プレイレポート
Switch版「カーエックスドリフトレーシングオンライン」プレイレポート。シンプルな操作でドリフトが楽しめる
本作はカーシミュレーター系ゲームの中でも,“ドリフトゲー”と呼ばれるジャンルの作品だ。後輪を滑らせてカーブを曲がり切るスリルと爽快感が醍醐味だが,ややマニアックな題材なので,初心者にはとっつきにくい印象がある。
それでも本作は,同ジャンル作品の中でも比較的手軽にドリフトを楽しめるとのこと。発売済みのSteam版をプレイした先達からも「硬派なドリフトゲーを遊んだことがない人が最初に触れる作品としてはもってこいだよ」と,太鼓判をいただいた。
そこで今回は,リアル志向のカーレースゲームに一度も触れたこともない筆者が,ドリフトレースを楽しめるようになるまでの道のりをお届けしていく。
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アクセルとハンドリングだけでガッツリ曲がれる!知識ゼロから始める入門ドリフトゲー
ゲームを起動すると,さっそくモードを選択する画面が出迎えてくれる。いろいろなモードが並んでいるが,ドリフトで発生するポイントを稼ぐ「ドリフトレース」,タイムを競う「タイムアタック」あたりがメインコンテンツだろう。格好良くドリフトをキメるのが目的のゲームだけあって,メニューもスタイリッシュかつシンプルだ。
とりあえず「初心者らしくチュートリアルでもやるか」と思って探してみたのだが,どうやらそういったモードは存在しないらしい。
筆者は免許すら持っていないまったくの車オンチであり,「クラッチって何?」「ブレーキとサイドブレーキって何が違うの?」という知識レベルである。初心者向けと聞いて飛びついたのだが,カッチリとしたインタフェースといい,そこかしこから硬派な香りがムンムンと漂っている。……本当にちゃんと遊べるようになるのか不安になってきた。
画面を前にうなっていても仕方がないので,まずは本作においてベーシックなモードだと思われる「ドリフトレース」に挑んでみる。
基本の操作は[ZR]ボタンでアクセル(前進),左スティックで左右移動と単純で,意外と簡単に走らせることができた。そして,やや鋭角めにカーブに突入すると,タイヤが白煙を上げ,アスファルトにタイヤ痕を付けながら「ギュギュギュ!」と音を立ててドリフトが始まる。
ドリフトモードでは,ドリフトをするとゲージが溜まって“ドリフトポイント”が加算される。さらに長時間ドリフトを維持すると得点倍率が上昇していく。レースの結果は速度ではなく,ドリフトポイントの合計点で決まるというわけだ。
そうこうしているうちに次のカーブが迫ってきたので,さっきと同じ要領でドリフトの体勢に入る。しかし今度は,勢いそのままに車体がグルグルとスピンしてしまった。ドリフトの途中で車が停止したり,車体がスピンしたりした場合は失敗扱いとなり,ゲージもゼロになってしまう。
車体が進行方向に対して平行に近付くほどスピンしやすくなるので,カーブごとにうまい侵入角度を見つけなければならないようだ。それを考慮しつつ数回ほど走ってみると,ようやくスピンせずにコースを完走できた。よし,とりあえず動かせるようにはなったぞ。
ここらで,コントローラのボタン割り当ての中に,知らない単語がいくつか並んでいたのを思い出す。あらためて確認してみると,サイドブレーキが[B]ボタン,クラッチが[Y]ボタンに割り当てられ,[L][R]ボタンでギアの切り替えが行えるらしい。言葉の意味は分からないが,割り当てられているのだから何か重要な機能なのだろう。
確認した上で再度コースを選択すると,ロード画面のTipsに「サイドブレーキを使えば,すぐにドリフトを開始できます」と書かれているのが目に留まる。それに従い,カーブ中にサイドブレーキに触れてみると,あの独特な音と共に車がドリフト状態に入った。
ハンドルとアクセルの操作だけではドリフトが不安定になってしまう場面でも,このサイドブレーキを使えばすべてのカーブでギュイギュイとドリフトができる,というカラクリらしい。とくにタイヤのグリップが強めのクルマに乗っている時は,必須のテクニックになるだろう。
これに加えて,カーブ中にアクセルを入れすぎないように注意してみたり,大きくドリフトするときに反対方向にハンドルを入れてみたりと,工夫を重ねるたびにドリフトの継続時間がどんどん伸びていった。
そんなこんなで試行錯誤を重ねながら1時間ほどが経過した頃には,ドリフトのドの字も知らなかった筆者が,ドリフトを継続しながら複数のコーナーを曲がり抜けられるようになっていた。本来はもっと細かな技術を駆使して行うであろう連続ドリフトを,ハンドルとアクセルのコントロール,そしてサイドブレーキの操作だけでギュンギュン成功させられるのは,想像以上に爽快感のある体験だ。
テクニックを駆使してドリフトポイントを稼ぎ,コースやクルマをアンロック!
レースの中で得たドリフトポイントは報酬としてお金に変換され,レースの内容に応じた経験値(exp)も入手できる。貯まったお金を使えば新たなコースやクルマをアンロックできるので,各コースでドリフトを楽しみつつ新要素の開放を目指すことになる。
ポイント稼ぎで注目すべき要素が,ドリフト時に一定の条件を満たすともらえるボーナスだ。条件は「カーブに入る角度が良い」「長時間ドリフトが続いた」「ドリフトの角度が鋭かった」といったもので,難しいドリフトをたくさん成功させればモリモリとドリフトポイントが加算されていく。
さらに,各コースにはクリア時の指標となる3段階の目標が設定されていて,これを超えると得点が加算される。ポイントを稼ぐためにコースを何度も走っていると,少しずつ各コースの攻略方法が体に染み付き,稼げるポイントも増えていくわけだ。そしてポイントが溜まったら次のコースへ……。といった具合に,自然な感覚で上達しつつ新しい要素に触れられるようになっている。
また,クルマの性能がそれぞれ異なっているため,ハイスコアを狙うにあたっては,コースに合わせたクルマ選びも重要になってくる。
とくにハンドリング部分は操作感覚がかなり異なる。手動でしっかりとサイドブレーキを入れなければドリフトが始まらないグリップの強いクルマもあれば,ちょっとハンドルを倒しただけで簡単にスピンしてしまうようなクルマも存在する。
筆者のような初心者はひととまず,グリップ弱めで簡単にドリフトしてくれるクルマを使ってポイントを稼ぐのが良さそうだ。最初は若干のとっつきにくさを感じたが,ハンドル操作とアクセルの調整だけでドリフトが始まるので,スピンしない角度さえ覚えればラクにポイントを稼げるようになる。
導入部分こそ少々の不親切さを感じたものの,ゲームの手触りは非常に良好で,難しいドリフトの爽快感を手軽に味わえるように作られているのが分かる。レースゲーム初心者の筆者も,5時間ほどのプレイで“ドリフト”の奥深さを感じられるようになった。
個人的には「簡単ではあるものの,技術が不要なわけではない」というのが重要だと感じられた。最低でもハンドルとアクセルに関してはしっかりコントロールする必要があるため,初心者ながらに“気難しいマシンをうまく制御している感”を味わえるのだ。いわゆるドリフトゲーを“硬派なジャンル”として敬遠していた人は,この機会に本作でその爽快感に触れてみるのも良いかもしれない。
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