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敵味方入り乱れる戦いを制御せよ。「XCOM:チーム・キメラ」は一新されたターンシステムと共に,ドラマあふれる世界へと進化している
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印刷2020/04/27 12:00

プレイレポート

敵味方入り乱れる戦いを制御せよ。「XCOM:チーム・キメラ」は一新されたターンシステムと共に,ドラマあふれる世界へと進化している

 2Kは2020年4月24日,同社が展開する戦略シミュレーション「XCOM」シリーズの最新作「XCOM:チーム・キメラ」をリリースした。

画像集#001のサムネイル/敵味方入り乱れる戦いを制御せよ。「XCOM:チーム・キメラ」は一新されたターンシステムと共に,ドラマあふれる世界へと進化している

 今まで食ったパンの枚数と同じくらいエイリアンを倒してきた&倒されてきたコマンダー達にとって,“エイリアンたちと手を組んで戦う”というコンセプトの本作に対しては,悲喜こもごもの感情が渦巻いていることだろう。

 厳しく冷酷なXCOMの世界で,人類とエイリアン,ハイブリッドによる混成部隊はどんなドラマを繰り広げてくれるのか。本稿では,そんな「XCOM:チーム・キメラ」のプレイレポートをお届けしていく。

Steam「XCOM:チーム・キメラ」ストアページ


素早い突入から,敵味方が入り乱れる乱戦へ
行動順がアグレッシブに変化する新システム


 まずは簡単に世界観のおさらいをしておこう。「XCOM」シリーズは,対エイリアン特殊部隊・XCOMのコマンダー(司令官)となり,地球侵略を目論むエイリアンと戦うターンベースの戦略シミュレーションゲームだ。

 前作にあたる「XCOM 2」では,強大な力を持つエイリアン「エルダー」が率いる組織「アドヴェント」の侵略を受けて支配権を完全に奪われた地球を舞台として,レジスタンス組織となったXCOMの逆襲が描かれた。

 そして,本作の舞台となるのはXCOM 2の戦いでエルダーが打倒された5年後の世界。解放された人類と,エルダーに使役されていたエイリアンが共存する街「シティー31」は,戦後の混乱の中でも奇跡的に平穏を保っていた。

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 しかしある時,過激派によって市長の誘拐事件が発生。これを契機に,平穏の裏側でくすぶり続けてきた不満が噴出し始める。人間とエイリアンの友好の象徴だったシティー31が内戦状態となれば,この火種は世界中に飛び火し,再び戦乱が訪れる事は容易に想像できる。

 そうした事態を防ぐために結成されたのが,両種族の中でもよりすぐりのエージェントたちで構成された精鋭部隊「チーム・キメラ」だ。プレイヤーは部隊の指揮官として,シティーの平和を守っていくことになる。

すべて3Dで構成されていたシリーズ作品と異なり,本作ではイラストを用いたアニメチックなイベントシーンも挿入される
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 ゲームの開始前に,まずは全4段階から難度を選択することになる。XCOMシリーズは強烈な高難度で知られており,Steam版「XCOM 2」のクリア実績(難度問わず)の解除率は35%,最高難度のコマンダーに至ってはクリア実績が6%と,発売から4年が経過したタイトルとは思えない数値を叩き出している。

 ちょっと触れてみた限りでは本作でも難しさは健在なので,初心者は素直にノーマル以下の難度を選ぶことをオススメする。難度は後からも変更可能なので,とりあえずエキスパート辺りから開始するのもアリだが,後から難度を変えるという選択は頭に入れておこう。

難度以外のオプションとして,強制オートセーブでやり直しを封じるシリーズお馴染みの「アイアンマン」や,ミッション失敗が即ゲーム敗北に繋がる「ハードコア」,戦闘後の回復量の調整などが用意されていた。ぜひ挑戦してみたいところだが,今回は通常設定でプレイ
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 チュートリアルオプションをONにしてゲームを開始すると,さっそく導入ミッションが始まる。どうやら攫われた市長を奪還するのが,チーム・キメラ最初のミッションということらしい。

チュートリアルオプションをONにすると最初にチュートリアルミッションが展開される。ゲームシステムは過去シリーズと大きく異なるので,経験者であってもチュートリアルは体験しておこう
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 過去シリーズでは出撃メンバーを決定した後は即戦場に放り込まれていたが,市街戦がメインとなる本作では戦闘開始前に「突入フェイズ」が挿入され,強襲前の準備を行えるようになった。突入できるポイントはマップごとに複数用意されており,どのエージェントをどのポイントから突入させるかを選ぶことができる。

 ここで重要なのは,突入地点によって突入後の位置取りが変化するだけでなく,バフ/デバフなどの特殊効果が発生するという点だ。これにより,複数の突入地点からエージェントを突入させるべきか,それとも特定地点に集まって一気に突入するか,といった意思決定が生まれるようになっている。

同じ突入地点から戦闘に入ったエージェント同士はタイムライン上でも近くに配置される。また,先頭で突入したエージェントは先に行動しやすいようだ
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 突入経路とチームが決まったら,扉を蹴り飛ばして戦闘開始だ。エージェントたちは突入直後に敵を射撃する「ブリーチ・ファイヤー」や,突入直後の防御力を高める「ディープ・カバー」といった専用のアビリティを発動できる。

 また,エージェントの突入という事態に直面した敵ユニットは,その精神状態に応じて「反応レベル」が設定され,内容に応じて能力に補正がかかる。動揺して防御力が下がっているユニットを見つけたらさっさと倒してしまおう。“相手が動く前に殺る”が基本だった前作から“戦闘が始まる前に殺る”に切り替わったようなイメージだ。

特定の装備品(爆薬など)やアビリティを持つエージェントがいないと選択できない突入地点も存在する。他のエージェントが突入するためには,該当するアビリティを持つエージェントをスロットの先頭に入れなければならない
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この敵ユニットは突入を受けて「驚愕」状態となり,防御力が低下している。ブリーチ・ファイヤーで戦う前にあの世へ送ってやろう
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反応レベル
驚愕 防御力が低下する
※「防御力」が上昇すると,敵から射撃を受けた時の命中率が低下する。
警戒 通常通り
攻勢 突入シーケンスの終了までに無力化しなければ発砲する

 突入シーケンスが終了したらオーバービューの戦略シミュレーションパートがスタート。基本的な要素は過去シリーズと同様で,ユニットの手番が回ってきたら「移動」「射撃」「アビリティ」から2つまでアクションを実行できる仕組みや,障害物の裏に隠れることで敵ユニットの射撃の成功率を下げられる「遮蔽物」の仕様は引き継がれている。

移動とアビリティは自由な順番で,2回連続で移動したり,アイテムを連続で使うこともできる。ただし,射撃を行うと残りアクションの数に関わらず行動が終了するので注意
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 本作で最も大きく変化した要素はターンの進行システムだ。前作では勢力ごとにターンが巡って,勢力に所属するユニットをまとめて行動させる伝統的な形式が採用されていたが,本作では敵味方のユニットが交互に行動する。

 遮蔽物の横から射撃されると防御ボーナスが消える関係で,行動順を考慮せずに前に出るとすぐに側面を取られてしまうのだ。相手を撃破する優先順位を考えず行動していたら,チュートリアルミッションの攻略すら難しいだろう。

画面右上に表示される行動順をよく確認し,可能な限り相手の反撃を受けない動き方を考える必要がある。最もシンプルな解決方法は,行動順が早い敵をさっさと始末してしまうことだ
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 どうしても特定のエージェントを先に行動させたい場合は,1つのミッションにつき1回だけ,指定したエージェントを次の手番に行動させられるアビリティ「チームアップ」を使おう。コレ以外にも,アビリティの中には行動順を変動させられるものも存在するので,それも計算に入れてアクションを選びたい。

筆者が最も巨大な衝撃を受けたのは,初期のエージェントは誰ひとりとしてグレネードを装備していないということ。大きな遮蔽物に隠れられてしまうと攻撃するのも一苦労だ。市街で戦う以上,爆発物の使用は控えるべきということだろうか
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全エージェント共通のアビリティとして,隣接した敵に命中率100%の格闘攻撃を行う「制圧」も新たに登場した。威力は2〜3と低めだが,やはり100%命中というのは心強い。加えて,制圧で撃破した敵は戦闘終了後に情報リソースを提供してくれる
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 見える範囲の敵を一掃しても終わりではない。ひとつのミッション内に複数のエリアが存在する場合も多く,そういった場合は再び突入シーケンスに入り,すべてのエリアでの戦闘を完了させなければいけない。直前の戦闘で負傷したエージェントも継続して参加することになるので,そういった状況も考慮に入れて突入地点を選ぼう。

 エージェントは固有のキャラクターなので,1人でも死亡すれば即ゲームオーバーだ。ただし,HPをすべて失った場合でも即座に死亡するワケではなく,一時的に“失血”状態となって生き残り,タイマーが0になると死亡する。誰かが失血状態に陥ったらアビリティを使って止血するか,時間切れまでに戦闘を終わらせるしかない。

ひとつのエリアを制圧した後,エージェントのHPは半分まで回復する。とはいえ危険なことには変わりないので,あまり無茶はさせないように注意したい
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戦闘中に負傷したエージェントを撤収させ,戦闘アンドロイドに穴埋めをしてもらうことも可能だ。エージェントのように強力なアビリティを持たない代わりに,あらゆるアイテムや武器を装備できる
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 ここまでの要素を見ていると「単に難しくなっただけのXCOM 2じゃん」と感じられるかもしれないが,ちょっと待ってほしい。本作に登場するエージェントは全員が選び抜かれた戦士であり,いわゆる“新兵”が存在せず,初期時点で難しい要求にしっかりと応えられるだけの能力を持っている。

 例えば初期メンバーのひとりであるチェラブは常にシールドを装着しており,指定した味方への攻撃を1回だけ完全に無効化しつつエネルギーを溜める「キネティック・シールド」や,溜めたエネルギーを放出する「チャージド・バッシュ」を使用できる。

 キネティック・シールドを張った味方を囮にしてエネルギーを溜め,集まってきた敵をチャージド・バッシュで強襲する,といった特殊な戦い方をゲーム開始直後から楽しめるのだ。

キネティック・シールドを張る時は,同時に複数の敵に攻撃されないように注意したい
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チームを率いるリーダーのゴッドマザーは初期体力8。この時点でけっこう強いのだが,弾薬を2消費する範囲攻撃「キャスターショット」も所持しており,貴重な範囲攻撃持ちとして活躍してくれる
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 加えて,エージェントはどれだけ負傷していても次のミッションまでダメージを持ち越さない。たとえ残りHP1でも,なんなら失血状態のまま終わっても,入院期間を経ることなく元気に出動してくれる。

 とはいえ,大きなダメージを受けたエージェントは“スカー”と呼ばれる状態となり,その内容に応じたデバフを受けることになる。スカーが重複すると“ディープ・スカー”となってデバフが肥大化するので,早めに訓練プログラムを受けさせて治療してあげよう。

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カッツカツな時間と資源をやりくりして
街にはびこる3つの犯罪組織を打倒せよ


 チーム・キメラの仕事は戦闘そのものではなく,それによってシティー31の事件を解決して社会不安を解消することだ。戦闘を終えて本部に戻ったら,シティー・マップで現在の状況を確認しよう。

 シティーは9つのエリアに分かれており,それぞれ0〜5までの“社会不安ゲージ”が存在する。事件が放置されているエリアは社会不安が増大し,これが溜まった状態をさらに放置しているとシティー全体の「無政府レベル」が上昇する。無政府レベルが14に達するとチーム・キメラはシティー31から追い出されてゲームオーバーだ。

 そうならないために,チーム・キメラは1日に1つまで“目標”に対応できる。目標には戦闘を要する戦術目標「ミッション」と,戦闘を必要としない戦略目標「事件」が存在し,いずれにせよ対応の完了には1日を要する。

各エリアにフィールド・チームを配置すれば,毎週の収入や該当区画の報酬を増やすことができる。また,フィールド・チーム専用のアビリティを使えば,直接社会不安を低下させることも可能だ
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 目標を達成すると事件が解決するだけでなく,報酬として「クレジット」「エレリウム」「情報」などが手に入る。これらのリソースはアイテムの購入や強化,新規アイテムの製造など,あらゆる分野で必要になるので,必要なリソースに合わせて対処する目標を選ぼう。

 ただし,当日中に完了させなければいけない「重要ミッション」などが出現する場合もあり,すべての目標に対して完璧な対応をするのは難しい。チーム・キメラは資源も時間も何もかもが足りないづくしのカッツカツな状況なので,ここでも優先順位を考えて行動しなくてはいけない。

事件であればAPC(Armoured Personnel Carrier)を派遣するだけで事足りる。エージェントが負傷する心配はないが,対応を行う以上は時間を取られる点には注意したい。容易な事件に目を奪われ,重要目標を取り逃しては本末転倒だ
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 ミッションに失敗したり,ミッション中に民間人の犠牲者が出ると社会不安が増加する。前作では民間人が犠牲になっても特にデメリットは無かったが,本作では範囲攻撃で民間人を巻き込んだりすると大変なことになるので要注意だ。

ミッションに突入する前には予測突入オプションが表示される。参加する隊員や,携行するアイテムを決める参考にしよう
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 こうした社会不安の中核にあるのが,3つの犯罪組織「プロジェニー」「グレイ・フェニックス」「セイクリッド・コイル」だ。これらの組織を放置しておくとチーム・キメラに対する陰謀を実行し始める。というわけで,この3組織を討滅するのが当面の目標となる。

 しかし彼らもバカではない。やすやすと尻尾は掴ませず,最初の段階では組織の指導者すら不明な状態だ。組織を街から完全に追い出すには,情報を集める「基礎ミッション」,敵の計画を暴いて対処する「作戦」,組織自体の消滅をはかる「壊滅ミッション」の3つの段階を踏まなければいけない。

シリーズ経験者はなんとなく気付いたと思うが,彼らは前作におけるアドヴェントの“陰謀”と,「War of The Chosen」における“選ばれし者”を合わせたような存在だ。これだけでメチャクチャ迷惑な連中だということがよくわかる
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 そうした組織との戦いを有利に進めるためには,エージェントの増員や,装備の拡充といった強化も怠るわけにはいかない。

 新たな武器や防具,その他のアイテムを製造するためには「ファクトリー」で製造プロジェクトを稼働させる必要がある。時間と資源(エレリウム)が必要になるものの,完了すれば戦力を強化できる仕組みだ。

 過去シリーズでは専門の科学者や技術者を雇ってプロジェクトの時間を短縮したものだが,我がチーム・キメラにそんな予算はない。じゃあどうするかというと,エージェントをファクトリーに配置して製造にあたらせるのだ。当然だがファクトリー勤務中のエージェントは出撃できないので,配置するエージェントは注意して選ぼう。……なんだかレジスタンス時代よりもエージェントの扱いが厳しい気がするぞ。

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 もちろん,戦闘を重ねればエージェント本人も成長する。成長システムは前作に近いアビリティ取得型で,ランクが上がるごとに新たな能力を習得していく。習得できるアビリティが2種類ある場合は,そのいずれかを選ぶ形になるのも前作と同じだ。

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 さらにゲームを進めていくと,エージェントを1人選んで一定期間派遣する「特殊作戦」も利用可能になる。リソースやアイテムの獲得,社会不安の軽減といった効果に加えて,ミッションを有利にする特殊なバフをもたらしてくれる作戦も存在する。派遣中のエージェントはミッションに出られなくなるが,時間を有効に活用するためにも可能な限り派遣しておきたい。

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何をするにも必要なエージェントは,XCOM本部から定期的に派遣されてくる。雇用する際には3人の中から1人を選ぶ形式で行われるので,序盤は足りない役割を補完する形で人員を選ぶのが良さそうだ
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XCOMをドラマあふれる世界へと変貌させた
ユニークなエージェントとアドベンチャーパート


 今回,本作をプレイして強く感じたのは,世界観やストーリーを重視していたXCOM 2の姿勢が,さらに深くなっているという点だ。

前作における“評議会”の立ち位置にいるのが,上司にあたるケリー局長だ。真面目で冷静だが,かつての評議会に比べると人間味があるぶん馴染みやすい
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 それを象徴するのは,なんといってもチーム・キメラに参加するエージェントたちの存在だろう。本作に登場するエージェントは全員がユニークな存在で,その背景設定は細やかに作り込まれており,全員に固有の会話シーンも用意されている。

 さらにXCOM 2にはなかったアドベンチャーゲーム風の会話シーンが用意され,キャラクターの表情変化を強調したイラストでのビジュアル表現が採用されるなど,ドラマを盛り上げるための演出も随所に見られる。

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 それだけにキャラクターへの愛着も深くなり,プレイにも緊張感が生まれる。過去シリーズにおけるユニークユニットはスポット参戦が多く,ランダム生成のキャラクターを育成するのがメインだった事を考えると,これは劇的な変化と言えるだろう。

 これまでエルダーに従っていただけだと思われていたエイリアンの中にも,戦前から地球で活動していたと思しき存在が出現するなど,XCOMワールドはランダム生成されたゲームチックな世界(それはそれで良かったが)から,緻密な設定があふれる独自の世界へと変貌を遂げた。

 まだまだ序盤に触れただけなので,本作のゲーム内でどんな展開が待ち受けているのかは分からない。しかし,こうした変化はゲームプレイをより豊かにしているのは確かだ。

 そこに,最初から高い技能を持ったエージェントたちを活用できる戦闘システムが加わり,かつてのシリーズとは一味違った楽しみを味わえる作品となっている。歴戦のコマンダーはもちろん,まだXCOMの世界を知らないという人も,ぜひ進化した新たなXCOMを体験してみてほしい。

待機中にはXCOM 2のアヴェンジャーにおけるラジオのような会話が流れることもある。ついつい耳を傾けてしまう魅力も相変わらずだ
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アヴェンジャーの指揮を取っていた“セントラル”ことブラッドフォードや,先の大戦を勝利へと導いたコマンダーの存在を感じさせる報告書も読むことができる。ドクタータイガンやシェン,ドクターヴァーレンなど,シリーズに登場したキャラクターの現状も気になるところ
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