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春のプロセカ大会「プロジェクトセカイ Championship 2023 Spring powered by ヴァイスシュヴァルツ」をレポート
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印刷2023/04/14 09:00

イベント

春のプロセカ大会「プロジェクトセカイ Championship 2023 Spring powered by ヴァイスシュヴァルツ」をレポート

 セガとColorful Paletteのリズムゲーム「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」iOS / Android。以下,プロセカ)の公式大会「プロジェクトセカイ Championship 2023 Spring powered by ヴァイスシュヴァルツ」本戦が,2023年4月8日に開催された。

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 今年は例年の1部門のみ,3人1組チーム戦ではなく,「ストリーマー部門」「U-12部門」「クイーン部門」「一般部門」といった計4部門が新設され,いずれも個人戦形式で行われた。

 本戦参加者は,U-12/クイーン部門が計2回,一般部門が計3回のオンライン予選を勝ち残った者たちで,当日は“5名ずつのグループ”に分けられた準決勝からはじまり,各グループ上位2名が決勝へ進出した。
 一般部門だけは4グループ制で,各グループの1位のみが決勝進出という狭き門とあり,戦いが熾烈化していたのも見どころだ。なお,ストリーマー部門は参加者招待制となっていた。

一般部門は誰でも参加可能。U-12部門は12歳以下のプレイヤーのみ。クイーン部門は女性プレイヤーのみ。ストリーマー部門は大会運営の選出による招待枠のみ
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スコアルールはこれまでの大会と同様。ノーツ判定が優れているほど高得点
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今大会の賞金と賞品
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 大会はライブ配信ありの無観客開催で,今回は百花繚乱さん,プロセカのオリジナルユニット「Leo/need」の日野森志歩を演じる中島由貴さんが進行を務めた。実況・解説はもちろん,もはや定番とも言える柴田翔平さん,社築さんのコンビが務めた。

 なお,大会課題曲は各部門ごとにあらかじめ発表されており,各部門の準決勝・決勝ともに,抽選で選ばれた2曲をプレイ順ランダムで挑んでいった。ちなみに,どの部門の課題曲も“1度選ばれた曲は別グループで選出されない”といった仕組みだ。
 これにより,さまざまな楽曲を楽しめたのも今大会の特徴である。

 本稿ではこれら大会模様のほか,各部門優勝者へのインタビューも紹介していく。なにが優勝の決め手になったのか,最後まで注目だ。


プロセカ大会の新たな楽しみとなった
ストリーマー/U-12/クイーンの3部門


■ストリーマー部門


 大会のスタートは「ストリーマー部門」からだ。

 招待された参加者は計10名で,sasakure.UKさん,八王子Pさん,まらしぃさんといったプロセカおなじみのクリエイター陣をはじめ,ビートまりおさん,松丸亮吾さん,DOLCE.さん,アシスタントMCでもある中島由貴さんとさまざま。にじさんじからもエリー・コニファーさん,ドーラさん,そして解説の社築さんといったVTuberの面々が参加した。

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 今大会は部門数も多いので,いずれも決勝戦のみにフォーカスしていくが,ストリーマー部門の決勝にはエリー選手,DOLCE.選手,まらしぃ選手,社選手の4名が進出した。リアル参加が1名で,オンライン参加が3名というユニークな雰囲気も見どころとなった。

 課題曲は「気まぐれメルシィ」と「SnowMix♪」。抽選の結果,1曲目が「SnowMix♪」,2曲目が「気まぐれメルシィ」となった。

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 1曲目「SnowMix♪」では,まらしぃ選手がGREAT判定を出してしまい,わずかに遅れを取る立ち上がりとなったが,350コンボを越えたあたりでDOLCE.選手もGREATを叩き,続けてエリー選手にもGREATが降りかかり,オールパーフェクト(AP)ペースは社選手だけとなった。

 中盤以降,全員がフルコンボをつなぐ状況下,方向指定フリックや細かいノーツもうまくさばいていった社選手がAPを継続させ,周囲よりも一歩リード……していたが終盤,悔しいGREAT判定の餌食に。

 以降,みな安定したプレイで進め,1曲目はGREAT数を最小限に抑えたDOLCE.選手がトップとなり,3ポイント差で社選手が続いた。

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 2曲目「気まぐれメルシィ」は,プレイ次第で誰が優勝するか分からない状況とあり,初戦とは異なる緊張感が漂う。

 開幕そうそう,ミスのイメージを引きずってしまったのかエリー選手が手痛いミスをし,社選手もまたフリックがすり抜けてコンボ切れ。さらにまらしぃ選手までもが惜しくもGREATを計上して,AP継続は1名に。しかし,そのDOLCE.選手は最後までブレることなく完走しきる。

 追従する3名もミスは抑えたが,終わってみればDOLCE.選手がAP達成というすばらしい結果を残し,1曲目・2曲目ともにスコアトップという納得の結果でストリーマー部門の王者に輝いた。

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■U-12部門


 U-12部門は,文字通り“12歳以下のみ参加可能”。出場者らはすべて小学生や,1週間前に中学生になったばかりの選手たちだ。

 モニター越しに見ると,多くの選手たちの顔にあどけなさが見え隠れしていたが,意気込みは全員,気合十分。こうした大舞台が生まれて初めての選手も多かっただろうが,肝心の試合のほうはまったくあどけなさを感じさせないハイレベルな戦いを繰り広げていく。

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 若き激戦を勝ち抜いて決勝に上がったのは,まろやかれおちゃ♪選手,初心者選手,Koma.選手,ふー乱打中選手の4名だ。

 決勝の課題曲は,1曲目が「エゴロック」,2曲目が「バグ」となる。

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 1曲目「エゴロック」では,序盤にふー乱打中選手とKoma.選手が,中盤に初心者選手がGREATを叩き,AP継続のまろやかれおちゃ♪選手を追う流れになる。まろやかれおちゃ♪選手はこのままAP達成なるか,というシーンだったが,最後の最後に縦連打ノーツで痛恨のミス。
 残念ながらAP,フルコンボともに達成ならずとなってしまった。

 結果,APは逃しつつもフルコンボ達成のKoma.選手がトップに躍り出るが,2位との差はわずか1ポイント。油断できない微差だ。

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 2曲目「バグ」では曲開始後,プレッシャーが重しになったか,暫定1位のKoma.選手と,2位のまろやかれおちゃ♪選手がコンボを切らす荒れ模様に。ここで抜け出したい初心者選手もミスを生じさせてしまい,ふー乱打中選手だけが大逆転もあり得る有利をもぎ取る。

 だが,ふー乱打中選手もラストで少し力んでしまったのか,スライドノーツでGREATを出してしまい,惜しくもAP達成を逃してしまう。

 一応,ふー乱打中選手は2曲目で頭一つ抜けられたものの,2曲合計となると大乱戦。そんななかギリギリの1点差で栄冠を勝ち取ったのはKoma.選手だった。わずか1ポイント差が埋まらない。1タップで分かれる明暗。リズムゲームの大会を象徴するような白熱の戦いだった。

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■クイーン部門


 乙女たちのガチバトル,クイーン部門。当の選手らは,十代の選手もいれば,子供を授かったばかりのママさんもいたりと,全部門のなかでも顔ぶれがとくバラエティに富んでいた。

 また,参加者同士は初対面も多かったらしいが,大会をとおしてすぐに仲良くなったとのことで,壇上では互いにライバルでありつつも,プレイ前に激励し合う仕草を見せたり,勝った選手にエールを送ったりなど,とても和やかな雰囲気を醸し出していた。

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 といっても,試合自体は真剣そのもの。大会独特のムード下で,自分の実力をいかに発揮できるかが勝敗を大きく分ける。

 準決勝はほぼ実力伯仲で進んだが,なかでも今大会初の“総合スコア同点時の再試合”の発生により,愛葉選手と零弥#39選手が「徳川カップヌードル禁止令」でサシ勝負をする場面は配信を盛り上げた。

 そうして決勝の舞台に足をかけたのは,ろっちゃん選手,さやか選手,零弥#39選手,あめちゃん選手。課題曲は1曲目「フューチャー・イヴ」,2曲目「星界ちゃんと可不ちゃんのおつかい合騒曲」となった。

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 1曲目「フューチャー・イヴ」は全員がAPペースで駆け出したが,さやか選手だけがミスでやや出遅れてしまう。その後はサビの同時押しとフリック,単発ノーツの混成地帯,大小交互に現れる譜面が押し寄せるなか,どの選手もきっちりとさばき,実力の高さを見せつける。

 けれど「コンボを切りやすい部分」として解説・社築さんが挙げた,バラけた小ノーツの4連トリルにて,ろっちゃん選手とあめちゃん選手がコンボを切らしてしまう。唯一フルコンボを続けていた零弥#39選手も,終盤のフリック抜けであえなくミスを出してしまった。

 4名それぞれに小さなミスがあったが,結果はろっちゃん選手が1位に。しかし,わずか1ポイント差であめちゃん選手が続くため,クイーン部門もワンタップの重みがそのまま優勝につながる状況になる。

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 2曲目「星界ちゃんと可不ちゃんのおつかい合騒曲」では,開幕から難度高めのスライドノーツ,大小ノーツの階段地帯が襲ってくる。
 だが,クイーン候補たちは繊細な指先でノーツを従えていく。ミスなく進行する戦いに,見ている側も力が入ってしまう。

 そして中盤の大ノーツ高速縦連打も全員圧巻のノーミスで抜け,終盤までいってもほぼ差がないように見える状態。なかでもさやか選手が好調で,最後までフルコンボを走りきることに成功した。

 その結果だが,1曲目・2曲目で順位変動はあったものの,総合スコアで2ポイント差をつけたあめちゃん選手が女王の座を射止めた。
 1曲目でつけられた1ポイント差を巻き返しての逆転劇であった。

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■一般部門


 最後は,超人集結と言っても過言ではない一般部門。一般という言葉の意味をあらためて問い直したくなる同部門は,例年のチーム戦でしのぎを削っていたようなトップ選手らが多く出場する個人戦だ。

 その顔ぶれも,前回大会の優勝チームメンバーのシード枠出場,前々回の大会の優勝チームメンバー,さらには“アメリカ・ロス育ちの14歳”といった海外プレイヤーも参加したりと,まさしく魔境。
 これまでの部門とは(選曲難度からして)次元が違う戦いを,これでもかというほど見せつけていった。

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 他部門と違い,準決勝の計4グループのうち,各グループの上位1位だけしか決勝に進めないという厳しいルールのなか,頂点を決めるステージに勝ち上がったメンバーたちが誇らしげに席に座っていく。

 メンバーは,準決勝を2曲ともトップスコアで勝ち上がった月読選手,2曲連続フルコンボで圧勝したロスの若手上級者なtemp選手,「六兆年と一夜物語」フルコンボ達成でエンジンを温めてきたかん選手,対して「初音天地開闢神話」フルコンボ達成で決勝入りしたmatezon選手

 決勝の課題曲は,ラインナップ4曲から抽選で2曲が選ばれ,最後の3曲目は恒例の“当日発表の完全新曲”。これもまたプロセカ大会の楽しみの一つとなったが,未知に挑む選手たちはドキドキだろう。

 そして選ばれたのは「Don't Fight The Music」と「ヤミナベ!!!!」。決勝の課題曲は“難度36〜37のみ”とあり,実況・柴田さんが口にしていたが「新時代の到来を予感させる」大会模様となった。
 いずれの楽曲もクリアすら難しい超高難度だけに,どんなプレイを見せてくれるのか。見ているこちら側の期待は高くなる一方だ。

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 いよいよはじまる,1曲目「Don't Fight The Music」。

 開幕から牙を剥くその難関譜面は,「コンボを切ってください」と言わんばかりのノーツ構成で攻めてくる。決勝の重圧にやられたか,まずはmatezon選手がすぐにミスをしてしまい,中盤の極細ロングノーツを押しきれなかったかん選手もコンボを途切らせてしまう。

 一方,準決勝で2曲連続フルコンボだったtemp選手はAPペース,月読選手もGREATを出しつつのフルコンボ展開で終盤へ。そして,もう少しで楽曲が終わるという場面で,temp選手のプレイがやや乱れる。
 かん選手,matezon選手が中盤から持ち直していたのもあり,誰が優勢かまったくもって分からないまま1曲目が終わる。

 なお,この決勝は“全3曲終了後にスコア発表”となるため,これまでの試合進行のようにプレイスコアや中間順位を見ることができない。これもまたプレッシャーとなり得るが,逆に言うと「周囲を気にしない」と割り切れるため,選手側はメンタルの強さが問われる。

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 続く2曲目「ヤミナベ!!!!」は,指2本では到底さばけない譜面構成に,曲の途中でノーツ速度が強制変化するなど,プロセカプレイヤーならこの曲が“どんなヤバい曲”なのか知っていることだろう。

 だが,選ばれなかったもう一つの難度37曲「What's up? Pop!」とどちらがきても筆舌に尽くしがたかっただろうから,ある意味誤差だろうか。いずれにせよ,今後のプロセカの頂点争いにおいては,エンタメ展開的にもこれら最難関楽曲との対峙は避けられなくなるのだろう。

 プレイ開始直後,すぐにノーツの嵐に襲撃され,matezon選手を皮切りに,temp選手,かん選手もプレイを乱すが,月読選手だけは1000コンボ超のフルコンボペースに。それもミスで切れてしまうが,やや有利な展開だろうか。各選手も立て直しているので誰が優位かはまるで読めない。

 曲終盤は低速変化に高速変化にと,選手よりも譜面のほうが爆走する。けれど,みな超絶プレイでこなしていき,全員が見事フィニッシュ。とくに,中盤から勢いづいたかん選手のプレイは圧巻だった。

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 全員が全員,現在順位が分からぬまま謎の3曲目が発表される。披露された新曲はLast Note.氏の「セツナトリップ」。MASTER難度は33。

 みな初見プレイとなる,この最終局面。ここでは繰り返しプレイで積み重ねてきた練度ではなく,プレイヤーとしての初見対応力が大きなカギを握る。知らない譜面とあって,序盤からミスをしていく選手たちだが,つまずいた譜面のクセを即座に読み解き,曲中に複数回も出てくればすぐさま対応。ミスは目に見えて減っていく。

 とくに判別が難しかったのであろう,アウトロのギターソロからの,左右に振られる大ノーツとその間にまぎれている極小ノーツの地帯,左右方向指定の連続フリック階段には心身を削られたようだが,みな致命的に崩れることはなく華麗にクリア。毎回お決まりのコメントであるが,本当に初見プレイとは思えないクオリティで完走してくれた。

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 最後は,運命の結果発表。3曲それぞれのスコアと合計スコアが同時発表される瞬間とあり,4名と視聴者が固唾を飲んで見守る。

 そして2位と3ポイント差の接戦を制したのは,総計15695ポイントを獲得したかん選手。スコア的にかん選手は,1曲目・2曲目でトップであり,とくに2曲目「ヤミナベ!!!!」で大きくリードを作っていた。
 3曲目「セツナトリップ」で少々崩れるも,既存の最難関楽曲で勝ちきったことが勝因となったようだった。

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 まとめに入ろう。今大会は新設部門と個人戦形式のおかげで,過去大会とはまた違った趣旨で観戦を楽しむことができた。

 参加選手の顔ぶれも年齢性差問わずさまざまで,4部門それぞれの色もあり,プロセカプレイヤーの幅広さをあらためて実感させられた。
 そして今回も,熱のこもったプレイヤー目線の実況・解説,柴田さん&社さんが配信を大いに盛り上げてくれたのは間違いない。

 前例にならうなら,秋には次回大会があるだろうが,次もまた個人戦になるのか。それともチーム戦に戻るのか。そもそもほかの部門はどうなるのか。気になることは目白押しだが,春の部門別大会は新たな発見も多く,ファンとしてはぜひ続けてほしいと思った次第である。

 以降,本稿では“各部門の優勝者インタビュー”をお届けする。


DOLCE.選手(ストリーマー部門優勝)


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4Gamer:
 音ゲー界隈でよく知られるDOLCE.選手ですが,ストリーマー部門ということで,まずは普段の活動についてあらためて教えてください。

DOLCE.選手::
 音楽ゲームをメインに配信活動などをしている,DOLCE.(ドルチェ)です。今回は運営さんにお声がけいただき出場させていただきました。

4Gamer:
 先ほど優勝した感想はいかがでしょう。

DOLCE.選手::
 大会初のストリーマー部門,その記念すべき初代チャンピオンになれたことが,まずはとにかく喜ばしいです。
 ステージ上で戦った皆さんは,僕が普段モニター越しで見ているような,尊敬している方々ばかりでしたので,一緒にプレイできたのがすごくうれしいです。だから少し思っちゃいますよね,「自分なんかがここにいていいの……?」みたいな(笑)。

4Gamer:
 その話の流れだと,ストリーマー部門の決勝は「DOLCE.選手以外,みんなオンライン参加」で,リアルな身体が見えない相手でしたね。
 今どきらしい,SF感のある絵面がユニークでした。

DOLCE.選手::
 ストリーマー部門だからこそ生まれた光景でしたね(笑)。生身同士もそれはそれで燃えますが,僕だけがリアル出場だったから「なんだか燃えるぞ!」と思えたのも勝利の一因かもしれません。
 2年前に出演させていただいた,セカフェスのスペシャルチームマッチでは,背後から音圧がドーン! 正面から歓声がワー! という板挟みにあい,頭が真っ白になっていたので(笑)。
 今回は力を発揮できてよかったです。

4Gamer:
 そのうえで,優勝の決め手はなんでしたか。

DOLCE.選手::
 課題曲の練習を重ねたことももちろんですが,これまでさまざまな大会に出場し,場数を踏んできたことが最大の勝因かもしれません。
 大会では,端末に普段付けていないケーブルをつなげたり,イヤホン有りでプレイしたりと感覚が異なるので,大会環境も想定したうえで「勝つために本気で対策しよう!」と準備をしてきましたし,出るからには実力を出し切って終わりたい,対戦相手の方々にも観客の方々にも失礼のないようなプレイをしたいという気持ちも強く持っていました。

4Gamer:
 正直,ストリーマー部門という語感でイメージされる,にぎやかしのお祭り試合のような雰囲気はいっさいなかったですよね。みな本気で努力を重ねてきた,それが目に見える人たちばかりの決戦でした。

DOLCE.選手::
 本当にそうだと思います! ストリーマーという言葉だけだと,もしかしたら「キャラクターやストーリーを楽しんでる配信者」といったイメージを持たれる方々もいるかもしれませんが,みんな大会に向けてがんばってきたのが分かる,努力をされてきた人たちばかりでしたよね。
 そうした上手な方々たちが集まったからこそ,ストリーマー部門がお祭り感覚ではなく,“大会として”の盛り上がりにつながったのではないかと。終わったばかりの今ですが,しみじみ思っています。

4Gamer:
 それでは最後,ストリーマーとしての一言をお願いします。

DOLCE.選手::
 僕はこれまで,自分のことをストリーマーと自称したことがなかったので,今回は「音ゲーマーとして積み重ねてきた本気のプレイ」を見せたいと思い,がんばってきました。
 大会中,ものすごく難しい楽曲や譜面を見て,なかには物怖じしてしまった方々もいるかもしれませんが,プロセカ自体,キャラクターもストーリーもたくさんの魅力が詰まったゲームです。
 音ゲーの高難度に挑戦せずとも楽しみ方はいっぱいありますので,ぜひ自分なりの遊び方を見つけてみてください!


Koma.選手(U12部門優勝)


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4Gamer:
 最初に,今はおいくつですか?

Koma.選手:
 12歳です。春に中学1年生になったばかりで,ちょうど登校しはじめました。制服がまだちょっとデカいです。

4Gamer:
 最初にデカい制服を買っておき,あとは成長に委ねる,ご家庭のライフハックですね(笑)。さて,U12部門を優勝した心境はどうでしょう。

Koma.選手:
 めっちゃうれしいです。プロセカは長いことやっているので。

4Gamer:
 プロセカをはじめたきっかけというのは。

Koma.選手:
 インターネットで「ボカロの音ゲーがリリースされる」と知って,もともと音ゲーマーだったので,やってみたいとはじめました。

4Gamer:
 となると,音ゲー自体はもっと前から?

Koma.選手:
 小学生になる前からやってました。たしか「太鼓の達人」が初めてです。ゲーム自体はたまに,友だちとFPSとかしながら通話してます。

4Gamer:
 ボーカロイド曲の知識も,プロセカ以前からあったんですね。

Koma.選手:
 何年前かは覚えてないんですけど,だいぶ前から聴いていました。けっこう速いテンポの曲や,中ぐらいの速さの曲が聴き心地いいです。

4Gamer:
 プロセカは,周囲の友人と一緒にやったりしていますか。

Koma.選手:
 たまにやります。

4Gamer:
 腕前的にはダントツ?

Koma.選手:
 超ダントツです。この大会のことも,聞いたときにすぐに出たいと思いましたし,けっこう自信もありました。

4Gamer:
 それでは,今回優勝した決め手はなんでしたか。

Koma.選手:
 ずっと音ゲーをやってきたのもそうですが,曲をしっかりと聴いて練習をしてきたから,優勝できたんだと思います。お母さんとかにたまに怒られるくらい長時間やったりしてきました。

4Gamer:
 中学校がはじまってから,まだ1週間ほどだと思いますが。この優勝が周りの人たちに知られたらヒーローですかね。

Koma.選手:
 プロセカは有名なので,褒められたらちょっとうれしいです。

4Gamer:
 来週の月曜に期待ですね。ちなみにKoma.選手は,今年でU12部門は最後になりそうですが,一般部門への挑戦の意思はありますか。

Koma.選手:
 一般部門は,僕よりももっと上手い人たちばかりなので,それくらいの実力になったら出たいです。

4Gamer:
 腕前の壁は自覚できるくらいがあると?

Koma.選手:
 ちょっとあります。でも,できるようになったら挑戦したいです。

4Gamer:
 分かりました。最後に,優勝した今の気持ちを伝えたい人は?

Koma.選手:
 プロセカをやってる,オフラインの友だちです。


あめちゃん選手(クイーン部門優勝)


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4Gamer:
 あめちゃん選手は名前的に,ゲーム中も飴をなめていたり?

あめちゃん選手:
 けっこうなめてます(笑)。

4Gamer:
 なるほど。それではまず,優勝した今の心境はどうですか。

あめちゃん選手:
 事前に発表されていた大会課題曲が苦手なものばかりでしたが,それを克服するためにたくさん練習して,その成果が本番でAPやフルコンといった記録につながったので,今はただただうれしいです。

4Gamer:
 優勝の決め手は,やはり練習だったと?

あめちゃん選手:
 そうですね。でも,本来ならAPを取れる得意楽曲でミスしてしまったりしたので,まだまだ足りないなって感じています。課題も多いので,もし次の大会があるのなら,そこを正していければと思います。
 プレッシャーに関しても,決勝戦では感じていなかったんですけどね。準決勝のときが大変でした。とくに1曲目の「君色マリンスノウ」では手が震えてしまっていたので,抑えるのに苦労しました。

4Gamer:
 さて,クイーン部門では皆さん仲睦まじい空気でしたが,私の観点だと……U12部門と同じくらい存じていないのですが。プロセカにもやはり“ガチ音ゲーマー女子層”といった界隈があるのでしょうか。

あめちゃん選手:
 ありますよー。プロセカファンのなかでは,絶対数はたぶん圧倒的に少ないんですが,プレイ中心でがんばっているという女性ガチ層はいて,自然と集まっていった結果,コミュニティも固まってきています。
 QAP(5人ライブをプレイし,5人全員でAPを取る遊び)に一緒にチャレンジしたりで,そこから広がっていったりって感じです。
 一緒に遊びにいくような友人もけっこういますね。

4Gamer:
 今回のクイーン部門の参加者も,その仲間たちで?
 お子さん連れのお母さまなど,バラエティ豊かでしたが。

あめちゃん選手:
 そうですねー。プロセカは若年層で人気が高いので,周りも十代の子が多いのですが,今大会のクイーン部門は知っている限り,一番下が13歳,一番上が26歳? までいたって聞いています。

4Gamer:
 ちなみに,あめちゃん選手がプロセカをはじめたきっかけは。

あめちゃん選手:
 うーん,私はアーケードで「CHUNITHM」とかをちょこちょこ遊んでいましたが,スマホ向けの音楽ゲームはやったことがなかったので,「ちょっとやってみよう」くらいではじめたのがきっかけでした。
 ですからプレイ歴も2年ちょっとくらいで,ボーカロイド楽曲もあまり知らなかったので,プロセカを通じて知った流れです。

4Gamer:
 そのうえで,プロセカのどこに引かれたんでしょう。

あめちゃん選手:
 最初はただただ楽しんで遊んでいただけなんですが,難度MASTERの楽曲でAPを取るともらえる称号「真・皆伝」っていうのがありまして。
 それを「いいなあ」と憧れていて,ちょっとずつ進めていたところ,気付けば上達していて,ここまでこられたって感じです。

4Gamer:
 APとなると遠い夢の話になりますが,1曲ずつフルコンマークを付けていく作業とかって,楽しいですもんね。

あめちゃん選手:
 ですよね(笑)。

4Gamer:
 コミュニティもにぎにぎしく,音ゲーもまだまだ楽しめそうで,先ほどは大会まで優勝。よきプロセカ人生って感じでしょうか。

あめちゃん選手:
 今が絶好調です! まあ,大学では就活中ですが……(笑)。

4Gamer:
 ちなみに,このあと皆さんでご飯に行ったりも?

あめちゃん選手:
 みんなでご飯食べにいきまーす。
(控え室周辺はしばらく,黄色い声でにぎやかだった)


かん選手(一般部門優勝)


画像集 No.060のサムネイル画像 / 春のプロセカ大会「プロジェクトセカイ Championship 2023 Spring powered by ヴァイスシュヴァルツ」をレポート

4Gamer:
 優勝したばかりの今のお気持ち,いかがでしょう。

かん選手:
 単的に言って,本当にうれしくて仕方ないです。もうこれ以上うれしいことがあるのかってくらい,多幸感に満ちあふれています。

4Gamer:
 かん選手はちょうど1年前,チーム「力」での優勝経験がありますが,今回は個人戦とあり,なにか違いは感じましたか。

かん選手:
 1年前のチーム戦は3人で挑んで,優勝のうれしさも3人分でしたが,ものすごく単純な話,「チーム戦は個人戦の3倍優勝しやすい」と思っていました。というのも僕は前回,チームメイトが上手だったから勝てたという思いが強いので,いつか個人としての力量を試してみたいと思っていて……そんな気持ちから優勝できたので,なおさらうれしいです。

4Gamer:
 単純計算の話だと,個人戦はチーム戦の3倍分の対策や重圧があるものかと思いますが,勝利の決め手はなんでしたか。

かん選手:
 とりあえず一貫して言えることがあります。音楽ゲームは通常,一つ一つのミスを「次のプレイでなくしていこう」と考えて,挑戦の繰り返しでステップアップしていきますが,大会は別の話なんです。
 本番には「もう一度」がないので,ミスしてしまっても「気にしない」のがすごく大事です。本来なら,上達するためにミスをちゃんと振り返ることが必要でも,大会の場では気にしない。“もう過ぎたことだから”とメンタルを保ち,常に先のことだけを考える。それを大事にしましたし,それが僕の優勝の秘訣だったんじゃないかなと思います。

4Gamer:
 日常生活でも参考にしたい秘訣ですね。ちなみに,今回の決勝戦は課題曲の難度がハンパなかったですが,どうでしたか。

かん選手:
 1曲ずつ話させてもらうと,最初の「Don't Fight The Music」はかなり得意なほうなので自信がありました。でも2曲目「ヤミナベ!!!!」はシンプルに難しすぎます。それでも,ほかの選手たちと比べて,まだ得意なほうかもと思っていたので,この2曲でできるだけ差をつけておこうという作戦を最初から考えていました。
 けれど,3曲目「セツナトリップ」ですよね。僕以外の選手は過去の大会から見て,初見プレイにとても長けているのが分かっていました。とくにmatezon選手は,それで前回大会の優勝を決めたくらいですし。
 その反面,僕の初見プレイは能力的に劣るだろうと自覚していたので,最後の曲中も,たとえミスしてしまっても振り返らず,目の前のことに集中して,先のことだけを考えるよう徹底しました。

4Gamer:
 かん選手は今回,オンライン予選では“繰り上がり出場”だったという背景でした。ここに至るまでの心境も,ほかの選手たちと比べるといろいろあったんじゃないかと思いますが,いかがですか。

かん選手:
 ありましたありました。本戦に繰り上がり出場という時点でやっぱり,「周囲の選手たちよりもスタートラインで一歩遅れている」というネガティブな考えになってしまっていました。単純に考えて,僕は一般部門において予選最下位の選手になるわけですし。
 過去にチームで優勝したことがあるとはいえ,それでもほかの選手たちのほうが上手なのは明白でした。なので,より一層,練習しなきゃなと。その気持ちを強く持って,結果的にバネにできたのが,今振り返ると,今回の勝因につながっていたのかもしれません。

4Gamer:
 なによりです。そのほか今回はストリーマーに,12歳以下に,クイーンにと3部門が新設されましたが,それらは見ていましたか。

かん選手:
 見ました。僕は音楽ゲームが大好きなので,自分が12歳以下のときにU12部門があったら,大会に出ていたと思いますね(笑)。
 それにストリーマー部門もクイーン部門も見ているだけで面白い大会の様子でしたので,これからもああいう部門があればいいですよね。

4Gamer:
 では,次の大会がまた個人戦になるか,チーム戦になるかは発表されていませんが。どちらでもまた参加と優勝を目指しますか。

かん選手:
 プロセカって,プレイヤー称号を3つ付けられるじゃないですか。

4Gamer:
 ?? ですね。

かん選手:
 それで僕,前回のチーム優勝と,このあといただけるはずの個人優勝とで,大会の特別称号が2つになるんですよね。
 そうなったらもう,あと1個ほしくないですか?

4Gamer:
 ああ,すごく分かりやすい目標で(笑)。

かん選手:
 そうなんです。なので,3つ目を絶対取りたいと思います(笑)。

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