プレイレポート
[G-Star 2019]サイバーで終末な「Project RTD」。NGEL GAMESの3大プロジェクト第1弾は“6人対戦タワーディフェンス”だ
その第1弾となるのは,本稿で紹介していく新作ゲーム「Project RTD」である。PCとスマートフォンの両方に対応し,現地ではPC環境でプレイできた。
同社は日本国内において,スマホゲーム「ロードオブダイス」の運営元として知られている。韓国においても,2019年1月に配信を開始したスマホゲーム「ヒーローカンターレ(Hero Cantare with NAVER WEBTOON)」が好スタートをきったと,以前4Gamerでも取り上げた。
手前味噌を続けるなら,昨年のG-Star 2018で掲載した“Guild Warsの元世界チャンピオン”である,同社CEOへのインタビュー記事のことを覚えてくれている人もいるかもしれない。
そんな同社が送り出すProject RTDだが,会期直前に公開された公式サイトならびに公式PVに目をとおしたところ,どうもポストアポカリプスチックなサイバー世界を舞台に,プレイヤーはリアルタイムトーナメントバトルを繰り広げる……といった内容になるらしい。
本稿では以下,現地で実際に試遊してみての感想をお届けする。
端的に言って,本作の内容は「6人まで参加できるタワーディフェンス型の対戦ゲーム」となる。
プレイヤーはそれぞれ,正方形の専用フィールドの中に手持ちのユニットを配置し,四方八方から押し寄せる大量の敵ユニットを迎撃して,そこで稼いだゴールドなどでユニットを強化しながら,(試遊版では)最大25ラウンド+5ラウンドごとのボスステージをとおして,参加者同士のスコア(あるいは脱落など)を競い合う。
肝心の手持ちのユニットは“対戦ごとにランダムで獲得”し,育成などの概念は現状,存在しないという。
通じる人に向けて既存のゲームジャンルで説明するのなら,フェアスタートをきって勝敗を決するMOBA系,もしくはランダム性に晒されながら戦略を練るAuto Chess系の概念を落とし込んだ作品である。つまり,タワーディフェンスを競技的な対戦ゲームに仕立てたのが本作なのだ。
駆け引きの焦点については読みきれなかったものの(追って掲載予定のインタビューで紐解きたいと思う),ランダム配布のユニットをどう強化し,どこに配置するのかは,当然ながらキモになると思えた。
ユニットには近接タイプや遠距離タイプがいたり,スキルや特性の違いが存在していたりと,次のラウンドに応じた配置が求められる。プレイ感覚的には「タワーディフェンスの最適化競争」とも言えそうだ。
また,フィールドカメラの視点は東西南北を自由に切り替えられるようだった。初見時は「急に画面の向きが切り替わってよく分からない」と混乱したが,敵主力ユニットが現れる方向を常時北向きにするなどして,プレイアビリティを確保するのだろう。実際,手練そうなスタッフの画面を見ていると,ラウンドによって細かく画面を切り替えていた。
一方で,操作は若干大変そうに見える。出展バージョンは現地スタッフいわく「完成度20%くらいです」とのことで,操作もキーボードとマウスを駆使するし,対戦ゲームとしてのレスポンスを確保するためだろうか,ラウンド間のインターバルも短いしと,このあたりの最適化は「どの層にまで波及できるか」を考えたとき,最大の課題となりそうだ。
なお,協力プレイについては現在検討中だと聞いた。夢が広がりがちなのはゲーム開発の常だが,できれば「あってほしい」と思う。
世界観についてはメインビジュアルが表しているとおり,人やそうではない者が混在している。ストーリー的には3つの種族が存在し,それぞれの陣営が対立しているという。現地スタッフが的確に表現してくれたのでそれに倣うが,どうも“StarCraftっぽい”らしい。
とくに,Live2Dチックにうねうね動く人外側のデザインは,生ものっぽく,かつ艶めかしく,妙に印象的だ。個人的嗜好のせいであったら恐縮だが,人外クリーチャー好きはそれだけで目にしてほしいものである。
本作は現在,韓国にて事前登録がスタートしている。ストアに並ぶ日が来るのはまだまだ先になりそうだし,そもそも本作が日本で配信されるのか否かも分からないのだが……一方的に期待するぶんには問題ないだろう。
本作をはじめ,同社の3大プロジェクトタイトルの開発および配信は順不同とのこと。なので,追って紹介する第2弾,第3弾が先に提供される可能性もある。ついでに先出しするが,上記タイトルはすべて“対戦にフィーチャーしたもの”だ。いろいろなゲームシステムを,旬のジャンルと組み合わせているものばかりなので,おそらく興味深いはずである。
韓国版「Project RTD」公式サイト
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