プレイレポート
剣戟アクション「Trek to Yomi」インプレッション。美しいモノトーンの世界と,スリルあふれる戦闘が魅力
本作は,日本を舞台にした剣戟アクションだが,開発するのは「Shadow Warrior」シリーズで知られるポーランドのFlying Wild Hogと,ロサンゼルスに拠点を置くLeonard Menchiariだ。モノトーンに統一されたグラフィックスと,本格的な時代劇風アクションが特徴的なタイトルとなっている。
今回は,リリース前のデモ版に触れる機会を得たので,そのプレイインプレッションをお届けする。本作の特徴的なビジュアルの魅力を紹介するため,記事内ではGIF画像も掲載しているので,雰囲気を感じる助けとしてほしい。
剣戟アクション「Trek to Yomi」の制作が発表。モノトーンで描かれる日本の風景が美しい,2.5Dのアクションゲーム
Devolver DIgitalが,Flying Wild HogとLeonard Menchiariが共同で開発する新作アクション「Trek to Yomi」の制作を発表した。街と愛する人々を守るとマスターに誓った若き剣士ヒロキが,邪悪な敵や超自然の存在を相手に剣を振るうという本作。モノトーンで描かれる日本の風景が印象的だ。
「Trek to Yomi」公式サイト
爽快感あふれる剣戟アクション
モノトーンが映える美しい演出の数々に注目
本作の物語は,主人公・大輝(Hiroki)が,幼いころに剣術の師範である三十郎の元で修行を積んでいたシーンからスタートする。
いつものように修練に励んでいた大輝だったが,突如として出現した謎の集団による襲撃に巻き込まれる。道場を飛び出していった三十郎を追いかけた大輝は,敵大将のもとにたどり着き,三十郎と力を合わせてこれを撃破する。しかし,三十郎は深手を負ってしまう。
死にゆく三十郎から遺言を受けた大輝は,命を賭してでも町を守ることを誓うのだった……というのが,序盤で語られるストーリーだ。
触れてみてまず驚くのは,全編モノトーンで表現されたグラフィックスの美しさだ。単に白黒にしているだけでなく,コントラストを強調した光の表現など,モノトーンを生かした表現を随所に見ることができる。
日本を再現した各種ビジュアルもかなり凝っており,区切りが大雑把な田んぼの様子や,長屋に住む人々の生活感など,ちょっとした要素にもこだわりを感じられた。風景を見せる引き気味のカメラワークも美しく,まるで映画の中の人物を操作しているような気分でプレイできる。
また翻訳も秀逸で,音声もすべて日本語だ。声優陣も豪華で,スタッフリストには加藤将之さん,梶田大嗣さん,大塚明夫さんといった,名前が並んでいる。
ビジュアルはもちろん,細かな演出や設定,言語に至るまで非常にこだわって作られており,「日本国内で作られた作品です」と言われても納得してしまいそうな出来栄えだ。
基本はステージクリア式のアクションゲームで,マップを自由に動き回れる探索シーンと,視点が横スクロール形式に固定される戦闘シーンが交互に展開される。戦闘と探索はステージの進行状況に応じてシームレスに切り替わり,ロードも挟まないためストレスなくゲームを進められる。
戦闘シーンでは,素早い「通常攻撃」と,相手のガードを崩す「重撃」,そして「防御」を使い分けて戦うことになる。通常攻撃は,方向キーとボタン入力で素早い連撃も放てるため,慣れていけば多彩なアクションを楽しめるようになる。
ただし,防御ばかりしていると「気力」が削られ,気力が切れると能力が大幅に低下する「疲労」状態に陥ってしまう。気力は防御だけでなく,各種の攻撃やダッシュといったアクションでも減っていくので,うまくゲージを管理しつつ戦わなければいけない。
非常にシンプルなシステムだが,実際にやってみると意外に難しい。防御による気力低下はかなり激しいため,間合いをはかりあい,相手の動きに合わせて攻撃を狙うのが基本になるのだが,スキを突いて攻撃を叩き込むのは簡単ではない。
そこで必要になってくるのが,相手の攻撃に合わせて一瞬だけ防御ボタンを押すことで発動する「受け流し」だ。受け流し成功時には相手の体制が崩れるので,その時間を使って気力を回復したり,反撃したりといったアクションを取れる。
さらに,受け流し成功時にタイミングよく攻撃ボタンを押せば,強力な反撃も行える。反撃成功時には少しだけ体力が回復するため,体力的に厳しい状況であっても積極的に狙うことで,状況を一気に好転させることも可能だ。
多くの敵は体力が低めに設定されており,複数の敵が出現した場合は(挟撃されない限り)時代劇よろしく1人ずつ切りかかってくるので,パターンを覚えれば弱い敵は簡単に撃退できるようになる。雑魚を切り捨てながらステージを駆け抜けるアクションは,爽快感抜群だ。
もちろん,ステージが進めば守りの固い敵も現れる。鎧を着込んでいる敵は,通常攻撃の通りが悪いので,スキを見計らって重撃を叩き込み,体制を崩さなければならない。そういった強敵は反撃も激しく,ちょっとしたミスで一気に体力を半分持っていかれることも少なくない。
慣れるまでは何度も死んでしまうが,マップに点在している「祠」に触れることで体力と気力が全回復し,死んでしまっても直前に触れた祠からすぐに復活できる。祠は戦闘シーンの合間にはほぼ必ず置かれているので,再挑戦がスピーディなのも嬉しいところだ。
探索シーンでは,使い切り型の飛び道具「棒手裏剣」などのアイテムを入手できるので,戦闘が終わったら祠を探しがてら探索を進めることで,ゲームを有利に進められる。
不満点があるとすれば,探索シーンではマップの行ける場所と行けない場所の区別が若干付きにくく,順路もやや分かりにくい点だろうか。何かしらの拾得物がある場所は強調されるのだが,そもそも脇道に拾得物が置かれていたりすると,どうしても見落としが発生してしまう。
ゲーム開始前に輝度の調整を行う場面があるなど,こうした探索を要する要素は意図した演出にも思えるが,やはり行けるかどうか分からないのはややストレスだ。場所の足元にちょっとだけ目印が表示されているだけでも,遊びやすくなるのではないかと思う。
デモ版はストーリーの第2章で終了となった。プレイ時間は約1時間程度だったが,全体的に非常にクオリティが高く濃密で,かなりのめり込んでプレイしてしまった。
単にビジュアルが個性的なだけではなく,時代劇チックなシビアな剣戟アクションとしっかりマッチしていて,さらに失敗時のリトライもスピーディなため,止め時が見つからず,デモ版でなければ,ぶっ続けで何時間も遊び続けていたかもしれない。
最終的なボリュームがどの程度になるかは分からないが,収集アイテムなども用意されているとのことで,やり込む余地もありそうだ。本作に興味を持った人は,製品版のリリースを楽しみにしておこう。
「Trek to Yomi」公式サイト
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