プレイレポート
雪と氷の世界で少女が冒険を繰り広げる。スカンジナビアの民間伝承に影響を受けて制作された「Röki」のインプレッションを掲載
スカンジナビアの民間伝承に影響を受けて制作したという本作。主人公の少女・トーブは,家族を救うために雪と氷の世界を舞台に冒険を繰り広げる。巨大だったり,キモカワイイ系だったりするモンスターが登場するものの,暴力表現はないため,誰もが楽しめる内容になるという。
今回のデモは,弟を捜して森に入ったトーブが「トロールのヒルダ」の困り事を解決するまでのショートシナリオを体験することができた。筆者はゲームパッドを使用したが,マウス&キーボードにも対応している。
本作の印象的なポイントを挙げるなら,まずはグラフィックスだ。雪の白,冬の陰鬱な陽光,そして雪の上にぼんやりと映る影。それらが織りなすコントラストが美しい。フォトリアルでなく,絵本風のスタイルであることが,その効果を上げているようだ。
フィールドには城や小屋が建っているものの,まったく人影は見られない。狼や魔物に襲われることもなく,戦闘が起こらないのがかえって不気味に感じる。墓石に死者の名前が刻まれているが,何が起こったのかは分からない……。
すると,謎めいたクリーチャー達がトーブに話しかけてくる。無数の目を持ち,予言者めいた言葉でトーブを戸惑わせる「集団の木」。樽に閉じ込められて腹を空かせた黒猫。そして,今回の焦点となるトロールのヒルダ。敵か味方か,定かではない連中ばかりで,奇妙な存在感を発揮している。
本作のゲームシステムは「ポイント&クリック型アドベンチャー」に近い。画面内に樹木やベッドなどのインタラクションできる場所があり,そこにカーソルを合わせてボタンを押すと「調べる」というわけだ。
ポイント&クリック型アドベンチャーと聞くと難しいイメージがあるかもしれないが,インタラクション可能な場所をハイライト表示にする機能が用意されているため,このジャンルが得意でない人も遊びやすいだろう。
トーブは特殊能力を持っていないので,現実的なアイテムを駆使して謎を解いていくことになる。例えば,鍵のかかった門があれば,カラスの巣から手に入れたヘアピンで開くといった具合。周囲をよく観察して,謎解きに必要なアイテムを集めておくことが,攻略のポイントになりそうだ。
弟を捜すために森の奥へ行きたいトーブ。だが,トロールのヒルダが道をふさいでいた。その肩には剣が刺さっていて,これをどうにかして引き抜かなくては先に進めない。引き抜くと言っても,ヒルダの背は高く,トーブの手は届かない。何とか知恵を絞るしかないが……。
こんなときに役立つのが,2つのアイテムを1つにする「調合」コマンドだ。今回は「ベアトラップ」と「ロープ」を調合して,ロープ付のベアトラップを作成。橋の上からベアトラップの部分を投げて剣をくわえさせたら,あとはロープで引っ張ると見事に剣を引き抜くことに成功した。
そして,トーブとヒルダは共に森の奥へ向かう……といったところでデモは終了となった。
冬の世界を表現した美しいグラフィックスと奇妙なクリーチャーたち。そして暴力表現のない世界で,アイテムを駆使した謎解きが展開する。「Röki」は幅広い年齢層が楽しめるタイトルと言えるだろう。
本作は日本語に対応しており,デモ版も日本語のテキストが表示されていた。なお,海外ではNintendo Switch版の発売が予定されているようだ(発売日未定)。トーブの冒険の結末が気になってきた人は,ウィッシュリストに入れて動向に注目しておこう。
「Röki」公式サイト
「BitSummit Gaiden」公式サイト
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Röki
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