イベント
[GDC 2019]風力で動く木造メカを使って生き延びるサバイバルMMO「Last Oasis」のプレイアブルデモが公開
本作の舞台となるのは,隕石が月に激突した影響で,自転が止まってしまった近未来の地球だ。地球の片側は太陽の光に晒された灼熱地獄になり,もう片方は極寒の闇が続く世界になってしまっている。そんなカタストロフを生き延びた人々は,灼熱と極寒のちょうど中間にある,リング状に形成された狭い地域「トワイライトゾーン」で生き延び,希少な資源を集めながら生活を営んでいる。
しかし,地球は公転し続けているため,この生活圏も徐々に動いており,それに合わせてプレイヤー達も移動しなければならない。
その移動に利用するのが,「フローティラ」と呼ばれる木造の歩行都市だ。風力を原動力に,多数の脚を忙しそうに動かしながらも,割とゆっくりとしたスピードで移動していく様子は,オランダ人彫刻家のテオ・ヤンセン氏がデザインした「ストランドビースト」を彷彿とさせる。
プレイヤー達はこれを基地のように使って,武器を取り付けたり,途中で採取した資源を格納したりできる。ゲーム中では1人で動作させられるが,敵の襲来時には銛や大砲などを発射したり,乗り込んできた相手と白兵戦を行ったりしなければならないので,複数人で搭乗したほうが強そうだ。クランメンバーの人数によっては,複数のフローティラで砂漠化した土地を移動するキャラバンを組むこともできる。
今回出展されていたのはプレα版で,開発メンバーやゲームコミュニティのテスター達が100〜200人規模で参加したというマップが体験できた。フローティラにはいくつもの種類があり,小回りの利く機動性に優れたものや,突撃して体当たりするのが得意なものなどが存在していたが,デモを担当したプロデューサーのChris Thompson(クリス・トンプソン)氏によると,カスタマイズしていくことも可能とのことだ。
また,1〜2人が搭乗する小型メカもあり,これは人力でペダルを踏んで動かすことになる。十分な資源があれば,おそらく戦場でも数十秒で作り出せるようなものだ。これを使うために,プレイヤーキャラクターが必死で自転車を漕いでいるようなアニメーションになるのは笑ってしまったが,戦闘では重要な役目を果たす様子。巨大な敵フローティラの周りを走り回り,隙があれば小型メカを飛び出してグラップリングフックでよじ登り,まるで海賊のように戦っていく。
フローティラは,帆に穴を開けられると機動力が落ちるだけでなく,敵の攻撃に晒され続ければ横倒しになってしまう。今回のデモは5対5くらいの人数で対戦が行われていたが,この規模では完全に相手のフローティラを破壊するのは難しいようで,それなりの規模で徒党を組む必要がありそうだ。トンプソン氏によると,1つのマップで常時50人ほどのサポートになるとのことだったが,プレイヤーの出入りは頻繁なものとなり,多くのサバイバルアクションのようにマンネリ化したゲームプレイではなく,常にほかのクランと戦い続けるようなバランスを目指しているとのことだった。
マップは1か月に1回程度の頻度で“生活圏の移動”が表現され,地形や資源の場所などが自動生成されていくとのこと。マップがリフレッシュされた時点で,しばらくアクセスしていないプレイヤーが残したアイテムがどうなるのか気になったが,マップの枠部分にあるセーフゾーンのような場所でキープされるとトンプソン氏は語っていた。
すでにSteamのストアページも公開されており,今春中にはアーリーアクセス版のリリースも視野に入れているという。現時点では英語版のみのサポートになるとのことだったが,独特な世界観でサバイバルしたいというプレイヤーには気になるタイトルとなるのではないだろうか。
- 関連タイトル:
Last Oasis
- この記事のURL: