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「ストV」ラストシーズン優勝は“Good 8 Squad”。「SFL:Pro-JP 2022 グランドファイナル」イベントレポート&優勝チームインタビュー
本大会は2022年9月より行なわれてきた,ストリートファイターリーグ(SFL):Pro-JP 2022を締めくくる決勝大会だ。会場となったTFTホールには,リーグ戦を1位通過したGood 8 Squad(以下,G8S),プレイオフを突破してきたSaishunkan Sol 熊本(以下,SS熊本),名古屋OJA BODY STAR Mildom(以下,OJA)のメンバーが集結し,SFL王者の座を目指して戦った。各チームの選手は以下の通り。
■ストリートファイターリーグ:Pro-JP 2022 グランドファイナル 出場選手
※()内は当日の使用キャラクター
●Good 8 Squad(リーグ本節1位)
・ガチくん選手(ラシード)
・ぷげら選手(バイソン)
・カワノ選手(ルーク)
・どぐら選手(ベガ)
●Saishunkan Sol 熊本(リーグ本節3位。プレイオフ1位通過)
・ネモ選手(ユリアン,ギル)
・ひぐち選手(ガイル)
・Shuto選手(ユリアン)
・YHC-餅選手(ダルシム)
●名古屋OJA BODY STAR Mildom(リーグ本節2位。プレイオフ2位通過)
・あきら選手(キャミイ)
・ウメハラ選手(ガイル)
・ふ〜ど選手(ポイズン)
・ナリ君選手(※試合出場なし)
リーグ本節1位で通過したG8Sへの挑戦権をかけて行われた準決勝,SS熊本vs.OJAは,不利キャラまたはプレイヤーを被せられてしまうアウェイ側のOJAが先行するというまさかの展開となった。先鋒のウメハラ選手がYHC-餅選手を,中堅のあきら選手がネモ選手を立て続けに倒すと,大将のふ〜ど選手もShuto選手に粘り勝ち。1巡目の3戦を全勝で終わらせると,OJAはホーム側に回った2巡目の1戦目も,ギルからユリアンに使用キャラクターを変えたネモ選手に対し,ふ〜ど選手が勝利を収め,4試合で50ポイントの差をつけることに成功する。
圧倒的不利な状況に陥ったSS熊本だったが,2巡目の中堅戦でひぐち選手があきら選手の操るガン攻めキャミイをいなしてチーム初勝利を挙げると,2巡目大将戦,3巡目先鋒戦に出てきたウメハラ選手をShuto選手,YHC-餅選手が続けざまに撃破。チームポイントを40対50の10ポイント差まで詰めると,3巡目の大将戦,勝ち抜けに必要な70ポイント目がかかった最終試合(4巡目先鋒戦)をShuto選手が連勝して決着。SS熊本を決勝の舞台へと導いた。
決勝戦となったG8Svs.SS熊本の初戦は,アウェイであるYHC-餅選手のダルシムに対して,有利キャラのラシードを被せたガチくん選手が敗北する展開に。しかし中堅戦で出たぷげら選手がひぐち選手を危なげなく倒すと,大将戦のカワノ選手はグランドファイナルのために仕上げてきたルークを投入し,準決勝から勢いに乗るShuto選手の気勢を削ぐようなキャラ対策&人対策を見せて勝利。G8Sが30-10と,ポイントを先行する形を作り出す。
2巡目の先鋒戦はG8Sのどぐら選手が,中堅戦はSS熊本のひぐち選手が勝利を収め,一進一退の攻防が続いたが,勝てば20ポイントが得られる大将戦をぷげら選手がShuto選手との接戦の末にモノにして,G8Sが合計60ポイントを獲得。優勝へリーチをかける。
3巡目,後がなくなったうえにアウェイ側に回ってしまったSS熊本は,先鋒ひぐち選手,中堅ネモ選手,大将Shuto選手というオーダーを提出。先鋒戦は被せで出てきたどぐら選手のベガを,ひぐち選手のガイルが冷静な対処を見せて封殺し,逆転優勝への望みをつなぐ。
続く中堅戦もネモ選手の操るユリアンがShuto選手とは違った立ち回りでぷげら選手を苦しめるも,最後は地上戦で終始優位に立っていたぷげら選手が勝利し,優勝を決めた。前年度のSFLでは優勝へ王手をかけながら逆転負けしてしまったG8Sだったが,ストVのラストシーズンで雪辱を果たし,日本王座を戴冠。2023年2月に行われるワールドチャンピオンシップへの出場権を獲得した。
なお,今大会の模様は1月28日にYouTube,Twitchで無料公開が予定されている。試合の内容を確認したい人は,そちらもチェックしてみてほしい。
SFL:Pro-JP 2022優勝チーム,Good 8 Squad囲みインタビュー
――優勝おめでとうございます。最高の結果でSFLを終えられた今の気持ちを聞かせてください。
ガチくん選手:
やっぱりうれしいです。かなり練習しましたし,とくにどぐらさんには付き合ってもらった時間が長かったので,本当にご苦労さまでした。ただ,ワールドチャンピオンシップもあるので,もうちょっとだけがんばりましょうと。でも,まずはのんびりしたいですね。
カワノ選手:
超うれしいです。そしてようやく一息つけるっていう気持ちです。今回は努力が報われた形で終えられたので,ひとまずは良しとしたいですね。
ぷげら選手:
今回は去年より,みんながんばったと思います。それは練習量だけじゃなくて,ガチくんとカワノから今回は勝つんだという気概を感じていました。自分も近い状態だったと思うんですが,そのテンションにどぐらさんも合わせてくれて,4人がそれぞれ信頼しあい,試合でも活躍できたのがよかったです。ぼくは昔からチーム戦があまり得意ではなく,個人戦が好きなんですが,SFLだけは別で,チーム戦っていいものだなと思いました。
どぐら選手:
正直なことを言うと,ぼく自身は「ストリートファイターV」にほとんど執着はなかったんですが,ドラフトでグッパチ(Good 8 Squad)に加入したら3人のやる気が本当にすごくて,「こいつらを勝たせてやりたい!」と強く思ったんです。どれだけ手伝えたかは分かりませんが,優勝できたことがうれしいです。個人としても優勝という結果を残せたのが久しぶりだったので,感慨深いものがありました。
――SFLの選手に話を聞くと,「練習がつらかった」という話が多くなりがちなんですが,逆にSFLに参加してよかった,楽しかったと思えたことがあれば聞かせてください。
どぐら選手:
SFLから格闘ゲームの大会や配信番組に触れる人がすごく多いと聞くので,そういった層にリーチできたのはよかったですね。カプコンプロツアーのように海外を行脚する大会よりも,体の負担が少ないのもいい点です。あとは単純にSFL自体がすごくいい大会だと思うんですよ。結果として優勝もできましたし,今シーズンに関しては言うことなしです。
ぷげら選手:
年々見てくれる人も増えていますし,今シーズンはキャラバンイベントもあって,直接ファンの方から応援の声を聞く機会が増えました。もともとゲームセンターでただ格闘ゲームを遊んでいただけなので,ファンがいるって言われても実感を掴みづらかったんですが,直接声を掛けていただけて本当にうれしかったですね。応援があると,大会で勝った時の喜びもひとしおです。
カワノ選手:
実はうれしかったことも楽しかったこともそんなになくて……。
どぐら選手:
暗いな(笑)。
ガチくん選手:
そんなにつらかったんや。
カワノ選手:
つらかったですね。強いて言えば……自分が上手くなっていく感覚はうれしかったですね。ルークを使いたての時って,みんなルーク戦の対策を立てているので,誰と対戦しても勝てない状態だったんです。そこから少しずつ勝てるようになっていったのは楽しかったです。
ガチくん選手:
いまのカワノはこういうテンションですけど,今日ルークで勝った時はすごく喜んでましたからね。優勝できたのもうれしいんですが,喜ぶカワノを見れたのが本当によかった。はしゃぎ方がすごかったです。
――EVOを優勝したときよりもはしゃいでましたよね。
カワノ選手:
(笑)。
ガチくん選手:
ふだんそんなに感情を表に出さないので,それを見れてよかったとぷげ(ぷげら選手)とさっき話していました。
――グランドファイナルは久々のオフラインかつ有観客での試合になりましたが,試合に臨む際の心境やプレイへの影響はありましたか。
ガチくん選手:
ぼくやどぐらさん,ぷげはカプコンプロツアーで慣れてましたし,経験が少ないカワノも今日に関しては会場の雰囲気に?まれてた感じは全然なかったですね。応援が直接聞こえるので,すごくうれしかったです。
カワノ選手:
ふだんと変わらずにできたと思います。ひとつ面白いなと思ったのは,コンボをミスると後ろからため息が聞こえてくることですね。
ぷげら選手:
試合が始まると周りの音が聞こえなくなるタイプなので対戦への影響はないんですけど,試合の合間に目に入ってくる光景はいいものだと思いました。観客がいるということはうれしい,いいものだなぁと。
どぐら選手:
懐かしい気持ちになりました。ぼくらがゲーセン時代に出ていた全国大会がまさにこんな感じだったので。しかも今日は闘劇の会場だった有明が近くて,「おおっ」って思っていました(笑)。やっと有観客の大会が帰ってきたなという感じですね。今後も開催していただけると個人的にはうれしいです。
――グランドファイナルではカワノ選手のルークが隠し玉のような形で機能しましたが,シーズンを通して見ると,Good 8 Squadのみなさんは使用キャラクターを固定して戦っていたように思います。それぞれ持ちキャラに思い入れみたいなものは感じているのでしょうか。
ガチくん選手:
周りのプロと比べると,ぼくはラシード1キャラでやり続けていたプレイヤーだと思うんですけど,性能に恵まれてきたキャラであるという前提はあります。さすがに7年も使い続けているので,アドリブを引き出せることも多くなってきて,職人感は出せているのかなと。プロになれたきっかけのキャラでもあるので思い入れはありますね。感謝しています。
ぷげら選手:
キャラへの思い入れは強かったですね。バイソンは見た目が好きで使いたかったキャラだったんですけど,勝つには厳しいシーズンが多くて,セスやポイズンを併用していました。ただ,どのキャラもMAXを引き出せている感じがしなくて,前回のSFLの時期なんかは,けっこう苛立っていたんですよね。それで今年は頭からバイソン1キャラを詰めようと,覚悟を持って挑んだらいい結果も出せたので,思い入れは深まりました。
どぐら選手:
ベガへの思い入れはふつうって感じですね。ストVの初期は勝つには厳しい性能だったので,ネカリを使っていて,次にユリアンを触っていたんですが飽きてしまったんです。それからまたベガを使い続けているんですが,よくよく考えると「ストリートファイター4」からだと15年ぐらいの付き合いなんですよね。ただ,これまで全国大会クラスの大きな大会で優勝したことはなかった。今回が15年目の優勝と思うと,ちょっと感慨深いものがありますね。
カワノ選手:
キャラ愛みたいなのは,正直ないですね。コーリンも新キャラとして登場した時に触ったから,そのまま使い続けていただけですし。格闘ゲームを始めてメインキャラを変えたことがなかったので,今回のルークに移行できたことが,スト6に向けてのいい経験になるのかなと思っています。
――ちなみにスト6で使うキャラクターは決めていたりしますか。
どぐら選手:
マリーザを使いたいですね。強そうな新キャラを使いたいです。
ぷげら選手:
いま発表されているキャラの中だとジュリですね。見た目で好きになれないと気合が入らないので。ただバイソンみたいなビビビッてくる感じのキャラはいないので,「バイソン求む」って感じです。
カワノ選手:
魂キャラのルークで。
一同:
(笑)。
――ガチくん選手はどうでしょうか。
ガチくん選手:
いまの段階だとJPがカッコいいなと思っているんですけど,まだ決められてないですね。「このキャラで強かったら目立てるかな」ってキャラを見つけたいです。ラシードがそうだったので。
――2月のワールドチャンピオンシップ&カプコンカップに向けてはどのように調整をしていく予定でしょうか。日本のSFLと違って対戦相手の情報が少ないので,キャラ対策,人対策が難しくなるように思うのですが。
ガチくん選手:
全体レベルの話になりますが,今回の大会が一番高くて,個人戦のカプコンカップはSFLほどやりこまなくても,ある程度大丈夫な気はしています。ゲーム自体はもちろん触りますが,練習はとりあえずいったんお休みで。よきタイミングで再開します。
カワノ選手:
ぼくはひと休みしたらそのままやらなくなってしまうんですよ。だからいろいろと悩んでいるところです。
ぷげら選手:
この1年は大会に合わせてやり込む必要がないぐらい練習してきているので,2月までは変わらずふつうに練習する感じです。これまで通りでいきます。
どぐら選手:
チームメイトに「どぐらさんそろそろ……」って言われるまでやりません! たぶん。でも言われたらやることはやりますという感じです。
――次回のSFLはスト6で行われることが発表されました。スト6でもSFLの参加をはじめ,プロプレイヤーとして活動していく予定でしょうか。
ガチくん選手:
もちろん継続していくつもりですが,ゲームが新しくなって新しい選手も多く入ってくると思うので,その勢いに負けんようにしたいですね。この業界でまだまだやりたいことがたくさんあるので。
カワノ選手:
基本続けるとは思うんですけど,ほかに本当にやりたいことができたらそっちにいくかもしれません。
ぷげら選手:
ぼくは本当にやりたいことが格ゲーなので,どういう移行の仕方であっても続けていきたいなと思っています。
どぐら選手:
打算的なことを言いますと,スト6初年度のSFLはすごく盛り上がると思うので,そこには絶対いたいです(笑)。正直プロゲーマーは勝てなくなったら辞め時かなと思っているので,「もう勝てへんな,厳しいな」って思うまでは選手を続けます。
――本日はありがとうございました。
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