プレイレポート
「Winning Post 9 2020」の最新ビルドをプレイ。子孫継承システムで,さらにエモーショナルな展開が楽しめる
本作は,牧場主となって競走馬を生産しつつ,日本そして世界の競馬界を制覇するという遠大な夢に挑む「Winning Post」シリーズの最新作だ。2019年の前作「Winning Post 9」で導入された,競走馬同士が好敵手として認め合う「ライバル対決」や,人や馬の絆をコマンドとしてさらなる成長や人脈形成を行う「絆コマンド」といったシステムは本作にも引き継がれている。
これに加え,前作プレイヤーからの要望も大きかった「Winning Post 8」の「子孫継承システム」が導入され,プレイヤーに伴侶や子孫といった家族ができるようになったのが大きなトピックだ。
前作の追加要素については,「こちら」のプレイレポートを確認してほしい。
有名馬が活躍したときなど,歴史の転換点には「馬仙白老」が登場,競馬の歴史を解説してくれる |
競馬の用語もゲーム内で確認できる |
新しくなった絆コマンドで,より戦略的に
本作のプレイングに大きな影響を及ぼしているのが,改良された絆コマンドだ。複数の効果を持つ選択型,特定期間にのみ効果を発揮する期間限定型,そして競走馬に永続的に効果を発揮する占有型が増えており,より戦略的に使えるようになった。
いくつかの絆コマンドは複数の効果を持つようになり,使用時に好きなもの1つを選べるようになっている。例えば「調教師との絆」なら「競走馬の調子を上げる」か「競走馬の疲労を癒す」。「現役牧場長との絆」なら「1歳幼駒のスピード育成度を上げる」か「種牡馬の評判を上げる」といった具合で,状況に合わせてどちらにも使える。つまり,1つの絆コマンドがプレイスタイルによって活用できるため,無駄がなくなったという印象だ。
期間限定型の絆コマンドも印象的だ。その中の1つである「心肺機能強化」は「競走馬のスタミナが4週間限定で上昇するが,疲労も上昇する」というもの。外せない大勝負の1か月前に使うのが有効だが,絆コマンドの使用回数には月ごとに制限があるため,そちらも確保しておかなければならない。能力をブーストする絆コマンドの魅力と,「Winning Post」シリーズらしいマネジメントの面白さがうまく組み合わさった感がある。
幼駒を育成する際に使う,永続的に効果を発揮してくれるタイプのコマンドも変化している。「Winning Post 8」から久々に復活した「アリスリード」がくれる「フューチュリティ・エール」などは良い例で,スピードと精神力が上がるが「絆効果枠」(1頭あたり2枠まで)が占有されるため,同系の絆コマンドは使えなくなってしまう。
プロデューサーの山口英久氏によると,今回は絆コマンドの入手からランダム性がなくなった一方,効果は抑えめになり,使うべきタイミングがよりシビアになるよう調整している(関連記事)とのことで,新しい絆コマンドによる育成に頭を悩ませることだろう。
プレイをより劇的なものとする「子孫継承システム」
最も大きな追加要素が「子孫継承システム」だ。プレイヤーが特定の条件を満たすとNPCの友好度が上昇し,やがて結婚できる。
友好度が上がる条件はNPCごとに異なっていて,例えば秘書の場合,「橘 もえぎ」は「国内のすべてのGIレースの優勝カップをコンプリートする」,「関屋未来」は「G1ライバル対決100勝」,新キャラクターの「姫神ノエル」は「特別な幼駒の誕生シーンに立ち会う」など。プレイスタイルや好みに合わせて相手を選ぼう。もちろん,前述したアリスリードも結婚対象になっているので「Winning Post 8」からのファンには嬉しいところだろう。
結婚してしばらくすると子供ができ,時間の流れとともに成長していく。子供たちは「勉強」「運動」「牧場」のパラメータを持っており,小学校,中学校,高校の入学時にいずれを重視するかを決める。そして要所要所でパラメータに応じ,騎手や調教師などの職業に就いてくれることもあるのだ。
結婚すると子供が誕生する |
要所では子供の教育方針を決められる |
小学校入学やクリスマスパーティーなど家族との触れあいを描くイベントが発?し,牧場主?活で疲れた心を癒してくれる。一方,牧場の馬が勝てないと「ウチの馬が勝たなくてつまんない」と嘆いたりもするので,改めて「もっと育成を頑張らないと!」と気持ちが引き締まる。
子供がどの職業に就くかが分からないのも面白い。ある時生まれた息子は,牧場のパラメータが高く,夏休みになるとポニー競馬に挑戦したがるほどの馬好きだった。末は騎手か調教師か……と,教育方針も牧場中心にしたものの,高校を卒業すると,なぜか競馬と関係のない公務員になっていた。あくまで進路は子供たちの意志次第というわけで,なかなかに難しいものがある。
娘の1人は待望の騎手になった。新人ということで能力は決して高くないのだが,自牧場の馬の主戦騎手に任命し,騎手の能力を上げる絆コマンドはすべて彼女に注ぎ込み……と,自分でもビックリするほどに可愛がってしまった。前作だと,自分と騎手の関係はビジネスライクなもので,個人的に騎手系の絆コマンドはもったいなくてなかなか使えなかった。しかし,今回は娘が対象となるので,そうしたためらいは一切なく,自分の馬に娘が乗って勝った時などは,いつもの何倍も嬉しく感じられた。子孫継承システムがゲームのモチベーションへ大きな影響を及ぼすのだ。
よりシビアになった育成と絆コマンドのマネジメント。そして意中の相手を射止めるためのプレイと,子孫たちとの物語。ライバル対決や絆コマンドによってエモーショナルなプレイを目指した「Winning Post 9」だが,「Winning Post 9 2020」になって,より目指すところに近づいた印象だ。「Winning Post 8」に入っていた子孫継承システムがなくなって不満だったという人も,本作ならより楽しめるだろう。
「Winning Post 9 2020」公式サイト
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