プレイレポート
「バースセイバー」はキャラ創造がここまでできる。“うちの子”ゲームを運営して10年のサクセスによる新作ブラウザRPG
“創造webブラウザRPG”として開発されている本作は,オリジナルキャラクターの創作,いわゆる“うちの子”のキャラメイクに特化したタイトルだ。サクセスは,キャラメイク特化のブラウザSRPG「英雄クロニクル」を10年近くサービスしており,同じ開発チームが手掛けているのが,このバースセイバーとなる。
では,年号も変わって今の時代に作られたうちの子ゲームは,どのようなものなのか。キャラメイク部分を細かく紹介していこう。
うちの子はどんな世界から来たかが重要なキャラメイク
バースセイバーの舞台は,古代から未来まで,リアルからハイファンタジーまで,さまざまな世界が干渉しあう,並行世界も異世界も割となんでもアリな設定だ。しかし,異なる世界が干渉しあった結果,「災厄」と呼ばれる滅亡を加速させる現象が発生するようになってしまった。
そんな世界間トラブル解決のため,さまざまな世界から集まった有志は互助組織「ダーザイン」を結成。プレイヤーは,その実働部隊を率いる隊長の1人となる。
ようは「いろんな世界から集まったキャラ達が,協力していろんな世界の問題を解決していますよ」ぐらいの認識でいい。
さて,そんな本作の世界にキャラクターを作成するわけだが,公式の画像と適当な設定で捨てキャラを動かすのもテンションが上がらないので,週刊連載「Weekly 4Gamer」の看板娘である,くぬぎちゃんを作ってみることにした。毎週,連載内で服を脱ぐだけの何の設定もない女の子だが,4Gamer.netというゲームメディアにはマスコット的なキャラクターがいないのでしょうがない。
というわけで,くぬぎちゃん,どうぞ。
この画像をゲーム内に取り込んでいくにあたって,本作で使える画像サイズは3つ。128×128pixel(100KBまで)のアイコンサイズ,最大288×400(500KBまで)のカードサイズ,最大1280×720(3MBまで)のフリーサイズだ。
アイコンサイズはその名の通り,キャラクターのアイコン表示用。顔部分だけ切り抜くような感じだ。
カードサイズは,キャラクターのカード表示時に使うもので,NPCを見ていると,膝上や太ももの中間ぐらいから上の立ち絵となっている。
フリーサイズは,ベース画面に表示する立ち絵や背景,戦闘中のカットインなど,大きな画像を表示するのに使用する。
これから絵を用意する場合は,フリーサイズ用に大きなものを用意して,そこからの切り抜きでアイコンサイズやカードサイズの画像を作ると話が早い。
ファイル形式はjpg,png,gif。gifが使えるので,最大容量内に収められるのならアニメーションも可能だ(ただしカードサイズはアニメ非対応)。
画像を決めたら,次は属性の設定となる。本作の属性は,あまりファンタジー色が強くならないように色で表現されており,「黄」「青」「赤」「緑」だ。この4属性には相性が存在し,有利属性にはAT(攻撃力)アップ,不利属性にはダウン。これにどの相性にも左右されない「無」を加えた5つから好きなものを選択できる。
続いては,本作らしい設定の「世界相」を決める。これは,そのキャラクターがどのような世界の出身なのかを,9つのカテゴリから決定するというものだ。カテゴリは,魔法(Magic)や神秘(Mystic)を示す「M」軸,技術(Technology)や時系列(Time series)を示す「T」軸によって決まる。
例えば我々が住む現代であれば,魔法や神秘が存在しないのでMは低くリアル寄り,Tはそこそこな「ニュートラル・フィジック」という区分だ。
もし剣と魔法の中世ファンタジーからやってきたという場合は,Mが高くTが低い「オールド・ミスティック」,魔法は衰退したけど存在はしていて,科学技術が中心になった未来世界という設定であれば,Mはそこそこ,Tが高い「フューチャー・ニュートラル」という感じ。
システム的には,この世界相をどれにするかによって,出撃したミッションで有利不利が出てくる。中世ファンタジー世界の魔法使いは,似た世界なら活躍しやすいが,科学の発展した未来世界では調子がでないといった具合だ。
お次はパラメータを決める。パラメータはHP(ヒットポイント),SP(スキルポイント,MPのようなもの),AT(攻撃力),DF(防御力),IN(イニシアチブ。高いと行動順が回ってくるのが早い)の5つに分かれている。これらにポイントを割り振ることで,レベルアップ時の上昇値が大きくなっていく。
「英雄クロニクル」経験者の場合,「アタッカーは攻撃力に特化して,防御力は紙ぺらでいいんでしょ」などと考えがちだが,本作においては生存能力を捨てて極端なパラメータにすると,驚きの早さであっさり死ぬ。個人的には,ある程度バランスを取ったほうがいいと思うが,そこはまぁ,キャラクターの個性とプレイヤーの好み次第だろう。ターンの最初に盛大に攻撃して即爆発する,ミサイルみたいなキャラがいたっていいわけだし。
最後は,キャラクターの性能的な個性を決定するスキルの設定だ。本作ではメインスキルを1つ,サブスキルを2つ設定できる。メインスキルは,そのキャラクターの象徴的な能力として設定するもので,Lv.80までは無制限,以降はレベルアップしなければ1度しか付け替えができないという制限がついている。一方,サブスキルは自由に付け替えが可能だ。
単体を攻撃したい,全体を攻撃したい,バフをかけたい,デバフをかけたい,回復したいなど,さまざまな方向性に応えるスキルが用意されているので,自分のキャラクターイメージにあったものを選べばいい。
ちなみに,戦闘中は攻撃に関するスキルが一切なくても通常攻撃が可能であり,ここで全部支援系スキルを選んだからといって攻撃手段が一切なくなるというわけではない。
以上を設定したら,“マイキャラ”としてオリジナルキャラクターの作成が完了する。Weekly 4Gamerで毎週服を脱いでいるだけのくぬぎちゃんが,なぜかバースセイバーの世界に降り立つわけだ。
こだわりのうちの子の設定を全部ぶちこめ!
こうしてできたキャラクターは,まだ基本のデータが作られたにすぎない。サクセスのブラウザRPGらしさ,バースセイバーらしさによって,うちの子にこだわれるのはここからだ。
まずは設定まわりから充実させていこう。当然,大事なうちの子にはいろいろな設定があるわけで,それを書かないことにはほかのプレイヤーにまったく伝わらない。そのあたりはキャラシートおよび,キャラクターの自由記入欄を使えばいい。
キャラシートには短く紹介するテキストを,メインのゲーム画面とは別で表示される自由記入欄には長文や画像を入れられる。自由記入欄には先のフリーサイズ画像も使えるので,全身の立ち絵も入れやすい。
キャラシートを開くと,先ほど設定した各スキルが表示されるが,その名前は「全体攻撃B」とか「全体DF低下」とか,汎用的な名前になっている。「えー,そんな名前じゃつまらない,うちの子はもっとカッコイイ技を使うんですけど」というあなた,ご安心を。本作ではスキルの名前や説明文を自由に設定できる。
例えば,なぜかメインスキルが全体攻撃のくぬぎちゃんの場合,なんで服脱いでるだけなのに攻撃できるんだという話になる。そこで,服を脱ぐと謎の白い光が発生して,いろいろな規制を回避するために身体を隠し,ついでに敵も焼いてくれるということにしよう。自分でも何を言っているのかよく分からないが,そんな感じのスキル名とフレーバーテキストを入力すれば,はい完成。
キャラシートを満足できる形にできたら,お次はうちの子をしゃべらせたい。本作では,戦闘中やレベルアップなどの強化画面,各メニューにアクセスするためのベース画面など,うちの子が登場するほとんどのタイミングに合わせてセリフが設定できる。
セリフ設定は,項目の絞られた分かりやすいUIの「シンプル設定」と,何が何でもうちの子にあったセリフを満載したい人向けの「詳細設定」があり,どこまでやるかはプレイヤーのやる気次第だ。
詳細設定は本当に細かい。戦闘であれば,スキルごとにセリフを入れられるのはもちろん,自分の残りHPやかかった状態異常,相手がボスかどうかなどを参照してセリフを決められる。部隊プロフィールをほかのプレイヤーに見られたときや,マイキャラがフォローされた(ほかのプレイヤーの部隊に雇われた)ときの挨拶,ベース画面を開いたときや,ベース画面で一定時間放置したときのコメントなど,やりすぎかというぐらいに設定できる。
さらには,セリフの発生確率,特定のキャラクターに対してのセリフのオン/オフ,特定のセリフにリンクする形での追加発生など,発生方法の設定までも可能だ。
続いては,バースセイバーならではのだいぶおかしな要素を紹介したい。本作では,マイキャラを強化するにあたって,新たなスキルを習得させられる。また,攻撃時などに演出として使えるエフェクトや,ボイスも獲得できる。
ではそれらを手に入れる方法はなんなのかというと,「くじで引いたNPCからひっぺがす」である。くじから引いたキャラクターは,マイキャラと区別して“ネームドキャラ”という扱いになっている。ネームドキャラは,一般的なソーシャルゲームのように,仲間キャラクターとしてさまざまな設定や性能を持っている。もちろん,彼らを育成すれば,戦闘で活躍してくれる。
そして,ネームドキャラは仲間であると同時に,素材でもある。ネームドキャラを消費することで,彼らの持つスキルやエフェクト,ボイスなど,欲しいものを1つ選んでマイキャラに継承できるのだ。つまりは,マイキャラを好みの性能にカスタマイズしようと思ったら,そのスキルを持ったネームドキャラを手に入れて素材にしていくわけである。
ボイスに関しては,高レアリティの“キャラが立った”ネームドキャラの場合,継承しても微妙なことになりかねない。「なんとかかんとか斬!」とか言われても,うちの子の設定と合致しない可能性が高いからだ。無料のくじから獲得できるモブっぽいキャラクターには,汎用的に使える掛け声が設定されているので,彼らから声帯を奪うといいだろう。
戦闘は“よその子”を交えた10人編成
いろいろなキャラと協力することになりそう
こだわりのうちの子が活躍する場所は,主に戦闘だ。ネームドキャラをくじから引くことから伝わるかもしれないが,本作ではソーシャルゲームライクな分かりやすいコマンドバトルが採用されている。
プレイヤーは,5人の前衛,5人の後衛で最大10人のチームを編成して戦う。出撃するミッションには,複数の「WAVE」が用意され,エネミーを全滅させたら次のWAVEに移り,最後はボスを倒してクリアという流れだ。
戦闘中は,INの高いキャラクターから行動順が回ってきて,通常攻撃やスキルを使う。最初は前衛5人だけが戦う状態で開始され,後衛は控えに回っている。毎ターンの始めに,前衛と後衛のメンバーを入れ替え可能だ。
チーム編成で重要なポイントが,ほかのプレイヤーの部隊のマイキャラを編入できるということ。メインシナリオは自分のマイキャラとネームドキャラだけで戦わなければならないが,そのほかでは“よその子”が使い放題だ。どれだけ強いキャラクターであっても簡単に編入できるので,ソーシャルゲームでありがちな「高レアリティキャラを入手しないと周回できない」みたいなことは起こらない。
「それなら,めちゃくちゃ強い廃課金キャラしか活躍できないんじゃないの」と思うかもしれないが,ここはある程度緩和する仕組みが入っている。まず,1チームが10人と多いので,必然的にいろいろなキャラクターを編成することになる。
また,各ミッションにはそれぞれ世界層が,エネミーには属性が設定されている。つまり,周回するミッションによって得意なキャラクターがまったく変わってくるので,おそらくチーム編成は頻繁に更新することになるはずだ。
世界相について補足しておくと,キャラクターの出身世界との相性で有利になったり不利になったりするだけでなく,世界相がミッションと完全に一致していた場合は,最初からメインスキルの「CT(チャージタイム)」がマックスで戦闘が始まるという大きなボーナスがつく。
CTは毎ターン1ずつ溜まるもので,これを使ってスキルを発動する。スキルによって必要CTは異なり,メインスキルについては足りないぶんは,CT1につき100SPを消費すれば補填できる。
ようするに,戦闘が始まってすぐにスキルを使いたい,あるいは連発したいと思っても,本来は豊富なSPがないと行えない。しかし完全一致のキャラクターであれば,最初から活躍できるというわけだ。世界相のカテゴリは9つもあるので,どこでも最適解となる最強キャラクターを作るのは,本作では難しい。
うちの子ゲームといえば,欠かせないのがよその子との交流だ。サクセスのブラウザRPGらしく,よその子とは主に掲示板を使ってやり取りする。全プレイヤーが投稿,閲覧できる「本部BBS」,自部隊専用の「部隊BBS」,イベント期間用の「イベントBBS」などさまざまな掲示板が用意されているので,ロールプレイを楽しむといいだろう。
などと言いつつ,筆者がアクセスしたのはテストサーバーなので,よその子なんておらず掲示板を使いようがなかったのだが。くぬぎちゃんはテストサーバーと共に孤独に役目を終えるが,皆さんのうちの子には素敵なロールプレイを披露してもらいたい。
本作についてまとめると,サクセスらしいうちの子作成に特化したシステムを,分かりやすいコマンドバトルのソーシャルゲームの形に落とし込んだタイトルと言える。
「英雄クロニクル」に比べると,キャラクタービルドも分かりやすく,ややこしいダメージ計算を求められることもないので,かなり取っつきやすいゲームにはなったと思う。自慢のうちの子を作って,バースセイバーの世界に降り立たせてみよう。
なお,8月10日のリリースに向けて,事前登録キャンペーンが8月3日14:59まで行われている(関連記事)。ゲーム内特典がプレゼントされるので,こちらの登録を済ませておくといいだろう。
「バースセイバー」公式サイト
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