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印刷2024/02/06 01:00

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5周年を迎えた「Apex Legends」の第20シーズン“ブレイクアウト”をRespawn本社でチェックしてきた

 Electronic ArtsとRespawn Entertainmentは,人気対戦アクションゲーム「Apex Legends」PC / PS5 / Xbox Series X|S / PS4 / Xbox One / Nintendo Switch)の第20シーズンとなる“ブレイクアウト”を2024年2月14日から開始することをアナウンスした。
 4Gamerは,1月24日から25日にかけてRespawn Entertainment本社があるカリフォルニア州ウッドランドヒルズ市にて開催されたプレスイベント「Apex Legends 5th Anniversary Press Summit」に参加し,その最新ビルドをチェックしてきたので,開発者から聞いた情報を交えてご紹介しておこう。

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 2019年2月4日にリリースされて以降,高い人気を持続し続ける「Apex Legends」は,ローンチから1か月で5000万アカウントの登録を記録した,基本プレイ料金無料のバトルロイヤル/ヒーローシューターだ。2021年4月に公開された第9シーズン“メイへム”で1億アカウントを達成,さらに2022年8月の第18シーズン“リザレクション”ではSteamで51万286人の同時接続者を記録するなど,まだまだ現役のライブサービスであり,Electronic Artsの看板タイトルへと成長するに至っている。


ワールズエッジ,オリンパス,ストームポイントなどのマップには,大きなバルーンやバナーが設置されて,5周年イベントを祝う
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 そんな勢いのまま5周年を迎える「Apex Legends」に合わせてスタートを切るのが,第20シーズンとなるイベント“ブレイクアウト”である。Respawn Entertainmentのロア(ストーリー)担当であるリードライターのアシュリー・リード(Ashley Reed)によると,シルバ製薬のCEOである“デュワルド”ことエドワルド・シルバが謎の死を遂げたことによって,創設者としてまとめあげていたフロンティア兵団の影響力が弱まり,アウトランドの辺境においては機械兵団が反旗を翻しているというウワサが広がり,市民たちの気を逸らすためにレジェンドたちによる闘技大会の名を借りたパーティが開催されるというのがバックボーンとなるようだ。
 ゲーム内の博物館がリニューアルされて,「タイタンフォール」シリーズとのつながりを強化するための新しい展示物も増え,ボイスオーバー付きの新しいAPEXエピソードもアンロックできるようになるという。こうしたストーリー面での強化は,2024年を通して行われていくとのことだ。

ロビーには「博物館」も開設される
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 また,ブレイクアウト・リワード(Breakout Rewards)という新しい報酬システムが導入されて,シーズン20では2週間ごとにレジェンドのチャレンジが追加されていく。その6人のロースターにはヒューズ,シア,ランパート,マッドマギー,ローバ,そしてヴァルキリーが名を連ねているが,それぞれのレジェントに異なるチャレンジが用意され,シーズン終了までに遂行すると永久に使用できるようになるとのこと。さらに,他のレジェンドを含めたコスメティックアイテムやレベル60まで獲得できるバトルパス・スター,さらにはフレンドにシェアするためのギフトアイテムなどが用意されているという。

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“ブレイクアウト”でランクシステムに大きな変更が


 シーズン20“ブレイクアウト”の最大の変更点と言えるのが,そのランクシステムの構造にある。新たなランクシステムでは,「LP」(ラダー・ポイント)の代わりに「RP」(ランク・ポイント)と呼ばれるポイント制が導入されて,よりリスクの高いプレイや,それに伴う報酬システムへと変更するというものだ。マッチメイキングはプレイヤーが得るRPによって制御されることとなり,これまでのMMR(マッチメイキング・レーティング)も廃止されて,スクワッドの中でRPの一番高いプレイヤーに合わせてティアに配属されるようになるという。

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 これまでも,「Apex Legends」では半年をかけて1つのランクシーズンを,同じようなプレイヤーたちとばかりマッチしたり,グラインダー(やり込み型)のスクワッドはシーズン途中で続けていく目標を失ってしまったりと,ティアの動きの鈍いランクシステムになっていたことが指摘されていた。しかし,シーズン20の開始時点では,全てのプレイヤーが1RPから等しくスタートし,プロビジョナルマッチが削除される。
 さらにシーズン中のランクド・スプリット(ランク期間の分割)を復活させることで,プロモーション・トライアルも廃止される。これにより,同じランク・ポイントに近い他のプレイヤーたちと同じティアでプレイしやすい環境になるだけでなく,マスターへと成長するのも早くなるはずだという。

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 同時にランク・マッチのエントリー制限をレベル20に下げることによって,プレイヤー数が増え,異なる相手とプレイしやすくなることを狙っているというが,それぞれのランクへのエントリーコストは増えそうな気配だ。
 シーズン13以降に導入されてきたこうした旧ランクシステムはチーター対策が理由であったと言われるだけに,このあたりでどのような心境の変化,もしくはバックエンドでの対策や改善があったのかは気になるところではある。一方で,自分をキルしたプレイヤーのランク情報がさらにわかりやすくなっていることを含めて,トップランクを競い合ってプロゲーマーやストリーマーたちが争い合っていた,シーズン12の活性化した雰囲気に戻ることが期待できる。


よりフェアで新しくなったシールドシステム


 “ブレイクアウト”以降のゲームプレイ面で,最も大きな変更点となるのがシールドシステムだ。シールド(アーマー)は,敵にダメージを与えることで耐久性が上がり,レベル1の白からレベル4の赤までへと進化していくのに変更はないが,これまでのように地上に散らばるルートアイテムとしてシールドは存在しなくなっており,個々のプレイヤーはレベル1のシールドを装着した状態からスタートするようになった。
 これに合わせて,進化シールドを所持していた敵を倒してデスボックスから入手したり,仲間に進化させたシールドを譲り受ける“スワップ”を行ったりすることができなくなっている。つまり,個々のプレイヤーがしっかりと戦ってダメージを与えながらシールドを育ていく必要がある。さらに,レベル2(青)とレベル3(紫)へと進化していくのに合わせ,プレイヤーはそれぞれのレジェンドのプレイスタイルを強化させるためのアップグレード(パークス)を施せるようになった。

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 具体的には,レベル2とレベル3に到達した時点で,画面中央に表示される2つのチョイスから片方を選び,いずれかのアップグレードをシールドに付加することになる。これらはゲーム内にあるキャラクター(レジェンド)紹介ページで確認できるので,シーズン開始当初は自分の操作キャラクターを選ぶ際にチェックしたり,仲間との組み合わせで何を選ぶかを事前に想定しておいたりするのが良さそうだが,現時点でのアップグレードを書き出しておくので参考にしてもらいたい(アップグレードの名称はデモ版と同様の英語のまま。その解説は筆者が翻訳したもの)。
 ただし,新シーズンのスタートまでに調整される可能性はあるので,詳しくは正式パッチノートのリリースは待ったほうがいいだろう。

 ライブ・バランスデザイナーのジョン・ラーソン(John Larson)によると,基本的にはそれぞれのキャラクターに新しいアビリティを加えるのではなく,「プレイヤーのプレイスタイルを強化する目的」で,この新しいシールドシステムが考案されているという。このアップグレードの中には,戦術アビリティのクールダウンが短縮される「Tactical Upgrade」や,軍需品(グレネードなど)が壁を透過して確認できる「Big Bang」といった,数人のレジェンドが使用できるような汎用的なものもあれば,個々のレジェンド固有のものも含まれている。
 例えば,ワットソンであれば,レベル3のアップグレードになると2個のパイロン(電柵)を仕掛けられるようになるか,もしくは1つのパイロンをより強力なものにするかが選べるといった具合だ。これまで多くのゲーマーが親しんできた,お気に入りのゲームスタイルやメタが大きく変化することが予想されるものの,それぞれのレジェンドの特性を大きく変化させてしまうというよりは,マッチの流れを変え得るランダムな戦術要素を強化しつつも,それぞれのプレイヤーがレジェンドのアビリティや特性を上手く使っていくことにより,以前よりフェアにアップグレードの利点を享受できるシステムになったと言えるだろう。

全てのレジェンド(キャラクター)には,レベル2とレベル3の到達時,2つの中からいずれかを選択できる「アップグレードツリー」が新たに用意される
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バンガロール
レベル2
・Big Bang (壁やデスボックスをとおして近接する軍需品を確認できる)
・Ultimate Artillery (Ultのクールダウンを25%削減)

レベル3
・Cover Me (ダブルタイムをトリガーした相手に対して自動的にピン付けする)
・Refuge (スモークの中でHPを再生)

ヒューズ
レベル2
・Walk It Off (相手のUltによるスロー効果を回避し,被ダメージを50%軽減)
・Big Bang (壁やデスボックスをとおして近接する軍需品を確認できる)

レベル3
・Wreckless (爆破ダメージを25%軽減)
・Explosive (ナックルクラスターのヒット成功時に,短距離のスピードブーストを獲得)

アッシュ
レベル2
・Murder Machine (150m内でのスクワッドワイプ後,スクワッドの数をコールアウトする)
・Persistence (マークスフォーデスを使うと60秒にわたって敵を追跡する)

レベル3
・Lasting Snare (アークスネアは24秒間にわたってアクティブになり,複数の敵を捕らえる)
・Twin Snares (アークスネアが1回分チャージされる)

マッドマギー
レベル2
・Crowd Control (ライオットドリルのチャージを得る. アクティブ期間がX%減少)
・Big Guns (ライオットドリルの深さや幅が1.5倍になる)

レベル3
・Killer Handling (ノック時にショットガンを自動的にリロード)
・Fireball (レッキングボールが発火する。爆破時にテルミットが発火)

バリスティック
レベル2
・Care Package Insight (ケアパッケージの場所を明らかにする)
・Ammuvision (デスボックスの弾丸が表示される)

レベル3
・Extra Bullet (スマートバレットをチャージする)
・Lasting Bullet (マッチ中のスマートバレットの持続が3倍になる)

パスファインダー
レベル2
・Forward Scout (調査ビーコンにアクセスできる)
・Insider Knowledge (リングコンソールにアクセスできる)

レベル3
・Death Grapple (ノック時にグラップルのクールダウンがリセット)
・Zipline Zen (ジップラインに短時間だけエネルギーが充填され,利用時のダメージは25%軽減される)

レイス
レベル2
・Tactical Upgrade (5秒間の戦術クールダウン短縮)
・Six Sense (近辺のスクワッド数が増えた場合に,パッシブが発動する)

レベル3
・Ultimate Upgrade (Ultのクールダウンが20%短縮)
・Quick Shift (戦術のワインドアップ時間が20%短縮)

オクタン
レベル2
・Thick Skin (スティムから受けるダメージが25%軽減)
・Wreckless (爆破から受けるダメージが25%軽減)

レベル3
・Aerial Agility (ローンチパッドからのダブルジャンプで方向を変更できる)
・Mad Hops (ローンチパッドのチャージが1つ増える)

レヴナント
レベル2
・Tactical Upgrade (5秒間の戦術クールダウン短縮)
・Murder Machine (150m内でのスクワッドワイプ後,スクワッドの数をコールアウトする)

レベル3
・Fill Send (シャドウパウンスのチャージ時間が20%削減)
・Kill Thrill (ノック時に戦術がリフレッシュ)

ホライゾン
レベル2
・Big Bang (壁やデスボックスをとおして近接する軍需品を確認できる)
・Ammuvision (デスボックスの弾丸が表示される)

レベル3
・Tactical Upgrade (5秒の戦術クールダウン短縮)
・Ultimate Upgrade (Ultのクールダウンが14%短縮)

ヴァルキリー
レベル2
・Extra Thrusters (スカイワードダイブの到達高度が15%向上)
・Aerial Expert (ジェットパックの平行飛行のスピードと加速が上昇)

レベル3
・Full Coverage (ミサイルスウォームのパターンが4x3から3x5に変化)
・Full Depot (ジェットパックの燃料量を25%向上)

ブラッドハウンド
レベル2
・Tactical Upgrade (5秒間の戦術クールダウン短縮)
・Hunting Ravens (アクティブにするとホワイトレイヴンが25%のUltチャージを付与)

レベル3
・Taste of Blood (ハンティングビーストがアクティブならノック時に25HPを獲得)
・Full Coverage (戦術の全身スキャン時間が2倍になる)

クリプト
レベル2
・Recovery Protocol (戦術クールダウンが10秒短縮)
・Ultimate Upgrade (Ultのクールダウンが20%短縮)

レベル3
・Wider Network (ニューロリンクとEMPの範囲を50%向上)
・Satellite Ping (ドローン発動時に近辺のスクワッドをコールアウト)

シア
レベル2
・Sense from Afar (ハートシーカーとタクティカルレンジの範囲が25mアップ)
・Mobile Senses (ハートシーカー利用時の移動ペナルティを回避)

レベル3
・Eyes on Me (戦術スキャンの持続時間が1.5秒向上)
・Theatrical Projection (Ultの飛距離が20m向上)

ヴァンテージ
レベル2
・Insider Knowledge (リングコンソールにアクセスできる)
・Ultimate Efficiency (Ultのアクセララントが4つの弾丸を獲得)

レベル3
・Echo Assist (エコー配置でダブルジャンプが強化)
・Sharpshooter (スナイパーのマークでヒット成功時にエコー配置がリフレッシュ)

ジブラルタル
レベル2
・Big Ups (仲間を50HP蘇生させる)
・Killer Handling (ノック時にショットガンを自動的にリロード)

レベル3
・Baby Bubble (プロテクトドームのサイズとクールダウンが25%軽減)
・Bubble Bunker (プロテクトドームの発動時間が4秒増加)

ライフライン
レベル2
・Quick Response (蘇生のスピードが20%加速)
・Tactical Upgrade (10秒間の戦術クールダウン短縮)

レベル3
・Last Stand (自身の蘇生能力を得る)
・Allied Support (次のライフラインのケアパッケージがサプライドロップになる)

ミラージュ
レベル2
・Revive Master (仲間の蘇生が75HPまで自動化)
・More of Me (Ultのデコイを獲得。クールダウンを30秒短縮)

レベル3
・Me Too (デコイのチャージを1回獲得。一度に複数を発動可能)
・Bamboozle Bonus (騙しを成功させることで戦術をリフレッシュ)

ローバ
レベル2
・Market Expansion (ブラックマーケットブティックの範囲を25%増加)
・Shopping Spree (ローバのみ,ブラックマーケットからもう1つのアイテムを獲得できる)

レベル3
・Tactical Upgrade (5秒間の戦術クールダウン短縮)
・High Value (戦術の高さと範囲を増加)

ニューキャッスル
レベル2
・Resilient Support (モバイルシールドの一片が250HP獲得)
・Mobile Support (モバイルシールドのスピードを武器スプリントのスピードに合わせる)

レベル3
・Revive Master (仲間の蘇生が75HPまで自動化)
・Stronghold (キャッスルウォールのHPが+250増加。バリアーのエネルギー充填時間を2分増加)

コンジット
レベル2
・Shield Inclined (デスボックスにシールドバッテリー数が表示)
・Access Denied (Ultのデバイスによるダメージ範囲が10%増加)

レベル3
・Split Charge (戦術チャージを得る代わりに,シールドヒールの持続時間が半減)
・Ranged Healer (戦術の範囲を15%向上)

コースティック
レベル2
・Lightweight (戦術の飛距離が75%向上)
・Diffuse (Noxガスグレネードの効果範囲が20%拡大)

レベル3
・Residual Toxens (Noxビジョンの持続時間が増加)
・Breathe in (Noxガスの範囲内でHPが再生)

ワットソン
レベル2
・Amped Revive (仲間を50HP蘇生)
・Renewable Energy (Ultの阻止がアークスターを作り出す)

レベル3
・Power Pylon (UltのHPとキャパシティが倍増)
・Full Coverage (Ultの再生キャパシティが半分の状態で2つを設置可能になる。Ultのアクセララントを2倍速く使える)

ランパート
レベル2
・Ultimate Upgrade (シーラのクールダウンが20%短縮)
・Bandolier (スタックに付き1つの弾薬箱を保持)

レベル3
・Running Hot (シーラのハンドリングが向上し,展開時間が20%加速)
・Amped Reloads (増幅バリケードによるカバー時にはシーラのリロードが加速)

カタリスト
レベル2
・Prolific Piercings (アクティブなスパイクトリップが1つ加増)
・Ferro Throw (スパイクトリップの飛距離が40%向上)

レベル3
・No Show (フェロバリケードの持続時間が20%向上)
・Long Form (フェロバリケードの全長が27%拡張)

 シールドをアップグレードさせていくためには,ラーソン氏が「ブレイクアウト以前」と呼ぶこれまでの進化シールドのシステムと同様に,戦ってダメージを与えることによってポイント(EVOと呼ばれていた)を得ていくのが手っ取り早いが,その他の様々なアクションにも対応している。
 仲間のプレイヤーを蘇生したり,アシストを獲得したり,野生動物をキルしたりすることでもポイントを稼ぐことができる。また,ケアパッケージやビーコンのスキャニング,もしくはリングコンソールなど,それぞれのクラスの役割に準じたインタラクションを行うことによって,戦闘以外でもEVOが徐々に加算されていくほか,チームメンバーにもEVOがシェアされるなど,チームでの自分の役割がより明確になるよう調整されている。

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 また,今回からは新たに「EVOハーベスター」という環境オブジェクトが加わり,これに近付いてインタラクトすることで,チームメンバーにハーベスターが溜めていたEVOを獲得できるようにもなっている。さらに面白いのは“ディケイ”(腐敗)という新しいコンセプトが追加されていることで,キルした相手が同じシールド,例えば青シールドを所有していればそのまま“シールドコア”を獲得してポイントに加算できるが,相手が自分よりレベルの高いシールドを保有していれば,“オーバーチャージ”により限定的なブーストを得つつも,時間が経つにつれてそのシールドコアが腐敗して青レベルにまで下がってしまうというシステムだ。

「EVOハーベスター」という新たな環境オブジェクト。チームメンバーの稼いだEVOキャッシュをここに溜めておくようだ
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 今回のプレイテストでパッと見たところでは,ホライゾンのレベル3のアップグレード「Ultimate Upgrade」のクールダウン軽減値が14%だったり,カタリストのレベル3のアップグレード「Long Form」の向上距離が27%になっていたりと微妙な数値になっているところにも,25レジェンドにつき4つずつ,つまり100種ものアップグレードを加えることによるバランス調整の難しさがうかがえる。もちろん,こうした数値についてはシーズン20のスタート後にもパッチなどで調整が行われていくことは間違いないだろう。

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 なぜレベル4には何のアップグレードもないのか。これについて,リードゲームデザイナーであるデヴァン・マクガイア(Devan McGuire)氏に質問してみたところ,当初のテスト段階ではレベル4向けのアップグレードも用意していたものの,プレイヤーが赤シールドを獲得するのはマッチが佳境に入ったほぼ終盤であり,その威力が効果的すぎたり,逆に効果的に利用する暇もなく勝敗が決着してしまったりするため,そのデザインプロセスの中で削除する決定をしたとのことだった。
 また,そうした最終局面のバトルで特定のアップグレードを選択することにより,決まったストラテジーに偏ってしまうという,相手にすればバトルの流れの読みやすさにもつながってしまうため,レベル4の赤シールドは強力な耐久性を備えているだけで十分だと判断したという。


レプリケーターの利用は1回だけに


 「Apex Legends」にはシーズン6から導入されて,クラフトの素材を利用してより役に立つアイテムを作成できた“レプリケーター”だが,シーズン20“ブレイクアウト”では,マッチ中の利用はスクワッドにつき1回だけに限定される。新たなシールドシステムの導入に合わせて,レプリケーターを使ったシールドのレベリングも廃止されるというのは納得できるが,素材集めもできなくなり,武器とアタッチメントの作成も廃止されるというのは,ゲームをプレイしていく上で注意しておきたいところだ。
新たなレプリケーターは,医療キットやシールドコアの獲得,そしてビーコンやバナーのリスポーンに限定されるということになる。また,ケアパッケージやクラフティングによる入手に限定されたR301 カービンやボルトのような武器は,グラウンドルートのプールに戻されるということを意味していると思われる。

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5周年のパーティー気分を演出した新マップ「サンダードーム」


 「サンダードーム」は,シーズン5でローバによって爆破され,多くが水没してしまったキングスキャニオンの一角にあったエリアだ。公式設定では,ここに駐留していた兵士たちが模擬バトルに興じたことで始まったというAPEXゲーム発祥の地である。
 かつてはジブラルタルが売店の売り子だったとか,APEXゲームのコミッショナーを務めるクベン・ブリスクが現役だった時代に,幼少のミラージュが試合を見るために何度も通っていたという,「Apex Legends」には欠かせないバックストーリーの地であるが,その「サンダードーム」が,5周年を祝うためのミックステープ向けのマップとしてカムバックする。

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 リードライターであるリード氏にうかがったところ,どのような経緯でサンダードームが復活したのかという設定はなく,あくまでも5周年記念イベントの一環として復活したとのことだ。「サンダードーム」には渓谷の残骸の間に大小の建築物があり,上空には大きなバルーンが浮かんでいるのが賑やかさを演出している。
 スリーレーン型のクラシカルなアリーナマップだが,常設プレイリストでは初めて,1つのマップ内の異なるエリアを使うことで,チームデスマッチ,コントロール,ガンモードの全てをプレイできるカスタムマップとなる。

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 「サンダードーム」の大きな特徴となるのが,「Apex Legends」では初めてとなる,アリーナの外側を取り巻く観衆表現だ。どこか一昔前の「FIFA」シリーズを連想させる,無数の2Dのキャラクターたちが蠢いているだけではあるが,元々APEXゲームがテレビ放映もされているようなスポーツゲームであるという設定にとっても,熱狂する観衆たちが描かれるのは相応しいことである。
 そもそも観衆の近くには行く機会もほとんどなさそうなので,低クオリティの群衆描写でも問題はないが,その声援もバックグラウンドにしっかり聞こえてくるのが新しい要素でもある。どよめきはプレイヤーの活躍によってダイナミックに変化し,自分がキルを獲得した際には,かれらのどよめきも大きくなる。ただし,今回のテストプレイでは,他のサウンド効果を邪魔にしないようにという配慮からなのか,プレイ中のその音量はかなり控えめに抑えられているようにも感じた。

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新たなLTM「Straight Shot」


 シーズン20“ブレイクアウト”では,「5th Anniversary Collection Event」というイベントが開催され, LTM(リミテッド・タイム・モード)に「Straight Shot」が登場する予定だ。非常に速いマッチメイキングと,ロビーに戻らずにプレイができるという。スピード感のあるゲームへの参加を意識したもので,ドロップシップからダイブしてジャンプマスターが着地点を選ぶという作業が割愛されているのでスクワッドの仲間とはぐれることもないが,少なくとも1つの別のスクワッドが近くにいる場所に自動的にスポーンされて,冒頭から絶え間なくマッチを興じていくことができる。
 参加できるスクワッドは10組のみ,マップの行動エリアも小さめに限定されており,プレイヤーが得るXPは1.5倍になるという。

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 武器はキット化されて,白と紫などの武器をグラウンドアイテムとして入手することが可能。スコープ以外のアタッチメントを変更することができないなど,武器関連のカスタマイズが省略されているのもポイントで,仲間がキルされるとビーコンが表示されて蘇生がしやすくなっている。こうして何度も何度もファストペースなアクションが続けていけるという,「Apex Legends」のコアシステムを満喫するのには,最高のLTMになりそうだ。

 なお,「Straight Shot」に加えて,キャプチャー・ザ・フラッグを楽しむ「Control」,及びチームデスマッチのハイブリッド版となる「Lockdown」も,LTMのフィーチャーモードとして復活するとのことだ。

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未来のApex Legendsに向けた,今回の変更の真意


 すでに以前からのウワサでも取り上げられていたことだが,「Apex Legends」ではゲームエンジンのアップデートによって,コンシューマ機版でも120fpsでスムーズなゲームプレイを楽しめる予定。加えて,今回のシールドシステムの追加などからユーザーインタフェースも改良が行われている。

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 マクガイア氏は,5周年第20シーズンを迎えるマイルストーンとなる“ブレイクアウト”で,新しいレジェンドが追加されていない理由についても語っている。
 ここ最近では新しいレジェンドが追加されたのは第19シーズンでのコンジットのみだが,マクガイア氏は「まだレジェンドの開発を止めてしまったわけではない」としながら,現時点ではゲームはうまくバランスが取れており,無理をしてシーズンごとに新しいヒーローキャラクターを追加しても意味がないとしている。
 また,今回はシールドシステムという,大きなゲームメカニックの変更もあってバランス調整もしばらく続くことが予想されることから,今回も新しいレジェンドを加えないという判断に至ったとのことだった。
 ただ,「1年を通して5周年のお祝いを楽しむ」と説明していたことから,シーズン21以降の早いうちに新しいレジェンドが追加される可能性はあるだろう。

今回のプレスサミットに参加した,Respawn Entertainment開発チームの面々
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 2年ほど前にRespawn Entertainmentに参加し,シーズン16を手掛けたシニア・ゲームディレクターのエヴァン・ニコリッチ(Evan Nikolich)氏は,「シーズン16のアップデートによって,今回の大きなゲームシステムの変更が行われたシーズン20までの布石を築いてきた」と語っていた。
 そのことを踏まえて,今回のシーズン20の内容を考察すると,5年を迎えて成熟したライブサービスとなった「Apex Legends」のゲームシステムを,より簡素でフェアにすることによって,プロレベルのコアなゲーマーたちから,ライブサービスを運営していくうえで不可欠な新しい血である新しいプレイヤー層の双方に向けたゲームへと,さらに進化させていこうという意気込みもうかがえるのではないだろうか。

 そんな「Apex Legends」のシーズン20“ブレイクアウト”は,日本時間の2月14日3:00(アメリカ太平洋時間の2月13日10:00)から開始予定。今回の大型アップデートが,この「Apex Legends」の「これからの5年」を占うような大きな変更になるようなものになるのかどうか。ファン評価を含めて,そのローンチには大いに注目しておこう。


【コラム】「Apex Legends」を作るRespawn Entertainmentというデベロッパ


 「Apex Legends」を開発するRespawn Entertainmentは,元々は「コール オブ デューティ」シリーズの生みの親でもあるヴィンス・ザンペッラ(Vince Zampella)と,ジェイソン・ウェスト(Jason West)が,自ら起業したInfinity Wardを飛び出し,2010年にElectronic Arts傘下のデベロッパとして創設されたメーカーだ。「Apex Legends」と同じフランチャイズシリーズである「タイタンフォール」シリーズで彼らの力量を示したほか,2019年には「Star Wars ジェダイ:フォールン・オーダー」など,アクションゲームを次々とヒットさせている。

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 また,2020年にはカナダのバンクーバーにあるEA Vancouver内に支社を設立したほか,2023年3月には,「Apex Legends」が「10年,15年のライブサービス」となるべく,Infinity Wardからの人脈であるライアン・バーネット(Ryan Burnett)を引き入れて,ウィスコンシン州マジソンにも新たな支社を設立した。さらに,「バトルフィールド」シリーズであるEA DICEのリストラによって,さらに開発の権限をRespawn Entertainmentに集中するなど(関連記事),もはやElectronic Artsになくてはならない開発チームへと成長しているのだ。

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 今回のプレスサミットが開催されたカリフォルニア州ロサンゼルス近郊にある本社スタジオには,300人を超えるほどの規模の開発者が在籍しているというが,現時点でも任意でリモートワーク制を継続している。イベント中はザンペッラ氏がカフェテリアにコーヒーを取りに来ていたが,オフィス内部はほとんど無人状態で,人のいる気配がほとんどなかった。ただ,ときおり会議に参加する人が集まったり,社内イベントを開いて結束を高めたりしているとのこと。

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 また,近くにはRespawn Entertainmentが運営するパフォーマンスキャプチャー用の専用スタジオがある。まるで倉庫のような建物の中には,50台の新型センサーカメラ,47台のカメラが併設された広いスペースがあり,ここではハリウッドにも近いという立地条件を生かして,「Apex Legends」や「Star Wars ジェダイ:フォールン・オーダー」などのアニメーションが収録されていたという。

画像集 No.033のサムネイル画像 / 5周年を迎えた「Apex Legends」の第20シーズン“ブレイクアウト”をRespawn本社でチェックしてきた
画像集 No.034のサムネイル画像 / 5周年を迎えた「Apex Legends」の第20シーズン“ブレイクアウト”をRespawn本社でチェックしてきた

 今回のイベントに参加した海外のジャーナリストの中には,「大規模にやるって言うから,タイタンフォールの新作発表に期待していたんだけど……」などと話していた人もいたが,Electronic Arts内部でも屈指の開発力を育むRespawn Entertainmentだけに,今後はさらに複数のプロジェクトを切り盛りしていく体制が整えられていくのは間違いないはず。実際のオフィススペースは「シークレットが多すぎる」とのことでほとんどが撮影禁止だったが,この中で何が動き出しているのかに期待しつつ,さらに成長を続ける「Apex Legends」がどのように進化していくのか楽しみにしたい。

「Apex Legends」公式サイト

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