プレイレポート
巨大なモンスターを使役し,一夜で堅固な城塞を築く。大魔法使いになる過程が楽しい「シタデル:永炎の魔法と古の城塞」のプレイレポートをお届け
「シタデル」は,魔力に満ちたオープンワールドで「採集したエッセンスを使って多彩な魔法を操る」「強大なモンスターを倒したり,飼いならす」「一夜にして巨大な城を作りあげる」といった,まさに「魔法使い」らしい遊びを楽しめるサンドボックスタイプのRPGだ。シングルプレイはもちろん,最大40人が参加できるオンラインモードも充実している。
そんな本作を一足早く体験できたので,プレイレポートでゲームの魅力を紹介しよう。
「シタデル:永炎の魔法と古の城塞」公式サイト
武器の種類や属性の組み合わせで生まれる多彩な魔法
ゲームを開始してまず行うのがキャラクターメイキング。性別や顔のタイプ,髪形などを選択してベースを作成し,自分なりのキャラクター像をイメージしながら体型を決めよう。肩幅や胸の厚さ,腕の太さなども細かく調整できるので,例えば「見た目もパワフルな肉体派の魔法使い」なんていうキャラクターも簡単に作成できる。
キャラクターメイクが終わり,拠点選択画面でゲーム開始地点を選択すると,突然,溶岩のプールのような場所に場面が移り,炎に焼かれるプレイヤーキャラクターが出現した。これはどうやら魔法使いになるための儀式のようなものらしい。
初期状態のプレイヤーキャラクターは武器もなく,ほとんど何もできない状態だ。千里の道も一歩から。“魔法使いらしいこと”ができるようになるまでは,レベルを上げ,「知識ポイント」を振り分け,さまざまなスキルを身に付けていく必要がある。
どのように遊ぶかはプレイヤー次第ではあるが,まずはチュートリアルを進めつつ,動物の肉を焼いたり,採取したハーブやキノコでサラダを作ったりして“自給自足”しながら力を蓄えていくのが無難だろう。
初めのうちは開始地点周辺にいる猪にも苦戦し,熊に見つかったときには死を覚悟する必要があるくらいだが,「石の斧」を手に入れてからは猪くらいならラクに相手にできるようになる。さらに,武器を入手したことによって魔法も使えるようになり,できることが増えていく。
魔法は,武器にエンチャント(付与)することで使用できる。ひとつの武器に対し2つまでエンチャントすることが可能だ。魔法は,衝撃,範囲,投射,光線,自己,機能の6種類あり,同じタイプの魔法でも氷雪や火炎といった「属性」の組み合わせ次第で効果が変化する。
さっそく石の斧にアルカナ属性の魔法をエンチャントすると,範囲魔法の「アルカナブラスト」が使えるようになった。石の斧と魔法を併用して攻撃することで,熊を含むほかのモンスターたちとも戦えるようになり,それによってレベルも急上昇していく。ヒット・アンド・アウェイといった戦法もそこそこ有効なので,プレイヤーの技術次第でどうにかなる部分はあるとはいえ,基本的にはレベルとパラメータを上げて戦うという,RPG要素が強いゲームという印象だ。
範囲魔法のアルカナブラストで複数の敵を相手できるようになり,斧を振っていたころに比べ戦いもだいぶ楽になった |
ソロモンのワンドに魔法をエンチャントすると,投射魔法で遠くの敵を攻撃できるようになった。武器は4つまで装備できるので,異なる種類の魔法をエンチャントした武器を用意し,状況に応じて装備を切り替えて戦おう |
プレイするうえで重要になるのが,“いかに魔法を活用するか”。フィールド上の移動や建物建設用の資材集めといった戦闘以外の行動も,魔法の使い方次第で作業効率が大きく変わるのだ。
レベルが10を越えたころには,もはや開始地点周辺のモンスターは脅威ではなくなった。そろそろ周囲を探索し,新たな魔法を使うためのエッセンスを探したり,面白そうな場所を探す頃合いだろう。
オークたちのキャンプやアンデッドが徘徊する不気味な祭壇など,各地には敵の拠点が存在する。細心の注意を払ったうえで新たな土地に踏み入れよう |
ダメ―ジを受ける酸の泉も。危険な場所だが,泉の周辺ではエッセンスが入手しやすいという利点もある |
本作では新しいロケーションにたどり着くと,その土地の名称とともに推奨レベルが表示される。これをしっかり確認しておけば,理不尽にやられることはないはず。
もちろん推奨レベルを無視し,強力なモンスターに見つからないようフィールドを進むというのも1つの遊び方だ。ちょっとした油断が命取りになるという,スリルある探索も楽しもう。
もし敵にやられても,再度その場に行けばアイテムを回収できるが,遠方を探索中に死んだ場合は足を運ぶのも一苦労。そんなときに便利なのがファストトラベルだ。各地にある「見張り塔」の頂上でファストトラベルを有効化すると,長距離を一瞬で移動でき,広大なフィールドを比較的自由に行き来できるようになる。探索中に塔を発見したら,忘れずファストトラベルを有効化しておこう。
知識ポイントを消費し「魔法のホウキ」のレシピを覚えて制作すれば,徒歩では越えられない段差や酸の沼などを簡単に飛び越えられるようになり,探索は格段に楽になる。強敵に追われた場合も,魔法のホウキで地形を飛び越えて逃げれば,簡単に逃げ切ることができるだろう。もっとも,相手が空を飛ぶドラゴンなどの場合は話は別だが……。
大魔法使いとなりモンスターを使役し,
堅固な城塞(シタデル)を築こう
さまざまな魔法が使える偉大な魔法使いとなれば,モンスターを飼いならしたり,一夜にして巨大な城を作りあげるなんてことも可能だ。
まずはモンスターのテイム(飼いならし)について。探索を進めて「光明のエッセンス」を入手すると,モンスターをテイムする魔法「パシファイ」が使えるようになる。テイムしたいモンスターを攻撃して瀕死の状態にし,そのモンスターにパシファイを当て続け,円形で表示されるゲージを溜めることで仲間にできる。
モンスターを飼いならすには,キャラクターのレベルがモンスターのレベルをかなり上回ってなくてはならない。パシファイを当ててもゲージが溜まらない場合は,レベルを上げて出直そう。
仲間にしたモンスターは,連れ歩いて荷物持ちや護衛として役立てたり,「鞍」をセットして騎乗したりできる。強力なモンスターがいる地域に連れて行くと襲われてすぐに死んでしまうので,普段は拠点などで待機させておこう。
ハイレベルの魔法使いになれば,ドラゴンすらも飼いならすことができる。プレイ時間的にも今回はそれにたどり着けなかったが,モンスターやほかのプレイヤーに対して空中からドラゴンブレスを吹きかける……ということもできるようなので,ファンタジー好きにはたまらないものがあるだろう。
本作のタイトル名にもなっている頑丈な城塞(シタデル)を築くためにも,魔法使いとして多くの経験を積む必要がある。木材の拠点なら序盤から作れるが,石製は20レベル以上,大理石製は40レベル以上のレシピを開放しなければならない。
本作の建築用パーツはキューブ状ではなく,円柱や凹凸のある胸壁など,ある程度形が決まった部品となっている。操作方法さえ覚えてしまえば,クラフト系に不慣れな人でも見栄えのいい建物を作りやすいだろう。
試遊用のテストサーバーでは,ほかのプレイヤーが作ったと思われる建物があちこち点在しており,外観を眺めたり留守中におじゃまさせてもらったりした。実際にサービスが始まった際は,人数が限られている今回以上にお宅訪問が楽しめそうだ。
ほかのプレイヤーの建築物に刺激を受けた筆者も,さっそく自身の拠点となる建物を作ってみた。場所は冒険の開始地点の1つであるレインコートにほど近く,ファストトラベル地点もある湖「レイブンアイ」。多くの人が往来するこの土地を,砦の上から旅人や商人に睨みをきかせて監視しする……といったイメージである。
制作時間の都合により内部はまだ未完成だが,防壁を構成する塔のひとつに鍛冶場や作業台などを設置し,魔法使いの拠点としての機能は完備させてみた。資材集めの時間は別として,資材がある程度さえ揃っていればこの規模の建物を小一時間ほどで作れてしまうのだから,いかに建設が簡単なのかご理解いただけるはずだ。
なお本作は,サーバーの設定にもよるがプレイヤー同士の対戦も可能だ。魔法のホウキやドラゴンなどによる空からの攻撃もあるので,今回作ったような城壁では防衛が厳しそう。ただ,難攻不落の城塞を築いて敵対する相手と戦うというのはなかなか熱い。対戦だけではなく,ほかのプレイヤーと一緒に「伝説のモンスター」を倒すといった協力プレイの楽しさもあるので,こちらも注目だ。
本作はオープンワールドの広大な世界の魅力と,魔法を活用して自由に遊ぶサンドボックスの魅力。そしてじっくりと遊べるRPGとしての魅力を備えた,とても「よくばりな」作品だ。簡単には遊び尽くすことができず,何かを試しているうちに,また別の遊びのテーマに気付いてしまうといった「ついつい後を引く」プレイ感がある。年末の慌ただしさが一段落したところで,じっくりと取り組むのにピッタリな作品と言えるだろう。
「シタデル:永炎の魔法と古の城塞」公式サイト
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