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レトロンバーガー Order 15:「ワンダーボーイ」関連タイトルが全世界で続々リリース。高橋名人,どうっすかこの世界的ムーブメント!編
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印刷2019/06/08 00:00

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レトロンバーガー Order 15:「ワンダーボーイ」関連タイトルが全世界で続々リリース。高橋名人,どうっすかこの世界的ムーブメント!編

画像集 No.024のサムネイル画像 / レトロンバーガー Order 15:「ワンダーボーイ」関連タイトルが全世界で続々リリース。高橋名人,どうっすかこの世界的ムーブメント!編

 乗り遅れるな! この世界的「ワンダーボーイ」ブームに!!

 いきなり,そう言われても「何のことやら」と思われた方も多いかと思いますが,ここ数年「ワンダーボーイ」が全世界的に大流行中です。マジで。

 2014年にハムスターからPS4用ソフト「アーケードアーカイブス ワンダーボーイ」,2016年に韓国・CFKからPC用ソフト「Wonder Boy Returns」,2017年にフランス・DotEmuから「Wonder Boy: The Dragon's Trap」PC / PS4 / Nintendo Switch),ブラジル・TectToyからMega Drive用ソフト「Turma da Mônica na Terra dos Monstros」復刻版,2018年にドイツ・FDG Entertainmentから「Monster Boy and the Cursed Kingdom」PS4 / Nintendo Switch,PC版は7月26日に発売),そして2019年5月30日にはセガゲームスのSEGA AGESブランドから,「ワンダーボーイ モンスターランド」の新たな家庭用移植版(関連記事)がリリースされました。

 さらに,メガドライブミニ国内版には「モンスターワールドIV」が収録され,国外版には「Wonder Boy in Monster World」(邦題:ワンダーボーイV モンスターワールドIII)も収録予定。ここ5年にわたって,「ワンダーボーイ」シリーズの関連製品が年1以上のペースでリリースされているわけです。しかもワールドワイドに!

 といった感じで,今回は近年リリースされた「ワンダーボーイ」関連タイトルを特集してみたいと思います。……が,ワンダーボーイシリーズはナンバリングがややこしいので,いったん整理しましょう。

  • 第1作:ワンダーボーイ(アーケード)
  • 第2作:ワンダーボーイ モンスターランド(アーケード)
  • 第3作:ワンダーボーイIII モンスター・レアー(アーケード)
  • 第4作:モンスターワールドII ドラゴンの罠(ゲームギア)
  • 第5作:ワンダーボーイV モンスターワールドIII(メガドライブ)
  • 第6作:モンスターワールドIV(メガドライブ)※主人公が少女のため,厳密にはワンダー“ボーイ”シリーズではない。

 ややこしいですね。

 なおゲームギアの「モンスターワールドII ドラゴンの罠」は,もともと北米のSega Master System向けにリリースされた「Wonder Boy III The Dragon's Trap」だったり,そんなタイトルのせいで北米のWii版バーチャルコンソールでは「Wonder Boy III: The Dragon's Trap」と「Wonder Boy III: Monster Lair」が並んで配信されたこともあったり,もっとややこしくなっています。ほかにも北米タイトルは「Wonder Boy in Monster Land」「Wonder Boy in Monster World」があったりして,旧作オマージュは分かりますけど,ちょっと手心がほしいですね!


Wonder Boy Returns


 「Wonder Boy Returns」は,シリーズ第1作「ワンダーボーイ」のカートゥン風リメイク。ジャンルとしてはプラットフォームアクションで,時間経過や岩との接触で減少するバイタリティゲージがゼロにならないようフード系のアイテムで回復しつつ,石斧やスケートボードなどを使ってマップ右端のゴールを目指します。

 ビジュアルがポップになったほか,通常のゲームモードでは残機制が1プレイを通してのものでなくステージごとだったり,EASYモードなら初期状態で最終面を含めたステージセレクトが可能になったりもしています。現在,国内からはNintendo Switch版の「ワンダーボーイ リターンズ リミックス」が購入可能です(その発売に伴い,Steamの「Wonder Boy Returns」は販売中止になりましたが……)。

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ステージ上のティナ人形を集めると,ドット絵バージョンのプレイヤーキャラクターも使用可能に
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SEGA AGES ワンダーボーイ モンスターランド


 発売順は前後しますが,シリーズ第2作「ワンダーボーイ モンスターランド」をNintendo Switchに移植したのが「SEGA AGES ワンダーボーイ モンスターランド」。初期状態の主人公が「パンイチのパツキン少年」という点は踏襲されていますが,ゲームシステムは大きく変わってアクションRPGとなっています。

 このSEGA AGES版では,常套テクニックの“錬金術”を簡単に行えるレバガチャボタン機能や,逆に錬金術を封印するマネーハングリーモードが搭載されていたりします。儲けに走ってもストイックに戦ってもゲームとして成立するという設計は,何気にすごいところです。

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Wonder Boy: The Dragon's Trap


 「Wonder Boy: The Dragon's Trap」は,シリーズ第4作「モンスターワールドII ドラゴンの罠」のリメイク作品。グラフィックスはバンドデシネ風,音楽は現代的になっていますが,それぞれワンボタンでクラシック版に切り替えられます。

 本作の第1ステージは,「ワンダーボーイ モンスターランド」の最終ステージを踏襲したものなので,先述の「SEGA AGES ワンダーボーイ モンスターランド」やPS3の「セガエイジスオンライン ワンダーボーイ モンスターランド」などをプレイしてから本作を始めると,感慨深さを味わえるかもしれません。本作の日本語版がDotEmuからPC / PS4 / Nintendo Switch用のダウンロード版,pikiiからNintendo Switch用のパッケージ版が発売中です。

主人公はボーイだけでなく,ガールも選択可能。プロローグ面のボスは,「ワンダーボーイ モンスターランド」のラスボスであるメカドラゴンです
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モダン/クラシックを切り替えているところ。スーッと変わります
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 また,本作の開発元であるフランスのゲームスタジオ・Lizardcubeは,「ベアナックル」シリーズの新作「Streets of Rage 4」も開発中。これもまた楽しみです。


Monster Boy and the Cursed Kingdom


 同じく「モンスターワールドII ドラゴンの罠」をベースとしているものの,独自のオマージュ作品として制作されたのが「Monster Boy And The Cursed Kingdom」。こちらはアニメ風のアートワークが採用されています。

 本作は,フランスのゲームスタジオ・Game Atelierによる「Flying Hamster II: Knight of the Golden Seed」として制作されていたタイトルでした。もともとは「ワンダーボーイ」シリーズとは無関係だったところ,同シリーズの開発者である西澤龍一氏から認可を得て,オフィシャルIPの関連タイトルになった(ただし,商標は別なのでタイトルは“Monster Boy”に)そうです。

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建物のステンドグラスに描かれた歴代主人公達の姿。旧作とのつながりはこれだけではなく,終盤には……?
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 日本語版はNintendo Switch向けに,FDG Entertainmentからダウンロード版が発売中。BGMを古代祐三氏,桜庭 統氏,山根ミチル氏,小林啓樹氏,柳川 剛氏,日本語版の主題歌を霜月はるかさんが提供していて,音楽面が非常に豪華です。

※初出時,pikiiから発売中としていた「Monster Boy and the Cursed Kingdom」は,「Wonder Boy: The Dragon's Trap」の誤りです。お詫びすると共に,訂正いたします。


Turma da Mônica na Terra dos Monstros


 新作のほか,2017年にはTecToyからMega Drive用ソフト「Turma da Mônica na Terra dos Monstros」の復刻版がリリースされていました。本作は「ワンダーボーイV モンスターワールドIII」のキャラクターを「Turma da Mônica」のキャラクターに替えたバージョン。「Turma da Mônica」はブラジルを代表する国民的なマンガで,大手新聞紙で“日本における「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」のようなもの”と紹介されたことがあります。

 ゲーム内のテキストは,当然ながらブラジル公用語のポルトガル語なので,筆者にはサッパリ読めません。せめて英語に対応していれば……とは思うものの,言葉がサッパリ分からないほど遠い国に伝わり,現地のIPと調和し,ほぼ四半世紀を経て復刻されたことには,「ワンダーボーイ」IPが持つポテンシャルをひしひしと感じます。……まあ,地球の裏側まで行かなくても,ハングルもタガログも筆者は読めないんですが。

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復刻版「Turma da Mônica na Terra dos Monstros」。当連載の第1回で紹介した「Mega Drive Edição Limitada」に向けてリリースされたものだったりします
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ちなみに「ワンダーボーイ モンスターランド」のキャラ替え版である「Mônica no Castelo do Dragao」というSega Master System用ソフトも出ていました。こちらは復刻品ではなく当時品

 さまざまなビジュアルやキャラクターと調和し,今なお愛される「ワンダーボーイ」シリーズ。マイナーな某ギャグ漫画風に言えば,どんな料理とも違和感なく協調しつつ,カレーに入れようがマヨネーズであえようが個性を失わない,ツナのような存在と言えるのではないでしょうか。ツナ! 正確に言えば,はごろもフーズの「シーチキン」などが代表的なツナの油漬け缶詰!

 そんなツナ的な魅力は,「Turma da Mônica」シリーズのようなキャラ替えタイトルを多数生み出しました。「ワンダーボーイV モンスターワールドIII」キャラ替え版のPCエンジン用ソフト「超英雄伝説ダイナスティックヒーロー」,「モンスターワールドII ドラゴンの罠」キャラ替え版のPCエンジン用ソフト「アドベンチャーアイランド」,「ワンダーボーイ モンスターランド」キャラ替え版のファミリーコンピュータ用ソフト「西遊記ワールド」など,バラエティは多岐にわたります。あと,この記事を作る過程で「Turma da Mônica」シリーズに「モンスターワールドII ドラゴンの罠」キャラ替え版のSega Master System用ソフト「Turma da Mônica em O Resgate」もあると知ったので,いずれ入手します。

 いろいろある中でもとくに有名なのは,やっぱり「ワンダーボーイ」のキャラ替え版である「高橋名人の冒険島」の,ファミリーコンピュータ版(MSX版も同時発売されていました)。プラットフォームの大ヒット,高橋名人の高いタレント性,ゲーム自体の出来の良さ(高橋名人のblogによると,見た目から他プラットフォームのゲームを再現する“目コピー”で大部分が作られていたとか)が相まって,累計出荷本数100万本以上のミリオンセラータイトルになりました。

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 せっかくの世界的ブームなので,高橋名人に「ワンダーボーイ」や「高橋名人の冒険島」に関してのコメントをいただきました。


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  「高橋名人の冒険島」が発売されたのは,1986年のことでした。「スーパーマリオブラザーズ」のようなアクションゲームが欲しいということで制作を開始したのですが,当時の熱狂的なファミコンブームのおかげで,100万本以上が販売されたのは,個人としても嬉しいものです。

 しかし,このゲームシリーズは本来アーケードゲームなわけで,本来の目的は「いかにコインを入れさせるか?」にあったのです。それゆえに難度がメッチャ高く,私自身も「よくこんな難しいゲームが売れたなぁ」と,逆に心配になるほどでした。

 今のゲームは,チュートリアルからして,いかに馴染みよく遊ばせるかというのがメインになっていますので,これらワンダーボーイシリーズのような難度のゲームは,非常に珍しいと思います。それでもなお,このゲームが売れるのだとしたら,もしかして,皆さんはMなんじゃないかと(笑)。

 それは冗談としても,基本的にジャンプするタイミングだけでクリア出来るこのゲームが皆さんに好まれる要因も,分かるような気がします。皆さん,もっともっと応援してあげましょう!
  • 関連タイトル:

    SEGA AGES ワンダーボーイ モンスターランド

  • 関連タイトル:

    WONDER BOY RETURNS

  • 関連タイトル:

    ワンダーボーイ リターンズ リミックス

  • 関連タイトル:

    モンスターボーイ 呪われた王国

  • 関連タイトル:

    Monster Boy And The Cursed Kingdom

  • 関連タイトル:

    WONDER BOY: THE DRAGON’S TRAP

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    WONDER BOY: THE DRAGON’S TRAP

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    WONDER BOY: THE DRAGON’S TRAP

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