プレイレポート
ゴシックホラーな恐怖と,敵を吹き飛ばすバトルの爽快感。本日発売の「Death end re;Quest2」プレイレポート
本作では,敵をおはじきのように吹き飛ばすバトルの爽快感はそのままに,物語はゴシックホラー的な雰囲気を漂わせるものとなっている。もちろん,少女達が恐ろしい目に遭うバッドエンドも健在だ。そんな本作を一足先に遊んでみたので,序盤のプレイレポートをお届けしよう。
「Death end re;Quest2」公式サイト
妹の行方を探す“まい”を襲う,不可解な事件
夜の外出を禁じられた街で繰り広げられるゴシックホラー
前作では,VRMMORPG「ワールズ・オデッセイ」の世界が現実へと侵食する様が描かれたが,今作では呪われた街「リズ・ショアラ」を舞台に,夜な夜な不可解な事件が巻き起こる。
主人公の東山まいは,幼少時から自分を虐待してきた父親が狂乱して刃物を向けてきた際に抵抗し,不慮の事故によって父親を死亡させてしまう。そして,孤児となった彼女は,リズ・ショアラにある女子寮「ワーズワース」へ送られることに。この寮には彼女のほかにも問題を抱えた少女達が集められており,「エル=ストレイン」なる神への奉仕を通じて,新たな人生を歩もうとしているという。
まいの妹,さなえも同じ女子寮に入れられており,再会できるはずだったのだが,彼女の姿は見当たらず,誰もが口を揃えて「そんな子のことは知らない」と言うばかり。まいは寮母の娘,“ロット”ことロッテン・ドールハートや,悪魔祓い師を目指すリリアナ・ピナータと共に,まいの行方の手がかりを求めてリズ・ショアラを探索していく。
本作のテーマはゴシックホラーサスペンス。舞台となるリズ・ショアラは夜になると呪いに侵食されてモンスターが徘徊し,ワーズワースの寮生が巻き込まれる事件も起きているが,大人達はそんな状況に疑問を持たない……という不気味な街だ。
まいが暮らすワーズワースも,イジメがあったり,寮生同士の揉め事があったりと波瀾万丈。それだけに,まいの妹探しも一筋縄ではいかない。右往左往しているうちに,寮生が1人,また1人と消えていくのだから,なかなかに恐ろしいものがある。ゲーム中の選択を誤るとバッドエンドとなり,祁答院氏による残酷描写が炸裂するお約束なので,苦手な人はあらかじめ注意しておこう。
謎のPCにUSBメモリを差し込むべきか否か。選択を誤ると…… |
さらわれた寮生を助けるために山小屋へ。リリアナが怯える中,即座に突入するかしないかを決めなくてはならないが…… |
ゲームは大まかに「昼」と「夜」の2パートに分かれている。昼は寮での暮らしを描くアドベンチャーパートとなっており,こちらは比較的明るいテイストだ。頑なに心を閉ざし,自分のことしか考えていなかったまいが,天真爛漫なロットと触れあうことで徐々に心を開いていく様子や,アクの強すぎる寮生達との触れあいが描かれる。
一方,夜パートは人っ子一人いない不気味なリズ・ショアラを探索するRPGとなっている。マップを徘徊しているモンスターに触れるとバトルに突入し,不思議な生物(?)「バグゥ」の力を借りて戦うのだ。
前作同様,システム的にはコマンド選択式のターン制バトルで,素早さが高いキャラクターから順に行動可能となる。バトルエリア内は自由に移動でき,巧みな位置取りで後述する「ノックバグ」や「呪い床」を利用するのが重要だ。
1ターンで最大3つのコマンドを実行できる「トライアクトシステム」も前作から引き継いでおり,攻撃しつつ回復したり,敵の目の前でスキルを使いつつガードしたりといった戦い方が可能。特定の組み合わせでスキルを使うと「閃きシステム」が発動し,新たなスキルを覚えられる。閃きシステムのスキルは強力かつ,単にレベルアップしただけでは手に入らないため,いろいろな組み合わせを積極的に試してみるといいだろう。
そんなバトルを,より奥深いものとしているのが「ノックバグ」,つまり吹き飛ばし攻撃だ。3回連続でアタック(通常攻撃)を出すか,特定のスキルで攻撃すると,ノックバグが発動してモンスターが吹き飛ぶ。ほかのモンスターやバトルエリアの外周に当たると追加ダメージが入るため,どの方向へ吹き飛ばすかが重要だ。
吹き飛ばしたモンスターが味方に当たると追撃の「ノックブロウ」が発動し,大ダメージを与えつつ反対方向へ吹き飛ばすことができる。味方の位置取りをうまく調整すれば,おはじきやビリヤードのように次々とノックブロウが決まり,気分爽快だ。
さらにゲームを進めると「スーパーノックバグ」が解禁され,特定のタイミングで○ボタンを押すことで,より強く吹き飛ばせるようになる。うまくいけば,1回の攻撃で複数の敵を一気に片付けることも可能だ。大ダメージでとどめを刺すと「OVER KILL」となり,もらえる経験値がアップ。状況によっては倍近くにもなるので,しっかり狙って,ガッチリ稼いでいきたい。
しかし,そんなノックバグにも苦手な相手がいる。大型の敵は体重が重いのかあまり吹き飛ばず,そういった敵に限ってHPも高いのだ。そこで役に立つのが「呪い床」と,これを使った「グリッジスタイル」である。
バトルエリア内の光っている地面が呪い床で,プレイヤーキャラが踏むと「汚染度」が増加し,それと同時に特殊な効果が発生する。その効果はさまざまで,ダメージを受けるだけでなく,SPの回復やステータスの上昇といったプラスの効果を持つものもある。敵は通常,呪い床の効果を受けないが,ノックバグで敵に踏ませると,その効果がノックバグを行ったキャラクターに還元されるので,うまく利用しよう。
汚染度が80%を越えると,まい達は「グリッジスタイル」に変身。能力が上昇し,必殺技「ワイルドスキル」を使えるようになる。前作と異なり,本作では汚染度が100%を超えても戦闘不能にはならないため,かなり強力だ。汚染度は行動を終えた際に10%減り,80%を割ると変身が解除されてしまうので,自分で呪い床を踏むなどして調整しよう。
そして,汚染度をすべて使って放つのが「ワイルドスキル」だ。攻撃力が非常に高く,まさに必殺技といった感じで,特殊な演出も見どころ。鉈で攻撃し,血しぶきを飛び散らせるまい,倒れたモンスターを踏みつけるロット,大爆発を背にピースするリリアナ……と,3人の魅力を満喫できるので,惜しまず使っていこう。
3人の個性は,フィールド探索においてもしっかりと発揮されている。まいは監視カメラをハッキングして隠し通路を見つけ出し,ロットはバグゥの力を借りて障害物を飛び越え,リリアナは探索中に見つけた「呪い玉」を使って,行く手をふさぐ壁を吹き飛ばせる。こんな風に,先へ進むためには3人が力を合わせることが重要なのだ。
ただし,フィールドをうろついている「黒い影」には要注意。この黒い影は倒すことができず,捕まると即座にゲームオーバーになってしまう。動きは遅く,普通に移動するだけで逃げ切れるのだが,慌てていたり,袋小路にいたりするとそうもいかない。いきなりのゲームオーバーはキツいペナルティだが,それだけにプレイに緊張感をもたらしていると感じられた。
本作はゴシックホラーサスペンスとしての不気味さや怖さと同時に,“濃い”寮生達との触れあいや随所のギャグでほっと一息つける明るさもあり,メリハリの利いた先が気になるシナリオと相まって,ホラー系の話が好きな人なら前作を未プレイでも楽しめるゲームに仕上がっている。
一方で,前作プレイヤーにとっても,前作の主人公である水梨 新が消息不明となり,もう1人の主人公,二ノ宮しいながまい達に力を貸すという展開は見逃せないはず。ワールズ・オデッセイとリズ・ショアラの関係,そしてエル=ストレインなる神がどう物語に絡んでくるのか,気になる人はぜひ本作をプレイして確かめてほしい。
「Death end re;Quest2」公式サイト
- 関連タイトル:
Death end re;Quest2
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