企画記事
PS5のリモートプレイで「FINAL FANTASY XVI」にチャレンジ。果たして外出先でも本格アクションRPGを楽しめるのか
そんな人の助けになるかもしれないのが,リモートプレイだ。これは,ネットワークを利用してPlayStation本体を遠隔操作し,ゲームを楽しめる機能のこと。
離れた場所にあるPCやMac,スマートフォン,タブレット,PS5,PS4から専用アプリ「PS Remote Play」を使ってPS5にアクセスする形で,PS5のゲーム(対応タイトルのみ)をプレイすることができる。
つまり,テレビやPS5本体が置かれていない寝室や外出先でも,PS5のゲームが遊べるというわけだ。
先日配信された「PlayStation Showcase 2023」では,PS5用のリモートプレイ用デバイスが公開され,話題となった。DualSenseコントローラと8インチのHDディスプレイが一体化したような外観で,Wi-Fi接続を利用してのPS5リモートプレイを楽しめるという。
現時点におけるリモートプレイと何が変わるのか(あるいは変わらないのか)は不明だが,今後の展開も気になる機能だ。
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本稿ではそんなリモートプレイを,主にスマホやタブレットで楽しむために必要な設定や環境などを紹介しつつ,果たしてリモートプレイでもFFXVIが問題なく楽しめるのかをレポートしよう。遠隔操作になる関係上,多少なりとも発生するタイムラグがどれくらい影響するのか,スマホで操作する際の問題はないかといったところまで含めてチェックしている。
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■PS5本体の設定
リモートプレイを利用するには,当然ながらネットワークに接続されたPS5本体が必要となる。また,システムソフトウェアは最新バージョンにアップデートしておかなければならない。
さらに,PS5本体とリモートプレイをする端末を紐付けるために,PlayStation Networkのアカウントが必要。
気になるインターネット接続回線については,速度5Mbps以上ならプレイ可能となっているが,推奨されているのは,最低15Mbpsのモバイルデータ接続またはWi-Fi接続だ。
リモートプレイを有効にするために,PS5本体での設定が必要。まず,ホーム画面から[設定]>[システム]>[リモートプレイ]を選択し,[リモートプレイを有効にする]をオンにする。
リモートプレイのために,PS5を常に起動させておく必要はない。レストモード中であれば,ネットワーク経由で起動させることが可能だ。ただ,そのための設定も必要になるので,[設定]>[システム]>[省電力]>[レストモード中に使う機能]を選択し,[常にインターネットに接続]および[ネットワーク経由でPS5の電源を入れる]をオンにしておく。
■リモートプレイに対応するスマートフォン端末
リモートプレイに対応するスマートフォンは,以下のOSを搭載したものになる。
●Android搭載のスマートフォンやタブレット
OS:Android 8.0以降
●iPhoneおよびiPad
OS:iOS 14.0以降,iPadOS 14.0以降
また,専用アプリ「PS Remote Play」のインストールも必要だ。iOS版はApp Store,Android版はGoogle Playから無料でダウンロードできる。
■コントローラの設定
スマホやタブレットでのリモートプレイでは,画面上に表示される仮想コントローラを使ったプレイになるのだが,DualSenseやDUALSHOCK 4など,PlayStationシリーズ用のコントローラをBluetoothで接続してプレイすることも可能だ。ただし,DualSenseコントローラやDUALSHOCK 4の一部の機能が使えない場合がある。以下のように,コントローラによって対応端末も異なるので,注意したい。
●Android搭載のスマートフォンやタブレット
DualSense:Android 12以降
DUALSHOCK 4:Android 10以降
●iPhoneおよびiPad
DualSense:iOS 14.5以降,iPadOS 14.5以降
DualSense Edge:iOS16.4/iPadOS16.4 以降
DUALSHOCK 4:iOS 13.0以降,iPadOS 13.0以降
Bluetoothで接続するには,まずコントローラの[PS]ボタンと[Share]ボタンを長押しして「ペアリングモード」にする。そして端末本体の設定でBluetoothをオンにし,コントローラ名を選択すれば接続完了となる。
■「FFXVI」でリモートプレイを試してみた
上記の作業が済んだら準備完了。必要ならリモートプレイ用の端末とコントローラを接続したうえで,PS Remote Playを起動し,PS5と同じアカウントでPS Networkにサインインする。
首尾よくリモートプレイができるようになったので,さっそくFFXVIを起動。編集部からは,「通勤・通学中の電車内など,外出時の空き時間にFFXVIのアクションを楽しめないか確認してほしい。オートアタックなども用意されているし」といった旨のオーダーを受けており,個人的にも外出時にいちいちDualSenseコントローラを持ち歩きたくなかったので,まずはiPhone 14 Pro単体でチャレンジした。
なおFFXVIのプレイモードは,アクションが易しめになる「ストーリーフォーカス」を選択した。
まずはオート機能を使わずにプレイしてみたが,これは仮想コントローラではほぼ無理という結論に。そもそもFFXVIの場合,召喚獣アビリティを発動するためには「アビリティ」ボタンを長押ししつつ「攻撃」または「魔法」ボタンを押す必要があるので,仮想コントローラでは,いわゆる「モンハン持ち」どころではない指使いが要求される。
そのうえで,仮想アナログスティックを使って主人公であるクライヴの移動とカメラの操作を行うとなると,もはや人間業ではないと感じる。
次に「オートアタックの指輪」と「オートスローの指輪」(敵の攻撃を受けそうになったとき,回避可能状態であれば,時間の流れが遅くなる)を使ってみた。しかし,仮想アナログスティックの位置がクライヴに被ってしまって画面が見づらく,やはりプレイは厳しい感じに。
そこでDualSenseコントローラを接続したところ,当然だがプレイは圧倒的に快適になった。ただスマホの画面は小さいため,複数の敵と対峙するような通常のバトルでは,相手の位置や姿といった表示が認識しづらく,やはりオート機能オフのプレイは結構厳しい。
こういった点から考えると,FFXVIのリモートプレイはスマホを持つのではなく,タブレットなどの大きな画面の端末を机などに置き,コントローラでプレイするスタイルのほうがいいだろう。
オート機能をオンにすれば,攻撃ボタンを連打しているだけで,プレイヤーが位置や姿を認識していない敵に向けても各種アビリティを撃ってくれるので,快適にプレイできる。
気になる通信によるラグも,大技のエフェクトが発生するときなど,データ通信量が多くなっていると思われるタイミングで少々画面がカクつくくらいである。
これは自宅のWi-Fi回線を使った場合も,編集部のWi-Fi回線から自宅のPS5に接続した場合も,モバイルデータ通信で接続している場合もあまり変わらないと感じた。
ただし,外出時にメインとなるであろうモバイルデータ通信接続によるデータ使用量は,PS Remote Playの「ストリーミングのビデオ品質」を標準に設定しても1時間あたり2.5GB,最高設定では1時間あたり6.8GBとなる。
データ量無制限プランを契約していない人の場合,数時間プレイしただけで上限に達してしまうだろうから,プレイできたとしてもこの点で苦しくなりそうだ。
まとめると,スマホを使ったFFXVIのリモートプレイには,コントローラ接続と高速で安定したWi-Fi回線,ゲーム内のオート機能がほぼ必須となる。さらに言えばスマホではなく,タブレットなど大画面の端末でプレイしたほうがいい。そうなると「そこまで環境を整える必要があるなら,リモートではない本来のプレイで楽しむのがいいのでは?」という疑問も沸いてくる。
少し視点を変えると,FFXVIはアクションパートとカットシーンが結構ハッキリ分かれており,特に序盤(プロローグ)は長めのカットシーンが多い印象がある。そのため「アクションパートをPS5本体でプレイして,カットシーンは通勤・通学時にリモートプレイで楽しむ」ということも考えたが,うまくタイミングを合わせられるものでもないだろうし,通信環境とデータ使用量が問題になりそうだ。
というわけで,全体の結論としては「PS5でFFXVIをプレイしていたら,家族がテレビを観たいと言ってきた」「深夜にプレイしたいが,リビングに行って灯りをつけて……とやっていると家族に迷惑がかかる」といったケースで,自室に移動してWi-Fi接続したスマホからリモートプレイで続きをプレイする感じが,現実的な落としどころだろうか。
ともあれ,リモートプレイを使うことにより,ゲームの遊び方の幅が広がるのは間違いないので,こういう手段があることを覚えておいて損はない。
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