プレイレポート
「Park Beyond」プレイレポート。現実世界では絶対に作れない,刺激的で夢のあるパークを生み出す楽しさ
今回,本作のキャンペーンモードの冒頭部分と,サンドボックスモードを発売に先駆けてプレイできたので,そのレポートをお伝えしていこう。
本作はアミューズメントパークを自由に作り,経営していくが,初心者にも配慮し,遊び方や進め方をストーリー仕立てで学べるキャンペーンモードが用意されている。これは,親しみやすいキャラクターたちと関わっていくうちにシステムを覚えていけるというものだ。
キャンペーンモードをはじめると,まずはクラウドストーマー社のベテラン設計者フィルや,CEOのイジーからアドバイスを受けつつ,課題に取り組むことになる。その課題とは,寂れたパークを運営可能な状態に戻すこと。
まず最初に覚えるべきことは,パーク内に道を引く方法や,各アトラクションの稼働状況の確認方法だ。当たり前の話だが,道がなければゲスト(客)はアトラクションまでたどり着けないし,アトラクションが稼働していなければ遊ぶこともできない。これらをしっかり整えることが収入を得る基本となる。
道とアトラクションを配置してパークをオープンすると,さっそくゲストたちがやってきた。だが,ゲストはアトラクションよりも,なぜかケバブを売る店に列を作ってしまう。どうやら,お腹がすいた状態でパークに到着する人も多いようだ。
実はこのゲームでは,ゲストたちの空腹具合や喉のかわきといった「欲求」はとても重要な要素だ。それらを満たして「ハッピー度」を上げておくことで,客はパークにより長く滞在し,お金を使ってくれる。
混雑を軽減するため近くにもう一軒ケバブ屋を作ってみると,行列は多少はマシになった。
こんなふうにアドバイスを参考に営業を続けるうちに,少しずつパークの「人気」が上がり,入場者の上限が増えていく。客が増えれば収入はアップするが,同時に掃除などにかかるコストも増えるので,清掃員を配置するといった適切な管理が必要となる。パークの清潔度が下がってしまったら,さらなる人気アップは望めない。
また,エンジニア,エンターテイナーなど,適切な数のスタッフを配置することも大切だ。もちろん人件費は少ないほうが儲かるのだが,スタッフたちが疲弊していると,サービスを受けるゲストのハッピー度も下がり,パークからすぐ帰ってしまう。そうなってしまったら元も子もない。
ちなみにパークの状態を把握するのに便利なのが「ヒートマップ」機能だ。客のハッピー度が低い状態(黄色や赤)で表示されていたら,それに対応した施設を増やしていくことで状況が改善される。
ヒートマップで問題を見つけ,ひとつずつ手を打っていくうちに,いつの間にかパークには多くの人が訪れるようになっていた。そろそろこのパークにもジェットコースターが必要な時機が来たようだ。
ジェットコースターのレールはポイントを順番に指定し,手作業で引いていくこともできるが,「モジュール」のメニューから大砲や加速器,「プレハブ」のメニューからループやコークスクリュー,ターンなどを選んで設置すると比較的簡単に作ることができる。
操作を覚えるまで少し大変だが,慣れてくるとかなり自由な形のコースを作ることが可能だった。
ジェットコースターには「仕掛け」という要素があり,その条件を満たした構造にすることで客にとって魅力的なコースターを作りだせる。パークとして狙った客層に合わせたものを作ることも大切だ。
もちろんコースターには試乗することもできる。コースターから見える景色を意識してレールを引けば,しっかり絶景を楽しめるので,こだわって作ってみるのも楽しそうだ。
まだ開発中ということもあってか,チュートリアルはジェットコースターの完成後,ほどなくして終了となった。製品版のキャンペーンモードでは,ストーリーの続きを楽しみつつ,システムについてより多くのことを学んでいけるのだろう。
もう一方のサンドボックスモードは,その名の通りさまざまな要素に自由に触れられるモード。現時点では設置できるアトラクションや施設が限られているようで,チュートリアルとできることと大きな違いはなかった。ただ,最初からすべてのコマンドがオープンになっているので,まっさらな状態から,思い通りのアミューズメントパークを作っていくことができる。
パークをおおまかにいくつかのエリアに分け,東側は家族で楽しめるエリア,北側はお菓子とジャンクフードの王国,西は若者向けのアトラクションと絶叫マシン……といった具合にイメージを膨らませつつ,建設を勧めていくのはなかなか楽しい。小一時間も触れていると,なんとなくそれらしい形が整ってくる。
ジェットコースター作りも2度目となるとそこそこスムーズ。もちろん,ちゃんと作ろうとするとそれなりに手間はかかるが,試乗してジェットコースターからの眺めを楽しんだり,乗り場に向かって伸びるゲストの大行列を見たりしていると,がんばった甲斐があったな……と思ってしまう。
パークはきちんと運営することも大事だが,もっとも大事なのはゲストをどう楽しませるかというビジョンを持ち,実現させること。そのどちらも欠けてはいけないことを,本作のプレイ体験は教えてくれる。
以上,シミュレーションゲームを初めて遊ぶ人にも楽しんでもらうための配慮を随所から感じる本作。この手の建設・運営シムは,慣れている人ならいろいろ触っているうちに遊び方を理解できるが,初心者にとってはそもそも遊べるようになるまでのハードルが高いもの。
アミューズメントパークという,子どもから大人まで幅広い層が楽しめる題材を扱う本作が,シミュレーションゲームファンの裾野を広げてくれることに期待したいところだ。
「Park Beyond」公式サイト
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