完全に切り分けているところが英智らしい。彼の新たなる「革命」が今後どうなるのかが楽しみだし,本当の意味での幸せと安心を手に入れてほしいと思う。

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 そして【SS】予選を締めくくる「サドンデス」。ここにきてついに40話超え。そりゃめちゃくちゃボリュームあるな……と感じたわけである(本戦はまさかの60話超えになるのだが,それはまた別の機会に)。今作において個人的に最も印象的だったのは,やはり司とこはくの幼少期のエピソードである。とくに「サクラアリ」の話だ。

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 祖父が亡くなり,死や生命とは何かが分からなくなった司は,こはくに「それなら命に触れてみればいい」と言われ,自分のお菓子を食べたアリたちを“特別”な存在として「サクラアリ」と名付ける。そして,「サクラアリ」たちの邪魔となるほかの大きな昆虫などを潰していく。だが結果として「サクラアリ」は,司に塗られた絵の具が原因で死んでしまう……という流れである。こう書くとすごく寓話めいたエピソードだが,これを想起させる出来事が,「サドンデス」にはたくさんあるように感じられた。

 たとえば,ESという巨大な“怪物”によってアイドルという存在そのものが変容させられる! と反逆を決意した燐音。こはくが語った「かつて司の祖父によって,朱桜家のために桜河家が切り捨てられそうになった」話。そのどちらも,「サクラアリ」の邪魔になって犠牲にされた生き物たちを思い出させた。

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 筆者が思う司のいいところは,知らないことがあれば知ろうと努力し,間違えたら「次は決して間違えないように」と涙を拭いて上を向き,まっすぐに進み続ける生き方だ。彼は自分の味方はもちろんのこと,敵や犠牲者たちの立場や心情も理解していく力がある。だからこそ,この先もきっと誰より強い「王」へと成長していくはずだ。

 物語のラストで孤独になったこはくに対し,司は“兄”として救うと宣言する。と同時に,ステージ上のアイドルとして,こはくからの挑戦を受ける覚悟を見せる。ただ同情するだけではなく,司にはこはくに対するリスペクトがあるからこそ,「私が勝ちます」と宣言できたのだと思えた。この司の“受けて立つ”姿は,あの【ジャッジメント】(「!」【反逆!王の騎行】)で「王」だった月永レオを思い出した。王の誇りは,たしかに継承されているのだ。

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 第28回記事もお楽しみに!

■たまお(ライター)■

 エンタメ系フリーライター。音楽・ゲーム業界などでの社会人生活を経て,作品やキャラの素晴らしさを文章で伝えるためにライターへ転向。現在4Gamerにて「あんさんぶるスターズ!!」のストーリー解説記事を連載中。このほか追いかけ中のタイトルは「アルゴナビス」「スタマイ」「ツイステ」「ヒプマイ」「パラライ」「刀剣乱舞」「A3!」「まほやく」「ブラスタ」など。

Twitter(@tamao_writer)


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